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情報コミュニケーション学入門D
性の身体コミュニケーションの現在
2008年6月3日(火)3限
和泉211
平山満紀
簡単な自己紹介
• 平山満紀(ひらやままき)
• 情コミ&文兼任講師 「身体コミュニケーション」
• 江戸川大学社会学部人間心理学科身体論コー
ス 専任教員
• 専門:社会学、身体論
• テーマ:コンピュータ時代の身体と身体文化
• 個人サイト 「平山身体文化研究室」
http://www.hirayama-body.com/
• 大学生の広い意味での性教育の重要性
性を原理的に考えると
• 単性生殖/有性生殖
• 有性生殖とは、異なる個体の生殖細胞を完
全に合一させることで、新たな生命を生み出
すこと。個体の死もここに始まる。
• 有性生殖をする個体同士、また生殖細胞同
士は強く求め合う。
• 水生動物の性行動は産卵。陸生動物の性行
動はセックス。セックスは海を作り出す行為。
• 個体が、異質性に対し最も深く自らを開く行
為。
恋愛と性
• 恋愛と性 発生がまったく違う。
• 両者が一致する幸せな体験もあるが、別の原理に従っ
ている。
• 「恋愛、結婚、性」の三位一体(恋愛した人とのみセック
スし、結婚するべきだという規範)近代的ロマンティック
ラブ、近代家族の規範 西洋19世紀に確立 日本でも
明治以降教育され、1960年代大衆化。
• 日本では1980年代頃より、互いの結びつき弱化、しか
し現在も、ロマンティックラブ、近代家族規範の強い人
たちも。
• 川村邦光『性家族の誕生』ちくま学芸文庫2004年
性の身体コミュニケーション
• 最も親密
NHK調査「愛情表現」全年代で1位
• 氣が通い合う スポーツとは違う爽快さ。
• 相手を感じあい、相手が気持ちがよくなるように与
え合う。勘の世界。即興のコラボ演奏のような。
• 自分の限界を超えることも多い。
• 限界を超えたときに快感が大きい。
オーガズム
エクスタシー
• しかし、強制や侵入のある暴力的コミュニケーション
もある。
日本の伝統的な性の民俗
• 「恋愛、結婚、性」の三位一体とは遠い。
• 性教育 13~15歳 第二次性徴とともにセックス
の実地教育 「ふんどし祝」「お歯黒祝」 信頼でき
る大人が初交、懇切丁寧に手ほどき。
• 子どもも性から遠ざけられず、子どもの性体験も。
• 夜這い (娘、女中、後家、かか、・・・)誰が誰に
通ってよいかのローカルルールに従って。
• 祭り 厄落とし 御詠歌講 出稼ぎなど多くの行事
はセックスの機会
• 性は聖(⇔西洋 性は汚らわしい。生殖のための
必要悪)
• 性にあるアジワイ 技能+人格的熟成 単に好
色、上手というのをこえた、男として女としてのア
ジを育てた。
• 村や町の共同体の絆が強かった。性的な誘いは
日常茶飯で巧み。
• 避妊しない。できた子は誰かが引き取る。
• 父も、自分と似ていない子を育てて平気。
• 色道も高度に発達。浮世絵春画、艶句、民謡・・・
など発達。 門口で医者と親子と待っている
• 明治以降 夜這いの取締まり。純潔教育。婚外
セックスの罪悪視へ。色道、性文化衰退。
赤松啓介『夜這いの民俗学・夜這いの性愛論』ち
くま学芸文庫 1994年→2004年
参考データ
• セックスの体験率 1999NHK調査(無作為抽
出 全国調査)
男16~19歳36% 20代79% 30代97%
女16~19歳36% 20代87% 30代96%
『日本人の性行動・性意識』NHK出版 2002年
• 男子大学生セックス体験率の変化
1947年15.6%、1964年21.4%、1974年2
3%、1981年33%、1999年63%
渋谷知美『日本の童貞』文春新書 2003年
現代日本人の性意識、性行動
・90年代以降、性行動は全体としては鈍っている。
• そのころから「セックスレス」問題化。
• 「妻だけED」問題化。(問題化≠問題状況増えた)
• ここ数十年でみると初体験年齢低下。
• しかし、若者世代の性への関心全体として低下。
• 若者世代 性意識、性行動で二極分化。
• 情報化→性情報の氾濫 生身の相手なしの性欲解消。
• アキバ系?生身の女性でなくゲームやアニメのキャラク
ターに恋愛と性の相手を見出す人たちも。
渡部伸『中年童貞』扶桑社新書 2007年
玄田有史・斎藤珠里『仕事とセックスのあいだ』朝日新書 2
006年
若い世代 身体や感覚の変化も
• 成人年齢でも幼児体型の人増加(アキバ系?)
腰が発達せず性行動困難。
• 不潔恐怖、潔癖症も。
• 女性の性感鈍化?セックス下手になった?
「モア・リポート」
『MORE 2007年5月号』
• オーガズムを得たことがある
1980年54。0%→2007年39.6%
• オーガズムを得たことがない
1980年5.0%→2007年35.8% 激増
国際比較にみる日本人の性
• DUREX社 世界41カ国調査
http://www.durex.com/jp/
• 年間セックス回数
1位ギリシャ(138回)、2位クロアチア(134回)
3位セルビアモンテネグロ(128回)・・・39位インド
(75回)、40位シンガポール(73回)、41位日本
(45回)
・性意識「自分の性生活は幸せだ」1位ベルギー(5
7%)、・・・40位日本(24%)、41位中国(22%)
国際的に見ると稀なほど回数少なく、幸福感乏しい
幸せな性のための
実践的な結論としては
• セックスレスの多い、幸福感の乏しい、上の年代
の性意識の影響から脱する。
• 近代化以前の日本の性の文化から多くを学ぶ。
性生活の幸福感の高い外国から学ぶ。
• 情報の洪水から身を守る。
• 身体コミュニケーションの機会を増やす。
• 男女とも性的アプローチをすることを恐れない。
• 感染症を防ぐためコンドームは初めからつける!
• 性は存在の原点。生涯追究しつづけてください。
そのほか参考文献
• 蛭川立『性・死・快楽の起源』福村出版1999
• 池田弥三郎『性の民俗誌』講談社学術文庫
1958、74年→2003年
• 白倉敬彦『春画で読む江戸の性愛』洋泉社2
005年
• 加藤秀一『<恋愛結婚>は何をもたらした
か』ちくま新書 2004年
課題
• 日本人の性の身体コミュニケーションの現状
について、歴史的変化、国際比較をふまえて
まとめてください。
• それについての自分の考えを述べてください。
• 質問、意見は自由に書いてください。