Transcript 部落差別とメディア
部落差別とメディア …より、もっと広くやります。 1066586c 異文化コミュニケーション論講座 田中佑典 部落差別の概況 部落差別 • 差別戒名 o 「畜」「賤」「非」「革」「皮」「似」 etc… • 就職差別 o 1975年 o 興信所 部落地名総鑑事件 • 結婚差別 o 「特殊部落民であり ながら、出自を秘し…」 • 同火忌避の習慣 部落差別は昔のものでは…? (国の公式見解では、部落問題は解決したと言われているけれども…) 部落差別 • 就職差別(?) • 結婚差別(?) • ネット上の書き込み 同和利権 • 同和対策事業特別措置法(1969~2002) o o o o 地区開発措置 社会福祉施設の優先的設置 改良住宅の設置 税金の優遇措置(企業、家庭両面から) 自らも部落出身者 である 野中広務氏が 積極的に廃止 部落解放同盟 • 1922年 西光万吉による 水平社運動を前身としている • 部落民の解放を目的として 活動 • 現在は、政治的圧力団体とし ての色彩もないとはいえない 組坂委員長 部落差別とメディア の関わり 島崎藤村『破戒』 • 「明治後期、部落出身の教員瀬川丑松は父親か ら身分を隠せと固く戒められていたにもかかわ らず、同じ宿命を持つ活動家、猪子蓮太郎の壮 烈な死に心を動かされ、ついに父の戒めを破っ てしまう。その結果偽善に満ちた社会は丑松を 追放し、彼はテキサスをさして旅立つ。」 ―新潮社『破戒』あらすじより • 1905年 出版 一時期、絶版時期を経て、、、 • 1939年 再販(語句が一部言い換え られる) 語句を変換することは、差別の実態を曖昧模糊なものにする。 • 1953年 初版本を元に再販 部落解放同盟によるマスコミへの 要請・糾弾が頻発化 マスコミが部落差別を扱うことを タブー視するようになる 部落解放同盟の姿勢が軟化 佐野眞一『ハシシタ (朝日出版) 奴の本性』 • 2012年10月26日発刊 • 「橋下徹のDNAをさかのぼり本性を あぶり出す」というセンセーショナ ルなキャッチフレーズ • 橋下氏のルーツとして、八尾の被差 別部落地域を挙げ、叔父がヤクザで あることなど、を取り上げた。 これに対して… 組坂委員長 佐野さんの連載の一番の問題は、部落問題の土台を 理解していないことだったんです。部落問題と、橋 下市長の父親が暴力団員だったことや、従兄弟が金 属バッ ト殺人を起こしたことなどを結びつけて、そ こには部落出身のDNAが存在するかのような表現を 平然とする。被差別部落出身者が差別と迫害と貧困 という中で 十分な教育を受けられずに、まともな仕 事に就けないという状況下で、彼らは反社会的な集 団に身を寄せるしかなかったという歴史的事実があ るのです。それを 戦前からの全国水平社の運動、戦 後の部落解放運動を通して、多くの先人がまさに命 を掛けて、状況を改善してきた。そんな歴史を無視 して、佐野さんの連載で は橋下市長のルーツを被差 別部落に求めようとしていた。 ―引用元「朝日ハシシタ騒動は終わっていない… 部落解放同盟委員長に聞く」 http://topics.jp.msn.com/wadai/cyzo/article.aspx?articleid=1595135 「ハシシタ 奴の本性」と 部落解放同盟から論点へ • 部落解放同盟と、メディアと、一般市民の間でどのよう に「部落差別」は扱われるべきか? o 短・中期的視点では? • そもそも部落問題はメディアに取り上げられるべきなの か? o 取り上げられるとしたら、どのようなメディア?(e.g. インターネット、新聞、 テレビ etc…) • その他、色々。 参考文献 • 破戒 (新潮文庫) 島崎 藤村 (2005/7) • 新・部落差別はなくなったか?―隠すのか顕すのか (プロブレムQ&A) 塩見 鮮一郎 (2011/2) • 差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100) 辛 淑玉、 野中 広務 (2009/6/10) • 同和問題解決のために―えせ同和行為対応のための手引書 総務庁長 官官房地域改善対策室、 地域改善啓発センター (1988/6) • 部落史をどう教えるか 稲垣 有一、中尾 健次、 寺木 伸明 (1993/6) • 新潮45 2011年 11月号 [雑誌] (2011/10/18) • 週刊朝日2012年10月26日号 [雑誌][2012.10.16] 朝日新聞出版 (2012) • 同和地区を掲載することは「絶対に」許されないのか (http://blogos.com/article/49149/)(最終閲覧日2013/1/21) • 「橋下徹は部落の鬼っ子」 部落解放同盟委員長に聞く (http://biz-journal.jp/2012/12/post_1242.html)(最終閲覧日2013/1/21)