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JEM2100F透過電子顕微鏡操作ガイド
201411/27
精密分析室 1
目次
電顕の始動
電圧の印加する
試料ホルダーの出し方
試料ホルダーの挿入 フイルムデータの入れ方
観察(結像系の軸あわせ)
コンデンサーレンズ偏向コイルの調整
コンデンサーレンズ偏向コイルの調整2
Z軸あわせ
透過像観察のための調整
結像系の軸合わせ対物レンズの粗調整
電圧軸の調整
電流軸の調整 対物レンズの非点補正
回折スポットの光軸調整
カメラでの撮影 照斜系の使い方
透過像の撮影 制限視野回折 暗視野像 STEM像の観察
収束電子線回折 極微小領域電子線回折 多重露出法 終了
フィルムの取り出し
各種ホルダー
各種データ
装置の完全停止 停電からの復帰
説明 左操作盤
説明 右操作盤
2
電顕の始動
これらの操作は通常は必要ありません
(1)窒素ガスの弁を開く
(2)TEM本体の電源スイッチを押し
起動する
(3)PCを起動する
(4)TEMServerを起動する
(5)TEMControllerを起動する
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3
電圧を印加する
1.Nomalを押して200kVを印加 13分程度かかる
通常はここから
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4
試料ホルダーの出し方
(1)BEAMがOFFになっていることを確認
(2)対物絞りを外す
(3)試料位置XYZが0、傾斜角XYが0
を確認
(なっていなかったらStage Neutralをダブルクリック
するかF6を押す)
(4)ゴニオ下の緑ランプの点灯を確認
(5)試料ホルダーを止まるところまで引き、反時計方向に大きく
回し、さらに引き、反時計方向に少し回す。つぎに、
PUMP/AIRスイッチをAIRにし
(スイッチは少し引っ張って切り替える)
20秒待ちホルダーを引き出す
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5
試料ホルダーの挿入
(1)試料位置XYZが0、傾斜角XYが0を確認
(2)試料ホルダーのOリングにゴミがついていないことを確認
Oリングのグリスが乾いているときはグリスアップすること
(専用の白いオイル状のもの)
(3)試料ホルダーのガイドピン
をゴニオメーターの溝に合
わせ、止まるところまで押し込み、PUMP/AIRスイッチ
をPUMPにして予備排気をする(約5分間)
注:Be二軸ホルダーを使用するときは一回目は30分程度予備排気して下さい
大気中で保存してあるため真空が上がりません
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6
(4)ゴニオメーターの緑ランプがついたら(この状態で出来るだ
け待てばDPで排気しているのでよい真空度になる)
試料ホルダーを時計方向に少し回し、
止まるところまで押し込み、さらに時計回りに
大きく回し、止まるところまで押し込む
注意
2軸ホルダーはX軸が35度、Y軸が20度まで傾斜できます(ホ
ルダーによって異なります)超えると鏡筒と接触し警告ブザーが
鳴ります。
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7
フイルムデータの入れ方
1.Photo をクリックし、Film Camera Propertyを起動する
2.Text をクリックし データを入力する
このデータがフイルムに焼き付けられる
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8
観察 (照射系軸合わせ)
(1)BEAMをON
(2)MAG1を押し倍率を4万倍にする、
BRIGHTNESSでビームを絞る
(3)SPOT SIZE1にし、F4:GANA を押し、SHIFT
でビームの中心に合わせる。
(4)Wobbler/Anodeを選択しDEFつまみで中心
で収れんするようにし、Wobbler/Anodeを解除
(5)次にF4:GANAを解除して、SPOT SIZE 5に
しBRIGHT TILTを押し、左右のSHIFTで ビームの中心に合わせ、
これをくり返す。
(6)BRIGHTNESSを時計方向に回し、ビームの中心が蛍光板の中心から離
れていくようだったら、集束レンズ絞りの2つのつまみで調整
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9
(コンデンサーレンズ偏向コイルの調整)
通常は必要ない
傾斜調整
(1)Alignment Panelを表示
(2)MAG1を押し倍率を4万倍にする、
BRIGHTNESSでビームを絞る
(3)SHIFT X,Yつまみで電子線を中心にする
(4)Wobbler/TiltXをクリック
(5)Compensater/Tiltをクリック
(6)DEFつまみで電子線を1つにする
(7)Wobbler/TiltXを解除する
(8)Wobbler/TiltYをクリック
(9)Compensater/Tiltをクリック
(10)DEFつまみで電子線を1つにする
(11)Compensater/TiltおよびWobbler/TiltY
を解除する
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10
(コンデンサーレンズ偏向コイルの調整2)
通常は必要ない
水平調整
(1)Alignment Panelを表示
(2)SA DIFFを押し、DIFFモードにする
(3)BRIGHTNESSつまみを時計方向一杯
(4)DIFF FOCUSつまみでカウステック
スポットにする
(5)Compensater/Shiftをクリック
(6) Wobbler/ShiftXをクリック
(7)DEFつまみで電子線を1つにする
(8)Wobbler/ShiftXを解除する
(9) Wobbler/ShiftYをクリック
(10)DEFつまみで電子線を1つにする
(11)Compensater/ShiftおよびWobbler/ShiftYを解除する
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11
透過像観察のための調整
コンデンサーレンズの非点補正
1)コンデンサー絞りを入れる
2)BRIIGHTNESSで電子線を集束し中心にもってくる。
収束される前後で電子線が円にならないときはCOND
STIGをONにし左右のDEFで円形にする
3)COND STIGをOFF
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12
Z軸あわせ
1)X、Y傾斜が0になっていることを確認しSTD FOCUSを押す
2)目印になる像を蛍光板中心に移動させる
3)倍率を4万倍にし、WOBBLERのX、Yを同時に押す、
像がJUST FOCUS(像の動きがとまる)になるようにZ移動
ボタンで調節し、WOBBLERをきる
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13
結像系の軸あわせ 対物レンズ電流の粗調整
1)倍率を2万倍にし、BIGHTNESSで電子線を最小にする
2)WOBBLER IMAGEXまたはYをおす。
電子線が2つに分かれる
3)OBJ FOCUSで電子線を1つにする
4)WOBBLER IMAGE XまたはYをきる
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14
電圧軸の調整
1)倍率を10万倍にする
2)OBJ FOCUS調整
3)BRIGHTNESSを時計周り(オーバー側)でビームを広げる
4)WOBBLERのHTを押す
5)DEFLECTERのBRIGHT TILTを押し、
左右のDEFで像が中心を不動点とな
り伸縮するよう調整
6)WOBBLER HT,BRIGHT TILTを切る
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15
電流軸の調整
1)倍率を2万倍にする(必ず3万倍以下に)
2)OBJ FOCUS調整
3)BRIGHTNESSを時計周り(オーバー側)で
ビームを広げる
4)Alignment Panel for Maintenanceを起動し、
Wobbler欄のOBJをクリックする
5)DEFLECTERのBRIGHT TILTを押し、
左右のDEFで中心に合わせる
6)FREQとAMPつまみで周期と大きさが変わる
7) Alignment Panel for Maintenanceの
Wobbler欄のOBJをクリックし解除する
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16
対物レンズの非点補正
1)DEFLECTERのOBJ STIGを押す
2)OBJ FOCUSを正焦点にする。
非点があったらDEFのXYで調整。
適正値付近で流れの方向が90度変化する
3)補正が終わったらOBJ STIGを押す
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17
回折スポットの光軸調整
1)DEF/STIGのPLAを押す
2)DEF/STIGの X、Yでスポットを中心に
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18
照射系の使い方
照射モード
αを変えることで、電子線のスポット
サイズを一定にした状態で電子線
収束角を変え、平行照射時の照射
領域を変えることができます
α=1 200000~
α=2 50000~200000
α=3 ~50000
TEM NBD EDS
CBD
低倍像観察
○
×
×
×
高倍像観察
○
△
△
△
制限視野回折
○
△
△
△
極微電子回折
○
○
△
△
収束電子回折
△
○
○
○
EDS分析
△
○
○
○
EELS分析
○
○
○
○
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19
レンズ系
20
カメラでの撮影
1.使用する1時間ぐらい前までにカメラの
電源を入れ、CDDを冷却しておく
2.Gatan Cameraを起動し
を立ち上げる
3.観察モードのときは
4.撮影するときは
5.保存は
SaveDisplayAs
明るさはスライダーで
緑の真ん中に合わせる
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21
画像のセーブ(便利な方法)
2 Save Numbered
を開く
3
保存したいホルダを選択
ファイル名を入力
連続した番号の初期値
1
Global Info
を開く
4 Save Numbered で保存すると自動的に番号を付けてくれる
22
画像のセーブ(便利な方法2)TEMのデータ付き
3
2 Save
Numbered
を開く
保存したいホルダを選択
Session Infoで指定したデータが入る
連続した番号の初期値
1
Global Info
を開く
4 Save Numbered で保存すると自動的に番号を付けてくれる
23
レンズデータの初期化
レンズの条件が大幅にずれてしまったら
Alightment Panel for Maintenanceを開き
Load Alignment Fileから
200kV の最新のデータを読み込む
24
透過像のフイルム撮影
1)CCDカメラを使用しているときは
Camera Insertedのチェックをはずす
2)自動露出 AUTOはOFF
3)撮影したい像を蛍光板
の中心にもってくる
4)小蛍光板を入れる。
焦点を合わせる
5)EXP TIMEの露出時間が2〜4秒になるよう
BRIGHTNESSを調節
6)必要に応じてPHOTOのTEXTデータを入れ、
小蛍光板を入れたまま、PHOTOを押し、
PHOTOのランプがついたらもう一度PHOTOを
押す
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制限視野回折
1)DIFFを押し対物絞りを抜いて、カメラ長を選択。
2)DIFF FOCUSでダイレクトスポットを最も鮮明にする。スポット
が蛍光坂の中央にない場合は PROJ ALIGNで中心に合わ
せる。
3)SAMAGを押し、倍率を選択し回折する領域を蛍光板中心
に合わせる。
4)制限視野絞りを電子線通路に入れる。
選択される視野の大きさは
1550nm,760nm,280nm,160nm
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26
イ)制限視野絞り装置のつまみを時計回りに回す。この操作で像
が現れなくない場合は倍率を下げ、つまみ2と3を回してみる.
ロ)つまみ1で 絞りの大きさを選択
ハ)DIFF FOCUSで制限視野絞りの
影を最も鮮明にしつまみ2と3で
絞りを蛍光板の中心に合わせる
3
2
1
5)回折像がかすかに見える程度までBRIGHTNESSで暗くし
DIFF FOCUSで回折像を最も鮮明にした後,手動露出で撮
影する.(回折像が鮮明でないときや視野が広がらないとき
は、選択した部分が厚すぎるか,ピント、Z位置がずれてい
るので修正する)
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27
暗視野像
1)MAGモードで軸あわせが終わっていること
2)STD FOCUSを押し、Z軸あわせ、電圧軸あわせをする
3)DIFFモードにし、PLAを押しDEF/STIG X,Yでダイレクト
スポットを中心にあわせる
4)DARK TILTを押し、DIFFモードで透過スポットを蛍光板
の中心におのおのあわせる(5個のメモリー番号)
5)BRIGHT TILT MAGモードにして観察したい視野を選択
6)制限視野絞りを挿入し、DIFFモードで回折図形をえる
7)対物絞りを挿入し、DIFF FOCUSで対物絞りに焦点を合わせる
BRIGHTNESSで透過スポットが最小になるよう調整
8)PLAを押し、DEF/STIG X,Yで透過スポットを中心にあわせる
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28
9)DARK TILTにしてDEF/STIG X,Yつまみで暗視野像を得たい回折スポットを蛍光板の
中心におのおののメモリ番号であわせる
10)一番小さい対物絞りを挿入する
11)回折スポットの位置を確認する
12)MAGモードにし、暗視野像に焦点を合わせる
13)明視野像はBRIGHT TILTを押す
目的とする回折点(hkl)に対して対称的である回折点(hkl)とダイレクトスポットが明るく
なるようにフットスイッチで試料を傾ける。(Two Beam Condition)
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29
STEM像の観察
1.ASID Control Panelを開きASIDチェック
2.絞りはCL#2、OL#3を使用する
STEI-DFのときはOLは入れない
3.STEI-BF(明視野)、
STEI-DF(暗視野)を選択
4.STEM検出器を入れる
右が明視野用左が暗視野用
5.Brightness Contrastを調整する
Con.は上げすぎるとコンタミがつく
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30
Simple Image Viewerを起動する
31
収束電子線回折
1)SA MAGを押し、TEM Spot 1 –Alpha 3
程度で電子線をSHIFT X,Yで中心にする
電圧軸も合わせておく
2)SA DIFFを押し、カメラ長を200cmにする
BRIGHTNESSつまみを時計方向一杯
に回し、DIFF FOCUSつまみでスポット
が最小になるよう調整
3)CBDを押し、CBD Spot 1nm Alpha 6
に設定する、電子線を蛍光板の中心に
SHIFT X,Yであわせる
4)BRIGHT TILTを押し、DEF/STIG X,Yで
電子線が同心円状に動くように電圧軸を
調整する
5)COND STIGを押し、DEF/STIGで電子線
が最小になるようにコンデンサーレンズ
の非点補正をする
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32
6)TEMを押し、TEM Spot 1 – Alpha 3程度に設定して観察したい視
野を蛍光板の中心にあわせる
7)STD FOCUSを押し、Zコントロ
ールスイッチで試料に焦点を合
わせる
8)電子線を少し集束させる
9)SA DIFF を押して回折図形を
得る
Alpha
SPOT
10)ゴニオメーターを用いて晶帯軸をあわせる
11)CBDを押し、CBD Spot 1nm Alpha 6にしSHIFTつまみで電
子線を中心にあわせBRIGHTNESSで電子線を最も小さくする
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33
12)試料に再度焦点を合わせる
13)SA DIFFを押し、収束電子回折図形を得る
14)収束電子回折図形の各ディスクが外接するようにコンデンサー絞り
と照射角αで調整する
15)適切な収束電子回折になるように、BRIGHT TILTを押し、DEF/STIG
X,Yで調整する
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34
多重露出法
1.Film Camera Propertyを起動し、Multi Exposureをチェック
2.PHOTOで多重露光をする
3.FilmEjectをクリックしてフイルムを送る
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35
極微小領域電子線回折
1)SA MAGを押し、TEM モードの
軸あわせは完了していること
2)NBDスイッチを押す
3)BRIGHTNESSつまみとシフトつ
まみで電子線を視野の中央で
最も小さくなるよう調整する
4)小さめの収束絞りを挿入し、センタリングする
5)BRIGHT TILTスイッチを押す
6)HT-WOBBスイッチを押し、電子線の収斂が等方的になるよ
うにDEF/STIGつまみ、SHIFTつまみで調整する
7)いったんTEMスイッチを押したのち再度NBDスイッチを押し、
ずれた電子線を SHIFTつまみでセンタリングする
7を繰り返し電子線のずれが小さくなるようにする
36
8)TEMモードにして観察したい視野を蛍光板の中心にあわせる
9)NBDモードにする
10)観察したい視野に電子線をSHIFTつまみであわせる
11)SA DIFFスイッチを押し、カメラ長を選択する
12)収束絞りのサイズとαSELECTERで回折スポットの大きさを
選択できる αSELECTERを可変したら6~11の操作を再
度行う
37
終了
2.ステージをニュートラルに戻す
必要に応じて試料を取り出す
1.BEAMを押しバルブを閉める
3.Stand Byを押し電圧を160kVに下げる
ACDヒート ヒーターをセットして
ACDを押す
(液体窒素トラップを入れたとき)
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38
撮影したフィルムの取り出しと現像
カメラ室をリークする前にCCDカメラの冷却を
切っておくとよいノブを左回りに90度回転する
カメラ室に窒素ガスが導入される
現像はコピナール20℃で約4~6分
停止は10秒くらい
定着はスーパーフジフィクスで3分間
水洗 30分
ドライウェル液に浸し乾燥する
暗室作業は安全光下で行う
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39
装置の完全停止
装置の停止(通常はありません)
(イオンポンプを除く全停止)
1)加速電圧をオフにし、試料ホルダーを取り外す
2)すべての絞りを開放にする
3)冷却トラップに窒素が入っているときはACDヒートをかける
4)TEM本体の停止スイッチを押し、10分まつ
5)冷却水を止める
装置の完全停止
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40
停電からの復帰
1.左操作盤を開けてPOWERスイッチを入れると排気系が起動する
2.短時間の停電の場合はPCを起動して
をダブルクリックし、エミッションを
あげると2時間程度で通常状態に復帰する。
3.長時間停電していたときは、コンデッショニングつまみ
を操作してコンディショニングモードからの起動になり
ます、3時間程度かかります マニュアル5-10参照
41
各種ホルダー
STHB
SH
31630 ベリリウム2軸傾斜
スタンダード
X=± 42 Y=± 30
X=± 42
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42
各種データ
シェルツァーフォーカスΔf=1.2(Csλ)1/2 60nm
ミニマムコントラスト 0.3(Csλ)1/2 15nm
使用絞り一覧 (HT仕様)
コンデンサー絞り 200, 70, 50, 10
対物絞り
制限視野絞り
60, 40, 30, 5
100,50,20,10 最小径1000Å
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43
フィラメントON
説明 左操作盤
使用不可
暗視野像
非点補正
ナノビーム
Diffraction
コンバージェント
Diffraction
電子線を絞る
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44
説明 右操作盤
TVモードにするため蛍光板を上げる
Z位置を合わせる
低倍率
電圧軸調整
DiffractionSPOTを絞る
フォーカスをリセット
固定倍率
回折
倍率可変
露出時間
写真撮影
フォーカス
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45