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盲学校教師のための
音声触図教材作成支援ツール
立命館大学情報バリアフリー研究室
山本健介
泉孝作・稲葉隼規
高吉大介・吉江孝太郎
樋口宜男
1
1.
研究の概要




2.
3.
研究の最終目標
音声触図システムの説明
音声触図教材の紹介
教師用ツールの必要性
開発したツールの紹介
実際の作成画面
2
研究の概要

本研究室独自の「音声触図」システムを用いて



全国の盲学校で一般に使える教材の作成
現場の教師が現場独自の音声触図を作成できる
ツールの開発
音声触図システムのパッケージ化

最終目標は全国の盲学校への提供
パッケージ
主体
•音声触図教材
共通で使用できる教材は
ある程度こちらで用意
•編集ツールなど
現場独自の音声触図を
素人でも簡単に作成できる
ツールの開発
(盲学校周りの地図など)
3
研究の背景

視覚障害者の実態



先天盲者数は約6万人→盲学校で教育を受ける
図形情報を学ぶ→「触図」を用いた学習
触図を用いた学習では解説表との対応が不便


文字情報が点字で表される
1枚の触図を理解するために数ページにわたる
付属の解説表を読む必要
4
音声触図の概要

触図を強押しすれば合成音声による案内が流れる


触図と画面の座標を等価になるよう調整
ウェブブラウザ上に音声領域を設定
北海道です
クリッ
ク
指でタッチ
タッチパネル上に触図
ブラウザで呼び出された画像
※触図をタッチすることでブラウザの画像をクリックしたこと
と等価になる
5
類似の製品

海外に同じく触図と音声を組み合わせた製品が存在

IVEO(アイベーオ)
IVEOと比較して
音声触図システムの利点
•価格面
•日本語読みへの
対応
•音声領域の割り
当て方の自由度
6
案内対象の違いと音声領域の違い
タイプ1
タイプ2
7
盲学校でのニーズを基にシステムの作成

実際に滋賀県立盲学校に何度も訪問し,評価と改良を繰り返す




2006年より音声触図システムについての評価を重ねた
システムの有用性は非常に評価される
理解の速度が上がったことを確認済み
音声触図システムに期待されるもの


授業で用いることができる教材コンテンツの充実
現場の教師が簡単に音声触図教材を作れるためのツールの開発
8
作成した音声触図教材

汎用性の高い図は教材コンテンツを作成


日本地図教材(都道府県案内,山脈河川案内)
経絡経穴教材(俗にツボの案内,理療科用)
都道府県案内図

山脈河川案内図
経絡経穴案内図
滋賀県立盲学校へ導入済み,授業での利用も
9
なぜ教師用ツールが必要か

教材の性質は2種類ある

教科書など汎用性の高い内容のもの
日本地図の教材など
 一度作ってしまえば広く使いまわすことができる
→こちらで用意することができる


現場独自で教えたい汎用性の低い内容のもの
盲学校周りの地図など
 その都度作成したり編集する必要がある
→教師用の作成ツールが必要

10
教材の汎用性の違いによる対応の違い
高
共通化できるコンテンツ
都道府県図
・一般向け
汎用性
山脈河川図
・一般向け
経絡経穴図
・一般向け
鉄道路線図
・一般向け
・特産
・人口面積
・歴史
・低学年用
・高学年用
・簡単説明
・理療科用
・WHO記号
・JR線のみ
・ローカル線
・乗り換え案内
フロアマップ
・部屋の案内
・図書の区画
フローチャート
・処理記号
・データフロー
街路図
・道路と建物
・道路と線路
(道案内用)
必要に応じて作成編集するもの
低
タイプ1
タイプ1・2複合
タイプ2
11
1.
2.
研究の概要
開発したツールの紹介


1.
2.
3.
3.
本研究では3種類のツールを提案
うち2種類のツールを作成
音声触図教材の作成手順を全て完結できる
「ドロー・編集ツール」
図の描画や音声領域の構成を自動で行う
「描画自動化ツール」
ネット上の画像などを触図に適した形状に変換
「触図用画像変換ツール」(実装せず)
実際の作成画面
12
階層的データ構造

図の描画から音声領域の設定までを一貫して行えるツール

点,線,領域という階層構造を持たせる
1
2
2
1
5
4
点①

3
1
3
線 1
領域 1
線の形を変更しても領域の
定義をし直す必要がない
中間データへ出力し,何度でも後編集可能に
新規開発ツール
中間データ
・触図印刷用原稿
・音声案内用データ
13
開発したツール1(ドロー・編集ツール)

手本がない場合
→白紙から図を描画できる

手本がある場合
→手本を背景として表示し,なぞるように図の描画ができる
手本とする画像
ツールの描画キャンバスに
背景として表示
14
ドロー・編集ツールでの具体的な作成方法
1.
2.
3.
階層構造に基づき点を増やして線を描画
線を選択して領域を構成
領域構成後に音声案内用テキストを設定
音声案内用テキストの設定
「岩手県です」
15
点、線自体を案内する図(タイプ2)
に対する領域設定
•点に一定幅の領域を付与する
(地図上で建物や目印を表す)
•線に一定幅の領域を付与する
(地図上で道路や鉄道を表す)
a
r
b
d
h
h
h
c
h
h
16
その他のツールについて




ドロー・編集ツールのみで音声触図教材を作成可能
図の描画から領域の設定まで全て使用者が行う
手本となる図の性質によって,描画や領域設定を
自動化できるものもある
画像処理を用いた作成支援ツールについて紹介
17
手本の種類
2.ネット上の画像
白黒,実線のみ
(白地図サイトより)
1.ネット上の画像
カラー,文字あり
(一般によくあるもの)
ノイズがある
3.教科書をスキャン
したもの
ノイズがない
4.頭の中の
イメージを元に
ペイントで描画
したもの
18
開発したツール2(描画自動化ツール)

ノイズのない画像を手本とする場合
→手本画像中から線を自動で切り出してキャンバスに描画
→描かれた線の結合から自動で領域を構成
領域1
手本とする画像
領域2
キャンバスに自動で描画し
領域の構成
19
考えられるその他のツール
(触図用変換ツール)

手本にノイズがあるが,
描画自動化ツールにて処理したい場合
→画像処理にてノイズのない画像に変換を行う
20
手本の分類と使えるツール
ノイズあり手本
ノイズなし手本
触図用変換ツール
手本なし
ペイントツール
(既存のもの)
ドロー・編集
ツール
描画自動化ツール
線切り出し機能
描画機能
閉領域構成機能
中間データ
背景に
音声領域
設定機能
入出力
入出力機能
出力
音声データ
立体コピー
21
2.
研究の概要
開発したツールの紹介
3.
実際の作成画面
1.

開発したツールを用いた教材の作成手順を,
実際の実行画面と共に紹介
1.
ドロー・編集ツールでの作成例
描画自動化ツールでの作成例
2.
22
ドロー・編集ツールを用いた作成手順
図の描画
1.
図の描画


2.
音声領域の設定
線,点の描画
下絵の表示
3.
出力
出力


触図に印刷
音声データに出力
音声領域の設定



領域構成のための図
編集
領域の設定
音声テキストの設定
23
図の描画
音声領域の設定
出力
1.図の描画


線を描画
下絵の表示
24
図の描画
音声領域の設定
出力
1.図の描画


点の描画
線や点の選択,削除
25
図の描画
音声領域の設定
出力
2.音声領域の設定

領域構成のための図編集
26
図の描画
音声領域の設定
出力
2.音声領域の設定


線を選択し閉領域を作成
音声テキストの設定
27
図の描画
音声領域の設定
出力
2.音声領域の設定

閉領域構成可否の自動チェック機能
28
図の描画
音声領域の設定
出力
2.音声領域の設定

線や点に一定幅の領域を付加する

対象を選択し幅を決めると自動で領域を構成
京都市
紀伊山地
29
図の描画
音声領域の設定
出力
3.出力


触図に印刷
音声データに出力
30
描画自動化ツールを用いた作成手順
線の切り出し
1.
音声の設定
分岐点(端点)から分岐点(端点)を切り出す
領域の自動構成

線の結合を辿り閉領域を構成

その他の機能

3.
不要点除去
線の自動切り出し

2.
領域の構成
不要な点の除去
ドロー・編集ツールにて音声テキストの設定

中間データをドロー・編集ツールで再現
31
線の切り出し
領域の構成
不要点除去
音声の設定
1.線の自動切り出し


特徴点の抽出
分岐点(端点)から分岐点(端点)を1本の線として切り出す
32
線の切り出し
領域の構成
不要点除去
音声の設定
2.領域の自動構成

線を結合し閉領域を構成
33
線の切り出し
領域の構成
不要点除去
音声の設定
その他の機能

不要な特徴点の除去

線の概形を変えない最低限の特徴点の座標のみを残す
(データ量軽減のため,触読に必要な精度を確保)
線自動切り出しツール内での
不要特徴点除去の様子
ドロー・編集ツール(後述)にて
除去後の画像を確認した様子
34
線の切り出し
領域の構成
不要点除去
音声の設定
3.ドロー・編集ツールにて音声の付加


ドロー・編集ツールにて中間データの再現
構成された領域の確認と音声の付加
35
盲学校での評価

完成したツールを滋賀県立盲学校へ導入
数種類の教材の作成を行った



現場の教師が音声触図教材を作成できた
2種類のツールを組み合わせることで作成時間が短縮で
きた
課題


ドロー・編集ツール
→操作が多く,インタフェースの改良が必要
描画自動化ツール
→実験に使った図よりさらに複雑な図を処理する場合の
精度の向上
36
まとめと今後の予定

まとめ




音声触図システムを用いた教材を作成した
音声触図教材を現場の教師が作成できるツー
ルを試作した
教師が音声触図教材を比較的簡単に作成でき
たことを確認した
今後の予定


全国の盲学校で利用できるように,教材,ツー
ル類をHPからダウンロードできるように
http://www.rits-higuchi-lab.jp/TVG/
37