2014年02月22日 AU 種谷報告

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Transcript 2014年02月22日 AU 種谷報告

中古部品輸出市場の概況
2013年11月9日
セントパーツ株式会社
種谷 謙一
解体業者を取り巻く環境
使用済自動車発生台数
使用済自動車発生台数
=前年末保有台数+当年新車販売台数ー当年末保有台数
単位:万台
新車販売台数
2005年度 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度
586.1
561.8
532.0
470.1
488.0
460.1
475.3
521.0
7,550.7
7,568.0
7,546.9
7,514.4
7,502.4
7,499.7
7,545.5
7,593.4
使用済自動車
発生台数
523.5
544.5
553.1
502.7
499.9
462.8
429.5
473.2
自動車解体台数
316.7
373.9
386.7
371.7
407.6
383.4
308.1
356.2
発生台数ー解体台数
206.8
170.6
166.4
131.0
92.3
79.4
121.4
117.0
132.8
148.5
146.4
80.3
94.0
92.4
113.9
保有台数
輸出抹消台数
出所:日本自動車販売協会連合会、国土交通省(非けん引車、軽二輪車除く)、自動車リサイクル促進センター
■新車販売台数の増加と保有台数の減少が発生台数増加に直結しやすい
■使用済自動車の主な行先は解体と中古車輸出
2
解体業者の売上構成と業態変換
解体業者売上構成比【2008年度】
解体業者
1970年代
中古部品生産業者
1980年代
中盤
中古車販売
5%
その他
5%
リサイクル費
用
5%
中古部品販売業者
素材販売
30%
中古部品販
売
55%
リサイクル部品販売業者
出所:矢野経済研究所「自動車リサイクルマーケット総覧2009年版」
■スクラップ主体の業態から中古部品(リサイクル部品)販売主体の業態へ変化
■業態変換が容易でない事業者も存在
3
解体業者数の推移と環境変化への対応
4,000
3,000
4,665
4,614
5,000
4,624
4,552
4,463
4,367
4,146
4,065
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
3,030
2,000
1,000
0
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
出所:公益財団法人 自動車リサイクル促進センター
1,400,000
1,200,000
1,000,000
800,000
600,000
400,000
200,000
0
839,848
10.5%
396,103
12.2%
1,010,234
13.6%
1,148,518
14.3%
1,269,498
17.2%
1,193,330
17.0%
1,110,468
25.0%
1,055,347
19.5% 20.0%
16.3%
15.0%
10.0%
5.0%
0.0%
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
出所:矢野経済研究所「中古車流通総覧2012年版」
■自動車リサイクル法の施行を契機とした流通変化
■業態変換と環境変化への対応が困難な業者を中心に淘汰が徐々に進行
4
拡大が見込み難い中古部品の国内需要
【各年3月末】
7,800
10
7,600
7,400
7,237
7,363
7,488
7,146
7,200
7,000
7,307
7,407
7,551 7,568 7,547 7,514
6,972
7,056
6,862
6,800
6,600
5.14
5.33
5.60 5.84
6.04
6.23 6.39
6.58
6.77
6.90
7.09
7.23
7,502 7,500
7.48
7,546
7.56 7.74
7,593
9
7.95
8
7
6
5
6,400
4
97
98
99
00
01
02
03
04
保有台数(万台)
05
06
07
08
09
10
11
12
13
平均車齢(年/乗用車)
出所:国土交通省(非けん引車、軽二輪車除く)、(財)自動車検査登録情報協会
■整備機会の減少に伴う補修部品需要の低下
■車両価値に対する補修部品価格が上昇
など
5
中古部品輸出の概況
世界で増加する日本車
中古車輸出台数の推移
2000000
1500000
1,517,384
輸出抹消台数
1,426,646
1,257,428
貿易統計台数
924,603 923,400 925,064
1000000
529,921
500000
0
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
出所:日本自動車販売協会連合会、財務省「貿易統計」
20,000,000
12年
1-6月
15,825,398
13,181,554
15,000,000
10,606,157
10,000,000
5,000,000
2011年
3,264,940
5,559,480
6,288,192
1995年
2000年
0
1990年
出所:日本自動車工業会
2005年
2010年
2012年
■中古車輸出台数は2001年からの累計だけで1,200万台以上(ハーフカット輸出
等を含めると更に多い)
■海外での日本車生産台数も急伸
7
旺盛な海外での中古部品需要
輸出上位国
マレーシア
UAE(シャルジャー)
フィリピン
タイ
ロシア
中東
アフリカ、南米等
■中古部品輸出を行う解体業者は半数を超える
■中古部品の輸出先上位2か国は再輸出国であるマレーシア、UAE
■その他、中東の人間は自身で解体業を行うケースも多い
8
マレーシアにおける中古部品輸出入状況
日本
輸出先
マレーシア
アフリカ地域
解体業者
中古部品
販売会社
ナイジェリア
(再輸出)
解体業者
南アフリカ
(再輸出)
日本からの輸入
中古部品
販売会社
解体業者
中東
販売の8割程度を再輸出
解体業者
中古部品
販売会社
解体業者
日本以外からの輸入
シャルジャ
(再輸出)
パキスタン
アジア近隣
タイ
解体業者
オースト
ラリア等
国内ユーザー
ミャンマー
など
■日本由来の中古部品を中心に他国へ再輸出
■立地、文化、物価における優位性を活かした再輸出大国
9
マレーシアにおける中古部品販売状況
n=51
中古部品販売価格
中古部品取扱比率(MAARA加盟企業)
0.0%
20.0%
エンジン
90.2%
7.8%
76.5%
19.6%
72.5%
19.6%
74.5%
スタータ
ホイール
ボディパーツ
100.0%
7.8%
オルタネータ
ショックアブソーバ
80.0%
88.2%
変速機
アクスル
60.0%
販売価格(RM)
日本円換算(27.5円)
【中間値】
変速機
1,000-1,500
34,375
ノーズカット
500-800
17,875
アクスル
300-700
13,750
ダッシュボード
300-650
13,063
バンパー
300-500
11,000
フロントガラス
200-300
6,875
ボンネット
150-300
6,188
ラジエター
180-250
5,913
ブレーキランプ
80-130
2,888
フェンダー
60-120
2,475
ヘッドランプ
60-120
2,475
スタータ
50-120
2,338
ショックアブソーバ
70-90
2,200
オルタネータ
50-80
1,788
19.6%
中古車
ハーフカット/ノーズカット
40.0%
17.6%
88.2%
5.9%
11.8%
7.8%
中古部品販売比率
7.8%
リビルト部品販売比率
出所:Malaysian Automotive Recycling Association
■日本国内向けとは異なる部品の販売をする商社機能を有するものの、
現地での販売価格は日本での引渡時点の1.5倍~3倍程度
10
ロシアにおける中古部品輸出入状況
日本
ロシア(極東地域)
解体業者
集荷
中古部品
販売会社
駐在バイ
ヤー
解体業者
集荷
駐在バイ
ヤー
日本からの輸入
中古部品
販売会社
若
干
数
解体業者
中古部品
販売会社
解体業者
バイヤー
集荷
インターネット
サイト
(
旧
近
ソ
隣
連
地
・
域
モ
へ
ン
の
ゴ
輸
ル
出
等
)
ネット経由購入
自社サイトを含むインター
ネットサイトを介した販売
が中心
国内ユーザー
(整備業者等含む)
■自国向け輸入が中心のため、比較的単価も高く、無駄な部品を輸入しない
⇒当然ながら品質への要求も高くなる
11
日本の強みと今後の可能性
日本発中古部品の品質
自動車先進国ならではのELV品質
○ 日本メーカーの弛まぬ努力による、高い
国際的競争力と高い車両品質
《参考》
マレーシアで販売される中古部品の輸入元
(社数ベースの取引国比率)
0.0%
20.0%
日本
○ 車検制度とアフターマーケット市場の形
成によるDIY補修の非浸透
○ メーカー集積国所以の過当な販売競争
韓国
○ 贅沢なユーザー価値観
80.0%
100.0%
21.0%
10.0%
ドイツ
20.0%
中国
7.6%
ニュージーランド
8.0%
香港
60.0%
82.2%
オーストラリア
○ 日本の隅々まで行き渡る交通インフラ
整備と狭い国土
40.0%
21.0%
出所:Malaysian Automotive Recycling Association
■日本が優良な中古部品の発祥地であることは不変
■日本メーカーが廃れない限り、世界に需要を見出すことは可能
13
日本における自動車リサイクルの先進性
自動車リサイクル法施行を契機と
した適正処理の浸透
リサイクル関連企業の技術革新
周辺環境の変化と産業形成に向け
た取り組みがもたらした業態の変
化
世界に誇れる
自動車リサイクル産業
14
《参考》近隣他国での自動車リサイクル現場
タイ(バンコク郊外)
ベトナム(ドンヴァン郡)
フィリピン(マニラ郊外)
中国(重慶)
自動車普及途上国では、
自動車解体業そのものが未確立
出所:経済産業省「平成19年度アジア産業基盤強化等事業(自動車リサイクル等調査)」報告書
15
中古部品輸出市場の可能性
国
内
拡大が見込み難
い中古部品の
国内需要
日本発
中古部品の品質
海
外
海外の中古部品
販売会社が主導
する流通形態
中期的に継続す
る産業形成期
やり方次第では日
本特有の産業とし
て大きな可能性が
見出せる
旺盛な海外での
中古部品需要
日本における自
動車リサイクル
の先進性
世界で増加する
日本車
16