Transcript PPT

1
基礎プロジェクトⅡ
(コンクリート+マネジメント)
担当教員
小澤,石田,高橋
TA
コンクリート関連:大野,西垣,
工1号館230,329号室
追立,小柳,柴田,田辺
マネジメント関連:江川,長瀬,岩本
工11号館5階
資料入手,連絡用HP (適宜確認すること)
http://concrete.t.u-tokyo.ac.jp/lecture/under/kisopro/kisopro2014/index.htm
(コンクリ研HP->コンテンツ->講義->学部->基礎プロジェクトⅡ)
基礎プロジェクトⅡ 本日のスケジュール
- 今日1.全体概要説明
2.会社設立(小澤先生)
3. 目標工事受注額の設定
4. 会社設立発表会(各社)
5.演習①の概要説明
- 来週水曜 - ※場所は14号教室,自由参加
6.配合設計について(高橋)
7.配合設計演習,安全の注意(高橋)
2
基礎プロジェクトⅡ 全体の流れ (演習の手引き p.4)
3
基礎プロジェクトIIの流れ
会社設立
会社名,会社拠点,社員役職などを決定
経営戦略の立案(目標利益,目標受注額など)
建設会社を設立
利益を最大化!
建設工事受注(演習①)
現場名:第二東海道新幹線高架橋
要求性能:引張強度,中性化深さ
入札形式:随意契約
建設工事受注(演習②)
現場名:新東京湾横断道路人工島
要求性能:自己充填性,圧縮強度
入札形式:随意契約
全国建設プロジェクト受注(演習③)
現場名:全国津々浦々の現場(約25箇所)
現場:全国津々浦々の現場(約60箇所)
入札形式:指名競争入札および一般競争入札
入札形式:一般競争入札および総合評価方式
指名競争では,①②の実績ある会社のみ参加
決算報告会
グループ内の個人を対象に,
当期利益額による順位決定
入札
随意契約
+
建設
円柱供試体等
+
性能確認
各社の戦略
不備があれば
ペナルティー
入札シミュレーション 60件
一般競争入札
高度技術提案型総合評価方式
簡易型総合評価方式
会社の利益が成績に連動
基礎プロジェクトⅡ 成績評価 (演習の手引き p.5)
成績評価
*無断欠席(「自由」の日は除く)・レポート未提出は「不可/未受験」
実験及び入札に関するレポート
50% 個人
演習① 新規構造物建設工事(入札+工事+性能確認)
演習② 新規構造物建設工事(入札+工事+性能確認)
演習③ 入札シミュレーション
会社の評価・・・契約交渉,決算報告,提出書類等
30% 会社
施工完了報告書(工事完了後一週間以内)
会社報告書(演習後一週間以内)
決算成績
20% 個人
当期利益の順位により会社に点数を配分
会社内で社員に分配(構成員により決定)
4
基礎プロジェクトⅡ 建設
コンクリート実験室
作業状況
建設現場
性能確認
5
基礎プロジェクトⅡ
会社設立
1社:3~4名が目安
合計4社程度
6
建設会社の規模 (2013年度のデータから)
経常利益
(百万円)
従業員数
(人)
総資産
(百万円)
7
会社名
売上
(百万円)
鹿島
1,325,679
17,502
15,572
1,833,004
業界最大手の一角。同族色。
大林組
1,303,755
18,815
15,627
1,518,998
業界最大手の一角。関西、首
都圏で都市開発に積極的。
大成建設
1,218,118
24,043
13,729
1,520,548
業界最大手の一角。非同族
色。
清水建設
1,131,864
22,207
13,104
1,866,076
業界最大手の一角。首都圏、
民間建築が主力。
戸田建設
452,499
7,265
4,975
476,686
準大手ゼネコン。病院、学校
に強い建築の名門。
前田建設工業
291,887
1,360
3,912
430,768
土木主体から民間大型建築
に積極展開。
熊谷組
240,481
2,941
3,556
220,986
総合建設準大手。歴史的にト
ンネル等大型土木に強み。
安藤ハザマ
196,701
2,654
3,910
253,136
ダム・トンネル等大型土木に
定評ある名門。
福田組
132,316
3,522
1,710
100,197
新潟最大規模のゼネコン。
ショーボンドホール
ディングス
42,737
4,816
736
68,425
橋梁・ビルなどコンクリート構
造物補修の先駆けで最大手。
第一建設工業
42,409
4,046
769
56,507
JR東日本系。
徳倉建設
34,230
322
546
26,916
名古屋地盤の中堅ゼネコン。
工藤建設
19,350
344
533
15,301
神奈川地盤の中堅建設。
特色(四季報より)
(会社四季報2014年2集 *連結ベース)
会社とは
8
会社とは、「営利を目的とする社団法人」である。(旧商法52条、54条1項)
営利性とは、利益を上げることを目的とし、かつ出資者である社員に対して利
益の分配をすることをいう。(会社法5条、105条2項)
ただし、企業の社会的責任から、社会通念に照らして妥当と思われる範囲で、
直接利益に結び付かない事業を行うことができる。
貸借対照表(バランスシート)
資産の部
負債の部
機械設備・
建物 等
銀行からの
借入・社債
等
会社の支配構造
代表取締役
純資産の部
取締役(会)
モノ
資本金・法
定準備金・
剰余金 等
株主(総会)
カネ
ヒト
従業員
会社とは
9
2008年10月末時点の日本の会社数
会社総数:334万1000社
今回の演習では総資産25億円
の株式会社を設立。
[所有者(出資者)と経営者が不一致]
>株式会社(特例有限会社を除く):139万4000社
株式と呼ばれる細分化された社員権を有する有限責任の社員(株主)のみから構成。株主は出
資額に応じて株式を取得し、配当により利益を得る。
>特例有限会社:183万社
株式会社に近いが,出資者は市場からの公募ではなく有限責任社員のみ。設立手続や機関構
成が簡略化されている。昔でいう有限会社で,今後の新設は不可。
[所有者(出資者)と経営者が一致]
>合名会社:1万8000社
二人以上の無限責任を負担する社員で構成。全員が代表権を持つ。設立しやすく,運営も簡易。
>合資会社:8万5000社
無限責任を負担する代表者と,有限責任を負担する社員で構成。設立しやすく,運営も簡易。
>合同会社:1万4000社
有限責任を負担する社員のみから構成。設立しやすく,運営も簡易。有限会社に変わる法人形
態として増加中。
10
企業をめぐる利害関係人と関係諸法
出典:宍戸善一著 「会社法入門」日本経済新聞出版社
会社の構成員
建設会社構成員 4名以下
役職
代表取締役社長
本演習での主な役割
会社の代表
(会社の運営全般、問題発生時の責任者)
経理会計部長
経理担当
(契約額、契約戦術)
発注者との交渉
(経営戦略、交渉)
営業部長
土木部長
技術部長
工事現場責任者
(現場管理、現場トラブル対応、トランプ)
技術(設計)責任者
(コンクリート配合設計)
*一人が複数の役職を兼務できる
知力、体力、時の運、全て大事
11
社是・社章
1.鹿島建設
2.清水建設
3.大林組
4.JR東日本
5.TOYOTA
12
社是・社章
13
http://www.kajima.co.jp/prof/philosophy/index-j.html
社是・社章
14
http://www.shimz.co.jp/about/philosophy.html
社是・社章
15
http://www.obayashi.co.jp/company/philosophy#rinen
社是・社章
16
http://www.jreast.co.jp/press/2012/20121013.pdf
社是・社章
17
http://www.toyota.co.jp/jpn/company/vision/philosophy/
収支構造 (演習の手引き p.8)
18
入札額の計算方法のもととなる考え方
完成工事
原価
本プロジェクト演習における積算対象
演習①②:
純工事費(コンクリート材料費など)+現場管理費+設計変更費
演習③:
各工事に対して発注者より与えられる
TAによる特別コンサルタント料
完成工事高
(=受注高)
会社の規模(今日決定)
営業経費
入札経費,調査費など
固定経費
人件費など 総資産と工事受注目標額により決定
一般管理費
営業外損益
支払利息など(今回は考慮せず)
特別損益
損害賠償など
営業利益
経常利益
法人税等
税引き前利益×40%
当期利益
経営成績評価の指標
税引前利益
完成工事総利益
この額を各社で競う
成績と連動
本演習での今季の発注予定工事額
19
演習①② 随意契約
演習③
入札シミュレーション
発注工事件数
総完成工事高
1社平均工事高
2009年
2010年
84 件
3,700億円
308億円(12社)
86 件
6,668億円
513億円(13社)
2011年
2012年
2013年
78 件
5,595億円
622億円( 9社)
84 件
6,280億円
523億円(12社)
83 件
6,266億円
522億円(12社)
2014年度の発注予定額
2010-2013年度と同程度を予定
基礎プロジェクトⅡ 完成工事総利益率 (会社登録申請書の裏面)20
完成工事総利益率の計算
イメージ
入札価格=(建設費+会社運営費)×(1+利益率)
工事受注額目標値
経常利益の目標
当期でどれだけの仕事(工事)を得るか
当期でどれだけの利益を得るか
会社を始めるには前もって目標が必要!!
この目標に対して従業員(人件費)・設備(経費)が決まる
過去の結果を参考に目標設定(参考資料集p.31-35)
*「経常利益」は税引き前
市況は変化していて,思うようにはならないので適当に!!
基礎プロジェクトⅡ
会社設立発表会
21
基礎プロジェクトⅡ
演習①
22
基礎プロジェクトⅡ 演習① (演習の手引き p.9)
コンクリート高架橋の建設 (コンクリート部のみ)
大林組ウェブサイトより(九州新幹線高架橋)
技術課題:鉄筋の腐食劣化の防止
要求性能:引張強度(2.4MPa以上)
促進試験下において中性化深さ(10mm以内)
コンクリートの強さの指標
2.4MPa = 24.5 kgf/cm2
コンクリートはそのアルカリ
性により鉄筋を錆から守る
促進試験に対して表面か
らの中性化深さを確認
23
中性化
大気
コンクリート
24
コンクリートは表面品質が非常に重要!!
二酸化炭素(0.03~0.04%)
CO2
CO2
CO2
CO2
アルカリ性
pH 11~13
鉄筋(錆びやすい)
CO2
中性化
pH 下がる
酸素
O2
鉄の酸化
腐食発生!
Cl- 塩化物
鉄筋腐食
構造性能低下
H2O
Fe → Fe2+ + 2 e−
H2O + 1/2 O2 + 2e− → 2 OH−
表面を守る不動体皮膜を破壊
Cl-
水
基礎プロジェクトⅡ建設工事受注(演習①)の流れ
演習①の流れ (演習の手引き p.10)
示方書(土木学会)など
後ほど説明
引張強度2.4MPa以上
中性化深さ10mm以下
各社の戦略
配合設計
材料選定
工事原価
の算定
本工事で回収すべき
一般管理費等
一般管理費および
年間5-10億円程度
営業利益の算定
利益を上乗せ
性能予測・照査
入札額の決定
(引張強度,中性化深さ)
完成工事総利益率を参考に!
三書類を三部必ず用意
配合設計書・見積書・総合技術提案説明書の提出
総合技術提案説明書・配合設計書・見積書の提出
性能・コスト・利益
要求された性能を満
たすことを示す設計
プロセスを明示する
発注者(國島先生)との交渉
小澤
(交渉のチャンスは3回まで)
成功
密室交渉
価格を他社に漏らして
はいけない!!
失敗 (発注者の予定金額を上回る場合など)
など)
工事の受注
不適切なコンクリート 再建設 工事(実験)開始
建設期間オーバー 建設費アップ
コンクリート打設・養生
= コストアップ
要求性能を満たしてい
ないと損害賠償金請求
25
(スランプ,空気量検査)
施工完了報告書提出
場合によっては
損害賠償(ペナルティー)
性能検査
(引張強度,中性化深さ,外観検査)
場合によっては
損害賠償(ペナルティー)
純利益の確定
引張試験/中性化試験
基礎プロジェクトⅡ 演習①の入札価格 (参考資料p.29)
26
詳細な計算方法は,演習の手引きのp.12~p.18
受注戦略から決定
金額
入札金額
工事原価
一般管理費等
(一般管理費+営業利益)
・コンクリート材料費=単価×設定打設量
(7万5千m3)
配合から決定
0
・労務費,直接経費など(p.7 ii)
+ 共通仮設費
= 純工事費
+ 現場管理費
= 工事原価
直接工事費
基礎プロジェクトⅡ 演習①の契約交渉 (参考資料p.29)
27
(演習①②)
随意契約:発注者と交渉し1対1で直接交渉し,合意したら契約
(演習③)
一般・指名競争入札・総合評価方式:希望する会社が入札し,最低価格の1社のみが契約
※いずれも予定価格(非公開)を下回らなくてはならない.
金額
予定価格
(非公開)
○ 入札成立 ○ 入札成立
○ 入札成立 × 入札不調
利益最大!
一般管理費等
工事原価
0
鉄則
A社
B社
C社
D社
1.要求性能を満たした上で,なるべく工事原価の安い設計をする.
2.発注者と上手に交渉し,なるべく高い金額で契約する.
28
29
ランク決定に関わる損害賠償
*演習の手引き 17-18ページ
内容
損害賠償金の掛け率
1 工期の遅延(制限時間の超過) 超過時間(分)×0.2(%/分)
2 過大/過小なスランプ
3 自己充填性の不足
4 構造物の未完成
5 脱型面の仕上がり不具合
6 引張強度の不足
7 圧縮強度の不足
8 過大な中性化の進行
備考
誤差[cm]×0.5[%/cm]
許容値(±2.5cm)
からの誤差
ロート試験超過時間
(s)×0.5(%/s)
最大15%
150%
1~3とは同時請
求せず
5% (重度の不具合)
2% (軽度の不具合)
不足強度
[MPa]×20[%/MPa]
不足強度
[MPa]×1.5[%/MPa]
超過中性化深さ
[mm]×1.0[%/mm]
最大30%
最大20%
最大30%
利益を上げるためには。(アドバイス)
30
演習①、演習②
契約交渉・・・
工事
・・・
3回の契約回数を活かして利益を得る
確実な設計と施工を行う
(原価を下げても、低品質ではリスクが高い)
ペナルティによる損益の回避
技術力格付けを上げる(演習③への影響大)
演習③
入札
・・・
地域性、格付けの他社との関係を考慮する
市場の雰囲気を読む(入札利益率、入札社数etc.)
高度技術提案型への入札
他社の経営状態、技術力を考慮する
発注者の意向に反する行動をしない
基礎プロジェクトⅡ
コンクリートの配合設計
詳細・計算演習は来週水曜
14:50-(参加は自由)
集合場所:14号教室
会社登録申請書を未提出の会社は,明日までに
建設マネジメント研究室(11号館5階)へ提出すること。
31