集団的自衛権とは?

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Transcript 集団的自衛権とは?

集団的自衛権について考える

2014年6月

日本国憲法第9条

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平 和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力 による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決 する手段としては、永久にこれを放棄する。 2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他 の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、こ れを認めない。 1

自衛権発動の3要件 (政府見解)

憲法第9条の下において認められる自衛権の発 動としての武力の行使 ① わが国に対する急迫不正の侵害があること ② この場合にこれを排除するために他に適当な 手段がないこと ③ 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと 出典:防衛省ホームページ 2

集団的自衛権とは?

自国と密接な関係にある外国に対する武力 攻撃を、自国が直接攻撃されていないにも かかわらず、実力をもって阻止する国際法 上の権利 出典: 1981 年 5 月 29 日 稲葉誠一衆議院議員提出質問主意書に対する答弁書、他 3

集団的自衛権に関する政府見解

我が国が、国際法上、集団的自衛権を有している ことは、主権国家である以上、当然であるが、憲 法第9条の下において許容されている自衛権の 行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の 範囲にとどまるべきものであると解しており、集団 的自衛権を行使することは、その範囲を超えるも のであって、憲法上許されない。 出典: 1981 年 5 月 29 日 稲葉誠一衆議院議員提出質問主意書に対する答弁書、他 4

「武力の行使」に関する国際法

国連憲章第2条4は、(加盟国の)国際関係に おける「武力の行使」を原則として禁止 ただし、以下の場合には例外的に「武力の行 使」を実施することができる(違法性の阻却) (1)国連の集団安全保障措置 (第39条) (2)個別的又は集団的自衛権 (第51条) 出典:安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(第2回会合)内閣官房副長官補提出資料より 5

政府が想定しているスケジュール

安保法制懇 において結論 (5月) 与党 において議論 政府 一体となって内閣法制局を中心に判断 憲法解釈変更の 閣議決定 (夏?) 集団的自衛権行使の根拠となる法律改正を 国会 で審議 (秋?来春?) 日米防衛協力の ガイドライン 見直し (年内) 6

議論すべき論点

• • • • • • • 安全保障上、集団的自衛権行使の必要性はど こまであるか 憲法9条の根幹を変えることになるのでは 憲法9条の規定や解釈の積み上げとの整合性 限定した集団的自衛権または個別的自衛権の 拡張を認めるという選択肢はあるか 「限定」とは何をどのように限定するのか 具体的な事例に即した検討の必要性 十分な国会審議、国民の理解の必要性 7

自衛権と憲法9条の関係

(B案)限定的に認める (D案)個別的自衛権しか認めない 集団的自衛権 個別的自衛権 (A案)すべて認める (C案)個別的自衛権の 拡張で認める 8

民主党の見解(ポイント)

 内閣の憲法解釈について、諸情勢の変化とそれから生 じる新たな要請を考慮し、変更する余地は否定しない  しかし、それは従来の解釈との整合性が図られた論理的 に導きうる範囲に限られ、便宜的、意図的に変更するこ とは、立憲主義および法治主義に反し許されない  従来の憲法解釈を正面から否定し、集団的自衛権の行 使一般を容認する解釈に変更することは許されない  憲法解釈の変更を閣議決定する前に、国会において国 民を巻き込んだオープンかつ徹底的な議論を行うべき 9

安倍総理記者会見(

5/15

• ①個別的か集団的かを問わず、自衛のための武 力行使は禁じられていない②国連の集団安全保 障措置への参加に憲法上の制限はない ── との考 えはとらない • 我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性が あるとき、限定的に集団的自衛権を行使すること は許される ── との考えについて研究を進める • 与党協議で憲法解釈の変更が必要と判断されれ ば、改正すべき法制の基本的方向を閣議決定 10

政府・与党で検討されている事例

【集団的自衛権の行使に当たり得る事例】 ① 邦人輸送中の米輸送艦の防護 ② 武力攻撃を受けている米艦の防護 ③ 強制的な停船検査 ④ 米国に向け我が国上空を横切る弾道ミサイル迎撃 ⑤ 弾道ミサイル発射警戒時の米韓防護 ⑥ 米本土が武力攻撃を受け、我が国近隣で作戦を行う時 の米韓防護 ⑦ 国際的な機雷掃海活動への参加 ⑧ 民間船舶の国際共同防護 *この他、グレーゾーン事態やPKOなど7事例 11

衆院予算委員会(

5/28

) 総理答弁①

• 【米国以外の艦船の防護】 私は一言も米国の船以外は駄目だと言ったことは ない。米国のみが集団的自衛権の対象になるわけ ではない • 【正当な集団的自衛権の判断】 自動的に集団的自衛権を行使することにはならな い。慎重の上にも慎重な判断を行っていく 12

衆院予算委員会(

5/28

) 総理答弁②

• 【米国以外との集団的自衛権、抑止力向上】 外相・防衛相の2+2や米国以外の海軍との共同 演習などで安全保障上の協力関係を強化している • 【我が国の安全に重大な影響を及ぼす事態】 中東からの石油の供給が切断されれば、当然我 が国に大きな影響がある。機雷がホルムズ海峡に 敷かれ、これを除去しようという国際社会の合意が できたときに、ここを通る多くの船が日本に来るに もかかわらず、それをやらなくていいのか 13

抑止力と集団的自衛権

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