13_05_08 研究計画①

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Transcript 13_05_08 研究計画①

Fulfilled Goal as License to Indulge
既達成の目標が果たすライセンス機能
Ryosuke SAKURAI
University of Tokyo/ KLab M2
Contact: [email protected]
唐沢研RM
1
概要
Introduction
– 自己制御研究の概観
– 既達成の目標が果たす機能
Experiment
– "Fulfilled Goal as License to Indulge:
The Effects of Ego Depletion and Recalling Past
Goal Achievement on Self-Regulation"
Research Proposal
– "Fulfilled Goal as License to Indulge:
The Effects of Social Exclusion and Recalling Past
Goal Achievement on Self-Regulation"
2
定義
• 自己制御(Self-Regulation):
目標の達成に向けた自らの行動や認知の調整
*自己統制(Self-Control):
自動的・習慣的・内的な行動・衝動・感情・願望の抑制または克服
(自己制御の下位概念; Carver & Scheier, 2012)
• 目標(Goal):望ましい行動やその結果の心的表象
目標は他の知識概念と同様に心的表象として個人内に保持されている
3
自己制御を通じた社会への適応
• 自己制御の発揮は広範囲の社会行動と関連
(for reviews, see de Ridder et al., 2011; Hagger et al., 2010)
–
–
–
–
–
学業・職業達成
ダイエット
対人関係
主観的well-being
感情制御
Social Fit
– 逸脱行動
– 中毒
– 先延ばし
"Self-regulation is beneficial for social life"
Baumeister et al.(2007)
4
自己制御研究の概観
• 自己制御は有限の心理的資源に依存
– 制御資源(e.g., Baumeister et al., 1998)
– 実行機能(e.g., Miyake & Friedman, 2012)
Goal
5
自己制御研究の概観
• 制御資源モデル
– 先行の自己制御の発揮は、後続の自己制御の遂行を低下させる
(自我枯渇効果; for review, see Inzlicht & Schmeichel, 2012)
Goal 2
Goal 1
ー
Time 1
Time 2
6
自己制御研究の概観
• 複数の目標追求時における自己制御
Goal
Goal
Goal
Goal
Goal
= Focal Goal
Goal
= Unfulfilled Goal
Goal
未達成の目標は焦点目標の遂行を阻害する
 実行機能の占有(e.g., Marien et al., 2012)
 制御資源の節約(e.g., Muraven et al., 2006)
7
自己制御研究の概観
Goal
= Focal Goal
Goal
Goal
Goal
Goal
Goal
Time 1
Goal
= Unfulfilled Goal
Goal
Fulfilment
Goal
= Fulfilled Goal
Goal
Goal
Goal
Goal
Goal
Time 2
8
自己制御研究の概観
Goal
= Focal Goal
Goal
Goal
= Unfulfilled Goal
Goal
= Fulfilled Goal
Goal
Goal
Goal
Goal
Time 3
9
自己制御研究の概観
Goal
= Focal Goal
Goal
?
Goal
Goal
Goal
Goal
Goal
= Unfulfilled Goal
Goal
= Fulfilled Goal
• 日常の自己制御過程は、目標の
設定・追求・達成という一連のサイ
クルの繰り返し
– 目標は達成後であってもアクセス可能
• 自己制御過程の包括的な理解に
あたっては、既達成の目標を組み
込んだモデルの構築が必要
– しかし、検討は不十分
• 本研究では、既達成の目標を「過
去の自己制御発揮のシグナル」と
捉え、その機能を探る
Time 3
10
既達成の目標が果たす機能
• セルフ・ライセンシング(Self-Licensing):
先行の労力(effort)の投入(=自己制御の発揮)が、
後続の快楽的な選択・行動を正当化すること
(e.g., Kivetz & Zheng, 2006; Mukhopadhyay & Johar, 2009; de Witt Huberts et al., 2012)
*モラル・ライセンシング(Moral-Licensing):
先行の道徳的な行動が、後続の非道徳的な行動を正当化すること
(Monin & Miller, 2001)
• 自らの過去の道徳的行動の想起により、
モラル・ライセンシングが生起(Jordan et al., 2011)
 「過去の自己制御発揮のシグナル」である既達成の目標の
想起は、セルフ・ライセンシングは生起させるだろうか?
11
既達成の目標が果たす機能
 de Witt Huberts et al.(2012)
 Pilot Study
• 参加者:106名の女性の大学生
1. 労力の認知操作:失語症の検査課題の妥当性の検証が目
的と教示。呈示される語の最初の文字を回答。
5分経過後、後続の課題の教示により労力の認知を操作
– 実験条件:課題はこれで終了だが、課題の信頼性の確立のため、一
部の参加者には再び同じ課題に取り組んでもらうと教示。加えて、参
加者がランダムに選ばれたと教示。
– 統制条件:何も教示せず、続けて5分間課題に取り組む。
2. 労力の認知の測定(5件法/ 3項目;extra effort, extra strain,
extra dedication I had put into the dyslexia task)
3. ストループ課題(一致 vs. 不一致; 参加者内)
12
既達成の目標が果たす機能
 de Witt Huberts et al.(2012)
• 結果
• 労力の認知:実験条件>統制条件
• ストループ課題の遂行量:
労力の認知(実験 vs. 統制)×試行の種類(一致 vs. 不一致)
– 反応時間・エラー数:試行の種類の主効果のみ有意 一致<不一致
 投入した労力の認知が高まっても、
ストループ課題の遂行は低下しなかった
13
既達成の目標が果たす機能
 de Witt Huberts et al.(2012)
 Study 1
• 参加者:106名の女性の大学生
• 労力の認知の操作はPilot Studyと同一
• 従属変数として、スナック菓子を食べた量を測定
• 結果:スナック菓子を食べた量 実験条件>統制条件
 投入した労力の認知が高まると、スナック菓子を食べた量が増えた
– セルフ・ライセンシングが生起した
14
既達成の目標が果たす機能
 Masicampo & Baumeister(2011b)
• 未達成の目標はその達成に向けて実行機能を占有する
– 同様に実行機能を要する目標の遂行が阻害される
• 実行意図の形成により、この阻害効果は消える
*実行意図(Implementation Intentions):「ある状況Xに遭遇した
とき、目標志向的行動Yをとろう」というif-then形式の意図
(Gollwitzer & Oettingen, 2010)
15
既達成の目標が果たす機能
 Masicampo & Baumeister(2011b)
• 参加者 73名の学生
• デザイン 3(未達成の目標・実行意図・統制)
• 手続き
1. 日常的な課題と称して実験操作を行う
– 未達成の目標条件:これから数日間で達成すべき課題・用事を2つ記述
– 実行意図条件:上記に加え、どうやって、いつ、どこで課題と用事を達成するかを記述
– 統制条件:これまで数日間で達成した課題・用事を2つ記述
2.
文章読解課題:3200 wordsの文章を読んだ後、問題に解答
問題の正答数を自己制御の遂行と定義
*文章読解中に侵入思考の程度を測定(2択)
“I was reading the text and was very much paying attention to the story”/
“I was reading the text, but my attention was elsewhere”
16
既達成の目標が果たす機能
 Masicampo & Baumeister(2011b)
• 結果
• 仮説検証
•
•

•
IV: 3(未達成の目標・実行意図・統制)
DV:正答数
未達成の目標<実行意図≒統制
DV:侵入思考の程度
 未達成の目標>実行意図
統制はいずれの条件とも有意差なし
• 媒介分析
*未達成の目標=1, 実行意図/統制=0
 未達成の目標を記述すると、既達成の目標を記述したときと比べて自己制御の
遂行が阻害される(cf., Masicampo & Baumeister et al., 2011a)
 この阻害効果は実行意図の形成によって消える
 この阻害効果は侵入思考によって媒介される
17
既達成の目標が果たす機能
 Masicampo & Baumeister(2011b)
• 結果
• 仮説検証
•
•

•
IV: 3(未達成の目標・実行意図・統制)
DV:正答数
未達成の目標<実行意図≒統制
DV:侵入思考の程度
 未達成の目標>実行意図
統制はいずれの条件とも有意差なし
• 媒介分析
*未達成の目標=1, 実行意図/統制=0
 未達成の目標を記述すると、既達成の目標を記述したときと比べて自己制御の
遂行が阻害される(cf., Masicampo & Baumeister et al., 2011a)
 この阻害効果は実行意図の形成によって消える
既達成の目標の想起は、
 この阻害効果は侵入思考によって媒介される
セルフ・ライセンシングを生起させなかった
18
既達成の目標が果たす機能
• セルフ・ライセンシング研究は、消費心理学の分野で盛ん
– 美徳(virtue) vs. 悪徳(vice)の選択(例外: de Witt Huberts et al., 2012)
まずいが健康に
良い食べ物
うまいが健康に
悪い食べ物
• 自己制御の発揮をめぐる個人内の葛藤を仮定
– 自己制御を発揮して美徳を選択すべき(the should self)
vs.
– 自己制御を発揮せず悪徳を選択したい(the want self)
• 自己制御を発揮しないことへの動機づけが低かったため、
自己制御の発揮をめぐる葛藤が生じず、
既達成の目標の想起はライセンスとして機能しなかった可能性
– ストループ課題(de Witt Huberts
et al., 2012)
• 制御資源の節約以外に、自己制御を発揮
ことを動機づける要因がない
– 文章読解課題(Masicampo & しない
Baumeister,
2011b)
• &さらに、制御資源の節約は、資源が十分に
– アナグラム課題(Masicampo
Baumeister, 2011a)
ある場合には生起しない(e.g., Muraven et al., 2006)
19
既達成の目標が果たす機能
 自己制御への動機づけが低まったとき、既達成の目標の想
起によるセルフ・ライセンシングが生起すると予測
自己制御への動機づけを低める要因
– 自我枯渇(e.g., Muraven & Slessareva, 2003)
– 社会的排斥(e.g., Baumeister et al., 2005)
– 自由意志の否定(e.g., Rigoni et al., 2013)
20
既達成の目標が果たす機能
Model
High Motivation to Self-Regulate
Access to
Fulfilled
Goal
SelfRegulation
Justification
to Indulge
+
ー
Low Motivation to Self-Regulate
21
Sakurai, R., Watanabe, T., & Karasawa, K.
"Fulfilled Goal as License to Indulge:
The Effects of Ego Depletion and Recalling Past
Goal Achievement on Self-Regulation"
UNPUBLISHED
22
仮説
 自我枯渇時に既達成の目標を想起すると、
後続の自己制御の遂行が低下する(セルフ・ライセンシング)
900
ス
ト
ル
ー
プ
課
題
の
反
応
時
間
(
ミ
リ
秒
)
一致
不一致
800
700
600
500
400
目標
習慣
自我枯渇あり
目標
習慣
自我枯渇なし
23
仮説
 自我枯渇時に既達成の目標を想起すると、
後続の自己制御の遂行が低下する(セルフ・ライセンシング)
900
ス
ト
ル
ー
プ
課
題
の
反
応
時
間
(
ミ
リ
秒
)
一致
不一致
800
700
600
自我枯渇効果
500
400
目標
習慣
自我枯渇あり
目標
>
習慣
自我枯渇なし
24
仮説
 自我枯渇時に既達成の目標を想起すると、
後続の自己制御の遂行が低下する(セルフ・ライセンシング)
900
ス
ト
ル
ー
プ
課
題
の
反
応
時
間
(
ミ
リ
秒
)
一致
不一致
800
700
600
セルフ・ライセンシング
500
400
目標
習慣
自我枯渇あり
目標
習慣
自我枯渇なし
25
方法
• 参加者
– 東京大学の学生60名(男性39名・女性21名)
– 年齢(M = 20.49, SD = 1.01)
• デザイン
– 自我枯渇(あり vs. なし)× 想起対象(既達成の
目標 vs. 過去に行った習慣)
*いずれも参加者間要因
枯渇あり
枯渇なし
目標
n = 16
n = 17
習慣
n = 17
n = 10
26
方法
• 手続き
1. 自我枯渇操作
2. 想起対象操作
3. ストループ課題
*防音室内のPCを用いた実験室実験
*質問項目は全て5件法で測定
27
方法
1. 自我枯渇操作
• Number Letter Task(練習試行:16試行/本試行:128試行*3ブロック)
四分割の画面に呈示される英数字をルールに従い
できるだけ素早くかつ正確に分類する課題
– ルールによって自我枯渇の有無を操作
 あり条件
– 画面の上半分に呈示⇒偶数 or 奇数に分類 分類基準の切り替えにおいて
制御資源を消費すると想定
– 画面の下半分に呈示⇒母音 or 子音に分類
 なし条件
– 呈示位置にかかわらず、偶数 or 奇数に分類
• 課題終了後、自我枯渇の認知(5項目;α = .67)を測定
– 疲れた、簡単だった*、神経を使った、努力を要した、頭を使った
28
方法
Number-Letter Task
29
方法
2. 想起対象操作
• 大学生の日常生活のアンケート
– アンケートの内容により想起対象を操作
 目標条件
– ここ数日で達成した「目標」を1つ記述
 習慣条件
– ここ数日で行った「習慣」を1つ記述
• 回答終了後、目標/習慣の自己制御の必要性
(5項目;α = .92)を測定
– 疲れそうだ、簡単そうだ*、神経を使いそうだ、
努力を要しそうだ、頭を使いそうだ
30
方法
3. ストループ課題(練習試行:16試行/本試行:64試行*2ブロック)
• 文字の「意味」を無視して、文字の「色」を
できるだけ素早くかつ正確に答える課題
– 一致試行:意味と色が一致(e.g., 赤色の赤)
– 不一致試行:意味と色が不一致(e.g., 青色の赤)
• ストループ課題の前に、下記の項目を測定
–
–
–
–
自己制御を発揮しないことへの罪悪感(3項目; α = .65)
自己制御発揮への義務感(1項目)
自己制御発揮への動機づけ(1項目)
自己制御の不全の正当化(1項目)
*意味(赤・青・緑・黄)×色(赤・青・緑・黄)の16種類
*一致試行・不一致試行をそれぞれ半分ずつ実施
31
結果
 操作チェック
操作は概ね妥当と判断
• 自我枯渇の認知
枯渇あり(M = 3.99, SD = 0.55)>枯渇なし(M = 3.54, SD = 0.71)
t (58) = 2.74, p = .008
• 自己制御の必要性の認知
*
5
自
己
制 4
御
の
必 3
要
性
の 2
認
知
***
想起対象の主効果
F (1, 56) = 19.00, p < .001
> 習慣
目標
+
自我枯渇の主効果
F (1, 56) = 3.62, p = .06
<
交互作用
F (1, 56) = 3.45, p = .07
1
あり
なし
自我枯渇
32
結果
対数変換した反応時間について
三要因分散分析
900
ス
ト
ル
ー
プ
課
題
の
反
応
時
間
(
ミ
リ
秒
)
一致
不一致
二次の交互作用 有意傾向
F (1, 56) = 3.50, p = .067
800
700
600
自我枯渇の主効果 有意傾向
F (1, 56) = 3.90, p = .053
500
400
目標
習慣
自我枯渇あり
>
目標
習慣
自我枯渇なし
33
結果
***
***
***
***
900
ス
ト
ル
ー
プ
課
題
の
反
応
時
間
(
ミ
リ
秒
)
一致
不一致
800
700
600
500
400
目標
習慣
自我枯渇あり
目標
習慣
自我枯渇なし
34
結果
900
ス
ト
ル
ー
プ
課
題
の
反
応
時
間
(
ミ
リ
秒
)
800
一致
不一致
+
+
700
600
500
400
目標
習慣
自我枯渇あり
目標
習慣
自我枯渇なし
35
結果
*
900
一致
不一致
**
ス
ト
ル
ー
プ
課
題
の
反
応
時
間
(
ミ
リ
秒
)
800
700
600
500
400
目標
習慣
自我枯渇あり
目標
習慣
自我枯渇なし
36
結果
*
900
ス
ト
ル
ー
プ
課
題
の
反
応
時
間
(
ミ
リ
秒
)
二次の交互作用 有意傾向
F (1, 56) =**
3.50, p = .067
800
一致
不一致
+
+
700
600
500
自我枯渇時に既達成の目標を想起すると、
後続の自己制御の遂行が低下
400
目標
習慣
目標
仮説を部分的に支持
自我枯渇あり
習慣
自我枯渇なし
37
結果
• 自己制御の不全への罪悪感(3項目; α = .65)
–
頑張らなかったら罪悪感を感じる、頑張らなかったら後悔する、頑張らないことは悪いことである
5
目標
習慣
+
自
己 4
制
御
の
不
全 3
へ
の
罪
悪
感
2
交互作用 有意傾向
F (1, 56) = 3.83, p = .056
1
あり
自我枯渇
なし
38
結果
• 自己制御発揮への義務感(1項目)
–
頑張るべきである
5
+
+
目標
+
習慣
+
自
己 4
制
御
発
揮
へ 3
の
義
務
感
2
交互作用 有意
F (1, 56) = 6.80, p = .01
1
あり
自我枯渇
なし
39
結果
• 自己制御発揮への動機づけ(1項目)
–
頑張りたい
5
目標
習慣
n.s.
自
己 4
制
御
発
揮
へ 3
の
動
機
づ
け
2
交互作用 非有意
F (1, 56) = 2.16, p = .16
1
あり
自我枯渇
なし
40
結果
• 自己制御の不全の正当化(1項目)
–
頑張らなくてよい
5
目標
自
己 4
制
御
の
不
全
の 3
正
当
化
習慣
**
*
2
交互作用 有意
F (1, 56) = 6.96, p = .01
1
あり
自我枯渇
なし
41
結果
• 相関表
罪悪感
義務感
動機づけ
0.75
-0.31
-0.36
正当化
罪悪感
義務感
動機づけ
正当化
0.62
0.62
-0.37
42
考察
ストループ課題の遂行
• 自我枯渇なし条件:目標条件≒習慣条件
– セルフ・ライセンシングは生起せず(⇒先行研究と整合)
• 自我枯渇あり条件:目標条件<習慣条件
– セルフ・ライセンシングが生起した(⇒仮説を支持)
 自我枯渇時に既達成の目標を想起すると、
後続の自己制御の遂行が低下することが確認された
*ただし、習慣条件において自我枯渇効果がみられず(⇒先行研究と不整合)
*また、罪悪感、動機づけ、義務感、正当化については予測通りの結果得られず
43
考察
Model
High Motivation to Self-Regulate
Access to
Fulfilled
Goal
Justification
to Indulge
SelfRegulation
ー
Low Motivation to Self-Regulate
44
考察
意義
1. 既達成の目標が自己制御の不全を正当化する
ライセンスとして機能することを明らかにした
– 自己制御過程の包括的な理解に向けた足掛かりを築く
2. 自己制御への動機づけの低下が、セルフ・ライセ
ンシングの生起を調整することを明らかにした
– 快楽的選択・行動以外の自己制御に対して、
セルフ・ライセンシングの知見を一般化
45
今後の展開
1.
2.
自我枯渇以外の自己制御への動機づけを低める要因が、セルフ・ライ
センシングの生起を調整するか?
既達成の目標を通じたセルフ・ライセンシングのメカニズムの検証
3.
既達成の目標の想起は、快楽的な選択・行動においてセルフ・ライセン
シングを生起させるか?
4.
自己制御の発揮への動機づけの低下は、快楽的な選択・行動における
セルフ・ライセンシングを強めるか?
既達成の目標の「ライセンス」としての強度・回数・期限
5.
6.
自己制御への動機づけの低下は、それにより生じた葛藤の能動的な解
消を駆動しないだろうか?
– 動機づけを高める/自己制御の不全を正当化する手掛かりへの接近
7.
既達成の目標と未達成の目標の関連
– 既達成の目標:セルフ・ライセンシングによる焦点目標の阻害
– 未達成の目標:有限の資源の占有/節約による焦点目標の阻害
8.
本研究の知見を踏まえた効果的な自己制御方略の呈示
– 既達成の目標と焦点目標について実行意図を形成
46
Research Proposal
• 自己制御への動機づけを低下させる操作として、
「自我枯渇」ではなく、「社会的排斥」を用いる
– 社会的排斥を受けると、自己制御への動機づけが低下
(Baumeister et al., 2005)
• 既達成の目標が果たすライセンス機能の一般化可能性を検討

1.
2.
3.
4.
手続き
社会的排斥操作(あり vs. なし)
想起対象操作(目標 vs. 習慣/自身の目標 vs. 他者の目標)
罪悪感などの測定
自己制御課題
47
Research Proposal
• 予測される結果
900
ス
ト
ル
ー
プ
課
題
の
反
応
時
間
(
ミ
リ
秒
)
一致
不一致
800
700
600
500
400
目標
習慣
社会的排斥あり
目標
習慣
社会的排斥なし
48