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2014/09/19
JPS2014年秋期大会@佐賀大
CALETフライトモデル
ミューオン試験結果
仁井田多絵,鳥居祥二A,浅岡陽一A,小澤俊介
B,
田村忠久C,清水雄輝D,赤池陽水E,木村寿利,
他CALETチーム
早大先進理工,早大理工研A,早大重点領域研究機構B,
神奈川大工C,JAXA/SEUCD,東大宇宙線研E
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大気ミューオンによる機能試験

44.8 cm
CALETフライトモデルの機能試験
Trigger Scin.1
ー 装置コンポネント(CHD, IMC, TASC)の機能確認
ー データ取得システムの動作検証

FEC
試験方法
ー 外部トリガー信号により大気ミューオンのデータを取得
組立試験
熱真空試験
試験日
測定時間
1. CHD 各層
2. IMC 1-4層
3. IMC 5-8層
4. TASC 1-2, 3-4,
5-6層 (X, Y)
5. CHD 全層
6. TASC 全層
7. IMC 全層 ※
5/14
5/13
5/12
各層 ~2.0 h
3.0 h
1.6 h
3/20-4/02
各組 ~1.5 h
7/16-7/19
7/16-7/19
7/20
70 h
70 h
0.6 h
※ IMCのデータは熱真空試験後に常温で取得
5.3 cm
CHD
IMC
ー 検出器上部に配置した装置全面を覆う2枚の
シンチレータのコインシデンスによりトリガーを生成
(カウントレート:IMC試験 約22.8 Hz、TASC試験 10.2 Hz)
Data set
4.0 cm
Trigger Scin.2
32.6 cm
Trigger Scin.1
4.0 cm
Trigger Scin.2
5.3 cm
FEC
TASC
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外部トリガーシステム
• 検出器上部に配置した2枚のシンチレータの出力からトリガー信号を生成し、
外部トリガーとして検出器に入力
高電圧分配
ボックス
トリガー用
シンチレータ
検出器
(暗幕付き)
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トリガーシンチレータの性能確認
• 厚さ1cmのシンチレータに、波長変換ファイバー(WLSF)を等間隔で
埋め込み、光電子増倍管(PMT)で読み出し
ー シンチレータ:EJ-200 (ELJEN TECHNOLOGY)
サイズ:IMC用 44.8 × 44.8 × 1.0 cm
TASC用 32.6 × 32.6 × 1.0 cm
ー WLSF: Y11 (200) (クラレ)
ー PMT: H6780 (浜松ホトニクス)
Trigger Scin.1
Trigger Scin.2
ミューオン測定時の出力値分布
シンチレータ
IMC用シンチレータ2枚、TASC用シン
チレータ2枚の各々について、
写真
光電子増倍管
ファイバー
ー 出力の位置依存性(<36 %)を考慮して
最適の波高弁別閾値を設定
ー トリガーレートの安定性を確認
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各コンポネントにおけるミューオン測定例
Data set 7. IMC全層
ミューオン飛跡検出例(X層)
Data set 1. CHD各層
出力分布例
(X層, log #6)
Data set 2. IMC 1-4層
layer #1
出力分布例
(Y-1層, fiber #224)
layer #2
※イベント選別前
Data set 4. TASC各層
出力分布例
(X-1層, log #9)
Data set 6. TASC全層
Counts [ADU]
layer #3
layer #4
layer #5
シャワーイベント検出例(X層)
layer #6
layer #7
layer #8
Channel Number
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トリガー効率の検証
• CALETの3種類のトリガーモード
 High Energy Shower Trigger : 10 GeV以上のシャワーイベント検出用
 Low Energy Shower Trigger : 1 GeV以上のシャワーイベント検出用
 Single Trigger
: シングル通過粒子の検出用(装置較正用)
• 各層の信号和のANDでトリガーをかける
CHD
IMC
TASC
トリガー層
CHD X層
CHD Y層
IMC-Dynode X1層
IMC-Dynode Y1層
IMC-Dynode X2層
IMC-Dynode Y2層
IMC-Dynode X3層
IMC-Dynode Y3層
IMC-Dynode X4層
IMC-Dynode Y4層
TASC 1層目
High Energy Low Energy
Single Trig.
Shower Trig. Shower Trig.
> 7.5 MIP
> 7.5 MIP
> 55 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 2.5 MIP
> 2.5 MIP
> 7.0 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
> 0.7 MIP
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トリガー効率の検証
• 外部トリガーで取得した全イベントに対する、
IMC-Dynodeのトリガーフラグの割合を検証
Data set 3. IMC-Dynode Y4
全トリガーイベント
フラグの付いたイベント
フラグの付いたイベントの割合
→ 内部トリガーの効率は閾値以上でほぼ100%
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ミューオン飛跡再構成
• 各層における発光からミューオンの飛跡を再構成
1. 各層から最大発光点(>0.1MIP)(簡易MIP値換算後)を選択。
2. 最大発光点の光量が0.1MIP以上の場合は、
その中心座標を飛跡候補点として採用。
最大発光点および隣のファイバーの光量がともに0.1MIP
以上の場合は、そのエネルギー重心を飛跡候補点とする。
3. 4層すべてで候補点が見つかったら、直線でフィッティング。
CHD
IMC
#1
#2
#3
#4
#5 #6
#7
#8
>
飛跡再構成模式図
ミューオン飛跡フィッティング例
(Data set 2. IMC1-4層)
>
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ミューオン飛跡再構成
• 試験データの解析結果では、
ー 飛跡再構成効率(X,Y各4層すべて発光したイベントの割合)は、52.5 %
※ 大気ミューオンの天頂角分布はcos2θ dSdΩと仮定
• シミュレーション※による見積もりでは、
ー 幾何学的に、2枚のトリガーシンチレータを通過するイベントのうち、
検出器を上から下まで貫くイベントの割合は、 64.5 %
ー ファイバーの不感領域(クラッド)を考慮すると、そのうち全層(X,Y各4層)発光する
イベントの割合は、93.8 %
天頂角分布
→ 現時点で90%程度の再構成効率を確認し
ているが、今後より詳細なシミュレーションと
データ解析を実施して正確な評価を行なう
Scin1
Scin2
Scin.1を通過
Scin.1と2を通過(条件1)
条件1かつ
IMC1-4層を通過(条件2)
IMC
条件2かつ
全層発光(>0.1MIP)
実験データ
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IMCにおける各シンチファイバーの出力波高値(1MIP)
• 飛跡再構成によるミューオン通過位置情報から、各チャンネルのミューオン通
過時の出力波高値分布を求め、Gauss関数でフィッティングして1MIP値を導出
全トリガーイベント
飛跡通過イベント
Gauss関数による
フィッティング
1MIP: 186.3 count
ファイバーの出力値分布例
(Data set 2. IMC-layer#X-1, fiber #225)
1MIP値の分布(ゲイン補正前)
※イベント数の多い検出器中央部の
1,600本(200本×X,Y各4層)
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ファイバー位置精度検証
• 飛跡通過位置とファイバー座標とのずれの分布から、
各層の平均的なファイバー位置の誤差を推定
layer X-1
Peak: -0.021 mm
layer X-2
Peak: 0.16 mm
layer X-3
Peak: -0.26 mm
layer X-4
Peak: 0.12 mm
layer Y-1
Peak: 0.023 mm
layer Y-2
Peak: 0.10 mm
layer Y-3
Peak: -0.27 mm
layer Y-4
Peak: 0.14 mm
→ 層ごとの位置推定精度は±0.3 mm以内
横軸 : xtrack – xfiber
[mm]
縦軸 : Counts
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結論
 CALETフライトモデルの機能試験として、大気ミューオン測定を実施。
ー CHD、IMC1-4層目、5-8層目、TASCについて個別に測定。
ー 検出器上部の2枚のトリガーシンチレータのコインシデンスでデータ取得。
 内部トリガーのフラグからトリガーシステムの健全性を確認。
ー 閾値以上の出力をもつ全イベントに対して、ほぼ100%の効率で
トリガーシグナルを検出。
 各コンポネント毎にデータを取得し、各チャンネルのミューオンシグナルを測定。
ー シグナル波高値は、各センサーのゲインの違いを考慮すると期待通り。
 ミューオンの飛跡を再構成し、飛跡の情報からIMC各ファイバーの座標を導出。
ー 層ごとのファイバーの位置推定誤差は、±0.3 mm以内。
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End
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