Transcript 第2回 電荷と電流（1）

第2回：電荷と電流（１）
・電荷
・静電気力
・電場
今日の目標
１．摩擦電気が起こる現象を物質の構造から想像できる。
２．電荷は素粒子の属性の一種であることを理解する。
３．クーロンの法則を式を示して説明できる。
４．電場の定義や表現方法を説明できる。
５．点電荷の周りの電場を数式で示せる。
６．単純な電荷分布による電気力線の概略を描ける。
静電気
摩擦電気
現象１．２種類の物をこすると生じる。
現象２．引き合う場合と反発する場合がある。
（同種同士は反発する。異種類間は引き合う。）
２種類ある
ガラス棒
絹
布
－
+ + ++ －
－－
正
電
荷
エボナイト棒
静電気
ボルタの帯電列
+
－－ －－ +
+
+
負
電
荷
フ
ラ
ン
ネ
ル
電荷
正電荷
負電荷
粒子の属性
Z：原子番号＝陽子の数
A：質量数
素電荷（電気素量）
e=1.6021765×10-19c
原子核の電荷
+Ze
A-Z：中性子の数
電子：-Ze
核
～10-10m
原子の大きさ
n
p
n
p
r=1.4×A1/3×10-15m
原子核の大きさ
me=9.109382×10-31kg
mp=1.672622×10-27kg
mn=1.674928×10-27kg
素粒子
レプトン
電子
電子ニュートリノ
ミュー粒子
ミューニュートリノ
タウ粒子
タウニュートリノ
クオーク
アップ
ダウン
チャーム
ストレンジ
トップ
ボトム
u
d
c
s
t
b
eνe
μνμ
τντ
反電子
反電子ニュートリノ
反ミュー粒子
反ミューニュートリノ
反タウ粒子
反タウニュートリノ
静止質量(MeV)
310
310
1500
505
170GeV
5000
e+
νe
μ+
νμ
τ+
ντ
電荷（素電荷を1として）
2/3
-1/3
2/3
-1/3
2/3
-1/3
静電気力（クーロン力）
実験
ねじり秤
Q2
r
固定 Q1
点電荷
Q
Q
1
2
クーロン力：F 
r2
クーロンの法則
F
SI単位
電荷：C（coulomb)
ε0：真空の誘電率
クーロン力のベクトル
z
(0,0,z)

1 Q1Q2 
F
r
3
40 r
F
Q2

r  xi  yj  kz
r(x,y,z)
Q1
(0,y,0)
(x,0,0)
(x,y,0)
-F
x
y
r 2  x2  y 2  z 2

r x y
z
 i j k
r r r
r
電場
Δq：試験電荷
周りに影響を及ぼさないほど微小
E=ΔF/Δq

1 Qq 
F 
r
3
40 r
z
E
Δq
ΔF
電場の強さ
r(x,y,z)
Q
x
y

 F
1 Q
E

r
3
q 40 r
点在する電荷による電場
E
z
Ek
En
E1
r(x,y,z)
単位電荷
Qn
r1
x

Qk  
1
r  rk 
Ek 


3
40 r  rk
rk
Qk
Q2
Q1
y
 n 
E   Ek
k 1
n
Qk
r  rk 




3
40 k 1 r  rk
1
連続に分布する電荷による電場
z
E

1
dQ  
r  r 
dE 


3
40 r  r 
dE
r(x,y,z)
r’
単位電荷
r-r’
dQ
y
dQ=ρ(r’)d3r’


E   dE

x
1
40 

 (r )   3
  3 r  r d r
r  r
電気力線
ΔF
Δq（試験電荷：正電荷）
・電気力線は電荷がない点で途切れない
・電気力線の向きは正電荷から出て、負電荷に入る向き
・電気力線どうしは交差しない
・電場の強さが大きいところでは、電気力線の本数密度が大きい
孤立した点電荷
＋
電子・陽電子対
+
－
接近した陽電子
+
+
ガウスの法則
n
θ
r
E
D
ds
ds’
D ；電束密度
単位面積当りの電気力線数
電場の方向
任意の閉じた面S上の微小面ds
を横切る電気力線の数は
Q
D ・n ds
 
 D  ds  Q
r2dΩ=ds’
ds’=dscosθ
一方

S
  Q
E  ds 


したがって D   0 E
0
演習
１．水素原子核から1Å離れたところにある電子に働いている
クーロン力を計算しなさい。
２．１辺が1cmの正三角形ΔABCの頂点BとCに１Cの電荷が
固定されている時、頂点Aにおける電場の強さと方向を求め
なさい。
３．半径aの球面に電荷Qが均一に分布しているとき、半径方向
の電場の強さを半径rの関数で図示しなさい。
今日の用語
電荷、帯電、帯電体、正電気、負電気、電気量、点電荷、アンペア、
クーロン、電気素量（素電荷）、ボルタの帯電列、静電気力（クーロン力）
クーロンの法則、真空の誘電率、電場、試験電荷、静電場、電気力線
和田義親メール[email protected]
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