Transcript 第4章
第4章 在庫管理
p.47-68
1
在庫管理とは
教科書 p48~53
2
在庫 = 品物が、倉庫にあること。ストック。
管理 = そのものを△全体にわたって掌握
し(絶えず点検し)、常時意図する
通りの機能を発揮させたり 好まし
い状態が保てたり するように
する
こと。
Shin
Meikai Kokugo Dictionary, 5th edition (C) Sanseido Co., Ltd. 1972,1974,1981,1989,1997
3
1.在庫の機能
何故在庫が必要なのか
↓
在庫を持つことでメリットが生じる
例: 販売のたびに仕入れる手間を省ける。
商品をすぐに販売できる。
4
2.在庫の種類
1.移動在庫
商品の生産・加工・移動などにかかる時間を少なくする為
の在庫。平均的には以下の式で計算できる。
移動在庫=平均売り上げ(需要)数量×移動に要する時間
2.組織在庫
仕入れと販売、原材料の調達と製造などの別々の二つ
のシステムをスムーズに結びつける為に必要となる在庫
組織在庫は、在庫を持つ理由によってロット在庫、安全在
庫、季節在庫の三つに分けられる。
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(1)ロット在庫
ロット(lot)とは、まとめて製造ないし仕入れる
ひとまとまりの単位を示す。その大きさに関
係して必要となる在庫をロット在庫という。
例) 大量に仕入れると割引が受けられるとき仕入れたロット
で、さしあたっての必要量以上の在庫 等
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(2)安全在庫
予測のできない需要の変動に備えて余分に
とっておく在庫を安全在庫という。
例) 品切れを防ぐために多めに仕入れた場合の多めの部分
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(3)季節在庫
予想される季節的な需要の変化に対応する
ために持っておく在庫を季節在庫という。
例) 季節的に需要に大きな変動がある製品の場合、需要
のピークに備えて在庫の量を増やしておく
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3.在庫の費用
在庫を多く持てば備えはよくなる。
しかし、ただ資源を保管していたのでは
そこに費用が発生する。
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1.在庫費用の注意点
費用には以下の二つがある
現金の流出があるもの
→現金費用
直接には現金の流出がないもの
→機会費用
機会費用
倉庫の空きを利用して得られたであろう利益や節約の
機会を見逃す事による本来あったはずの節約額
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2.在庫費用の種類
(1)調達費用
①発注費用 ②段取り費用
(2)在庫費用
①在庫維持費用 ②過剰在庫費用
③在庫切れの費用(在庫不足の費用)
(3)システム費用
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(1)調達費用
一回の調達ごとにかかる費用で、発注費用と段取り
費用がある。
発注費用→仕入れに関わる事務処理上の費用
段取り費用→生産に関わる準備費用
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(2)在庫費用
在庫を持つこと、あるいは持たないことから発生する
費用で、在庫維持費用、過剰在庫費用、在庫切れ費
用(在庫不足の費用)の三つがある。
在庫維持費用
投下資金(機会費用)、保管、損耗、保健よる費用。
過剰在庫費用
商品に需要が無くなったときになお残っている在庫の費用
在庫切れの費用(在庫不足の費用)
需要があるにもかかわらず在庫切れでその需要に応じられない場合
の損失、または費用
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(3)システム費用
在庫管理の方法によってその大きさが変わってくる
費用である。
例) 今までバラバラだった発注を
一括して行えば発注費用を
節約できる。
在庫管理のデータ処理を改
善すれば人件費の節約に繋
がる。
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最適在庫量
一般に、在庫は多すぎても少なすぎてもい
けない。この両者のバランスをとり、在庫にか
かる費用が最小になるようにしなくてはならな
い。総費用が最小になる在庫水準を最適在
庫量といい、これを決定するのが在庫管理の
中心的な問題である。
15
最適発注量と発注
システム
経営情報入門 P54~
P62
H103062 中川 末吉
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1-1.最適発注量とは
在庫に関わる総費用を最小に保つために、仕
入の際、適正に発注する量のことを最適発注
量(Economic Order Quantity :EOQ)という。
メリット:発注費や段取り費の節減、事務処理
や輸送費の節約、大量購入による割引
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1-2.最適発注量の公式①
○例題:4-1 新店舗の家電コーナーでは、あるメーカー
の電球の年間需要量が1,000個あるとする。電球
の仕入れ価格は100円、売値は130円とし、発注の
たびに電話代および手数料が50円かかる。また、
在庫とするには在庫維持費用が1個あたり10円(在
庫金額10%)かかるものとする。このとき、一度に1
年分の電球1,000個をすべて発注すると、発注費と
在庫維持費用の合計である総費用は、いくらになる
か求めなさい。
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1-2.最適発注量の公式②
<解答>年間の在庫量を図で見て考
えると、平均在庫量は三角形の高さ
の半分、つまり500個。次に在庫維持
費用は1個あたり10円なので、
500×10=5,000円
である。また、発注費は1回だけなの
で50円。よって、総費用は、
5,000+50=5,050円
となる。
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1-2.最適発注量の公式③
○例題:4-2 例題4-1で、発注回数を年に
2回とし、500個ずつ発注すると総費用
はいくらになるか求めなさい。
<解答>平均在庫量4-1と同様に、図か
ら250個であるとわかる。よって、在庫
維持費用は、
250×10=2,500円
となる。また、発注費用は年2回だか
ら、50×2=100円。よって総費用は、
2,500+100=2,600円
となる。
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1-2.最適発注量の公式④
○例題4-3発注回数をいろいろと変えた場合の1回の発注
量、在庫維持費用、発注費用、総費用を元絵目なさい。
また、例題を定式化し、グラフを作成し、さらにEOQ
<最適発注量の決定>
公式により、最適発注量を求めなさい。
発注回数
1回の発注量
在庫維持費用
発注費用
総費用
1
1,000
5,000
50
5,050
2
500
2,500
100
2,600
10
100
500
500
1,000
20
50
250
1,000
1,250
50
20
100
2,500
2,600
100
10
50
5,000
5,050
200
5
25
10,000
10,025
500
2
10
25,000
25,010
1,000
1
5
50,000
50,005
21
1-2.最適発注量の公式⑤
<解答>
<ⅰ.定式化>発注回数をNとすると、総費用TCは、
TC(総費用)=(在庫維持費用)+(発注費用)
=(平均在庫量×1個あたりの在庫維持費用)
+(1個あたりの発注費用×発注回数)
={(1,000÷N)÷2}×10+50×N
=5,000÷N+50×N
と定式化できる。
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1-2.最適発注量の公式⑥
<ⅱ.EOQ公式>
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1-2.最適発注量の公式⑦
■ 例題のグラフ化
24
2-1.発注システムとは
発注から入荷までに要する時間を調達時間または、
リードタイム(Lead Time)という。
*リードタイム中にも需要は発生している。
→品切れを起こさないように発注しなければならな
い。その手段として、
①定量発注システム
②定期発注システム
がある。
25
2-2.定量発注システム
定量発注システムとは、発注量を一定量に
コントロールして在庫を管理する方法。ま
た、発注する基準となる在庫水準を発注点
という。
26
2-3.定期発注システム
定期発注システムとは、発注時点を定期的
に固定しておき、基準とする在庫量に対し
て足りない分だけ発注する方法。
27
オペレーションズ・リ
サーチ
経営情報入門p62~p68
H103058 月岡健一
28
ABC分析
販売金額が大きい商品と、小さい商品とをそ
れぞれ異なる基準で管理することで、全体と
して最適な管理状況を実現しようとするもの。
重要な商品の在庫管理の強化、販売金額の
小さいものには手にかけないようにするため
の分析方法。
在庫管理や原材料管理にこの手法が用いら
れる。
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パレート図
販売金額の高い商品
から左から右へ順に並
べる
販売金額を累積してい
き、累積折れ線グラフ
を作成する。
A、B、Cとグループ分
けする。
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ABC分析による在庫管理
グループ分けのポイント
Aグループ
少数の商品の種類でかなり多くの販売金額となる商品群。
商品点数は全体の5~20%だが販売金額は50~70%を
占める。
Cグループ
商品点数は多いが、販売金額は小さい。商品点数では全体
の50~70%を占めるが販売金額は10~20%にしかなら
ない。
Bグループ
AグループとCグループの中間に位置し、商品点数は全体
の20~30%。販売金額も20~30%になるような商品群。
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管理基準と商品の発注方法
Aグループ:厳密な在庫管理を行い、できるだけ在庫を圧縮し、
かつ品切れ防止に注意。発注は、少量ずつひんぱんに行う。
Cグループ:在庫管理にあまり手間や費用をかけない。ある程
度の在庫量を設定し、この保有量を割ったらまとめて一括発
注する。
Bグループ:AグループとCグループの中間的な管理基準とし、
発注もある程度まとめ、発注費用の削減を考える。
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4.コンピュータを使ったABC分析
例題4-7
新店舗地下1階には、お菓子の
販売コーナーを大きなスペース
で設置しようと計画している。こ
のお菓子の店で、取扱商品と単
価・年間販売数量が左のとおり
であったとして、このデータにより、
コンピュータを使ってABC分析を
しなさい。
<取扱商品と販売金額>
単価
商品名
(
円
)
年間販売数
量
販売金額
(円)
チョコレー
ト
100
27,000
2,700,000
風船ガム
50
3,200
160,000
キャラメル
90
32,000
2,880,000
キャンディ
30
35,000
1,050,000
せんべい
150
1,200
180,000
あられ
170
1,000
170,000
アイス
80
1,900
152,000
ビスケット
55
660
36,300
ようかん
110
11,500
1,265,000
えびせん
120
3,000
360,000
クッキー
200
1,500
300,000
33
例題4-7の解答
並び替え
<取扱商品と販売金額>
商品名
チョコレート
単価(円)
<取扱商品と販売金額>
年間販売数量
販売金額(円)
100
27,000
2,700,000
風船ガム
50
3,200
160,000
キャラメル
90
32,000
キャンディ
30
せんべい
商品名
単価(円)
年間販売数量
販売金額(円)
キャラメル
90
32,000
2,880,000
チョコレート
100
27,000
2,700,000
2,880,000
ようかん
110
11,500
1,265,000
35,000
1,050,000
キャンディ
30
35,000
1,050,000
150
1,200
180,000
えびせん
120
3,000
360,000
あられ
170
1,000
170,000
クッキー
200
1,500
300,000
アイス
80
1,900
152,000
せんべい
150
1,200
180,000
ビスケット
55
660
36,300
あられ
170
1,000
170,000
ようかん
110
11,500
1,265,000
風船ガム
50
3,200
160,000
えびせん
120
3,000
360,000
アイス
80
1,900
152,000
クッキー
200
1,500
300,000
ビスケット
55
660
36,300
⇒
34
例題4-7の解答
<取扱商品と販売金額>
売上比率の計算
商品名
単価(円)
年間販売数量
販売金額(円)
売上比率
キャラメル
90
32,000
2,880,000
31.1
チョコレート
100
27,000
2,700,000
29.2
ようかん
110
11,500
1,265,000
13.7
キャンディ
30
35,000
1,050,000
11.3
えびせん
120
3,000
360,000
3.9
クッキー
200
1,500
300,000
3.2
せんべい
150
1,200
180,000
1.9
あられ
170
1,000
170,000
1.8
風船ガム
50
3,200
160,000
1.7
アイス
80
1,900
152,000
1.6
ビスケット
55
660
36,300
0.4
9,253,300
100
合計
35
例題4-7の解答
<取扱商品と販売金額>
売上比率累計の計算
商品名
単価(円)
年間販売数量
販売金額(円)
売上比率(%)
売上比率累計(%)
キャラメル
90
32,000
2,880,000
31.1
31.1
チョコレート
100
27,000
2,700,000
29.2
60.3
ようかん
110
11,500
1,265,000
13.7
74.0
キャンディ
30
35,000
1,050,000
11.3
85.3
えびせん
120
3,000
360,000
3.9
89.2
クッキー
200
1,500
300,000
3.2
92.5
せんべい
150
1,200
180,000
1.9
94.4
あられ
170
1,000
170,000
1.8
96.2
風船ガム
50
3,200
160,000
1.7
98.0
アイス
80
1,900
152,000
1.6
99.6
ビスケット
55
660
36,300
0.4
100.0
9,253,300
100
合計
36
例題4-7の解答
パレート図の作成
例題4-7のパレート図
120.0
100.0
売上累計 %
80.0
85.3
89.2
92.5
94.4
96.2
98.0
99.6
100.0
アイス
ビスケット
74.0
60.0
60.3
40.0
20.0
31.1
0.0
キャラメル
チョコレート
ようかん
キャンディ
えびせん
クッキー
せんべい
あられ
風船ガム
商品名
37
例題4-7の解答
ABC分析
・キャラメルとチョコレートをAグループ、ようかんとキャ
ンディーがBグループ、その他の商品をCグループ
に分ける。
・グループ分けにより、Aグループ、Bグループのキャラ
メル、チョコレート、ようかん、キャンディの在庫管理
の強化をすることにする。
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