25年度住民向け医療安全推進講演会資料(1)

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Transcript 25年度住民向け医療安全推進講演会資料(1)

上手なお医者さんのかかり方
平成25年11月12日
東京都多摩小平保健所
医療コーディネータ
山中 鈴美
医療コーディネータの仕事
〇民間で開業するコーディネータ
・クライアントから依頼を受け、クライアントか
ら報酬を受け取る。クライアントの希望に添い、
調整を行う。
〇病院に帰属するコーディネータ
・病院の職員として、その病院に受診希望、
治療中、退院後の患者様に関わり調整を行う。
コーディネートの基本的な考え方
病院の機能と役割と患者理解を常に
医療の倫理を基本に
平等・公平な判断への理解
「病を持つ人」の理解、患者家族
情報収集とその活用
患者自己決定と自立への尊重
医療相談とカウセリング
他の職員への理解
自己覚知
コーディネータの役割
患者・家族の治療に関わる不安をなくす
患者を取り巻く環境の調整
インフォームド・コンセント
セカンド・オピニオン
今日のお話し
〇医療機関の機能⇒種類と機能
〇入院から、慢性化までの流れ⇒別紙参照
〇東京都の苦情より(平成24年)
〇上手な医療機関のかかり方⇒
〇連携の話し⇒
〇治療中の不安の解消⇒医療相談室の活用
〇医療事故について⇒
〇医療費の話し⇒
医療施設とは
• 病院
– 20人以上の患者を入院させることができる施設
• 診療所・歯科診療所
– 患者を入院させるための施設を有しないもの又は
19人以下の患者を入院させるための施設を有する
• 助産所
– 妊婦、産婦又はじょく婦10人以上の入院施設を有
してはならない。
病 院
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特定機能病院(大学付属病院本院)
地域医療支援病院
一般病院
ケアミックス病院
療養型病院
老人病院
精神病院
上手にお医者さんにかかる
必要性(国の施策から)
★安全に効果的な医療を受ける事を前提に
〇国にとって
・医療費の削減⇒無駄をなくし、少しでも医療費を
減らしたい。
〇保険者にとって
・国保⇒病院ショッピングを止めてほしい。
・組合・社会保険⇒高齢者医療への持ち出しが多い。
高齢化率2013年(平成25年)には
25.1%で4人に1人を上回った
上手にお医者さんにかかる
必要性(患者の立場から)
★健康上の不安を解消したい
〇疾患による苦痛を軽減したい
〇効果的な良い治療を受けたい
〇納得のいく治療を受けたい・選びたい
〇自立・自己決定の治療を受けたい
〇自分らしく生きたい・自分を守りたい
良い医師とは
鎌田先生の言葉を借りて
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話しをよく聞いてくれる
説明が分かりやすい
薬に頼らず生活上の注意をしてくれる
必要であれば専門医を紹介してくれる
家族の気持ちまで考えてくれる
地域の医療や福祉に熟知している
医療の限界を知っている
患者のつらさや悲しみを理解してくれる
セカンド・オピニオンを聞きたいという希望を
いつも快く応じてくれる
医療を受けるうえで大切なこと
〇相互性のある医療を受けるための心構え
・自己決定が出来るようになること
・自己決定の前に自分を知ること
・自分を知る事は、健康上の問題を自分なりに
知り、情報としてまとめられる
・健康であるために必要と言われている最低限
のことを守れる
※医療者が出来ること、患者が出来ることがある
「上手な医者のかかり方 10か条」
伝えたいことはメモして準備 しましょう
対話の始まりは挨拶から です
よりよい関係づくりはあなたにも責任が あります
自覚症状と病歴はあなたから伝える大切な情報 です
不安にならないよう、これからの見通しを聞きま
しょう。
6. その後の変化も伝える努力を しましょう
7. 大事なことはメモをとって確認 しましょう
8. 納得できないときは何度でも質問 しましょう
9. 治療効果を上げるため、お互いに理解が必要 です
10. よく相談し、治療方法を決めましょう
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ホームドクター・かかりつけ医を持つ
基本的な医療の受け方
〇気になることがあったら、まずはかかりつけ医に相談しましょう。
〇必要に応じて、高度な医療が受けられる病院に紹介状を書い
てもらうことができます。
〇かかりつけ医は、あなたの生活習慣、家族背景も分かったうえ
で、あなたに一番あった治療方法について、相談にのってくれる
強い味方です。
〇治療方針やその効果などを納得いくまで説明してもらえるよう、
かかりつけ医と信頼関係を築くことが大切です。
診察の受け方
●問診票は具体的に事実を書きましょう
・診察前に記入します。困っている事を具体的に、自分の判断
はしないでくださいね。
●要領良く話す
・いつ頃、何処が、どのように、どうあり、今どうか・・・を伝えら
れると良いですね。
●全身を診てもらう
・自分で見えない部分に問題があることも。見る、触る、聴診を
受けると良いですね。
●診断には時間がかかることもある
・その日に出来ない検査もあります。症状によっては薬を直ぐ
に出せないこともあります。不安になりそうですが・・・、どの位
かかりそうか確認してくださいね。
診療が終わったら
〇次回の診察の確認
〇薬についての説明を受ける
〇どの位の期間の治療になりそうか
〇次回までの注意点
〇受付で医療費はどのくらいかかるのか
(今後も見込み)
〇会計時、領収書を受け取る、内容を確認
医師との診察で不安が残ったら・・・
●自分で得られる情報を得ましょう
・病院や地域の図書館
●相談しましょう
・受診した医療機関の看護師・MSWへ
●他の医師の意見を聞いてみましょう
・セカンド・オピニオン
セカンド・オピニオン
第2の医師に意見を
〇セカンドオピニオンとは、主治医以外の医師(第2の医
師)の意見を聞くことです。
〇治療方法に関する考え方は、医師によって異なります。
手術や治療方法など重大な決断をしなければならない
時、他の医師の意見を聞くことは、病気や治療方法のメ
リット、デメリットを理解し、あなたに一番あった治療方法
を選択する一助となります。
〇セカンドオピニオンを受けたい時は、現在の主治医に
申し出て、紹介状(これまでの治療、検査データ、薬の情
報など)を書いてもらいましょう。
セカンド・オピニオンの流れ
かかりつけ医と
目的を明確にする
↓
セカンド・オピニオン先を決める
↓
聞きたいことをまとめる
↓
紹介状をもらう(情報提供書)
↓
セカンド・オピニオンを受ける
↓
セカンド・オピニオンの意見をかかりつけ医と再度検討
セカンド・オピニオンの探し方
●信頼できる かかりつけ医に紹介してもらい
ましょう。
●地域・知人・周囲の方から情報を得ましょう。
●ネット検索でセカンド・オピニオンを行っている
医療機関を探せます。
※直接医療機関に電話で質問も出来ます。
セカンド・オピニオンのタイミング
★セカンド・オピニオンはかかりつけ医と治療の
方針を決めるもの。一緒に考えてもらう。
●その為には本音で話し、相談し決める。
●かかりつけ医と診療内容と科が違う時に
●正しいセカンド・オピニオンを理解していない
医師もいる。⇒転院を勧めることもある。
●相性が悪い⇒今後の診療を受けるかも??
一般的な受診から退院までの流れ
・クリニック受診⇒病院紹介される(情報提供書持参)
・病院受診⇒クリニックからの依頼内容で検査治療を行う
・入院⇒入院治療が必要(手術・特殊な治療)
・退院⇒クリニックへ戻る(病院からの情報提供書持参)
・クリニック通院治療⇒服薬と診療
定期的に病院へ行くことがある
患者の声から考える
24年度第1回東京都研修報告より
東京都患者の声相談窓口の集計より
●相談と苦情
11897件 (H23年度)
★相談:健康相談 医療費相談 治療内容等
⇒57.3%
★苦情:医療行為 医療内容 医療従事者の接遇
説明不足 ⇒41.0%
●原因:医療体制に対しての知識不足
医療に対しての過剰な期待
専門性の高い医療への知識量の格差
患者側から見た医療
●診療場面では
病状、治療方針、治療の見通し、薬について、
日々の過ごし方など、もう一度聞く場面が少ない
●受付や会計では、いつ呼ばれるかわからない
待たされる
●ぞんざいな対応をされた、言葉がきつい
医療従事者の接遇に対して
患者が望む医療の姿
●安心し、信頼できる医療
●クリアである医療
●納得できる医療
★「丁寧な説明」と「親切な対応」
★信頼できる医療技術の蓄積
★わかりやすい具体的な情報提供
★患者の気持ちを汲んで欲しい
患者側からみると・・・
●顔や目を見て話してくれない
●言い方がつっけんどんである
●聞いても不親切
●笑顔がない
●何かのしながら対応する
●手のしぐさや動作に不信感がある
★患者は医療者の「言葉」と「態度」を良く
見ている
医療者側の主張は・・・
●こんなに一生懸命やっているに・・・・
●たくさんの患者さんがいて、
その対応に大変!!
●何回説明しても理解しない
●質問したいことがよく分らない
●忙しいときに面倒な質問、
そんなことは医師に聞いて・・・
●みんな待っているんだから、
もう少し 待ってください
患者と医療者のギャップ
●医療者側が感じ、考え、実施していること
大きなギャップがある
伝わりにくい
病院側の努力に?頼っている
●医療の受けてが感じ、考えて、理解して
いること
患者になるということへ
〇理不尽に不平等
〇いつもと違う状態
〇不確定要素の多い状況に身を置く(不安定)
〇依存
〇患者の声は届きにくい、フラストレーション
医療事故の話し
〇コミュニケ―ションエラーについて
〇この10年で起きた事故から
〇事故かな?と思ったら
地域医療連携室
・近年の医療政策により近隣の病院との連携が
必要になり、その窓口となる組織が必要となっ
た。
そこで、設立されたのが、この地域医療連携室で
ある。
※情報提供書を持った患者さんの予約や調整
をしてくれる場所
連携の形
① 返送
か
か
り
つ
け
医
② 逆紹介
紹介
病
逆紹介
病
院
院
かかりつけ医
以外の医療機関
返送
③ 別送
紹介
か
か
り
つ
け
医
病
別送
かかりつけ医
以外の医療機関
院
医
師
薬剤師
栄養士
患
紹介先
者
連携
P
MSW
看護師
T
診療所
病院
「退院」の新しいとらえ方
〇これまでの「退院」
・患者が、療養生活を自立して営むことができる
ようになった時
・患者に医療的支援が不要になった時
〇新しい「退院」
・患者の病状が入院適応でなくなった時
・専門職の支援は継続して必要だが、入院の
必要はなくなった時
(表)
回復期リハビリテーション病棟(病院)を利用できる人
の用件と入院の上限期間
回復期リハビリテーションを利用できる人の用件
入院の上限期間
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎、多発性硬化症
などの発症または手術後2ヶ月以内の方
150日
(高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の脊髄損傷およ
び頭部外傷を含む多発外傷の場合)
180日
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節、膝関節の骨折の発症または手術後
2ヶ月以内の状態の方
90日
外科手術または肺炎などの治療時の安静により生じた廃用症候群
があり、手術後または発症後2ヶ月以内の状態の方
90日
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節、膝関節の神経、筋、靭帯損傷後の
1ヶ月以内の状態の方
60日
疾患別期間の上限
種類
期間
脳血管
150日~180日
運動器疾患
90日
呼吸器疾患
150日
心大血管疾患
150日
退院調整ってなあに?
〇病院では入院から看護師やMSWが関わる。
〇退院が決まった時に、自宅ですぐに生活ができる
ように、介護保険を案内したり、退院後に使用する
道具の使い方を教えてくれます。
〇リハビリが必要な場合は転院先を探してくれます。
※困った事を調整し、相談に乗ってくれたり、必要な
社会資源を紹介してくれながら支援をします。
退院調整 ケース1
○84歳の男性、82歳の妻と二人暮らし、都営住宅3
Fにて普通の生活をしていた。
○子供は2人、長男は関西、長女は都内に独立
○11月○日、買い物帰りに妻が転倒、大腿骨頚部
骨折にて救急搬送、手術は成功し、治療は終わり、
リハビリを勧められるが、大声を出したり、コミュニ
ケーションが取れず、夫も困ってしまった。
○退院調整はどのようにしますか?
退院後介護保険を使って
介護施設へ入所
• 介護老人保健施設
• 介護療養型医療施設
• 介護老人福祉施設
医療費の負担額
一定以上の所得者とは、夫婦2人の世帯で、年収約520万
円以上、単身世帯で年収約383万円以上の世帯が目安です。
一般、低所得者
一定以上の所得者
(現役並み所得者)
~69才
70才~74才
75才以上
3割負担(ただし、3才未満は2割)
3割負担
1割負担
(ただし、2008
年4月からは2割
の予定)
1割負担
少ない支払で済む
限度額認定書使用の
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上位所得者(標準報酬月額53万円以上の方)
申請書の種類:限度額適用認定申請書
自己負担限度額:150,000円+(総医療費-500,000円)×1%
多数該当:83,400円
一般所得者
申請書の種類:限度額適用認定申請書
自己負担限度額:80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
多数該当:44,400円
低所得者
申請書の種類:限度額適用・標準負担額減額認定申請書
自己負担限度額:35,400円
多数該当:24,600円
• ※手続きは現在利用の健保・国保にてご相談ください。
入院日で支払を少なくするには
★入院期間の確認:流れの説明を受ける
月をまたがないように申込みをする
〇一月かかりそうなら、月初めの入院にし、
月末に退院する
〇月末の入院は避けた方がよいかも・・・
ロール・プレイから
〇診察の模擬~
〇セカンド・オピニオン~
まとめ
〇今日の話しでお伝えしたいこと
〇質疑・応答
〇ご清聴ありがとうございました。
おわり