遊休資源が拡大している - NPO郷の元気は 棚田、畑

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Transcript 遊休資源が拡大している - NPO郷の元気は 棚田、畑

上勝・遊休資源活用による
持続的集落再生事業
NPO法人 郷の元気
上勝町の現状と課題
●止まらない高齢化と人口減少の進展により、
上勝町内の集落では、遊休民家(空家)、遊休宅地(空地)、
遊休農地、未活用人工林といった、
遊休資源が拡大している。
●上勝町では、持続可能な地域再生の取り組みにより、
平成15年以降15世帯のU・Iターン者を獲得した。
しかし、U・Iターン者の多くは町営住宅へ入居しており、
人口回復が本当に必要な集落居住が実現していない。
空家(空地)は最大の集落資源
●空家の活用で遊休農地や人工林も複合化。
農地
空家(空地)
人工
林
●空家の活用で集落居住が実現。
移住
希望者
空家
集落居住
町営
住宅
入居者
無人の家屋は老朽化を早める
●わずかな期間でも無人になった家屋は、畳が湿気を含んで
膨張したり、壁紙等にカビが発生したり、土台や柱が木材
腐朽菌で腐食がすすみ家屋の老朽化を進行させます。
●そのまま放置すると、大切な家屋も
構造上の致命的な被害を受けること
になります。家屋を守るためにも、
最低でも月に1度の通風、換気、通水
を行う必要があります。
空家には様々な状態がある
大
問
題
の
深
刻
さ
・
地
域
の
不
安
分類
空家
具体例
①所有者すら 危険家屋
不明の空家 不安空家
②活用予定
進入道路が狭い空家
のない空家 老朽化のひどい空家
準空家
常時利用の
建物
③一時的な
空家状態
居住高齢者が入院中
相続までの保留状態
④暫定利用
短期利用
低利用
倉庫・物置用
親族の短期滞在用
将来の同居・近居用
住宅・店舗・事務所・その他
空家は集落の不安要因となる
奥に今にも崩れ落ちそうな空家(危険家屋)が
あります。 集落の人が日常的に通行する道,
いつか大変な事故が起きるのではないかと毎
日不安です。
(集落の方の声)
長年放置されている隣の空家で,梅雨や夏場
に湿気がこもりシロアリが発生して困っていま
す。町内の方に聞いても所有者の連絡先が
分からず困っています。せめて連絡先が分か
れば何らかの手立ても考えられるのですが。
長く放置されている空家付近は、たずねる人
も少ないので、不心得者が入ったり、いたずら
で火災が発生しないか心配です。
空家所有者も不安を抱えている
住宅が狭かったので相続した両親の住宅を物
置として使っています。いつか子ども世帯が住
む住宅にできれば,と思っていましたが,思い
のほか老朽化が進み,改修費用が心配です。
不動産(空家)の活用について身近に相談で
きる人,信頼できる知り合いの業者がいませ
ん。不動産業者から引き合いはあるのですが,
何となく不安で断っています。
(空家所有者の声)
体を悪くして入院し,現在は子どもと同居して
います。できれば、空家にしたくないのでバリ
アフリー住宅に改修したいのですが、改修費
用を自己負担する余裕もなく悩んでいます。
上勝における空家の活用方法
個人住宅としての活用
・名称:奈良阪の家(国・登録有形文化財)
・所在地:奈良県奈良市
・活用方法:住宅
・運営主体:個人
文久 2 年(1862 年)に建てられた奈良阪の家は
青果問屋、また、住まいとして145 年間その家の
人々の暮らしを包み込んできた。当初の町家の
持つ様々な価値や魅力を生かし、それらを守り
維持しつつ、歴史的景観を活かした町づくりへの
貢献、そして現代の暮らしにとって奥行きのある
豊かで快適な住まいへの実現を目指再生された。
会員制二地域居住としての活用
・名称:荒蒔邸
・所在地:茨城県常陸太田市(ひたちおおたし)
・活用方法:会員制農家民宿(簡易宿所)
・運営主体:里美ツーリズム探求会(任意団体)
・会員登録者(4名から利用可能)
・会費:年間1万円・宿泊費:一泊2千円
・会員数:38組(20組以上がリピーター)
会員制とすることで、利用者が特定でき、周辺
住民の理解が得やすい。また、リピーターが多
くなり、地元との交流が促進し、周辺の観光地
へここを拠点に訪問する会員が多くなっている。
将来は定住化の可能性のある会員もいる。
安価で「二地域居住」が実現
【一年間の個人負担の例】
1万円(年会費)
+2千円(宿泊費)×20泊
+1万円(交通費)×15回
=20万円
コミュニティ施設としての活用
・名称:為山塾(いさんじゅく)
・所在地:島根県大田市
・活用方法:コミュニティ施設
・運営主体:石見銀山ロマン株式会社
昭和 30 年代の半ばから住む人もいなくなり、
空き家になっていた建物には、ちりやほこりが
積み重なり、あちこち老朽化も目立っていた。
2006 年より、地域の人たちが集える場所とし
て甦らせようということで、有志が集まり経年
のほこりを拭って再生した。セミナーや古民家
体験のワークショップ、コンサート会場等として
使われている。
福祉施設としての活用
・名称:田中さんち
・所在地:千葉県夷隅郡岬町(いすみぐんみさきまち)
・活用方法:高齢者自立支援通所宅老所
・運営主体:岬町
約 50 年前別荘として建築されたがほとんど
使われていなかった。岬町と、環境と福祉を
手がけるNPO「宇宙21(コスモス21)」と、社会的
に役立つことを望んでいた所有者の3 者の思惑が
岬町町長の発想で実を結び、結果として民家の
活用につながった。「田中さんち」というユニーク
な名称は、民家の持ち主から取ったもので、
利用者がなじみやすく軽い気持ちで使って欲しい
との想いからである。
文化施設としての活用
・名称:吹田歴史文化まちづくりセンター「浜屋敷」
・所在地:大阪府吹田市
・活用方法:まちづくりセンター
・運営主体:吹田歴史文化まちづくり協会
江戸時代後期に建築された古民家を再生し、
その特性を生かす事によって歴史と文化を保存
し、文化活動の振興と交流の場となって地域の
発展に資することを目指している。
吹田の歴史を伝承するとともに、市民の歴史、
文化活動振興を図り、個性豊かな地域文化を創
造し、ひいては歴史、文化のまちづくりに寄与
することを目的に平成15 年2 月に設立した。
観光・商業施設としての活用
・名 称:亀泉庵(きせんあん)
・所 在 地:山梨県北都留郡丹波山村(きたつるぐんたばやま)
・活用方法:飲食店舗・ものづくり体験施設・住居
・運営主体:個人
山間の小さな集落にある築 80 年以上の古民家
を、自らの手で改修した食事処と陶芸工房で
ある。まずは居住できるだけにして、それからは
毎年自らの手で少しずつ補強、改築、改装し、建
具・家具・照明などのリサイクル、リデザインも
平行して、本当に心安らぐ住空間の実現へ向け
て今も進行中である。
観光・宿泊施設としての活用
・名称:叶津番所(かのうづばんしょ)
・所在地:福島県南会津郡只見町
・活用方法:宿泊施設・その他施設
・運営主体:株式会社 ふおくろあ
叶津番所はかつての会津と越後を結ぶ八十里
越の番所跡で、今でも毎日囲炉裏に火をともし、
家屋(茅葺屋根)の維持管理に心を配っている。
現在は会員制別荘として体験宿泊できるよう
になっており(自炊のみ)、囲炉裏を囲む昔なが
らの体験をすることが出来る。
持続的集落再生事業の目標
●上勝町内の複合する遊休資源を再活用する
「遊休資源活用モデル事例(3集落程度)」を計画する。
(遊休資源=遊休民家・遊休宅地・遊休農地・遊休人工林)
●遊休資源活用実証モデル事例の集落では、
遊休資源の再活用、地元人材の雇用創出、集落居住の促進
移住者の獲得、地域コミュニティ再生等の複合的展開により、
集落活性化ビジネスづくりを目指した
集落再生の担い手を育成の実証実験を実施する。
(仮称)集落再生三段跳び計画
(仮称)集落再生三段跳び計画
●空家は、遊休資源の利活用で一番大切な資源となる。
そこで、空家の有効な利活用を進めるためには、
空家に関わる関係者(所有者・移住予定者・集落組織)
のニーズを把握、調整し、すべての関係者にメリットがある
空家の利活用を模索することが必要となる。
●同時に、それぞれの関係者の役割を明確に示し
ホップ・ステップ・ジャンプとステップアップしていく
運営システムを実践することで、
空家利活用の持続的な体制を構築する。
空家所有者の三段跳び計画
移住予定者の三段跳び計画
集落組織の三段跳び計画
集落再生へのアプローチモデル
集落再生計画での関係者の役割
●空家は個人資産であるため、空家利活用を推進するためには、所有者はもちろん、集落
住民や地元事業者などの理解と意識高揚が重要である。
●さらに、関係者間のニーズを調整しながら、所有者と利用者のマッチングを進めるために
は、集落組織やその中間支援組織等が重要な役割を担うこととなる。
集落の力・みんなの力
持続的
集落再生
終わりに
持続的集落再生に向けて、
私たちと協働して
空家・空地の利活用を
考えていただける
集落(3集落程度)を募集しています。
ご協力ください!
NPO法人 郷の元気