日本車の未来 ~憧れを喚起させるクルマづくりを目指して

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Transcript 日本車の未来 ~憧れを喚起させるクルマづくりを目指して

日本車の未来
~憧れを喚起させるクルマづくりを目指して~
塚田ゼミナール
Cチーム
西山雅章 新井亮平 坪田真吾 野澤香織
1
はじめに
「とにかく
売れれば
よい」
効率一辺
倒
世界から名指しで買ってもらえるような個性的で魅力ある車の必要性
それに伴う日本の車文化の活性化の重要性
日本
???
研究目的
自動車大国
北米市場
上記のようなことを達成し、
明るい日本車の未来を築くにはどうすればよいかを考える
2
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はじめに
1章 日本車の自動車業界・概説
1-1 日本の自動車産業
1-2 昨今の現状と問題点
1-3 中国の脅威
1-4 日本車に足りないもの
2章 光岡自動車
2-1 光岡自動車の歴史と概要
2-2 大蛇-オロチ3章 オロチの存在意義と可能性
3-1 日本での存在意義
3-2 世界へ向けて
おわりに
3
第1章
日本の自動車業界・概要
4
1-1 日本の自動車産業
第二次世界大戦後
モータリゼーションの開花
日本の自動車産業
輸出の成長
5
米国市場
日本の輸出車
貿易摩擦
現地生産
低価格・高品質
6
1-2 昨今の現状と問題点
出所:ttp://www.dbj.go.jp/japanese/download/pdf/indicate/no083.pdf
全体の生産台数増に比べ国内販売が不振
7
国内四輪車新車販売台数推移(出所:JAMA)
6000000
メーカーは採算の悪い小型車・軽自動車を生産しつつ、
5000000
4000000
ガリバー自動車流通研究所の調査
高級車や海外市場で利益を確保
『自動車に対する興味関心調査
(20歳~50歳対象)』
「車は単なる移動手段」
44%
2000000 日本自動車産業の衰退
3000000
登録車販売台数
軽自動車販売台数
「車は単なる移動手段」
原油価格高騰
という人の増加
中国
2003年
2004年
2002年
2000年
2001年
1999年
1998年
1996年
1997年
日本よりも更に「価格・品質」で
優位性を持った車が
アジアから参入
1995年
0
2005年
1000000
低燃費車=軽自動車
安い車=軽自動車
への人気集中
環境問題
8
中国の脅威
• 2004年「自動車産業発展政策」
9
【販売面】
今年、販売台数は日本を超える
1-11月の累計販売台数は約645万台
中国国内の自動車販売台数は通年で700万台
を超える予想
ドイツを越え世界第2位になる予測もある
なお日本は1-11月の販売台数は、533万台である
今年約600万台の予想
10
【輸出面】
• 輸出に関しては世界的に見て中国自動車企業はまだ微々た
る物。
世界屈指の価格の安さを武器に
• 今年の輸出台数は予想で約25万台。これは昨年度の約16
万台の56%増。
輸出が増加し、今後10~20年すると
• 金額で言えば今年度200億ドル(2兆円)に達すると予測。
輸出大国となる可能性が高い!!
• 輸出国先は東南アジア・中東・アフリカ・ロシア・南米と主に
世界的自動車がないところが中心。
• 最近ではドイツに中国自動車企業のブリリアンスチャイナが
中華の輸出を決定したり欧州上陸も視野に向けた自動車会
社がある。
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1-4 日本車に足りないもの
徹底したコスト削減
日本車の優位性
「欲しい車が無い!」
短いサイクルでの新製品開発
「低価格・高品質」
もっと個性に溢れた
マーケティング最重視の車づくり
人々から憧れをもたれるような車はないのか?
同じような車が氾濫
画像http://www.toyota.co.jp/
http://www.honda.co.jp/
http://www.daihatsu.co.jp/index_f.htm
http://www.suzuki.co.jp/
http://www.nissan.co.jp/
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いわゆる「スーパーカー」
価格や性能、様々な点において
フェラーリ日本にはこのような車がない
ランボルギーニ
ポルシェ
世界には・・・
かつては・・・
日本には
そのためには
「スーパーカー」のような車が必要!!
「採算度外視」の『挑戦的な車づくり』
車そのものが人々の「憧れ」だった
が必要!!
車が大衆化し当たり前の存在となる
車そのものに対する「興味・関心」の欠如
電化製品のごとく「単なる移動手段」
車文化の衰退
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第2章
光岡自動車
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2-1 光岡自動車の歴史と概要
光岡自動車
1968年に設立された日本で10番目の自動車メーカー
資本金:2億2700万円
従業員数:598名(2005年9月現在)
グループ売上高:371億円(2005年9月期)
光岡
トヨタ
ホンダ
日産
資本金
2億2700万
3970億
860億
6058億
売上高
371億円
210369億
99079億
6600万
94282億
15
部門別売上比
ブブ中古車
事業
39%
約144.7
億円
開発車事業
7%
約26億円
正規輸入車
ディーラー,
54%
約200.3
億円
•
(出所:光岡自動車)
利益の大半を輸入車、中古車事業で得ている
→その利益を開発事業に投資
16
光岡の商品
光岡の車はどれも他の
国産メーカーには見られない独特なもの
大手国産メーカーの
(マイクロカー、軽自動車、ミディアムセダン、
フレームから自社で
車両をベースに
5m超の大型車、リムジンなど
作り上げる製造車
ボディに仮装を施し
様々なジャンルで展開)
た改造車
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画像 http://www.mitsuoka-motor.com/
日本では手をつけられていない分野へ自由な発想を持って挑戦
企業理念:
「独創的なクルマに乗る喜びを、
光岡「ゼロワン」
より多くの人に伝えたい」
日本ファッション協会生活文
化賞受賞
光岡は「挑戦的なクルマづくり」を
東京モーターショー配布パンフレット(2005年):
通商産業省(現経済産業省)
実践している企業!!
『夢を叶える「挑戦」。
選定グッドデザイン商品選出
常に「挑戦」を繰り返す「実行力」が
光岡自動車の「力の源」』
http://www.mitsuoka-motor.com/
数ある自動車メーカーの中でもデザイン性に
富んだ車をつくっている
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2-2 大蛇-オロチ-
画像 http://www.mitsuokamotor.com/
光岡が最も力を入れて開発に取り組んだ
完全オリジナルカー
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2001年の第35回東京モーターショーでコンセプトカーとして登場
独創的で夢のある我々にしかできないスーパーカー
組み立てが手作
業であることと、希
少価値の必要性
から
大蛇-オロチ-
「憧れ」を抱か
せる価格。コ
車名の由来:「大蛇(日本
ストが高いが
市販化予定を発表、5年かけて型式認定を取得
性能に見合っ
の神話であるヤマタノオロ
「ファッションスーパーカー」
たものとする
2006年10月予約開始。納車は2006年1月から
チ伝説に由来」をイメージ
ためにこの価
したもの
格に
http://www.mitsuoka-motor.com/
生産台数:年間100台で4
年間400台限定
価格:1050万円
エンジン排気量:3310cc
コンセプト:「ファッションスーパーカー」速さを競うのではな
く快適に乗りこなせ、圧倒的な存在感のある車。
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同価格帯スポーツカー比較
車種名
最高出力(馬力)
最大トルク(kg
/m)
車重(kg)
価格(万
円)
大蛇
233
33.4
1580
1050
ポルシェ カレラ
325
37.7
1440
1097
シボレー コルベットZ06
511
64.9
1440
945
ロータス エキシージCUP
240
247
24.1
900
996
メルセデスベンツ SL350
245
35.7
1730
1082
ジャガー XK
304
42.9
1690
1130
エンジン性能など「走り」の性能に関しては他の同価格帯スポーツカーより劣る
つまりオロチは性能ではなく
デザインなど他の面で「スーパーカー」の要素を持っている! 21
スポーツカー
(走行性能を重視した車)
極めて性能
が高く、デザ
イン面など圧
倒的な存在
感を持つ車
スーパーカー
オロチはスポーツカーの中でもデザイン面など
「ファッション性」のみに秀でた「スーパーカー」であると言える。
極めて独創的!
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第3章
オロチの存在意義と可能性
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3-1 日本での存在意義
現在日本にはオロチのような
「憧れを抱かせるスーパーカー」は存在しない
しかし・・・ 国内新規登録台
年生産台数(世
界)
数(シェア)
「スーパーカー」を欲する消費者
約5000
407(8.1%)
フェラーリ
(主に富裕層)は多い!!
約1500
148(9.9%)
ランボルギーニ
日本の富裕層が日本の「スー
約55000
1033(1.9%)
ポルシェ(911)
パーカー」を買うことによって、
海外メーカーに顧客を奪われている!?
129(2.9%)
アストンマーチン 約4400
合計
人々の関心も高まるのではない
か!?
1717
約65000
24
オロチは車離れしている日本人に「憧れ」を取り戻してもらうきっかけとなる車
(販売店インタビューより)
「ファッションスーパーカー」という新たなジャンルの確立
レクサス LF-A コンセプト
2005年の各国際モーターショーで
大手メーカーを刺激
何度か出品されたコンセプトカー。
http://www.drivingfuture.com/auto/lexus/u3eqp300000011ns.php
ライバルに世界有数の「スーパー
カー」の名をあげており、価格・性
能ともに発売されれば日本屈指の
「スーパーカー」となる可能性を秘
める。
25
3-2 世界へ向けて
「ファッションスーパーカー」という独自の車を
世界でも通用すれば、
世界へ拡大させるには?
更に国内での関心も高まる!!
オロチは海外戦略の旗頭であり、
「ファッションカー」という光岡独自の
新たな分野の先駆者として
光岡の海外事業は現在、
海外成長の可能性を秘めている
アジア4カ国で販売特約店契約を交わしていることのみ
(開発者インタビューより)
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欧州のスーパーカー
エンツォ・フェラーリ(フェラーリ)
創始者の名を冠した限定生産車。F-1直系の高性能と
デザインを兼ね備えている。
排気量:5998cc 価格:7850万円 生産台数:400台
http://www.nikkei.co.jp/style/quick/0049/index.html
ムルシエラゴ LP640(ランボルギーニ)
同社のフラッグシップ「ディアブロ」の後継車。LP640は
更なる高出力化が計られている。
排気量:6496cc 価格:3090万円
http://www.drivingfuture.com/auto/lamborghini/u3eqp3000
00061xv.php
年間生産台数:約500台
カレラGT(ポルシェ)
ポルシェで最高、日本でエンツォフェラーリに次ぐ価格
がつけられた限定車。ポルシェ独自の技術が数多く盛
り込まれている。
http://www.carview.co.jp/magazine/special/porsche_carrer
aGT/exterior.asp
排気量:5733cc 価格:5070万円 生産台数:1500台
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欧州のスーパーカー
オロチ
オロチ=「ファッションスーパーカー」
大排気量エンジン
(5000cc超)
燃費の悪さ
http://www.autobyteljapan.com/ncar/newmodel/f430/index.cfm
必要最低限の出力のエンジン
(排気量3310cc)
環境へ配慮
http://www.mitsuoka-motor.com/
これからの「スーパーカー」の
環境規制への
環境規制へも
対応が困難 ひとつのあるべき姿 柔軟に対応
http://catalogue.carview.co.jp/LAMBORGHINI/GALLA
RDO/latest/overview.asp
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http://www.porsche.com/japan/jp/models/911/911-carrera/
日本メーカー
メイドインジャパン・スーパーカー
オロチ
「ファッション
スーパーカー」
世 界
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スーパーカー+日本独自の高い技術力を生かした優位性
トヨタ・アレサンドロボルタ
2004年ジュネーヴモータショー
で発表されたハイブリッド・ス
ポーツ・コンセプトカー。
イタリアの名門デザインハウスが
デザインを担当し、トヨタのハイ
ブリッドユニットを搭載。
http://autos.goo.ne.jp/motorshow/conceptcar/maker/italdesign/c30999901.html
レクサス・LF-A ハイブ
リッド
「レクサスの上級ラインナップにはすべてハイブリッド」というトヨタの意向に従
えば、LF-Aにもハイブリッドユニットが搭載される可能性がある
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おわりに
光岡・オロチの挑戦
日本の車文化の活性化
実績
魅力ある車が溢れる
「メイドインジャパン・スーパーカー」
日本メーカーを刺激
より個性のある、「憧れ」を喚起させる車の登場
「新たな自動車大国」へ
の開発競争
消費者
消費者
消費者
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参考文献・資料
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立花啓毅『愛されるクルマの条件』二弦社,2004年.
三澤一文『なぜ日本車は世界最強なのか』PHP研究所,2005年.
日刊自動車新聞社『自動車ガイドブック2005‐2006 vol.52』社団法人日本自動車工業会,2005年.
『日経ものづくり 2006年5月号』日経BP社
『ザッカー 2005年10月・11月号』三栄書房
『ゲンロク 2002年9月号』三栄書房
http://www.jada.or.jp/
http://www.jama.or.jp/
http://www.j-cast.com/
http://www.mitsuoka-motor.com/
http://www.jdpower.co.jp/
http://lab.glv.co.jp/modules/m_report/list_02.php?list_id=411
http://ja.wikipedia.org/
http://www.toyota.co.jp/index.html
http://www.honda.co.jp/
http://www.nissan.co.jp/
http://www.mazda.co.jp/home.html
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/
http://www.subaru.co.jp/index.html
http://www.jaia-jp.org/jws/11j/2005fyshasyu.htm
http://www.porsche.com/japan/jp/aboutporsche/overviewpage-annurep0506/
http://www.drivingfuture.com/car/porsche/nw021217_01/index.htm
http://waga.nikkei.co.jp/vehicle/car.aspx?ichiran=True&i=20061020h1000h1&page=1
http://www.lamborghini.co.jp/release/release05/1115.html
http://car.nifty.com/cs/catalog/car_1/catalog_050902000117_1.htm
http://www.hobidas.com/auto/newcar/article/newcar07_000702.html
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