日本での電子書籍の普及

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Transcript 日本での電子書籍の普及

2013-01-29
よーへー(佐藤洋平)
はじめに
 概要
 1章 電子書籍について
 2章 電子書籍のメリットとディメリット
 3章 国会図書館の取組み
 4章 電子書籍の将来性
 参考資料
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近年、印刷書籍に代わるコンテンツとして電子書
籍がアメリカを中心に普及し始めているが、電子書
籍が普及することは果たして良いか悪いかを示す。
電子書籍は便利で経済的であり、普及することは
良いことである。
一見便利で経済的な電子書籍だが、何故一般に普
及しないのか。普及しないのは何か大きな問題や欠
点があるからではないか。日本の電子書籍業界の事
情を調査し、普及に至らない原因とそれを踏まえた
上での普及に対する可否について考察する。
1章では、電子書籍について詳しく説明する。
 2章では電子書籍のメリットとディメリットを分析
する
 3章では国会図書館が行っている、電子書籍
の保存と利用の取り組みについて説明する。
 4章では、電子書籍の将来性を考察する。
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電子書籍とは、紙にインクで印刷する印刷書籍に
代わって、パソコンやスマートフォンなどディジタル
機器のディスプレイを使い情報を発信する次世代コ
ンテンツである。
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既存の印刷物をそのままデジタルデータに変換し
たものから、ディジタル機器の特性に合わせて映像
や音が流れたり、文字サイズを変更できるようにした
もの、内容が自動的に更新されるものなどである。
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印刷物から電子データに代わることにより、印刷物という物体が必要なくなる。印
刷出版する必要がなくなれば、紙やインクといった資源を使うこともなくなり、非常
に経済的である。
電子書籍は蔵書スペースをほとんどとらない点で便利である。最近の電子書籍
リーダーなら1台の中に何千冊もの書籍を保存することが可能。
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実際の印刷書籍と違い、インターネットを経由して、いつでもどこでも手軽にコン
テンツを入手することができる。
文字のサイズなどを自在に調節することができる点。
保存性。印刷物は経年によって劣化し保存状態も悪くなる。また、古い出版物ほ
ど絶版の問題から入手が困難になる。電子書籍なら出版物がデータなので劣化
することもなく、半永久的に保存しておくことが可能なので、過去の書籍が入手し
づらくなることもなくなるだろう。
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印刷物という物体が必要なくなることは、印
刷業界からすると死活問題である。
保存性も、欠点になりうる。電子書籍はコン
ピュータ上にデータとして保存されるが、もし
記録されている機械に故障が起こるなど、
データを消失してしまえば、二度とその書籍
が手に入らなくなる可能性がある。
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NDLは、他機関と協力して、収集保存してい
る資料と情報を、意味的に関連付け、一元化的
に検索できるように考えている。そして、情報を文
化的な資産として、将来にわたって利用できるよ
うにすることを目指している。
様々な資料・情報を文化的資産として保存し、
利活用を促進するためには、収集・組織化・保
存・提供のシステム構築と運用、業務実施のあら
ゆる局面で、関係機関との連携協力が不可欠で
あると考えている。
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2009年に国立国会図書館法と著作権法が改
正され、国や自治体が発信するインターネット資
料については、著作権者の許諾なく収集すること
が可能となった。
さらに、2012年の改正により、オフライン資料の
収集も著作権者の許可なく行うことが可能となっ
た。これにより、無償提供されている電子書籍や
Webサイトは、ネットワーク上から消えても将来に
わたっての利用が可能となる。
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NDLが収集保存している印刷出版物は、原
本保存のために、2009年に大規模なディジタ
ル化を実施した。このディジタル化により、
NDL所蔵資料の1/4はディジタル化に成功し
た。しかし、残りの所蔵資料のディジタル化が
急務だが、国の予算が厳しいなかで、今後も
継続的に大量のディジタル化を行う目途は
立っていない。
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組織化とは、利用者が迅速かつ的確で容易に
検索できるよう、メタデータ(関連項目)を付与し
て整理することである。
図書・雑誌の出版者、博物館、文書館、図書館
など著作物を提供するすべての機関が、語彙の
違いを吸収できる共通のメタデータ記述規則を
適用し、意味的に関連付けられることが重要であ
る。関係機関で協力して、メタデータの相互互換
の仕組みを構築する必要がある。
経済産業省は、2012年度の事業の一つと
して、「コンテンツ緊急電子化事業」がある。こ
れは、東日本大震災の復興支援の一環として、
被災地域の雇用促進や、電子書籍制作拠点
の創出、それによる電子書籍市場の拡大を目
的とした事業である。
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被災地域で書籍の電子化作業を行った場
合、その制作費用の半額を国が補助する、補
助金額の予算は約10億円、つまり、電子書籍
化事業総額は約20億円である。
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日本では、アメリカを中心とした英語圏で行われている、紙媒体の書籍
を電子化する形での電子書籍販売はあまり積極的に受け入れられていな
い。その理由としては、「再販制度によって価格設定が困難」、「紙媒体の
書籍が電子化されても、それを読む環境が整っていない」ことが挙げられ
る。アメリカでそのような販売の仕方で売上が伸びているのは、書籍が電
子化されても読みやすい環境が整っている、また価格設定自由にできる
などの理由から、積極的に電子化した書籍を読もうという意欲があるから
である。
出版社は、電子書籍販売において、日本市場のニーズに答えることでビ
ジネスとしての収益を上げ、その一方で、店頭販売では売れなくなった書
籍のビジネスチャンスにも目を向けるべきである。そのために電子化コスト
を負担し、ある種の強制力で書籍を電子化する連携を、出版社は主体的
に行っていくべきである。
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