外国語教育における日豪On-line 交流プロジェクトの カ

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外国語教育における日豪On-line
交流プロジェクトのカリキュラムデザイン
Curriculum development for international collaborative
projects in online language learning
日本教育工学会第2回全国大会
2006年11月5日 於:関西大学 E001
慶應義塾大学 21世紀 COE
次世代メディア・知的社会基盤 英語e-Learning
環境情報学部
鈴木佑治研究室
訪問講師 長谷部葉子
訪問研究員 関口幸代
COE Projectの構成
e-learning
次世代遠隔授業や電子化されたコンテンツ
を用いたe-ラーニングの実証実験を行う。
http://www.coe21.sfc.keio.ac.jp/group.html.ja
徳田英幸 (拠点リーダー)
政策・メディア研究科委員長
政策・メディア研究科 政策・メディア専攻教授
鈴木佑治
政策・メディア研究科委員
環境情報学部教授
Outline
I. 交流プロジェクトの目的
II. 交流プロジェクト現在までの経緯
II-1
II-2
II-3
II-4
イメージによる現在までの交流経緯
交流条件
コミュニケーション環境
テーマ・制作課題
III. 交流プロジェクト段階別利点・改善点
III-1 第1期2004年
III-2 第2期2005年
III-3 第3期2006年前半
IV. 協働プロジェクトの作品例
IV‐1 作品例1(2005年)
IV-2 作品例2 (2006年)
V. 交流カリキュラムの成功要因
VI. 継続的かつ段階的な交流カリキュラムデザインの提案
VII. 今後の課題
I. 交流プロジェクトの目的
 言語学習から言語コミュニケーションへの態度変容
⇒skill learning から content developmentへ
 外国語でのコミュニケーションにおける心理的バリアーの緩和
⇒同世代とのinformalなコミュニケーション環境の自主的構築
 言語学習の「場」の概念の移行
⇒教室という「箱」から「ネットワーク上」へ
 言語学習の「先生」の概念の移行
⇒教員はfacilitator、peer teaching体制の構築
 協働作業による継続的コミュニケーション関係の構築
 多角的な言語コミュニケーション環境の構築
⇒chat, blog, video conference, e-mail, mobile phone, virtual
eality(3D),
 将来的な共同研究体制構築の模索
II.交流プロジェクト現在までの経緯
II-1: イメージによる現在までの経緯
II.交流プロジェクト現在までの経緯
II-2:交流条件
期間
レベル 参加クラス/ 人数
回数
形態
04年前期
初級
中級
日: 3クラス: 60名
豪: 3クラス: 70名
1回60分
実験的接続
授業参加
授業時間内
04年後期
初級
中級
日: 2クラス: 40名
豪: 3クラス: 18名
3回×90分
授業/有志参加
授業時間内外
05年前期
初級
中級
日: 2クラス: 40名
豪: 20名
8回×90分
有志参加
授業時間内外
05年後期
初級
中級
日: 2クラス: 40名
豪: 15名
11回×60分
有志参加
授業時間内外
06年前期
初級
中級
日: 2クラス: 40名
豪: 2クラス: 50名
4回×60分
有志参加
授業時間内外
06年後期
初級
中級
日: 1クラス:20名
豪: 11名
8回×60分
有志参加
授業時間内外
II.交流プロジェクト現在までの経緯
II-3:コミュニケーション環境
期間
授業内
交流形態
04年前期
Video Conference
4-5人の日豪別グループで対応
04年後期
Video Conference
個人或はペア
05年前期
Video Conference/Chat
4-5人の日豪融合グループで対応
05年後期
Web based 3D/ Video
Conference
4-5人の日豪融合グループで対応
06年前期
Video Conference/Chat
4-5人の日豪融合グループで対応
06年後期
Voice chat/ Chat
4-5人の日豪融合グループで対応
授業外ではMelbourne Website, SFC Blog, Email, Chat, MSN
Messenger などで交流
II.交流プロジェクト現在までの経緯
II-4: テーマ・制作課題
期間
Action
04年前期
自己紹介、等身大の日豪文化紹介
04年後期
日本の社会・文化をテーマにした日豪別チームのプレ
ゼンテーションの交換
05年前期
日豪双方の文化・社会をテーマにディスカッション。
日学生のオンライン作品制作(GAME,PHOTO GALLERY)
05年後期
双方の関心テーマに基いたコミュニティー活動の拠点
となる3D空間を協働で構築。BEST ROOM AWARD決定。
06年前期
豪学生と日本で共同生活をする前提で、日本に関する
興味を聞き、それに基き日学生が学生交流英字新聞を
制作。豪に発信。
06年後期
日豪両サイドの興味のあるテーマに基いて、可能な限
り日豪協働で1冊の雑誌、1本のショートフィルム制作
双方に発信。
III. 交流プロジェクト段階別利点・改善点
III-1:第1期(2004年) 学生のフィードバックより
利点
□カジュアル、等身大、Socialなコミュニケーションに
よる言語学習意欲の向上
□音声、映像を通してのより実践的な言語活用
□時差がないため授業の一環として実践が可能
改善点
■送信・受信分割型の学習活動(一方通行)
■単発的な交流による使用言語レベルが限定される
■コミュニケーション環境構築の不完全さ
■交流回数の少なさ(1回~3回)
III. 交流プロジェクト段階別利点・改善点
III-2:第2期(2005年) 学生のフィードバックより
利点
□合同グループワークによるチーム意識の芽生え
□交流の到達目標が明確
□授業外の任意のカジュアルな交流開始によるコミュニケーションの活性化
□相互理解に十分な交流回数の確保
□協働プロジェクトへの発展
改善点
■ネットワーク環境の安定
■双方への作業付加の公平性
■役割分担・合意形成・意思決定のタイミング
■タスク達成・カジュアルの2種類のコミュニケーション形態の
バランスの良い配分
III. 交流プロジェクト段階別利点・改善点
III-3:第3期(2006年前期) 学生のフィードバックより
利点
□グループワークによるPEER TEACHINGの芽生え
□交流を通しての成果物を日学生から豪学生に発信
□授業外の任意の活発継続的コミュニケーション関係の確立
□授業期間終了後の直接の学生の行き来が実現
□交流により日学生の課題制作における達成意欲の増大
改善点
■交流回数の少なさ(授業内実質4回)
■日豪双方による自主性を重んじた協働作業の達成
■交流プロジェクト終了後の相互のフィードバックの必要性
■交流期間終了後の長期休暇中の交流プロジェクトのフォロー
IV‐1: 協働プロジェクトの作品例1(2005年)
 2005年後期 3D空間デザイン(学生はコミュニケーション中
心、空間制作はfacilitator)
⇒役割分担・合意形成・意思決定の本格的取り組み開始
IV-2: 協働プロジェクトからの作品例2 (2006年)
 日豪学生の共同生活のプラン設計(協働作業)から生まれた
日学生制作の等身大の学生新聞
⇒社会への発信型の第一歩達成
V: 交流カリキュラムの成功要因
●グループワーク 日豪融合チーム
●適正交流人数 1チーム4-5名
●十分な交流回数確保 全授業回数の5割~9割
●MOTIVATIONの維持 強制⇒共生
●コミュニケーション過程の公表効果 客観的視点
●社会へ発信するアウトプット 教室⇒社会へ
●自立型交流プロジェクト 企画・運営は参加者自身
●ファシリテーター 交流状況への柔軟な対応
VI: 継続的かつ段階的な交流カリキュラムデザインの提案
▼第1期: 心理的バリアーの克服・相互理解形成段階
双方向プレゼンテーション⇒合同プレゼンテーション
▼第2期:意思決定・合意形成段階
協働創作作業:3D空間など
▼第3期:協働作業の完成・PEER TEACHING発芽段階
協働制作作業:新聞・雑誌・映画など
▼第4期: PEER TEACHINGの完成・共同研究の開始段階
共同研究・共同研究論文作成
▼第5期:共同での自立的交流プロジェクトの構築段階
交流カリキュラムデザインの作成、交流授業のデータ分析・リサーチに基
いた評価法の模索
VII:今後の課題
▼On-line Network環境の恒久的安定
音声、接続面での教室設備環境の改善とより効果的交流シ
ステム模索とその実験的かつ段階的導入
▼通年持続型のリレー式カリキュラムの構築
▼交流プロジェクト経験者・参加者ネットワークの形成
▼人材の育成
*交流プロジェクトアドバイザー
カリキュラムデザインアドミニストレーター
*システムサポート要員
システムアドミニストレーター
▼交流プロジェクト評価法の研究・開発
効果的な質的データ分析・量的データ分析方法の模索