STFクライオスタットの開発の現状

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STFクライオスタットの開発の現状
2006年1月25日
土屋、寺島、久松、増澤
早野、岡村、満田、大内
クライオスタットの設計及びR&D
• STFクライオスタットの設計はTESLAのクライオモジュール
を基本としている。

コールドマスの設計・製作は概ね予定どおり進んでいる。
• STFクライオスタット関連の開発・検討事項

TESLAの設計を機械的・熱的に理解する




要素開発


SUS-Ti継手
磁気シールド


クライオスタットコールドマスの製作精度、アライメント精度の経験を得る。
クライオスタット内温度・圧力分布の測定、各要素機器の熱負荷測定。
冷却によるアライメントへの影響の測定及び冷却サイクルのアライメントへの影響評価。
クライオスタット内残留磁場の検討と素材の磁気特性の測定
超伝導4極磁石

冷却方式(伝導冷却)の検討、補正コイルの配置
クライオスタット製作状況
• STF-phase1の設計製作(日立製作所)
– 全体構成設計概ね完了、空洞機器との干渉に関する詳細検討を行
なっている
– 真空容器、熱輻射シールドは材料発注済み
• サポートポスト(4本)
– MoU完了後、INFN-MilanoからKEKへ送られる。到着日程は調整中。
35MV/m TESLA
design cavities (4)
45MV/m Low-loss
cavities (4)
クライオスタット断面構成
•
•
冷却パイプの構成、サポートポスト、熱輻射シールドの構造はTESLA-TTFType IIIを基本設計としている。
空洞、インプットカップラー、チューナーはKEK独自の設計
アライメント
ターゲット
80Kシールド
5Kシールド
Gas Return Pipe
(GRP)
Input Coupler
35MV/m Cavity
45MV/m Cavity
トンネル内クライオモジュール配置
• クライオモジュールとトンネル壁との距離>2m
クライオスタット熱測定
• 熱負荷及び温度分布測定

2Kレベルへの侵入熱(システム全体):減圧ポンプによる到達圧力により測定。


5K及び80Kレベルへの侵入熱(システム全体) :ヘリウムガスのエンタルピー変化
により測定。


シールドライン(5K、80K)のヘリウムガスの温度、圧力、流量測定。
各コンポーネントの侵入熱は温度分布を測定することにより計算する。




空洞及び液溜の温度と圧力測定
2K〜5Kの温度測定(空洞ヘリウム容器、カップラー他):Cernox温度計(54個)
4K〜300Kの温度測定(サポートポスト、シールド他):PtCo温度計(44個)
80K以上の温度測定:CC熱電対(58点)
冷却初期試験として、インプットカップラー(常温側)を接続しない状態での熱負
荷測定。
クライオスタット熱負荷計算値(W)
表中の熱負荷には信号線からの熱侵入は入っていない
Cryostat
Static
35MV/m 35MV/m 45MV/m 45MV/m
Static
Dynamic Static
Dynamic
Total
S+D
2K
0.3
0.4
7.3
0.001
6.0
14.0
5K
3.6
4.4
0.8
2.2
11.5
22.5
80K
120
20.0
12.0
5.0
8.6
165.6
クライオスタット内冷却フロー及びバルブボックス
•
•
•
地上部に2000L液体ヘリウム貯槽及び減圧ポン
プは配置される。 (細山Gp)
8台の空洞の予冷は並列回路で行なわれる。
(TESLA方式)
バルブボックスのコンポーネント
–
–
–
–
–
超流動ヘリウム予冷熱交換器
低温バルブ9台
4K液体ヘリウム貯槽
2K液体ヘリウム貯槽
計測センサー
•
•
•
Cernox温度計(8)、PtCo温度計(2)
絶対圧力計(2)、圧力計(4)
バルブボックス内機器の設計をはじめている。
(細山Gp)
冷却時の空洞の変位計測
• 冷却による空洞・GRPの変位計測

GRP
Wire Position Monitor (WPM)
ビーム軸に対して垂直面での変位の測定

各クライオスタットのGRPに5カ所
サポートポスト位置、中央、両端
WPM


空洞
ヘリウム容器
各空洞長手方向に2カ所
位置センサー
ビーム軸方向の変位測定

サポートポスト(スライド機構を持
つタイプ)に1カ所
クライオスタット要素開発(SUS-Ti継
手)
•
35MV/m空洞液体ヘリウム容器(Ti)と冷却パイプ(SUS)間の接続に使
用する。フランジの数を少なくし、製作の簡素化をめざす。
– Hot Isostatic Pressing (HIP)と摩擦圧接法
•
HIP法
– 12サンプルを製作し、室温と液体窒素温度での引張り試験と衝撃試験を行った。
– SUS-Ti界面の最適化を行い、パイプ形状のサンプルを製作し超流動液体ヘリウ
ムに対するリーク試験を行う。
•
摩擦圧接法
– HIP法と同様、サンプルの製作とパイプ形状での超流動液体ヘリウム下での
リーク試験を行う。
QuickTimeý Dz
TIFFÅiLZWÅj êLí£ÉvÉçÉOÉâÉÄ
ǙDZÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå©ÇÈǞǽDžÇÕïKóvÇ­Ç•
ÅB
HIP継手サンプル(室温での引張り試験)
接合面での引張り強度は概ね母材のTiの強度と等しい。
液体窒素温度での強度は室温での強度の1.5倍。
摩擦圧接サンプル
(室温での引張り試験)
磁気シールド(45MV/m空洞)

磁気シールドの液体ヘリ
ウム容器内部への設置


Bx
By
Bz

トンネル内磁場測定



STFトンネル内磁場分布
TESLAタイプは容器外
に設置。
Type IVクライオモ
ジュールでは容器内部
に設置する事を検討し
ている。(CERNT4CM-Meeting@
15,17Jan06)
磁気シールド及びクラ
イオスタット真空容器
(鉄)の効果を確認す
るため。
トンネル長手方向50m
に渡り磁場分布の測定
を行なった。
変動成分としてp-pで約
900 mG程度の変動あり。
スケジュール
• 設計、製作共にオンスケジュール
• 年度内の試験項目
– SUS-Ti継手(パイプ形状)の超流動ヘリウム中でのヘリウムリーク試験
– サポートポストの強度試験
Summary
1.
STFクライオスタットはTESLA-TTF-IIIを基本設計としている。
設計・製作作業はオンスケジュールである。
クライオスタットの熱的性能評価
2.

クライオスタットの将来設計に重要(十分な精度が必要)
2K:到達圧力、5K及び80K:ガスのエンタルピー変化、温度計測

3.
初期試験として入力カップラー(常温部)なしの測定の検討
SUS-Ti継手

4.
強度的にはTi母材と同程度の強度がある。今年度内に2Kでのヘリウム
リーク試験を行いSTF-Phase-1クライオスタットへの使用を判断する。
WPM(冷却中の空洞の変位を測定)


5.
各空洞容器に2台(全16台)、GRPに5台(全10台)を取付ける。
本年度内に試験回路を1台製作しセンサーの動作試験を行う。
磁気シールド

ヘリウム容器内に格納する。設計進行中。