講義資料(6月9日講義分)

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薬品分析学3
宿題(締切: 5/28分; 田中の部屋前のカゴ)
2 以下の化合物がサイズ排除クロマトグラフィーから溶出してく
る順を答えなさい。
NaCl
ショ糖
リゾチーム
答 1) リゾチーム, 2) ショ糖, 3) NaCl
演習
3 以下の化合物A, BのRf値を求めなさい。
A
3.6 cm
2.8 cm
B
1.2 cm
吸い上
がった
溶媒の
先端
演習
3 以下の化合物A, BのRf値を求めなさい。
A
A:
B:
Rf値 = 2.8/3.6 =7/9
Rf値 = 1.2/3.6 =1/3
3.6 cm
2.8 cm
B
1.2 cm
吸い上
がった
溶媒の
先端
宿題(締切: 6/5; 田中の部屋前のカゴ)
4 以下の化合物のRf値を求めなさい。
吸い上
がった
溶媒の
先端
3.2 cm
3.0 cm 2.8 cm
4.0 cm
1.0 cm
5 ある化合物が順相系TLC上で上に上がりすぎた。TLC上の位置
を下げるためにはどうすれば良いか。
宿題(締切: 6/5; 田中の部屋前のカゴ)
4 以下の化合物のRf値を求めなさい。
吸い上
がった
溶媒の
先端
3.2 cm
3.0 cm 2.8 cm
4.0 cm
1.0 cm
左: Rf値 = (3.0−1.0)/(4.0−1.0) = 2.0/3.0 =2/3
宿題(締切: 6/5; 田中の部屋前のカゴ)
5 ある化合物が順相系TLC上で上に上がりすぎた。TLC上の位置
を下げるためにはどうすれば良いか。
順相系TLC
逆相系TLC
化合物の極性 ↑
Rf値 ↓
Rf値 ↑
展開溶媒の極性 ↑
Rf値 ↑
Rf値 ↓
分析対象の化合物は変えられない
上記の表から展開溶媒の極性を下げればRf値が下がる。
高速液体クロマトグラフィー (HPLC)
High Performance Liquid Chromatography: HPLC
高速液体クロマトグラフィー
装置構成
圧力計
インジェクター
高速液体クロマトグラフィー (HPLC):構成
移動相:液体(有機溶媒または水溶液)
ポンプ:移動相液体を加圧して高速で流す装置
移動相組成制御装置(後述)
カラム:充填剤(固定相(&担体))を充填された化合物分離の場
分離モード: 吸着、分配、イオン交換、サイズ排除、
アフィニティ
溶出順による分類: 逆相、順相
検出器:カラムから溶出した化合物のリアルタイム検出の場
記録計:検出された信号強度の記録装置
チャ−トレコーダー (chart recorder)
高速液体クロマトグラフィー (HPLC):構成
検出器:カラムから溶出した化合物のリアルタイム検出の場
紫外可視吸光光度検出器: 紫外光•可視光を吸収する化合物
(= 紫外可視領域に吸収帯を有する化合物)
示差屈折計: 紫外可視領域に吸収帯がない化合物
蛍光検出器: (紫外可視領域に)蛍光を有する化合物
電気化学検出器: 酸化還元を受けやすい化合物
質量分析計: 溶出化合物の質量がわかる検出法
LC/MS (Liquid Chromatography/Mass-Spectrometry)
その他の検出法: 放射性核種検出器、NMR、赤外吸収(IR)等
宿題(締切: 6/5; 田中の部屋前のカゴ)
5 ある化合物が順相系TLC上で上に上がりすぎた。TLC上の位置
を下げるためにはどうすれば良いか。
順相系TLC
逆相系TLC
化合物の極性 ↑
Rf値 ↓
Rf値 ↑
展開溶媒の極性 ↑
Rf値 ↑
Rf値 ↓
分析対象の化合物は変えられない
上記の表から展開溶媒の極性を下げればRf値が下がる。
どうやって実現する?
高速液体クロマトグラフィー (HPLC)
High Performance Liquid Chromatography: HPLC
高速液体クロマトグラフィー
装置構成
圧力計
移動相組成
制御装置
A
B
インジェクター
移動相組成制御(グラジエント)
装置移動相組成制御方法
極性や塩濃度(イオン強度)の異なる2種類以上の溶媒の
混合比を変化させる
順相クロマトグラフィー (例: 固定相がシリカゲル)
ヘキサン
(低極性)
酢酸エチル
(高極性)
混合比 (低極性)
10
:
1
混合比 (高極性)
10
:
3
極性が上がって、より高極性化合物の溶離を促進する
グラジエント (gradient): 勾配 = 溶媒組成の濃度変化
移動相組成制御(グラジエント)
グラジエント (gradient): 勾配 = 溶媒組成の濃度変化
極性や塩濃度(イオン強度)の異なる2種類以上の溶媒の
混合比を変化させる
= グラジエント (gradient) をかける
単一溶媒溶離
直線勾配溶離
Linear-Gradient
リニアグラジエント
段階溶媒溶離
Stepwise-Gradient
ステップワイズ法
光学分割 (鏡像異性体の分離)
鏡像異性体 (対掌体): エナンチオマー (enantiomer)
旋光度以外の物性が同じ
通常のカラムで分離不能
ジアステレオマー&エナンチオマー
不斉中心が2つ以上ある化合物
立体異性体
エナンチオマー (enantiomer)
ジアステレオマー (diastereomer)
3-クロロ-2-ブタノール (Fischer 投影式)
S
R
CH3
H * OH
H * Cl
CH3
CH3
H * OH
H * Cl
CH3
ジアステレオマー&エナンチオマー
ジアステレオマー (diastereomer)
不斉中心が2つ以上ある化合物にしかジアステレオマーは
存在しない
不斉中心が2つ以上ある化合物の異性体
エナンチオマー
(enantiomer)
の関係
S
R
CH3
H * OH
HO
H * Cl
Cl
CH3 対称面
エナンチオマー以外の関係
CH3
* H R
* H S
CH3
ジアステレオマー
(diastereomer)
の関係
ジアステレオマー&エナンチオマー
3-クロロ-2-ブタノール (Fischer 投影式)
CH3
H * OH
H * Cl
CH3
CH3
HO * H R
H * Cl R
CH3
CH3
S H * OH
S Cl * H
CH3
CH3
HO * H R
Cl * H S
CH3
S
R
エナンチオマー
(enantiomer)
の関係
ジアステレオマー
(diastereomer)
の関係
ジアステレオマー
別化合物
通常クロマトグラフィー
で分別可能
イオン交換クロマトグラフィー
キラル固定相法
キラル化合物(分離対象)
R
R
R S
R
R
R
R
R
R キラル化合物(固定相) R
R
R
R
キラル移動相法
R
S
R
R
R
R
S
R
R
R
S
R
S
R
R
R
S
R R
R
R
固定相
R
R
固定相
R キラル化合物(移動相)
S
R
S
R
S
R
R
イオン交換クロマトグラフィー
キラル固定相法
R
R
R
R
R
R
R
R
R
R
R
R
右足には右足用の靴
キラル移動相法
R
R
別物
S
R
ジアステレオマー(diastereomer)
の関係
通常クロマトグラフィー
で分別可能
キラル固定相法・キラル移動相法に用いられるキラル化合物
教科書
P183
図3-35
演習
HPLCの構成要素を順番に並べなさい。
ポンプ
記録計
溶媒(移動相液体)の瓶
カラム
圧力計
検出器
試料導入部(インジェクター)
宿題(締切: 6/11(木),田中の部屋の前のカゴ)
以下の物質から「原理的にキラル固定相になるもの」と「原
理的にキラル移動相になるもの」をそれぞれ選びなさい。
ベンゼン
グルコース アルブミン
オクタデシルシリル基
ポリエチレングリコール
シクロヘキサン
ろ紙
プロリン