農家のお話 - 栃木で新規就農

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Transcript 農家のお話 - 栃木で新規就農

農家のお話
岡田岳之
自己紹介
• 2000年4月フューチャー入社
• 2011年4月フューチャー退社
• 2011年4月より1年間農業研修
– 栃木県農業大学校未来塾
– 栃木県下都賀郡壬生町の農家さん
• 2012年2月に農地と家を賃貸
• 2012年4月より就農
– トマト、エダマメ、ブロッコリなど季節の野菜を約15品目
– 主に露地栽培だが、トマト雨よけのため50mハウス1棟、およ
び、育苗用の20mハウス1棟を保有
• 現時点(2013年8月)では就農2年目
1
農業を始めた理由
• もともと将来的には農業をやりたかった
– 前職10年、フューチャー10年、独立10年、余生を農業、とか考えてた
• IT業界から離れたい
–
–
–
–
デスクワークで体力が急速に落ちている
会社全体がハードワークで、早めに帰るなどの余裕を持つことが難しい
10年後も同じ仕事をしている自分が想像できない
最終消費者の顔が見えない
• 農業をしたい
–
–
–
–
–
–
–
身体を動かして、汗をかく仕事がしたい
自分で作ったものを自分で食べたらおいしそう
土にさわりたい
自分で事業をしたい
定年がない
モノ作りをしたい
日本の国債発行高が大きく、将来インフレになることを予測。お金よりもモノ
の価値が上がる
– 家族の近くへ帰りたい
2
農家の定義
• 農林水産省の定義による「農家」
– 経営耕地面積が10アール以上の農業を行う世帯又は過去
1年間における農業生産物の総販売額が15万円以上の規
模の農業を行う世帯
• 農地法の規定による「農家」
– 農地基本台帳(農家台帳と呼ばれることもある。また、農業
委員選挙人名簿とほぼ同一)に載っている人(意訳してま
す)
– 農家台帳にのっていない人は農地を借りられません。
– 手続きを面倒に思って正式に借りない人(闇小作)もいます。
– 農業の規制と言われるものはほとんどこれです。
• 税法上の「農家」
– 確定申告で、収支内訳書(農業所得用)を提出している人
• 自分で「農家」だと宣言している人
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農家の分類
• 農業経営はほとんどが自営業(農家)で、約8割が農業以外の仕事をしている。
• 多くの農家の主力商品は「コメ」だが、ほとんど兼業ではないかと推察。
農林業経営体数
農産物販売金額1位の部門別農家数
農業法人
21,627
1%
稲作
337
0%
麦・雑穀・等
個人
1,657,120
99%
合計
1,679,084 100%
地方公共団体
主副業別農家数
881,343
60%
8,110
6%
露地野菜
143,051
10%
施設野菜
81,654
6%
163,525
11%
花き・花木
38,341
3%
果樹類
主業農家
359,720
22%
その他作物
11,287
1%
準主業農家
388,883
24%
畜産
68641
5%
副業的農家
882,603
54%
合計
1,473,952
100%
合計
主業農家
準主業農家
副業的農家
1,631,206 100%
出典:2010年世界農林業センサス報告書
農業所得が主(農家所得の50%以上が農業所得)で、1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいる農家をいう。
農外所得が主(農家所得の50%未満が農業所得)で、1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいる農家をいう。
1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいない農家(主業農家及び準主業農家以外の農家)をいう。
4
農家に関連する人達
• 行政の関わりが深いことが特徴的
• 最近はネット企業も活動を始めている
種屋
販売
仕入
農家
直売所
JA
スーパー
市場
レストラン
ネット企業
資材屋
支援
許可
農業振興事務所
農業委員会
宅配/
ネット販売
消費者
農業公社
5
就農のポイント(苦労したこと)
• 就農計画
–
–
–
–
–
–
–
–
いちばん苦労したのはプランニング
本、ネット、ヒアリング、農業体験で情報収集
農業振興事務所/農業委員会との相談
年単位でのタスクと目標設定
売上/経費の予測と資金計画
作る作物の決定
販売先の選定
退職前に大まかな方向性は決めたが、研修中に細部調整
• 農地/家
– 農地は1年かけて探す予定だったので、無事見つかった
– 農業をやるためには「家」選びも大切(アパートじゃ無理!)
6
(参考)当初計画したタスクスケジュール
• 5年で「食えるようになる」ことを目標とする
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
★2011年2月末 退職
会社勤め
研修準備
★2011年4月 研修開始
農業研修
農地探し
★営農継続可否判断
★2012年4月 営農開始
営農初年度
営農2年度
営農3年度
営農4年度
営農5年度
7
(参考)当初計画した作物選び
•
•
•
利益率の高い露地野菜を対象として検討を進めていく
水田、畑、畜産は規模が必要で初期投資が大きく利益率が低いので対象としない
果樹は収穫まで時間がかかるので対象としない
8
(参考)当初計画した販売先
•
•
N
O
小分類
1
農協
出荷
2
小規模経営を前提とし、販売ルートは「直売所」を想定する。
余裕があれば、「自己配達」も考慮する。
買い手
価格
の付け
方
市場
規模
ブラ
ンド
規格
作物の
作り方
規模
長所
短所
• 規格が厳しい
• 比較的価格が安い
仲卸
競り
相対
全国
農協
厳しい
多量少品種
大規模
• 農協ブランドで出荷できる
• 大量に出荷ができる
• 規格化、および、技術指導の充実に
より農業技術の習得が比較的容易
市場
出荷
仲卸
競り
相対
県レベ
ル
個人
厳しい
多量少品種
大規模
• 直接市場に出すので中間マージン
がない
• 大量に出荷できる
• 個人ブランドなので信頼を得るまでは
価格が安い
3
直売
所
一般消費者
売り手が
値付け
市周辺
個人
緩い
少量多品種
小規模
• 比較的高い価格で売れる(ただし、
差別化が必要)
• 消費動向がつかみやすい
• 人気が無ければ売れ残る
• 大量に売ることは難しい
• 作物毎の調整があり手間
4
自己
配達
一般消費者
売り手が
値付け
市内程
度
個人
緩い
少量多品種
小規模
• 比較的高い価格で売れる
• 顧客からのフィードバックがえやすい
• 顧客の確保が困難
• 大量に売ることは難しい
• 配達の手間がかかる
• 特に顧客の確保が困難(ライバル多
い)
• 遠方なので再配達・期限超過のリスク
がある。またコミュニケーション不足に
よる行き違いの恐れあり
5
宅配
一般消費者
売り手が
値付け
全国
個人
緩い
少量多品種
小規模
• 比較的高い価格で売れる
• 顧客からのフィードバックがえやすい
• 市場規模が大きい
6
直接
取引
スーパー、
レストラン、
生協、など
相対(契
約)
市周辺
個人
厳しい
多量少品種
大規模
• 前もって量と価格が分かる
• ある程度の信頼を得てからでないと成
約しない
• 決められた量を作る必要あり
7
栽培
契約
大手食料品
チェーン、な
ど
相対(契
約)
全国
個人
厳しい
多量少品種
大規模
• 前もって量と価格が分かる
• ある程度の信頼を得てからでないと成
約しない
• 決められた量を作る必要あり
9
農家とIT
• メール
– ほぼ全員使ってます。携帯メール多し
• WEB
– 病害虫図鑑、作物の育て方、等々
ーーーーーーーー壁壁壁ーーーーーーーー
• facebook
• HP作成/ブログ
• 会計ソフト
• ネットバンキング
ーーーーーーーー壁壁壁ーーーーーーーー
• センサー/制御機器(番外かも?)
– 温度を感知してハウスの自動開閉、など
難
易
度
高
• 売上管理
• 工数管理
10
(参考)工数管理(その1)
11
(参考)工数管理(その2)
12
農家に関連する人たち、のIT
まだまだ、これから、といった印象
• 仕入れ先
– ネットで買うよりお店で買った方が安い
– そもそもネットで販売されていない商品がある
• 販売先
– JAの直売所は比較的進んでいる
• メールによる1日3回の販売情報提供
• 販売明細の月次レポート提供
• でもJAのネットバンクは適用が表示されなかったりする
– スーパーや個人直売所はまだまだ
• 何をいくつ売ったのか分からず、合計金額のみ
• どうもバーコードに生産者NOと金額のみ印字しているっぽい
• 個人直売所だと、レジで値引きをしている場合がある
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IT業と農業
• いちばん大きな変化は社員から事業主に
なったことだと思います。
項目
IT業
農業
身分
社員
事業主
働き方
チーム
個人
労働環境
蛍光灯の下
太陽の下
労働方法
頭脳労働
肉体労働
労働時間
長い
やっぱり長い?
(130~200時間/月)
乗る物
電車
軽トラ
通勤時間
遠距離通勤
1分ぐらい
汗
冷や汗
汗だく
体重
増える
なぜか減らない
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現状の課題
• 売上を上げて赤字の解消
–
–
–
–
栽培技術の向上
通年出荷
畑の効率利用
耕作面積拡大
• モチベーションの維持
– 収穫/出荷がないとサボる傾向あり
– やることはたくさんあるんですが。。。
• すいません。ITで解決できるとは思えない。。。
15
最後に
• ぼっちは寂しい
ので
• いつでも遊びに来てください
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