研究3 21-129

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胃乳頭腺癌における核異型度の臨床病理学的意義
当研究は形態機能病理学教室において1988年から2006年まで胃乳頭腺癌と診断された方を対象に研究させていただきます。
【はじめに】
図1.胃乳頭腺癌
胃乳頭腺癌は、高分化型管状腺癌と同じく悪性度が低い高分化型
腺癌に分類されてきました(図1)。しかし胃型粘膜形質を発現する
早期胃乳頭腺癌は高率にリンパ管侵襲を伴い、胃乳頭腺癌の中には
悪性度の高い群が含まれる可能性が報告されています。また胃乳頭
腺癌の中には核異型が強いものが存在することが示唆されています。
【研究内容】
九州大学形態機能病理学教室において診断された胃乳頭腺癌の病変を
使って、胃乳頭腺癌組織を核異型の程度で分類し(図2、図3)、
核異型高度群が胃癌における悪性度因子の発現を伴い予後不良である
ことを検討し、核異型度分類の胃乳頭腺癌の予後規定因子としての
図2.核異型軽度例
有用性を評価します。
【患者さんの個人情報の管理について】
本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、
患者さんを特定できる情報は一切含まれません。
もし対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡
下さい。
【研究期間】
承認日から2011年3月31日。
【医学上の貢献】
この研究により、胃乳頭腺癌における核異型高度群と他の悪性度因子や
予後との相関が示唆されれば、核異型度分類が胃乳頭腺癌の
高悪性度群を病理組織学的に鑑別するうえで新たな診断手法の
となり、医学上の貢献はあるものと考えます。
【研究機関・組織】
九州大学大学院 形態機能病理
准教授
小田 義直 (責任者)
助教
相島 慎一
大学院生 中島 雄一郎 (担当者)
連絡先:〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
Tel 092-642-6061 担当者 中島 雄一郎
図3.核異型高度例