日本人の食事摂取基準(2015年版)スライド集

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日本人の食事摂取基準(2015年版)
のポイント
「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」の報告書をも
とに、ポイントをスライドにまとめたものです。
食事摂取基準策定の沿革
○戦後、科学技術庁が策定していた「日本人の栄養所要量」について、昭和44年の策定
より、厚生省が改定を行うこととなった。また、平成17年度より使用した「日本人の食事摂
取基準(2005年版)」において、食事摂取基準の概念を全面的に導入し、名称を変更す
ることとした。
使用期間
策定時期
昭和45年度~49年度
昭和44年 8月
(第1次改定)
昭和50年度~54年度
昭和50年 3月
(第2次改定)
昭和55年度~59年度
昭和54年 8月
(第3次改定)
昭和60年度~平成元年度
昭和59年 8月
(第4次改定)
平成2年度~6年度
平成元年 9月
(第5次改定)
平成7年度~11年度
平成 6年 3月
(第6次改定)-食事摂取基準-
平成12年度~16年度
平成11年 6月
日本人の食事摂取基準 (2005 年版)
平成17年度~21年度
平成16年10月
日本人の食事摂取基準 (2010 年版)
平成22年度~26年度
平成21年 5月
日本人の食事摂取基準 (2015 年版)
平成27年度~31年度
平成26年 3月
日本人の栄養所要量
日本人の食事摂取基準(2015年版)について
策定の目的
日本人の食事摂取基準は、健康増進法(平成14年法律第103号)第30条の
2に基づき厚生労働大臣が定めるものとされ、国民の健康の保持・増進を図
る上で摂取することが望ましいエネルギーと栄養素の量の基準を示すもので
ある。
使用期間
平成27(2015)年度から平成31(2019)年度の5年間。
改定作業
・平成25年2月に「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会を立ち上げ、
改定に向けた検討を重ね、3月28日に検討会報告書をとりまとめた。
・平成26年度中に、検討会報告書をもとに、平成27年度から使用する食事摂取
基準について大臣告示を行う予定。
策 定 方 針
 健康の保持・増進、生活習慣病の発症予防とともに、重症化予防も視野に入
れ、策定を行った。このため、関連する各種疾患ガイドラインとも調和を図る
こととした。
 科学的根拠に基づく策定を行うことを基本とし、現時点で根拠は十分ではな
いが、重要な課題については、研究課題の整理も行うこととした。
健康寿命の延伸
健康の
保持・増進
生活習慣病の
発症予防
生活習慣病の
重症化予防
国民の栄養評価・栄養管理の標準化と質の向上
○管理栄養士、医師等保健医療関係者による有効活用
各種疾患ガイドライン
(食事療法含む)の改定
食事摂取基準の改定
科学的根拠の整理
根拠は不十分だが、
重要な課題
実践・研究の推進
科学的根拠の集積
健康日本21(第2次)の推進
高
齢
化
の
進
展
・
糖
尿
病
等
有
病
者
数
の
増
加
〈平成25~34年度〉
主要な生活習慣病(がん、循環器疾患、糖尿病、COPD)の発症予防と重症化予防の徹底
日本人の食事摂取基準(2015年版)策定の方向性
対象とする個人並びに集団の範囲
 食事摂取基準の対象は、健康な個人並びに健康な人を中心と
して構成されている集団とし、高血圧、脂質異常、高血糖、腎機
能低下に関するリスクを有していても自立した日常生活を営ん
でいる者を含む。具体的には、歩行や家事などの身体活動を
行っている者であり、体格(body mass index:BMI)が標準より著
しく外れていない者とする。なお、高血圧、脂質異常、高血糖、
腎機能低下に関するリスクを有する者とは、保健指導レベルに
ある者までを含むものとする。
 疾患を有していたり、疾患に関する高いリスクを有していたりす
る個人並びに集団に対して、治療を目的とする場合は、食事摂
取基準におけるエネルギー及び栄養素の摂取に関する基本的
な考え方を理解した上で、その疾患に関連する治療ガイドライン
等の栄養管理指針を用いることになる。
指標の目的と種類
 エネルギーの指標
エネルギー摂取の過不足の回避を目的とする指標を設定する。
 栄養素の指標
3つの目的からなる5つの指標で構成する。具体的には、摂取不足の回避を目
的とする 3 種類の指標、過剰摂取による健康障害の回避を目的とする指標、及
び生活習慣病の予防を目的とする指標から構成する。
<目的>
摂取不足の回避
<種類>
推定平均必要量、推奨量
*これらを推定できない場合の代替指標:目安量
過剰摂取による健康障害の回避
耐容上限量
生活習慣病の予防
目標量
栄養素の指標の目的と種類
策 定 す る 指 標
 エネルギーの指標
エネルギーについては、エネルギーの摂取量及び消費量のバランス(エネルギー
収支バランス)の維持を示す指標として、BMI を採用することとした。
 栄養素の指標
 推定平均必要量(estimated average requirement:EAR)
ある対象集団において測定された必要量の分布に基づき、母集団における必要
量の平均値の推定値を示すものとして「推定平均必要量」を定義する。つまり、当
該集団に属する 50% の人が必要量を満たす(同時に、50% の人が必要量を満た
さない)と推定される摂取量として定義される。
 推奨量(recommended dietary allowance:RDA)
ある対象集団において測定された必要量の分布に基づき、母集団に属するほと
んどの人(97~98%)が充足している量として「推奨量」を定義する。推奨量は、推
定平均必要量が与えられる栄養素に対して設定され、推定平均必要量を用いて算
出される。
 目安量(adequate intake:AI)
特定の集団における、ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量として「目安
量」を定義する。十分な科学的根拠が得られず「推定平均必要量」が算定できない
場合に算定するものとする。実際には、特定の集団において不足状態を示す人が
ほとんど観察されない量として与えられる。
相対的なリスク
 耐容上限量(tolerable upper intake level:UL)
健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限を与える量として
「耐容上限量」を定義する。これを超えて摂取すると、過剰摂取によって生じる潜在的な
健康障害のリスクが高まると考える。
 目標量(tentative dietary goal for preventing life─style related diseases:DG)
生活習慣病の予防を目的として、特定の集団において、その疾患のリスクや、その代理
指標となる生体指標の値が低くなると考えられる栄養状態が達成できる量として算定し、
現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量として「目標量」を設定する。これは、疫学研
究によって得られた知見を中心とし、実験栄養学的な研究による知見を加味して策定さ
れるものである。
基準とした群
1.0
結果を適用してよ
いと考えられる摂
取量の範囲
0
参照された研究で観
察された摂取量の範
囲
結果を適用してよ
いと考えられる摂
取量の範囲
習慣的な摂取量
目標量を理解するための概念図
栄養素摂取量と生活習慣病のリスクとの関連は連続的であり、かつ、閾値が存在しない場合が多い。関連が直線
的で閾値のない典型的な例を図に示した。実際には、不明確ながら閾値が存在すると考えられるものや関連が曲
線的なものも存在する。
栄養素の指標の概念と特徴
 値の算定根拠となる研究の特徴
推定平均必要量
(EAR)
推奨量(RDA)
耐容上限量(UL)
目標量(DG)
〔目安量(AI)〕
値 の 算 定 根 拠 と な る 実 験 研 究 、 疫学 研 究
症例報告
主な研究方法
(介入研究を含む)
対象とする健康障害
に 関 す る 今 ま で の 報 極めて少ない~多い
告数
疫学研究(介入研
究を含む)
極めて少ない~少
多い
ない
 値を考慮するポイント
推定平均必要量
(EAR)
推奨量(RDA)
(目安量(AI))
耐容上限量
(UL)
目標量(DG)
可能な限り考慮する
算定された値を考慮す
( 回 避 し た い 程 度 に 必ず考慮する
る必要性
よって異なる)
関連するさまざま
な要因を検討して
考慮する
対象とする健康障害に
お け る 特 定 の 栄 養 素 重要
の重要度
重要
他に関連する環境
要因が多数あるた
め一定ではない
健康障害が生じるまで
数か月間
の典型的な摂取期間
数か月間
数年~数十年間
耐容上限量未満
算定された値を考慮し
推 奨 量 付 近 、 目 安 量 であれば、可能性 ある(他の関連要
た場合に対象とする健
付近であれば、可能性 はほとんどないが、因 に よ っ て も 生 じ
康障害が生じる可能
は低い
完全には否定でき るため)
性
ない
 摂取源と健康障害との関係
推定平均必要量
(EAR)
推奨量(RDA)
(目安量(AI))
通常の食品を摂取し
ている場合に対象とす
ある
る健康障害が生じる
可能性
耐容上限量
(UL)
ほとんどない
目標量(DG)
ある
サプリメントなど、通常
ある(サプリメント
以 外 の 食 品 を 摂 取 し ある(サプリメントなど
ある(厳しく注意が な ど に は 特 定 の
ている場合に対象とす には特定の栄養素し
必要)
栄養素しか含まれ
る 健 康 障 害 が 生 じ る か含まれないため)
ないため)
可能性
策 定 の 方 法
レビューの方法
 可能な限り科学的根拠に基づいた策定を行うことを基本とした。系統的レ
ビューの手法を用いて、国内外の学術論文並びに入手可能な学術資料を最
大限に活用することにした。
 エネルギー及び栄養素の基本的なレビューでは、食事摂取基準(2010年版)
の策定において課題となっていた部分について重点的にレビューを行った。
 とりわけ、エネルギーについては、エネルギー収支バランスと体格、体重管
理に関するレビューを行った。
 エネルギー及び栄養素と生活習慣病の発症予防・重症化予防との関係につ
いてのレビューは、高血圧、脂質異常、高血糖及び腎機能低下に関するリ
サーチクエスチョンの定式化を行うため、PICO 形式を用いてレビューした。
 これらのレビューは、平成25 年度厚生科学研究費補助金(循環器疾患・糖
尿病等生活習慣病対策総合事業)の「日本人の食事摂取基準の策定に資
する代謝性疾患の栄養評価に関する研究」を中心に行った。
 こうしたレビューの方法については、今後、その標準化を図っていく必要があ
る。
基準改定の採択方針
 基準改定の採択方針を明確に記述した。
 推定平均必要量(estimated average requirement:EAR)
・従来、推定平均必要量が設定できなかった栄養素において、十分な科学的根拠が
得られた場合には、新たに推定平均必要量を設定する。
・推定平均必要量の算定において、身体的エンドポイントを変更した場合には、その
根拠に基づき推定平均必要量の値を変更する。
・参照体位の変更に伴い、必要に応じて推定平均必要量の値を変更する。
 推奨量(recommended dietary allowance:RDA)
・推定平均必要量を新たに設定した場合又は推定平均必要量を変更した場合は、推
奨量を新たに設定又は推奨量の値を変更する。
・変動係数を変更した場合には、推奨量を変更する。
〈変動係数の変更に必要な条件〉
変動係数の変更が必要と判断される明確な根拠が得られる場合。
 目安量(adequate intake:AI)
・栄養素の不足状態を示す人がほとんど存在しない集団で、日本人の代表的な栄養素摂
取量の分布が得られる場合は、その中央値とする。この場合、複数の報告において、最も
摂取量が少ない集団の中央値を用いることが望ましい。
また、目安量の策定に当たっては、栄養素の不足状態を示さない「十分な量」の程度に
留意する必要があることから、その取扱いは以下のとおりとする。
①他国の食事摂取基準や国際的なガイドライン、調査データ等を参考に判断できる場合
には、中央値にこだわらず、適切な値を選択する。
②得られる日本人の代表的な栄養素摂取量のデータが限定的かつ参考となる情報が限
定的で「十分な量」の程度の判断が困難な場合には、そのことを記述の上、得られるデー
タの中央値を選択しても差し支えない。
 耐容上限量(tolerable upper intake level:UL)
・十分な科学的根拠が得られた場合には、新たに耐容上限量を設定する。
・新たな知見により、健康障害発現量を見直す必要が生じた場合には、耐容上限量を変
更する。
・不確実性要因の決定において変更が必要な知見が新たに得られた場合には、不確実性
因子(UF)を変更する。
●目標量(tentative dietary goal for preventing life─style related diseases:DG)
・値を設定するに十分な科学的根拠を有し、かつ現在の日本人において、食事による摂取
と生活習慣病との関連での優先度が高い場合には、新たに目標量を設定する。
・十分な科学的根拠により導き出された値が、国民の摂取実態と大きく乖離している場合
は、当面摂取を目標とする量として目標量を設定する。
年齢区分
 右の表に示した年齢区分を用いることとした。
 乳児については、前回と同様に、「出生後 6 か月
未満(0~5 か月)」と「6 か月以上 1 歳未満(6~11
か月)」の二つに区分することとしたが、特に成長
に合わせてより詳細な年齢区分設定が必要と考
えられたエネルギー及びたんぱく質については、
「出生後 6 か月未満(0~5 か月)」及び「6 か月以
上 9 か月未満(6~8 か月)」、「9か月以上 1 歳未
満(9~11 か月)」の三つの区分で表した。
 1~17 歳を小児、18 歳以上を成人とした。
 高齢者を成人から分けて考える必要がある場合
は、70 歳以上を高齢者とした。なお、70 歳以上
については、策定根拠とした文献における年齢
範囲に留意し、必要に応じてその年齢範囲を特
記することとした。
 高齢者人口の増大に鑑み、高齢者については詳
細な年齢区分設定が必要と考えられるが、今回
はそのための十分な知見が得られなかったこと
から、今後の課題とする。
年齢区分
0~5(月) ※
6~11(月) ※
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)
30~49(歳)
50~69(歳)
70以上(歳)
※ エネルギー及びたんぱく質に
ついては、「0~5か月」及び「6
~8か月」、「9~11か月」の3つ
の区分で表した。
参照体位
 食事摂取基準の策定において参照する体位(身長・体重)は、性及び年齢
に応じ、日本人として平均的な体位を持った人を想定し、健全な発育並び
に健康の保持・増進、生活習慣病の予防を考える上での参照値として提
示し、これを参照体位(参照身長・参照体重)と呼ぶこととした。
 従来は基準体位と表現していたが、望ましい体位ということではなく、日本
人の平均的な体位であることから、その表現を参照体位と改めた。
 乳児・小児については、日本小児内分泌学会・日本成長学会合同標準値
委員会による小児の体格評価に用いる身長、体重の標準値 を参照体位
とした。
 成人については、現時点では、性別及び年齢階級ごとの標準値となり得
る理想の体位が不明なことから、日本人の食事摂取基準(2005 年版、
2010 年版)での方針を踏襲し、原則として利用可能な直近のデータを現
況値として用い、性別及び年齢階級ごとに一つの代表値を算定することと
した。
 現況において、男性では肥満の人の割合が約 3 割、女性では 20~30 歳
代でやせの人の割合が 2 割程度見られる。また、高齢者においては、身
長、体重の測定上の課題を有している。今後、こうした点を踏まえ、望まし
い体位についての検証が必要である。
策 定 し た 食 事 摂 取 基 準 (1歳以上)1
脂
栄養素
推定平均必要量
(EAR)
推奨量
(RDA)
目安量
(AI)
耐容上限量
(UL)
目標量
(DG)
たんぱく質
○
○
—
—
○2
脂質
—
—
—
—
○2
飽和脂肪酸
—
—
—
—
○
n-6系脂肪酸
—
—
○
—
—
n-3系脂肪酸
—
—
○
—
—
炭水化物
—
—
—
—
○2
食物繊維
—
—
—
—
○
—
—
—
—
○
ビタミン A
○
○
—
○
—
ビタミン D
—
—
○
○
—
ビタミン E
—
—
○
○
—
ビタミン K
—
—
○
—
—
ビタミン B1
○
○
—
—
—
ビタミン B2
○
○
—
—
—
ナイアシン
○
○
—
○
—
ビタミン B6
○
○
—
○
—
ビタミン B12
○
○
—
—
—
葉酸
○
○
—
○3
—
パントテン酸
—
—
○
—
—
ビオチン
—
—
○
—
—
ビタミン C
○
○
—
—
—
質
炭水化物
エネルギー産生栄養素バランス2
脂
溶
性
ビタミン
水
溶
性
1 一部の年齢階級についてだけ設定した場合も含む。
2
たんぱく質、脂質、炭水化物(アルコール含む)が、総エネルギー摂取量に占めるべき割合(%エネルギー)。
3 通常の食品以外からの摂取について定めた。
推定平均必要量
(EAR)
推奨量
(RDA)
目安量
(AI)
耐容上限量
(UL)
目標量
(DG)
ナトリウム
○
—
—
—
○
カリウム
—
—
○
—
○
カルシウム
○
○
—
○
—
マグネシウム
○
○
—
○3
—
リン
—
—
○
○
—
鉄
○
○
—
○
—
亜鉛
○
○
—
○
—
銅
○
○
—
○
—
マンガン
—
—
○
○
—
ヨウ素
○
○
—
○
—
セレン
○
○
—
○
—
クロム
—
—
○
—
—
モリブデン
○
○
—
○
—
栄養素
多量
ミネラル
微量
3
通常の食品以外からの摂取について定めた。
食事摂取基準の活用の基本
 食事摂取状況のアセスメントにより、エネルギー・栄養素の摂取量が適切かどう
かを評価する。食事評価に基づき、食事改善計画の立案、食事改善を実施し、そ
れらの検証を行う。検証を行う際には、食事評価を行う。検証結果を踏まえ、計画
や実施の内容を改善する。
食事評価
食事摂取状況の
アセスメント
エネルギー・栄養素の
摂取量が適切かどうか
を評価する
Act(改善)
Plan(計画)
食事評価に基づき、
エネルギー・栄養素
摂取量の目指すべき
値を決定し、計画を
立案する
Check(検証)
エネルギー・栄養素摂取
検証結果に基づき、 量が計画どおりの値に
なっているか、その値が
計画を改善する
妥当か、評価、検証する
食事評価
食事摂取基準の活用とPDCAサイクル
Do(実施)
計画を実施する
食事摂取状況のアセスメント
 食事摂取、すなわちエネルギー並びに各栄養素の摂取状況のアセスメントは、食
事調査によって得られる摂取量と食事摂取基準の各指標で示されている値を比
較することによって行うことができる。ただし、エネルギー摂取量の過不足の評価
には、BMI 又は体重変化量を用いる。
 食事調査によって得られる摂取量には測定誤差が伴うことから、調査方法の標準
化や精度管理に十分配慮すると共に、食事調査の測定誤差の種類とその特徴、
程度を知ることが重要である。
生活習慣
生活環境
・食事調査の特徴と限界
を理解(調査の測定誤差
を理解)
・食品成分表の特徴と限
界を理解
食事調査によって
得られる摂取量
身体状況調査による
体重、BMI
※臨床症状・臨床検査の利用
対象とする栄養素の摂取
状況以外の影響も受けた
結果であることに留意
食事摂取基準の各指標
で示されている値
〈比較〉
食事摂取状況の
アセスメント
エネルギーや栄養素
の摂取量が適切かど
うかを評価
食事摂取基準の活用と食事摂取状況のアセスメント
食事摂取基準
の指標の概念
や特徴を理解
食事摂取状況に関する調査法のまとめ
長期間の平均的な摂取量
を個人レベルで評価でき
るか
概 要
長 所
短 所
食事記録法
摂取した食物を調査対
象者が自分で調査票に
記入する。重量を測定
する場合(秤量法)と、
目安量を記入する場合
がある(目安量法)。食
品成分表を用いて栄養
素摂取量を計算する
対象者の記憶に依存し
ない。他の調査票の精
度を評価する際の、
ゴールドスタンダードと
して使われることが多
い
対象者の負担が大き
い。調査期間中の食事
が、通常と異なる可能
性がある。コーディング
に手間がかかる。食品
成分表の精度に依存す
る
多くの栄養素では、長期
間の調査を行わないと不
可能
24時間食事
思い出し法
前日の食事、または調
査時点から遡って24時
間分の食物摂取を、調
査員が対象者に問診
する。フードモデルや写
真を使って、目安量を
たずねる。食品成分表
を用いて、栄養素摂取
量を計算する
対象者の負担は、比較
的小さい。比較的高い
参加率を得られる
熟練した調査員が必
要。対象者の記憶に依
存する。コーディングに
時間がかかる。食品成
分表の精度に依存する
多くの栄養素では、長期
間の調査を行わないと不
可能
陰膳法
摂取した食物の実物と
同じものを、同量集め
る。食物試料を化学分
析して、栄養素摂取量
を計算する
対象者の記憶に依存し
ない。食品成分表の精
度に依存しない
対象者の負担が大き
い。調査期間中の食事
が、通常と異なる可能
性がある。実際に摂取
した食品のサンプル
を、全部集められない
可能性がある。試料の
分析に、手間と費用が
かかる
多くの栄養素では、長期
間の調査を行わないと不
可能
概 要
長 所
短 所
長期間の平均的な摂取量を
個人レベルで評価できるか
食物摂取頻
度調査票
数十~百数十項目の
食品の摂取頻度を、調
査票を用いて尋ねる。
その回答を基に、食品
成分表を用いて栄養
素摂取量を計算する
簡便に調査を行える。
対象者1 人当たりのコ
ストが安く、データ処理
に要する時間と労力が
少ない。標準化に長け
ている
対象者の記憶に依存する。
得られる結果は質問項目
や選択肢に依存する。食
品成分表の精度に依存す
る。調査票の精度を評価す
るための、妥当性研究を行
う必要がある
可能
食事歴法質
問票
数十~百数十項目の
食品の摂取頻度を、調
査票を用いて尋ねるこ
とに加え、食行動、調
理や調味などに関する
質問も行う。その回答
を基に、食品成分表を
用いて栄養素摂取量
を計算する
対象者1 人当たりのコ
ストが安く、データ処理
に要する時間と労力が
少ない。標準化に長け
ている
対象者の記憶に依存する。
得られる結果は質問項目や
選択肢に依存する。食品成
分表の精度に依存する。調
査票の精度を評価するため
の、妥当性研究を行う必要
がある
可能
生体指標
血液、尿、毛髪、皮下
脂肪などの生体試料を
採取して、化学分析す
る
対象者の記憶に依存し
ない。食品成分表の精
度に依存しない。摂取
量の大部分が吸収され、
かつ、その大部分が尿
中に排泄されるミネラル
(ナトリウムやカリウム)
では有用な調査法
摂取量を直接に測定するわ 栄養素により異なる
けではないため、あくまでも
摂取量の代替値としての扱
いに留まる。試料の分析に、
手間と費用がかかる。試料
採取時の条件(空腹か否か
など)の影響を受ける場合が
ある。摂取量以外の要因(代
謝・吸収、喫煙・飲酒など)の
影響を受ける場合がある。
食事調査票の有用性と限界
─ 調査票の開発過程や妥当性研究の結果を踏まえ、
適切に用いることが重要 ─
日本人を対象に開発された食事調査票で、妥当性や再現性といった信頼度
に関する研究が論文化され、国際的に認められている論文として当てはまる
ものは、現時点では限られている。具体的な調査票を例に挙げ、開発の目的、
妥当性に関する研究の状況を示す。
(中略)全ての食事調査法に通じることであるが、利用目的によって使い分
けることが重要である。特に、発症予防を目的として食事改善を行う場合には
特定の栄養素だけ(例えば食塩だけ)ではその目的を達し得ない。重症化予
防であっても目的としている一つの疾患に関連する栄養素は多岐にわたる場
合が多い。したがって、一つの調査で多種類の栄養素並びに食品群の摂取
量を知る必要に迫られる。BDHQ はこのような利用目的に適するように設計さ
れている。
食事調査においては、その申告誤差、特に過小・過大申告の程度並びにそ
の要因には細心の注意を要する。過小・過大申告は DHQ並びに BDHQにも
存在するが、その程度並びにその要因についての研究報告もあり、利用者
への注意喚起が図られている。BDHQ を始め、いずれの調査票にも有用性と
限界があるため、それらを熟知し、適切に用いることが望まれる。
食事調査の測定誤差
 過小申告・過大申告
食事調査法には複数種類が知られているが、その多くが対象者による自
己申告に基づいて情報を収集するものである。その場合、申告誤差は避け
られない。最も重要な申告誤差として、過小申告・過大申告が知られている。
このうち、出現頻度が高いのは過小申告であり、その中でも特に留意を要す
るものはエネルギー摂取量の過小申告である。
 日間変動
エネルギー並びに栄養素摂取量に日間変動が存在することは広く知られ
ている 。 食事摂取基準が対象とする摂取期間は習慣的であるため、日間
変動を考慮し、その影響を除去した摂取量の情報が必要となる。
ある健康な日本人成人男女
3 人における脂質摂取量の
日間変動
指標の特性などを総合的に考慮
 生活習慣病の予防に資することを目的に、目標量が設定されているが、生活習
慣病の予防に関連する要因は多数あり、食事はその一部である。このため、目
標量を活用する場合は、関連する因子の存在とその程度を明らかにし、これら
を総合的に考慮する必要がある。例えば、心筋梗塞を例にとると、その危険因
子としては肥満、高血圧、脂質異常症と共に、喫煙や運動不足が挙げられる。
加齢
性別(男)
遺伝素因
飽和脂肪酸の過
剰摂取
コレステロールの
過剰摂取
肥満
高LDL
コレステロール血症
高血圧
心筋梗塞
n-3系脂肪酸
の摂取不足
低HDL
コレステロール血症
食物繊維の
摂取不足
エネルギーの
過剰摂取
喫煙
食塩の過
剰摂取
カリウムの
摂取不足
運動不足
アルコールの摂取不足
心筋梗塞に関連する生活習慣要因
アルコールの過剰摂取
個人の食事改善を目的とした活用
 食事摂取基準を活用し、食事摂取状況のアセスメントを行い、個人の摂取量
から、摂取不足や過剰摂取の可能性等を推定する。その結果に基づいて、
食事摂取基準を活用し、摂取不足や過剰摂取を防ぎ、生活習慣病の発症予
防のための適切なエネルギーや栄養素の摂取量について目標とする値を提
案し、食事改善の計画、実施につなげる。
〔食事摂取状況のアセスメント〕
個人の摂取量と食事摂取基
準の指標から、摂取不足や過
剰摂取の可能性等を推定
〔食事改善の計画と実施〕
摂取不足や過剰摂取を防ぎ、生活習慣病の予
防につながる適切なエネルギーや栄養素の摂
取量について目標とする値を提案
栄養教育の企画と実施、検証
(目標とする値に近づけるための、料理・食物
の量やバランス、身体活動量の増加に関する
具体的な情報の提供や効果的ツールの開発
等)
食事改善(個人)を目的とした食事摂取基準の活用の基本的概念
食事摂取状況のアセスメント
 個人の摂取量は、個人が日々選択する食品は異なり、食欲も違うなど、日々の摂取
量に影響を及ぼす様々な要因が存在するため、個人の習慣的な摂取量を把握するこ
とは困難である。このように個人の摂取量は、大きな測定誤差が含まれた値であり、
特に日間変動が大きく、個人の真の摂取量ではないことなど、数値の限界を理解した
上で、摂取量から、食事摂取基準の指標を適用して、アセスメントを行う。
栄養素の過剰摂取の可能性の有無を推定
 エネルギー摂取量のアセスメントは、エネルギー出納の正負を評価するものであり、
その評価指標にはBMIまたは体重変化量を用いる。
食事摂取基準の各指標で
個人の摂取量
示されている値
BMI*
*成人の場合
個人の摂取量には、大きな測定
誤差があり、特に日間変動が大
きいことを理解
[アセスメント]
〈エネルギー摂取の過不足の評価〉
BMIまたは体重変化量を用いて評価
〈栄養素の摂取不足の評価〉
推定平均必要量、推奨量を用いて、栄養素の摂取不足
の可能性とその確率を推定
〈栄養素の過剰摂取の評価〉
耐容上限量を用いて、栄養素の過剰摂取の可能性の有
無を推定
〈生活習慣病の予防を目的とした評価〉
目標量を用いて、生活習慣病の予防の観点から評価
食事改善(個人)を目的とした食事摂取基準の活用による食事摂取状況のアセスメント
食事改善の計画と実施
 食事改善の計画と実施は、食事摂取状況の評価を行い、その結果に基づいて行うこと
が基本である。そうした結果を参考にして、食事改善の計画を立案し、実施する。そのた
めには、対象とする個人の特性を十分に把握しておくことが重要となる。また、目的に応
じて臨床症状や臨床検査のデータを用いる。
〔食事摂取状況のアセスメント〕
〈エネルギー摂取の過不足の評価〉
BMI*又は体重変化量を用いて評価
*成人の場合
〔食事改善の計画と実施〕
BMIが目標とする範囲に留まること、又はそ
の方向に体重が改善することを目的に立案
〈栄養素の摂取不足の評価〉
推定平均必要量、推奨量を用いて、栄養
素の摂取不足の可能性とその確率を推
定。目安量と同等か、それ以上かで、不
足していないことを確認。
〈栄養素の過剰摂取の評価〉
耐容上限量を用いて、栄養素の過剰
摂取の可能性の有無を推定
〈生活習慣病の予防を目的とした評価〉
目標量を用いて、生活習慣病の予防
の観点から評価
不足しない十分な量を維持すること、又はそ
の量に近づくことを目的に立案
耐容上限量未満にすることを目的に立案
目標量(又は範囲内)に達することを目的に
立案
食事改善(個人)を目的とした食事摂取基準の活用による食事改善の計画と実施
集団の食事改善を目的とした活用
 食事摂取基準を適用し、食事摂取状況のアセスメントを行い、集団の摂取量
の分布から、摂取不足や過剰摂取の可能性がある人の割合等を推定する。
その結果に基づいて、食事摂取基準を適用し、摂取不足や過剰摂取を防ぎ、
生活習慣病の予防のための適切なエネルギーや栄養素の摂取量について
目標とする値を提案し、食事改善の計画、実施につなげる。
〔食事摂取状況のアセスメント〕
集団の摂取量やBMIの分布と
食事摂取基準の指標から、摂
取不足や過剰摂取の可能性
がある人の割合等を推定
〔食事改善の計画と実施〕
摂取不足の人の割合をできるだけ少なくし、過
剰摂取の人の割合をなくし、生活習慣病の予
防につながる適切なエネルギーや栄養素の摂
取量の目標とする値を提案
公衆栄養計画の企画と実施、検証
(目標とする値に近づけるための食行動・食生
活に関する改善目標の設定やそのモニタリン
グ、改善のための効果的な各種事業の企画・
実施等)
食事改善(集団)を目的とした食事摂取基準の活用の基本的概念
食事摂取状況のアセスメント
 エネルギー摂取の過不足を評価する場合にはBMIの分布を用いる。
 栄養素については、食事調査法によって得られる摂取量の分布を用いる。その際、
食事調査法に起因する測定誤差(特に過小申告・過大申告と日間変動)が結果に及
ぼす影響の意味と程度を十分に理解して評価を行う。
摂取量と必要量との
相関関係、必要量の
分布が正規分布であ
るか、摂取量の分散と
必要量の分散のどち
らが大きいか、その特
徴を理解
摂取量がど
ういう分布
かを考慮す
ることの重
要性を理解
BMI*
の分布
*成人の場合
統計学的手法(確率法・カット
ポイント法)を理解
集団の摂取量の分布
食事摂取基準の各指標で
示されている値
測定誤差があることを
理解
[アセスメント]
〈エネルギー摂取の過不足の評価〉
BMIの分布が目標とする範囲外にある人の割合を算出
〈栄養素の摂取不足の評価〉
摂取量の分布から、推定平均必要量を下回る人の割合
を算出。摂取量の中央値と目安量を比較
〈栄養素の過剰摂取の評価〉
摂取量の分布から、耐容上限量を上回る人の割合を
算出
〈生活習慣病の予防を目的とした評価〉
摂取量の分布から、目標量の範囲を逸脱する人の割合
を算出
食事改善(集団)を目的とした食事摂取基準の活用による食事摂取状況のアセスメント
食事改善の計画と実施
 集団の食事改善を目的とした食事摂取状況のアセスメント結果に基づき、食事摂取
基準を適用した食事改善の計画と実施を行う。
 エネルギー摂取の過不足に関する食事改善の計画立案及び実施には、BMI又は
体重変化量を用いる。
〔食事摂取状況のアセスメント〕
〈エネルギー摂取の過不足の評価〉
BMI*の分布から、目標とする範囲外にある
人の割合を算出
*成人の場合
〈栄養素の摂取不足の評価〉
摂取量の分布から、推定平均必要量を下回る人
の割合を算出。摂取量の中央値と目安量を比較
することで不足していないことを確認
〔食事改善の計画と実施〕
BMIが目標とする範囲に留まる人の割
合を増やすことを目的に立案
推定平均必要量を下回って摂取している人
の割合をできるだけ少なくすること、目安量
付近かそれ以上であればその摂取量を維
持することを目的に立案
〈栄養素の過剰摂取の評価〉
摂取量の分布から、耐容上限量を上回る人
の割合を算出
〈生活習慣病の予防を目的とした評価〉
摂取量の分布から、目標量を用いて、目標
量の範囲を逸脱する人の割合を算出
集団内のすべての人の摂取量が耐容
上限量を超えないことを目的に立案
目標量(又は範囲)を逸脱して摂取している
人の割合を少なくすることを目的に立案
食事改善(集団)を目的とした食事摂取基準の活用による食事改善の計画と実施
エネルギー
エネルギー収支バランス
 エネルギー収支バランスは、エネルギー摂取量-エネルギー消費量として定
義される。
 成人においては、その結果が体重の変化と体格(body mass index:BMI)であ
り、エネルギー摂取量がエネルギー消費量を上回る状態(正のエネルギー収
支バランス)が続けば体重は増加し、逆に、エネルギー消費量がエネルギー
摂取量を上回る状態(負のエネルギー収支バランス)では体重が減少する。し
たがって、短期的なエネルギー収支のアンバランスは体重の変化で評価可能。
 一方、エネルギー収支のアンバランスは、長期的にはエネルギー摂取量、エ
ネルギー消費量、体重が互いに連動して変化することで調整される。多くの成
人では、長期間にわたって体重・体組成は比較的一定でエネルギー収支バラ
ンスがほぼゼロに保たれた状態にある。肥満者や低栄養の者でも、体重、体
組成に変化がなければエネルギー摂取量とエネルギー消費量は等しい。
 したがって、健康の保持・増進、生活習慣病予防の観点からは、エネルギー
摂取量が必要量を過不足なく充足するだけでは不十分であり、望ましい BMI
を維持するエネルギー摂取量(=エネルギー消費量)であることが重要。
エネルギーの指標
 エネルギーの摂取量及び消費量のバランス(エネルギー収支バ
ランス)の維持を示す指標として、体格(BMI :body mass index)
を採用した。
摂取
消費
体重の変化、体格(BMI)
エネルギー収支バランスの基本概念
エネルギー摂取量とエネルギー消費量が等しいとき、体重の変化はなく、健康的な体格
(BMI)が保たれる。エネルギー摂取量がエネルギー消費量を上回ると体重は増加し、肥満
につながる。エネルギー消費量がエネルギー摂取量を上回ると体重は減少し、やせにつな
がる。
*BMI=体重(kg)÷(身長(m))2
33
エネルギーの摂取と消費
 エネルギー摂取量とエネルギー消費量は、個人の生物学的要因や外的要
因で規定される部分と、意図的にコントロールできる部分を有し、また、相互
に関連し合っている。健康の保持・増進、生活習慣病の予防を目指してエネ
ルギー摂取量を計画的に管理するに当たっては、これの因子の影響をよく
理解し、エネルギー摂取量のコントロールを容易にするよう配慮することが
望ましい。
外的・社会的要因
・食品入手の利便さ
・スナック摂取
・会食
個人の内的・
・TV視聴
心理的要因
・TVの食品広告
・ストレス
・食品の価格
・意図的コントロール
食事の
栄養組成・特性
摂食パターン
・ポーションサイズ
・摂食速度
・エネルギー密度
・食事の時間帯
・脂肪のエネルギー比率
・食品数
・たんぱく質
・食物線維
エネルギー
・味,色,テクスチャー
摂取量
・美味しさ
空腹感-満腹感調節機構
・視床下部
・食欲関連ホルモン
・肝臓のエネルギー代謝 ・迷走神経
・体脂肪からのフィードバック
その他の生物学的要因
・睡眠不足
・性別
・遺伝
・身体活動
・月経周期
エネルギー必要量を推定するための測定方法と体重変化、体格
(BMI)、推定エネルギー必要量との関連
 エネルギー必要量を推定するためには、体重が一定の条件下で、その摂取
量を推定する方法とその消費量を測定する方法の二つに大別される。前者
には各種の食事アセスメント法があり、後者には二重標識水法と基礎代謝
量並びに身体活動レベル(physical activity level:PAL)の測定値に性、年
齢、身長、体重を用いてエネルギー消費量を推定する方法がある。
エネルギー必要量の推定
摂取量
食事アセスメント
消費量
二重標識水法
基礎代謝量
身体活動レベル(PAL)
推定式(基礎代謝量、PAL、性、
年齢、身長、体重を用いるもの)
推定エネルギー必要量
体重の変化、体格(BMI)
体重管理の基本的考え方
 身体活動量が不変であれば、エネルギー摂取量の管理は体格の
管理とほぼ同等である。
 体格を測り、その結果に基づいて変化させるべきエネルギー摂取
量や供給量を算出し、エネルギー摂取量や供給量を変化させるこ
とが望ましい。そのためには望ましい体格をあらかじめ定めなくて
はならない。
 成人期以後には大きな身長の変化はないため、体格の管理は主
として体重の管理となる。身長の違いも考慮して体重の管理を行
えるように、成人では体格指数、主として BMI を用いる。
 乳児・小児では該当する性・年齢階級の日本人の身長・体重の分
布曲線(成長曲線)を用いる。
 体重増加に伴う生活習慣病の発症予防、重症化予防の観点から
は、身体活動レベル (低い)は望ましい状態とは言えず、身体活
動量を増加させることでエネルギー収支のバランスを図る必要が
ある。
発症予防の基本的考え方
 死因を問わない死亡率(総死亡率)が最低になるBMIをもっ
て健康的であると考えることとした
レビューによる検証
 観察疫学研究において報告された総死亡率が最も低
かったBMIの範囲(18歳以上)
年齢(歳)
18~49
50~69
70以上
総死亡率が最も低かったBMI
(kg/m2)
18.5~24.9
20.0~24.9
22.5~27.4
日本人のBMIの実態等、総合的に判断
目標とするBMIの範囲(18歳以上)
年齢(歳)
目標とするBMI(kg/m2)
18~49
18.5~24.9
50~69
20.0~24.9
70以上
21.5~24.9
今後の課題
 目標とするBMIの設定方法について、引き続き検証が必要。
 目標とするBMIに見合うエネルギー摂取量についての考え方、
健康の保持増進、生活習慣病の予防の観点からは、身体活動
の増加も望まれることから、望ましいエネルギー消費量につい
ての考え方についても、整理が必要。
エネルギーの食事摂取基準
目標とするBMIの範囲(18歳以上)1,2
年齢(歳)
目標とするBMI(kg/m2)
18~49
18.5~24.9
50~69
20.0~24.9
70以上
21.5~24.93
1
男女共通。あくまでも参考として使用すべきである。
2
観察疫学研究において報告された総死亡率が最も低かったBMI を基に、疾
患別の発症率とBMI との関連、死因とBMI との関連、日本人のBMI の実態に
配慮し、総合的に判断し目標とする範囲を設定。
3
70 歳以上では、総死亡率が最も低かったBMI と実態との乖離が見られるた
め、虚弱の予防及び生活習慣病の予防の両者に配慮する必要があることも
踏まえ、当面目標とするBMI の範囲を21.5~24.9 kg/m2 とした。
(参考)
日本人の性・年齢階級別BMIの分布
-目標とするBMIの範囲に対応した割合-
BMI 低
BMI 高
目標とするBMIの範囲内の者
肥満の予防
18~49歳
男性
女性
4.7
65.7
14.7
29.7
70.8
14.5
50~69歳
男性
女性
10.1
57.2
20.6
32.7
56.0
23.5
70歳以上
男性
女性
低栄養の
予防
29.5
35.8
43.7
38.2
26.9
26.1
(%)
各栄養素の記述の基本構成(例)
1.基本的事項
1-1.定義と分類
1-2.機能
1-3.消化、吸収、代謝
2.欠乏の回避
2-1.要求量を決めるために考慮すべき事項
2-2.推定平均必要量、推奨量の設定方法
2-3.目安量の設定方法
3.過剰摂取の回避
3-1.摂取状況
3-2.耐容上限量の設定方法
4.生活習慣病の発症予防及び重症化予防
4-1.生活習慣病との関連
4-2.目標量の設定方法
5.今後の課題
設定する指標に
ついて記述
たんぱく質
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
たんぱく質
対象
推定平均
推奨量
必要量
(
RDA)
(
EA R )
目安量
(
A I)
耐容上限 目標量
量(
U L) (
DG )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
○
○
-
-
○
成人(18歳以上)
○
○
-
-
○
妊婦(付加量)
○
○
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
42
〈たんぱく質のポイント〉
• たんぱく質の食事摂取基準は、窒素出納維持量を基に算定され
ている。窒素出納法によりたんぱく質の食事摂取基準を算定する
ためには、①技術的問題点、②たんぱく質摂取量の変更に伴う代
謝適応、③エネルギーのたんぱく質節約作用、④生活習慣、⑤個
人間変動について考慮しなければならない。
• 成人のたんぱく質維持必要量は、0.65/kg体重/日(104mg窒素
/kg体重/日)とした。
• 高齢者については、別途検討し、たんぱく質維持必要量は、
0.85/kg体重/日(136mg窒素/kg体重/日)とした。
• 妊娠期の体たんぱく質蓄積量は、体カリウム増加量より間接的に
算定した。
• 授乳期のたんぱく質付加量は、泌乳に対する付加量のみとした。
• 0~5か月児は、哺乳量と母乳のたんぱく質濃度から目安量を算
定した。
• 6~11か月児は、母乳由来のたんぱく質摂取に母乳以外の離乳
食のたんぱく質量を加えて算定した。
43
その他
 不可欠アミノ酸の推定平均必要量
His
Ile
Leu
Lys
27
35
75
73
組織アミノ酸パターンa
15
30
59
45
維持アミノ酸パターンb
たんぱく質必要量(g/kg/日)に対するアミノ酸必要量(mg/kg/日)c
His
Ile
Leu
Lys
年齢(歳) 維持量
成長量d
0.5
0.66
0.46
22
36
73
64
1-2
0.66
0.20
15
27
54
45
3 - 10
0.66
0.07
12
23
44
35
11 - 14
0.66
0.04
12
22
44
35
15 - 17
0.66
0.00
11
21
42
33
18以上
0.66
0.00
10
20
39
30
e
評点パターン(mg/g たんぱく質)
His
Ile
Leu
Lys
年齢(歳)
0.5
20
32
66
57
1-2
18
31
63
52
3 - 10
16
31
61
48
11 - 14
16
30
60
48
15 - 17
16
30
60
47
18以上
15
30
59
45
SAA
AAA
35
22
SAA
Thr
73
38
AAA
31
22
18
17
16
15
SAA
42
23
Thr
59
40
30
30
28
25
AAA
28
26
24
23
23
22
Trp
Trp
Thr
52
46
41
41
40
38
12
6
34
23
18
18
17
15
49
36
29
29
28
26
合計
378
268
214
212
201
184
43
42
40
40
40
39
合計
338
312
293
290
286
277
Val
9.5
6.4
4.8
4.8
4.5
4.0
Trp
31
27
25
25
24
23
49
39
合計
421
277
Val
Val
8.5
7.4
6.6
6.5
6.3
6.0
His, ヒスチジン; Ile, イソロイシン; Leu, ロイシン; Lys,リシン ; SAA, 含硫アミノ酸; AAA, 芳香族アミノ酸; Thr, トレオニン; Trp, トリプトファン; Val, バリン
a 全身たんぱく質のアミノ酸組成
b 成人の維持パターン
c 維持(維持量×維持アミノ酸パターン)と成長(成長量×組織アミノ酸パターン)のための食事必要量中に含まれるアミノ酸の合計
d 食事たんぱく質の利用効率58%で補正した各年齢層での組織蓄積量
e 各年齢におけるアミノ酸必要量(mg/kg/日)を各年齢におけるたんぱく質必要量(mg/kg/日)で割って求めた。
たんぱく質の食事摂取基準
(推定平均必要量、推奨量、目安量:g/日、目標量(中央値):%エネルギー)
性別
男性
女性
年齢等
推定平均
必要量
推奨量
目安量
目標量1
(中央値2)
推定平均
必要量
推奨量
目安量
目標量1
(中央値2)
0~5(月)*
―
―
10
―
―
―
10
―
6~8(月)*
―
―
15
―
―
―
15
―
9~11(月)*
―
20
25
―
13~20(16.5)
―
20
―
―
―
15
25
1~2(歳)
―
15
―
13~20(16.5)
3~5(歳)
20
25
―
13~20(16.5)
20
25
―
13~20(16.5)
6~7(歳)
25
35
13~20(16.5)
25
30
35
40
13~20(16.5)
30
40
―
―
13~20(16.5)
8~9(歳)
―
―
10~11(歳)
40
50
―
13~20(16.5)
40
50
―
13~20(16.5)
12~14(歳)
50
60
13~20(16.5)
45
55
50
65
13~20(16.5)
45
55
―
―
13~20(16.5)
15~17(歳)
―
―
18~29(歳)
50
60
―
13~20(16.5)
40
50
―
13~20(16.5)
30~49(歳)
50
60
13~20(16.5)
40
50
50
60
13~20(16.5)
40
50
―
―
13~20(16.5)
50~69(歳)
―
―
70以上(歳)
50
60
―
13~20(16.5)
40
50
―
13~20(16.5)
+0
+5
+20
+0
+10
+25
―
―
+15
+20
―
―
妊婦(付加量)
初期
中期
後期
授乳婦(付加量)
*乳児の目安量は、母乳栄養児の値である。
1 範囲については、おおむねの値を示したものである。
2 中央値は、範囲の中央値を示したものであり、最も望ましい値を示すものではな
い。
13~20(16.5)
13~20(16.5)
13~20(16.5)
脂質(全体の構成)
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
対象
推定平均
推奨量
必要量
(
RDA)
(
EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(
A I) 量(
U L) (
DG )
脂質
-
-
○1
-
○
飽和脂肪酸
-
-
-
-
○2
n-6系脂肪酸
-
-
○
-
-
n-3系脂肪酸
-
-
○
-
-
脂質
1
乳児についてのみ設定。
2
18歳以上について設定。
46
〈脂質全体のポイント〉
• 脂質は、目標量としてエネルギー比率(%エネルギー)で示した。
• 飽和脂肪酸については、生活習慣病予防の観点からエネル
ギー比率で示した。
• 必須脂肪酸であるn-6系脂肪酸、 n-3系脂肪酸の目安量は、総エ
ネルギー摂取量の影響を受けない絶対量(g/日)で示した。
脂質とその構成
点線で囲んだ4項目について基準を策定した
47
脂質
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
脂質
対象
推定平均
推奨量
必要量
(
RDA)
(
EA R )
目安量
(
A I)
耐容上限 目標量
量(
U L) (
DG )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
-
-
-
-
○
成人(18歳以上)
-
-
-
-
○
妊婦
-
-
-
-
-
授乳婦
-
-
-
-
-
48
〈脂質のポイント〉
• 0~5か月児は、哺乳量と母乳の脂質濃度から目安量
を脂肪エネルギー比率で設定した。
• 6~11か月児は、 0~5か月児の目安量と1~2歳児
の目安量の平均値を目安量とした。
• 小児・成人については目標量を設定した。
• 目標量の下の値は、必須脂肪酸の目安量を保証するこ
とを目的として設定した。
• 目標量の上の値は、飽和脂肪酸の目標量を考慮して設
定した。
49
脂質の食事摂取基準
(脂質の総エネルギーに占める割合(脂肪エネルギー比率):%エネルギー)
性
別
男 性
性
年齢等
目安量
目標量 1(中央値2)
目安量
目標量 1(中央値2)
0~5(月)
50
40
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
50
40
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
20~30 (25)
―
―
6~11(月)
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)
30~49(歳)
50~69(歳)
70以上(歳)
妊
婦
授乳婦
1 範囲については、おおむねの値を示したものである。
2 中央値は、範囲の中央値を示したものであり、最も望ましい値を示すものではな
い。
女
飽和脂肪酸
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
飽和脂肪酸
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
-
-
-
小児(1~17歳)
-
-
-
-
-
成人(18歳以上)
-
-
-
-
○
妊婦
-
-
-
-
-
授乳婦
-
-
-
-
-
51
〈飽和脂肪酸のポイント〉
• 動脈硬化性疾患、特に心筋梗塞の発症及び重症化予
防の観点から、日本人の摂取実態も踏まえ、成人につ
いて目標量を設定し、エネルギー産生栄養素バランスに
含めた。
• 小児期における飽和脂肪酸の摂取量と摂取源に関する
記述疫学的研究、さらには小児期の飽和脂肪酸摂取量
と成人期の動脈硬化関連疾患との関係を調べた研究や
小児期に飽和脂肪酸摂取量を少なくした場合の安全性
(成長障害など)を調べた研究が不十分なため、小児の
目標量の設定は見送った。
52
飽和脂肪酸の食事摂取基準 (%エネルギー)
性
別
男
性
女
性
年齢等
目標量
目標量
0~5(月)
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
7 以下
7 以下
7 以下
7 以下
7 以下
7 以下
7 以下
7 以下
6~11(月)
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)
30~49(歳)
50~69(歳)
70以上(歳)
妊
婦
―
授乳婦
―
n-6系脂肪酸
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
n-6系脂肪酸
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
-
-
○
-
-
成人(18歳以上)
-
-
○
-
-
妊婦
-
-
○
-
-
授乳婦
-
-
○
-
-
54
〈n-6系脂肪酸のポイント〉
• n-6系脂肪酸は、生体内でアセチルCoAから合成できないので、
経口摂取する必要がある。
• 0~5か月児は、哺乳量と母乳中のn-6系脂肪酸濃度から目安量
を設定した。
• 6~11か月児は、 0~5か月児の目安量と1~2歳児の摂取量
の中央値の平均値を目安量とした。
• 小児・成人は、平成22年、23年国民健康・栄養調査の結果から算
出されたn-6系脂肪酸摂取量の中央値を目安量とした。
• 妊婦については、平成19年から23年までの国民健康・栄養調査
の結果から算出された妊婦のn-6系脂肪酸摂取量の中央値を目
安量とした。
• 授乳婦については、平成19年から23年までの国民健康・栄養調
査の結果から算出された授乳婦のn-6系脂肪酸摂取量の中央値
を目安量とした。
55
n-6系脂肪酸の食事摂取基準 (g / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
目安量
目安量
0~5(月)
4
4
5
7
7
9
9
12
13
11
10
10
8
4
4
5
6
7
7
8
10
10
8
8
8
7
9
9
6~11(月)
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)
30~49(歳)
50~69(歳)
70以上(歳)
妊
婦
授乳婦
n-3系脂肪酸
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
n-3系脂肪酸
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
-
-
○
-
-
成人(18歳以上)
-
-
○
-
-
妊婦
-
-
○
-
-
授乳婦
-
-
○
-
-
57
〈n-3系脂肪酸のポイント〉
• n-3系脂肪酸は、生体内で合成できず、欠乏すると皮膚炎などを
発症するため、経口摂取する必要がある。
• 0~5か月児は、哺乳量と母乳中のn-3系脂肪酸濃度から目安量
を設定した。
• 6~11か月児は、 0~5か月児の目安量と1~2歳児の摂取量
の中央値の平均値を目安量とした。
• 小児・成人は、平成22年、23年国民健康・栄養調査の結果から算
出されたn-3系脂肪酸摂取量の中央値を目安量とした。
• 妊婦については、平成19年から23年までの国民健康・栄養調査
の結果から算出された妊婦のn-3系脂肪酸摂取量の中央値を目
安量とした。
• 授乳婦については、平成19年から23年までの国民健康・栄養調
査の結果から算出された授乳婦のn-3系脂肪酸摂取量の中央値
を目安量とした。
58
n-3系脂肪酸の食事摂取基準 (g / 日)
性 別
男
性
女
性
年齢等
目安量
目安量
0~5(月)
0.9
0.9
6~11(月)
0.8
0.8
1~2(歳)
0.7
0.8
3~5(歳)
1.3
1.1
6~7(歳)
1.4
1.3
8~9(歳)
1.7
1.4
10~11(歳)
1.7
1.5
12~14(歳)
2.1
1.8
15~17(歳)
2.3
1.7
18~29(歳)
2.0
1.6
30~49(歳)
2.1
1.6
50~69(歳)
2.4
2.0
70以上(歳)
2.2
1.9
妊 婦
1.8
授乳婦
1.8
炭水化物
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
炭水化物
対象
推定平均
必要量
(
EA R )
推奨量
(
RDA)
目安量
(
A I)
乳児(0~11か月)
-
-
-
-
-
小児(1~17歳)
-
-
-
-
○
成人(18歳以上)
-
-
-
-
○
妊婦
-
-
-
-
-
授乳婦
-
-
-
-
-
耐容上限 目標量
量(
U L) (
DG )
60
〈炭水化物のポイント〉
• 炭水化物が直接ある特定の健康障害の原因となる報告
は、生活習慣病の一つである糖尿病を除けば、理論的
にも疫学的にも乏しいため、推定平均必要量(並びに推
奨量)も耐容上限量も設定せず、エネルギー栄養産生
バランスの観点から、1歳以上について、たんぱく質並
びに脂質の残余として%エネルギーで目標量を設定し
た。
• アルコールについては、炭水化物ではないもののエネ
ルギーを産生することから、炭水化物の合計量に含め
た。ただし、アルコールの摂取を勧めるものではない。
• なお、糖類については、日本人においてその摂取量の
測定が困難であることから、基準の設定は見送った。
61
炭水化物の食事摂取基準 (%エネルギー)
性
別
男
性
女
年齢等
目標量1,2(中央値3)
目標量1,2(中央値3)
0~5(月)
―
―
6~11(月)
―
―
1~2(歳)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)
30~49(歳)
50~69(歳)
70以上(歳)
妊婦
―
授乳婦
―
範囲については、おおむねの値を示したものである。
アルコールを含む。ただし、アルコールの摂取を勧めるものではない。
3 中央値は、範囲の中央値を示したものであり、最も望ましい値を示すものではない。
1
2
性
食物繊維
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
食物繊維
1
対象
推定平均
必要量
(
EA R )
推奨量
(
RDA)
目安量
(
A I)
乳児(0~11か月)
-
-
-
-
-
小児(1~17歳)
-
-
-
-
○1
成人(18歳以上)
-
-
-
-
○
妊婦
-
-
-
-
-
授乳婦
-
-
-
-
-
耐容上限 目標量
量(
U L) (
DG )
6~17歳について設定。
63
〈食物繊維のポイント〉
• 食物繊維の摂取不足が生活習慣病の発症に関連するという報告
が多くあることから、目標量を設定した。
• 食物繊維摂取量との関連が最も明らかな生活習慣病は、心筋梗
塞であると考えられ、レビューの結果得られた成人における理想
的な摂取量と日本人成人における摂取量の中央値との中間値を
目標量を算出するための参照値とした。
• 小児については、食物繊維摂取の重要性は示唆されているもの
の、生活習慣病等との関係についての直接的な根拠や量的な検
討に資する情報が十分ではないことから、1~5歳については、目
標量を設定せず、6~17歳に限って、成人と同じ方法で目標量を
算出した。
• なお、目標量の算定に用いられた研究の多くは通常の食品に由
来する食物繊維であり、サプリメント等に由来したものではない。
したがって、通常の食品に代えて同じ量の食物繊維をサプリメント
等で摂取した時に、同等の健康利益を期待できるという保証はな
64
い。
食物繊維の食事摂取基準 (g / 日)
性 別
男 性
女 性
年齢等
目標量
目標量
0~5(月)
―
―
6~11(月)
―
―
1~2(歳)
―
―
3~5(歳)
―
―
6~7(歳)
11 以上
12 以上
13 以上
17 以上
19 以上
20 以上
20 以上
20 以上
19 以上
10 以上
12 以上
13 以上
16 以上
17 以上
18 以上
18 以上
18 以上
17 以上
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)
30~49(歳)
50~69(歳)
70以上(歳)
妊婦
―
授乳婦
―
エネルギー産生栄養素バランス
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
エネルギー産生
栄養素バランス
対象
推定平均
推奨量
必要量
(
RDA)
(
EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(
A I) 量(
U L) (
DG )
乳児(0~11か月)
-
-
-
-
-
小児(1~17歳)
-
-
-
-
○1
成人(18歳以上)
-
-
-
-
○1,2
妊婦
-
-
-
-
-
授乳婦
-
-
-
-
-
1
たんぱく質、脂質、炭水化物(アルコール含む)が、総エネルギー摂取量に占めるべき割合(%エネルギー)。
2
脂質については、その構成成分である飽和脂肪酸についても設定。
66
〈エネルギー産生栄養素バランスのポイント〉
• エネルギー産生栄養素バランスは、「エネルギーを産生
する栄養素、すなわち、たんぱく質、脂質、炭水化物(ア
ルコールを含む)とそれらの構成成分が、総エネルギー
摂取量に占めるべき割合(%エネルギー)」としてこれら
の構成比率を指標とした。
• 各種栄養素の摂取不足を回避すると共に、生活習慣病
の発症予防とその重症化予防を目的とするものである
が、実質的には、前者を満たした上で、後者を主な目的
とするものであるため、その指標は、目標量とした。
• 乳児については、母乳における栄養素の構成比をもっ
て、好ましいエネルギー産生栄養素バランスと考えるも
のとし、1歳以上について、目標量を設定した。
67
〈エネルギー産生栄養素バランスのポイント〉
• 各栄養素の範囲については、おおむねの値を示したも
のであり、生活習慣病の予防や高齢者の虚弱の予防の
観点からは、弾力的に運用する必要がある。
• 脂質については、その構成成分である飽和脂肪酸など、
質への配慮を十分に行う必要がある。
• 炭水化物については、食物繊維の目標量を十分に注意
する必要がある。
68
エネルギー産生栄養素バランス (%エネルギー)
目標量1(中央値2)(男女共通)
脂質 3
年齢等
たんぱく質
炭水化物 4, 5
脂質
飽和脂肪酸
0~11(月)
―
―
―
―
1~17(歳)
13~20(16.5)
13~20(16.5)
13~20(16.5)
20~30(25)
20~30(25)
20~30(25)
―
50~65(57.5)
50~65(57.5)
50~65(57.5)
18~69(歳)
70以上(歳)
7 以下
7 以下
各栄養素の範囲については、おおむねの値を示したものであり、生活習慣病の予防や高齢者の虚弱の予防の観点からは、弾力的に運用すること。
中央値は、範囲の中央値を示したものであり、最も望ましい値を示すものではない。
3 脂質については、その構成成分である飽和脂肪酸など、質への配慮を十分に行う必要がある。
4 アルコールを含む。ただし、アルコールの摂取を勧めるものではない。
5 食物繊維の目標量を十分に注意すること。
1
2
ビタミンA
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
ビタミン A
対象
推定平均
推奨量
必要量
(
RDA)
(
EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(
A I) 量(
U L) (
DG )
乳児(0~11か月)
-
-
○
○
-
小児(1~17歳)
○
○
-
○
-
成人(18歳以上)
○
○
-
○
-
妊婦(付加量)
○
○
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
70
〈ビタミンAのポイント〉
• 算定の考え方は、日本人の食事摂取基準(2010年版)と
同様であるが、単位の名称をレチノール活性当量
(retinol activity equivalents: RAE)と改めた。
• 肝臓内ビタミンA最小貯蔵量を維持するために必要なビ
タミンA摂取量を推定平均必要量算出の生理学的根拠
としている。
• 乳児の目安量については、0~5か月児は母乳中濃度
と哺乳量から算出し、6~11か月児は、0~5か月児の
目安量からの外挿値とした。なお、プロビタミンAカロテノ
イドは、乳児にどのように利用されるか解析されていな
いので、レチノール活性当量の計算には加えていない。
71
〈ビタミンAのポイント〉
• 妊婦については、胎児へのビタミンAの移行蓄積量を付
加する必要があるとの考えに基づき付加量を設定した。
• 授乳婦については、母乳中に分泌される量を付加した。
• 耐容上限量については、成人では、肝臓へのビタミンA
の過剰蓄積による肝臓障害を指標とし、小児について
は、18~29歳の耐容上限量を体重比から外挿した。乳
児では、ビタミンA過剰摂取による頭蓋内圧亢進の症例
報告を基に設定した。
72
ビタミンAの食事摂取基準 (μg RAE / 日)1
性
別
年齢等
0~5(月)
6~11(月)
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)
30~49(歳)
50~69(歳)
70以上(歳)
妊婦(付加量)
初期
中期
後期
授乳婦(付加量)
1
2
3
男
性
女
性
推定平均
必要量2
推奨量2
目安量3
耐容
上限量3
推定平均
必要量2
推奨量2
目安量3
耐容
上限量3
―
―
300
350
300
350
450
550
650
600
650
600
550
―
―
400
500
450
500
600
800
900
850
900
850
800
300
400
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
600
600
600
700
900
1,200
1,500
2,100
2,600
2,700
2,700
2,700
2,700
―
―
250
300
300
350
400
500
500
450
500
500
450
―
―
350
400
400
500
600
700
650
650
700
700
650
300
400
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
600
600
600
700
900
1,200
1,500
2,100
2,600
2,700
2,700
2,700
2,700
+0
+0
+60
+300
+0
+0
+80
+450
―
―
―
―
―
―
―
―
レチノール活性当量(µgRAE)
=レチノール(µg)+β-カロテン(µg)×1/12+α-カロテン(µg)×1/24+β-クリプトキサンチン(µg)×1/24+その他のプロビタミンAカロテノイド(µg)×1/24
プロビタミンAカロテノイドを含む。
プロビタミンAカロテノイドを含まない。
ビタミンD
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
ビタミン D
対象
推定平均
推奨量 目安量 耐容上限 目標量
必要量
(R D A )
(A I) 量(U L) (D G )
(EA R )
乳児(0~11か月)
-
-
○
○
-
小児(1~17歳)
-
-
○
○
-
成人(18歳以上)
-
-
○
○
-
妊婦
-
-
○
-
-
授乳婦
-
-
○
-
-
74
〈ビタミンDのポイント〉
• ビタミンD2とビタミンD3を区別せず、ビタミンDとして両者の合計量
で算定した。
• 成人の目安量については、2010年版における目安量を変更すべ
きとする積極的な科学的根拠はないと判断し、同様の値とした。
• 小児の目安量については、成人で得られた目安量を基に成長因
子を考慮し、体表面積を推定する方法により外挿して算出した。
• 乳児の目安量は、くる病防止の観点から設定した。
• 妊婦・授乳婦については、付加量ではなく目安量として必要と考
えられる量を設定した。
• 耐容上限量については、策定根拠の見直しを行い、成人につい
ては100μg/日とし、乳児については、アメリカ・カナダの食事摂
取基準と同様の方法で設定。小児については、18~29歳の値と
乳児の値の間を参照体重を用いて体重比から外挿した。
75
ビタミンDの食事摂取基準 (μg / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
目安量
耐容上限量
目安量
耐容上限量
0~5(月)
5.0
25
5.0
25
6~11(月)
5.0
25
5.0
25
1~2(歳)
2.0
20
2.0
20
3~5(歳)
2.5
30
2.5
30
6~7(歳)
3.0
40
3.0
40
8~9(歳)
3.5
40
3.5
40
10~11(歳)
4.5
60
4.5
60
12~14(歳)
5.5
80
5.5
80
15~17(歳)
6.0
90
6.0
90
18~29(歳)
5.5
100
5.5
100
30~49(歳)
5.5
100
5.5
100
50~69(歳)
5.5
100
5.5
100
70以上(歳)
5.5
100
5.5
100
妊婦
7.0
―
授乳婦
8.0
―
ビタミンE
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
ビタミン E
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
-
-
○
○
-
成人(18歳以上)
-
-
○
○
-
妊婦
-
-
○
-
-
授乳婦
-
-
○
-
-
77
〈ビタミンEのポイント〉
• αートコフェロールをビタミンEの基準値とした。
• 小児および成人の目安量は、平成22年、23年国民健康・栄養調
査における性別および年齢階級ごとの摂取量の中央値を基に設
定した。
• 0~5か月児の目安量は、日本人の母乳中のαートコフェロール
量の平均値と哺乳量により算定し、6~11か月児については、体
重比を用いて体表面積を推定する方法で外挿した。
• 妊婦については、平成19年から23年までの国民健康・栄養調査
の結果から算出された妊婦のビタミンE摂取量の中央値を目安量
とした。
• 授乳婦については、平成19年から23年までの国民健康・栄養調
査の結果から算出された授乳婦のビタミンE摂取量の中央値を目
安量とした。
78
ビタミンEの食事摂取基準 (mg / 日)1
性
1
別
男
性
女
性
年齢等
目安量
耐容上限量
目安量
耐容上限量
0~5(月)
3.0
―
3.0
―
6~11(月)
4.0
―
4.0
―
1~2(歳)
3.5
150
3.5
150
3~5(歳)
4.5
200
4.5
200
6~7(歳)
5.0
300
5.0
300
8~9(歳)
5.5
350
5.5
350
10~11(歳)
5.5
450
5.5
450
12~14(歳)
7.5
650
6.0
600
15~17(歳)
7.5
750
6.0
650
18~29(歳)
6.5
800
6.0
650
30~49(歳)
6.5
900
6.0
700
50~69(歳)
6.5
850
6.0
700
70以上(歳)
6.5
750
6.0
650
妊婦
6.5
-
授乳婦
7.0
-
α―トコフェロールについて算定した。α―トコフェロール以外のビタミンEは含んでいない。
ビタミンK
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
ビタミン K
対象
推定平均
推奨量
必要量
(
RDA)
(
EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(
A I)
量(
U L) (
DG )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
-
-
○
-
-
成人(18歳以上)
-
-
○
-
-
妊婦
-
-
○
-
-
授乳婦
-
-
○
-
-
80
〈ビタミンKのポイント〉
• フィロキノン、メナキノンー4の重量にメナキノンー7をメナキノンー4
相当量に換算して求めた重量を加えた合計量をビタミンK量とし
て基準値を算定した。
• 現時点では、推定平均必要量・推奨量を算定するに足る科学的
根拠はないものと考え、目安量を設定した。
• 日本人のビタミンKの摂取量は、納豆摂取の影響が大きいことか
ら、成人の目安量は、納豆非摂取者においても明らかな健康障
害が認められていない値に基づいて目安量を設定した。
• 小児の目安量については、成人で得られた目安量を基に成長因
子を考慮し、体表面積を推定する方法により外挿して算出した。
• 乳児の目安量については、臨床領域におけるビタミンK経口投与
が行われていることを前提とし、0~5か月児は母乳中のビタミン
K濃度と哺乳量により算出し、6~11か月児は、母乳以外の食事
からの摂取量も考慮し設定した。
• 妊婦の目安量は、非妊娠時と同様とした。
81
• 授乳婦の目安量は、非授乳時と同様とした。
ビタミンKの食事摂取基準 (μg / 日)
性 別
男 性
女 性
年齢等
目安量
目安量
0~5(月)
4
7
60
70
85
100
120
150
160
150
150
150
150
4
7
60
70
85
100
120
150
160
150
150
150
150
150
150
6~11(月)
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)
30~49(歳)
50~69(歳)
70以上(歳)
妊婦
授乳婦
ビタミンB1
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
ビタミン B
対象
1
推定平均
必要量
(
EA R )
推奨量
(
RDA)
目安量
(
A I)
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
○
○
-
-
-
成人(18歳以上)
○
○
-
-
-
妊婦(付加量)
○
○
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
耐容上限 目標量
量(
U L) (
DG )
83
〈ビタミンB1のポイント〉
• 推定平均必要量は、ビタミンB1の欠乏症である脚気を
予防するに足る最小必要量からではなく、尿中にビタミ
ンB1の排泄量が増大し始める摂取量(体内飽和量)か
ら算定した。
• 乳児の目安量については、0~5か月児は母乳中濃度
と哺乳量から算出し、6~11か月児は、0~5か月児の
目安量および18~29歳の推定平均必要量からの外挿
値の平均値とした。
• 妊婦は、ビタミンB1がエネルギー要求量に応じて増大す
るという代謝特性から付加量を算定した。
• 授乳婦については、母乳中に分泌される量に相対生体
利用率を考慮し、付加量を算定した。
84
ビタミンB1の食事摂取基準 (mg / 日)1
性
別
男
性
女
性
年齢等
推定平均
必要量
推奨量
目安量
推定平均
必要量
推奨量
目安量
0~5(月)
―
―
0.1
―
―
0.1
6~11(月)
―
―
0.2
―
―
0.2
1~2(歳)
0.4
0.5
―
0.4
0.5
―
3~5(歳)
0.6
0.7
―
0.6
0.7
―
6~7(歳)
0.7
0.8
―
0.7
0.8
―
8~9(歳)
0.8
1.0
―
0.8
0.9
―
10~11(歳)
1.0
1.2
―
0.9
1.1
―
12~14(歳)
1.2
1.4
―
1.1
1.3
―
15~17(歳)
1.3
1.5
―
1.0
1.2
―
18~29(歳)
1.2
1.4
―
0.9
1.1
―
30~49(歳)
1.2
1.4
―
0.9
1.1
―
50~69(歳)
1.1
1.3
―
0.9
1.0
―
70以上(歳)
1.0
1.2
―
0.8
0.9
―
妊婦(付加量)
+0.2
+0.2
―
授乳婦(付加量)
+0.2
+0.2
―
1 身体活動レベルⅡの推定エネルギー必要量を用いて算定した。
特記事項:推定平均必要量は、ビタミンB1の欠乏症である脚気を予防するに足る最小必要量からではなく、尿中にビタミンB1の排
泄量が増大し始める摂取量(体内飽和量)から算定。
ビタミンB2
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
ビタミン B
対象
2
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
○
○
-
-
-
成人(18歳以上)
○
○
-
-
-
妊婦(付加量)
○
○
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
86
〈ビタミンB2のポイント〉
• 推定平均必要量は、ビタミンB2の欠乏症である口唇炎、
口角炎、舌炎などの皮膚炎を予防するに足る最小摂取
量から求めた値ではなく、尿中にビタミンB2の排泄量が
増大し始める摂取量(体内飽和量)から算定した。
• 乳児の目安量については、0~5か月児は母乳中濃度
と哺乳量から算出し、6~11か月児は、0~5か月児の
目安量および18~29歳の推定平均必要量からの外挿
値の平均値とした。
• 妊婦は、ビタミンB2がエネルギー要求量に応じて増大す
るという代謝特性から付加量を算定した。
• 授乳婦については、母乳中に分泌される量に相対生体
利用率を考慮し、付加した。
87
ビタミンB2の食事摂取基準 (mg / 日)1
性
別
年齢等
0~5(月)
6~11(月)
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)
30~49(歳)
50~69(歳)
70以上(歳)
男
性
女
推定平均
必要量
推奨量
目安量
―
―
0.5
0.7
0.8
0.9
1.1
1.3
1.4
1.3
1.3
1.2
1.1
―
―
0.6
0.8
0.9
1.1
1.4
1.6
1.7
1.6
1.6
1.5
1.3
0.3
0.4
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
妊婦(付加量)
授乳婦(付加量)
性
推定平均
必要量
推奨量
目安量
―
―
0.5
0.6
0.7
0.9
1.1
1.2
1.2
1.0
1.0
1.0
0.9
+0.2
+0.5
―
―
0.5
0.8
0.9
1.0
1.3
1.4
1.4
1.2
1.2
1.1
1.1
+0.3
+0.6
0.3
0.4
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
1 身体活動レベルⅡの推定エネルギー必要量を用いて算定した。
特記事項:推定平均必要量は、ビタミンB2の欠乏症である口唇炎、口角炎、舌炎などの皮膚炎を予防するに足る最小摂取量から求
めた値ではなく、尿中にビタミンB2の排泄量が増大し始める摂取量(体内飽和量)から算定。
ナイアシン
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
ナイアシン
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
○
○
-
○
-
成人(18歳以上)
○
○
-
○
-
妊婦(付加量)
-
-
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
89
〈ナイアシンのポイント〉
• 推定平均必要量は、ナイアシン欠乏症のペラグラの発症を予防で
きる最小摂取量を基に、エネルギー当たりの値を算出し、設定し
た。
• トリプトファンーニコチンアミド転換比を重量比で1/60とした。
• 乳児の目安量については、0~5か月児は母乳中濃度と哺乳量か
ら算出し、6~11か月児は、0~5か月児の目安量および18~29
歳の推定平均必要量からの外挿値の平均値とした。
• 妊婦では、トリプトファンーニコチンアミド転換率が、非妊娠時に比
べ増大することから付加量は設定しなかった。
• 授乳婦については、母乳中に分泌される量に相対生体利用率を
考慮し、付加量を算定した。
• 耐容上限量は、ニコチン酸あるいはニコチンアミドの量で参照体
位を用いて算定した。
90
ナイアシンの食事摂取基準 (mg NE / 日)1
性
別
男
性
女
年齢等
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量 2
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量 2
0~5(月)3
―
―
2
―
―
―
2
―
6~11(月)
―
―
―
―
―
5
5
60(15)
4
5
3
―
―
1~2(歳)
3
―
60(15)
3~5(歳)
6
7
―
80(20)
6
7
―
80(20)
6~7(歳)
7
9
―
100(30)
7
8
―
100(25)
8~9(歳)
9
11
―
150(35)
8
10
―
150(35)
10~11(歳)
11
13
―
200(45)
10
12
―
200(45)
12~14(歳)
12
15
―
250(60)
12
14
―
250(60)
15~17(歳)
14
16
―
300(75)
11
13
―
250(65)
18~29(歳)
13
15
―
300(80)
9
11
―
250(65)
30~49(歳)
13
15
―
350(85)
10
12
―
250(65)
50~69(歳)
12
14
―
350(80)
9
11
―
250(65)
70以上(歳)
11
13
―
300(75)
8
10
―
妊婦(付加量)
―
―
―
250(60)
―
授乳婦(付加量)
+3
+3
―
―
NE=ナイアシン当量=ナイアシン+1/60トリプトファン。
1 身体活動レベルⅡの推定エネルギー必要量を用いて算定した。
2
3
性
ニコチンアミドのmg量、( )内はニコチン酸のmg量。参照体重を用いて算定した。
単位はmg/日。
ビタミンB6
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
ビタミンB 6
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
○
○
-
○
-
成人(18歳以上)
○
○
-
○
-
妊婦(付加量)
○
○
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
92
〈ビタミンB6のポイント〉
• 推定平均必要量は、血漿PLP濃度を30nmol/Lに維持で
きる摂取量として、たんぱく質摂取量当たりで算定した。
• 乳児の目安量については、0~5か月児は母乳中濃度と
哺乳量から算出し、6~11か月児は、0~5か月児の目
安量および18~29歳の推定平均必要量からの外挿値の
平均値とした。
• 妊婦の付加量は、胎盤や胎児に必要な体たんぱく質の
蓄積を考慮して、設定した。
• 授乳婦については、母乳中に分泌される量に相対生体
利用率を考慮し、付加量を算定した。
• 耐容上限量は、ピリドキシンの量として設定した。
93
ビタミンB6の食事摂取基準 (mg / 日)1
性 別
年齢等
0~5(月)
6~11(月)
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)
30~49(歳)
50~69(歳)
70以上(歳)
妊婦(付加量)
授乳婦(付加量)
1
2
男
性
女
推定平均
必要量
推奨量
目安量
―
―
―
―
0.4
0.5
0.7
0.8
1.0
1.2
1.2
1.2
1.2
1.2
1.2
0.5
0.6
0.8
0.9
1.2
1.4
1.5
1.4
1.4
1.4
1.4
0.2
0.3
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
性
耐容
上限量 2
推定平均
必要量
推奨量
目安量
―
―
―
―
―
―
10
15
20
25
30
40
50
55
60
55
50
0.4
0.5
0.6
0.8
1.0
1.1
1.1
1.0
1.0
1.0
1.0
+0.2
+0.3
0.5
0.6
0.7
0.9
1.2
1.3
1.3
1.2
1.2
1.2
1.2
+0.2
+0.3
0.2
0.3
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
たんぱく質食事摂取基準の推奨量を用いて算定した(妊婦・授乳婦の付加量は除く)。
食事性ビタミンB6の量ではなく、ピリドキシンとしての量である。
―
―
耐容
上限量 2
―
―
10
15
20
25
30
40
45
45
45
45
40
―
―
ビタミンB12
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
ビタミンB 12
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
○
○
-
-
-
成人(18歳以上)
○
○
-
-
-
妊婦(付加量)
○
○
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
95
〈ビタミンB12のポイント〉
• 推定平均必要量は、成人については内因子を欠損した
悪性貧血患者が貧血を治癒するために必要な量を基に
算定した。小児については、18~29歳の値を基に、体重
比を用いて推定した体表面積比と成長因子を考慮して
算定した。
• 乳児の目安量については、0~5か月児は母乳中濃度と
哺乳量から算出し、6~11か月児は、0~5か月児の目
安量および18~29歳の推定平均必要量からの外挿値の
平均値とした。
• 妊婦は、胎児の肝臓中のビタミンB12量から推定し、付加
量を設定した。
• 授乳婦については、母乳中に分泌される量に吸収率を
考慮し、付加した。
96
ビタミンB12の食事摂取基準 (μg / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
推定平均
必要量
推奨量
目安量
推定平均
必要量
推奨量
目安量
0~5(月)
―
―
0.4
―
―
0.4
6~11(月)
―
―
―
―
1~2(歳)
0.7
0.9
0.5
―
0.7
0.9
0.5
―
3~5(歳)
0.8
1.0
―
0.8
1.0
―
6~7(歳)
1.0
1.3
―
1.0
1.3
―
8~9(歳)
1.2
1.5
―
1.2
1.5
―
10~11(歳)
1.5
1.8
―
1.5
1.8
―
12~14(歳)
1.9
2.3
―
1.9
2.3
―
15~17(歳)
2.1
2.5
―
2.1
2.5
―
18~29(歳)
2.0
2.4
―
2.0
2.4
―
30~49(歳)
2.0
2.4
―
2.0
2.4
―
50~69(歳)
2.0
2.4
―
2.0
2.4
―
70以上(歳)
2.0
2.4
―
2.0
2.4
―
妊婦(付加量)
+0.3
+0.4
―
授乳婦(付加量)
+0.7
+0.8
―
葉酸
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
葉酸
1
対象
推定平均
必要量
(
EA R )
推奨量
(
RDA)
目安量
(
A I)
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
○
○
-
○1
-
成人(18歳以上)
○
○
-
○1
-
妊婦(付加量)
○
○
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
耐容上限 目標量
量(
U L) (
DG )
サプリメントや強化食品に含まれるプテロイルモノグルタミン酸の量。
98
〈葉酸のポイント〉
• 推定平均必要量は、成人については、赤血球中の葉酸濃度を
300nmol/L以上に維持できる最小摂取量を基に算定した。小児に
ついては、18~29歳の値を基に、体重比を用いて推定した体表面
積比と成長因子を考慮して算定した。
• 乳児の目安量については、0~5か月児は母乳中濃度と哺乳量か
ら算出し、6~11か月児は、0~5か月児の目安量および18~29
歳の推定平均必要量からの外挿値の平均値とした。
• 妊娠を計画している女性、または妊娠の可能性がある女性は、神
経管閉鎖障害のリスクの低減のために、付加的に400μg/日のプ
テロイルモノグルタミン酸の摂取が望まれることとした。
• 妊婦は、赤血球中の葉酸レベルを適正量に維持できたという報告
の値を基に付加量を設定した。
• 授乳婦については、母乳中に分泌される量に相対生体利用率を
考慮し、付加量を算定した。
• 耐容上限量は、アメリカ・カナダの食事摂取基準を基にサプリメン
トや強化食品に含まれるプテロイルモノグルタミン酸の量として設
99
定した。
葉酸の食事摂取基準 (μg / 日)1
性 別
男 性
女 性
年齢等
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量 2
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量 2
0~5(月)
―
―
40
―
―
―
40
―
6~11(月)
―
―
60
―
―
―
60
―
1~2(歳)
70
90
―
200
70
90
―
200
3~5(歳)
80
100
―
300
80
100
―
300
6~7(歳)
100
130
―
400
100
130
―
400
8~9(歳)
120
150
―
500
120
150
―
500
10~11(歳)
150
180
―
700
150
180
―
700
12~14(歳)
190
230
―
900
190
230
―
900
15~17(歳)
210
250
―
900
210
250
―
900
18~29(歳)
200
240
―
900
200
240
―
900
30~49(歳)
200
240
―
1,000
200
240
―
1,000
50~69(歳)
200
240
―
1,000
200
240
―
1,000
70以上(歳)
200
240
―
900
200
240
―
900
妊婦(付加量)
+200
+240
―
―
授乳婦(付加量)
+80
+100
―
―
妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性がある女性は、神経管閉鎖障害のリスクの低減のために、付加的に400µg/日のプテロイルモノグルタミン
酸の摂取が望まれる。
2 サプリメントや強化食品に含まれるプテロイルモノグルタミン酸の量。
1
パントテン酸
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
パントテン酸
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
-
-
○
-
-
成人(18歳以上)
-
-
○
-
-
妊婦
-
-
○
-
-
授乳婦
-
-
○
-
-
101
〈パントテン酸のポイント〉
• 小児および成人の目安量は、平成22年、23年国民健康・栄養調
査における性別および年齢階級ごとの摂取量の中央値を基に設
定した。
• 乳児の目安量については、0~5か月児は母乳中濃度と哺乳量
から算出し、6~11か月児は、0~5か月児の目安量および18~
29歳の推定平均必要量からの外挿値の平均値とした。
• 妊婦については、平成19年から23年までの国民健康・栄養調査
の結果から算出された妊婦のパントテン酸摂取量の中央値を目
安量とした。
• 授乳婦については、平成19年から23年までの国民健康・栄養調
査の結果から算出された授乳婦のパントテン酸摂取量の中央値
を目安量とした。
102
パントテン酸の食事摂取基準 (mg / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
目安量
目安量
0~5(月)
4
4
6~11(月)
3
3
1~2(歳)
3
3
3~5(歳)
4
4
6~7(歳)
5
5
8~9(歳)
5
5
10~11(歳)
6
6
12~14(歳)
7
6
15~17(歳)
7
5
18~29(歳)
5
4
30~49(歳)
5
4
50~69(歳)
5
5
70以上(歳)
5
5
妊婦
5
授乳婦
5
ビオチン
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
ビオチン
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
-
-
○
-
-
成人(18歳以上)
-
-
○
-
-
妊婦
-
-
○
-
-
授乳婦
-
-
○
-
-
104
〈ビオチンのポイント〉
• 成人の目安量は、トータルダイエット法の値を採用し、設定した。
• 小児の目安量は、18~29歳の値を基に、体重比を用いて推定し
た体表面積比と成長因子を考慮して算定した。
• 乳児の目安量については、0~5か月児は母乳中濃度と哺乳量
から算出し、6~11か月児は、0~5か月児の目安量および18~
29歳の推定平均必要量からの外挿値の平均値とした。
• 妊婦、授乳婦については、値の設定に十分なデータがないことか
ら成人(妊婦、授乳婦を除く)の目安量を適用することとした。
105
ビオチンの食事摂取基準 (μg / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
目安量
目安量
0~5(月)
4
4
6~11(月)
10
10
1~2(歳)
20
20
3~5(歳)
20
20
6~7(歳)
25
25
8~9(歳)
30
30
10~11(歳)
35
35
12~14(歳)
50
50
15~17(歳)
50
50
18~29(歳)
50
50
30~49(歳)
50
50
50~69(歳)
50
50
70以上(歳)
50
50
妊婦
50
授乳婦
50
ビタミンC
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
ビタミンC
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
○
○
-
-
-
成人(18歳以上)
○
○
-
-
-
妊婦(付加量)
○
○
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
107
〈ビタミンCのポイント〉
• 推定平均必要量は、壊血病の回避ではなく、心臓血管
系の疾病予防効果並びに抗酸化作用効果から算定した。
• 乳児の目安量については、0~5か月児は母乳中濃度と
哺乳量から算出し、6~11か月児は、0~5か月児の目
安量および18~29歳の推定平均必要量からの外挿値の
平均値とした。
• 妊婦の付加量は、新生児の壊血病を防ぐと言われてい
る報告を基に算定した。
• 授乳婦については、母乳中に分泌される量に相対生体
利用率を考慮し、付加量を算定した。
108
ビタミンCの食事摂取基準 (mg / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
推定平均
必要量
推奨量
目安量
推定平均
必要量
推奨量
目安量
0~5(月)
―
―
40
―
―
40
6~11(月)
―
―
40
―
―
40
1~2(歳)
30
35
―
30
35
―
3~5(歳)
35
40
―
35
40
―
6~7(歳)
45
55
―
45
55
―
8~9(歳)
50
60
―
50
60
―
10~11(歳)
60
75
―
60
75
―
12~14(歳)
80
95
―
80
95
―
15~17(歳)
85
100
―
85
100
―
18~29(歳)
85
100
―
85
100
―
30~49(歳)
85
100
―
85
100
―
50~69(歳)
85
100
―
85
100
―
70以上(歳)
85
100
―
85
100
―
妊婦(付加量)
+10
+10
―
授乳婦(付加量)
+40
+45
―
特記事項:推定平均必要量は、壊血病の回避ではなく、心臓血管系の疾病予防効果並びに抗酸化作用効果から算定。
ナトリウム
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
ナトリウム
対象
推定平均
推奨量
必要量
(
RDA)
(
EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(
A I) 量(
U L) (
DG )
乳児(
0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(
1~17歳)
-
-
-
-
○
成人(
18歳以上)
○
-
-
-
○
妊婦
-
-
-
-
-
授乳婦
-
-
-
-
-
110
〈ナトリウムのポイント〉
• 推定平均必要量は、2010年版と同様に不可避損失量を
補うという観点から設定した。推奨量については、活用
上は意味を持たないため、算定しなかった。
• 乳児の目安量は、0~5か月児は、母乳中濃度と哺乳量
から算定し、6~11か月児は、母乳および離乳食からの
摂取量をもとに算定した。
• 妊婦、授乳婦の付加量は必要がないと判断した。
• 目標量は、WHOのガイドラインでの推奨値と平成22年、
23年国民健康・栄養調査における摂取量の中央値をとり、
この値未満とした。
• 小児の目標量については、推定エネルギー必要量を用
いて外挿し、その値と平成22年、23年国民健康・栄養調
査における摂取量の中央値をとり、この値未満とした。
111
ナトリウムの食事摂取基準 (mg / 日、(
性
別
男
)は食塩相当量[g/日])
性
女
性
年齢等
推定平均
必要量
目安量
目標量
推定平均
必要量
目安量
目標量
0~5(月)
―
100(0.3)
―
―
100(0.3)
―
6~11(月)
―
600(1.5)
―
―
600(1.5)
―
1~2(歳)
―
―
(3.0未満)
―
―
(3.5未満)
3~5(歳)
―
―
(4.0未満)
―
―
(4.5未満)
6~7(歳)
―
―
(5.0未満)
―
―
(5.5未満)
8~9(歳)
―
―
(5.5未満)
―
―
(6.0未満)
10~11(歳)
―
―
(6.5未満)
―
―
(7.0未満)
12~14(歳)
―
―
(8.0未満)
―
―
(7.0未満)
15~17(歳)
―
―
(8.0未満)
―
―
(7.0未満)
18~29(歳)
600(1.5)
―
(8.0未満)
600(1.5)
―
(7.0未満)
30~49(歳)
600(1.5)
―
(8.0未満)
600(1.5)
―
(7.0未満)
50~69(歳)
600(1.5)
―
(8.0未満)
600(1.5)
―
(7.0未満)
70以上(歳)
600(1.5)
―
(8.0未満)
600(1.5)
―
(7.0未満)
妊婦
―
―
―
授乳婦
―
―
―
カリウム
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
カリウム
1
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
-
-
○
-
○1
成人(18歳以上)
-
-
○
-
○
妊婦
-
-
○
-
-
授乳婦
-
-
○
-
-
6~17歳について設定。
113
〈カリウムのポイント〉
• カリウムの不可避損失量を補い平衡を維持するのに必要な値と
現在の摂取量から目安量を設定した。
• 小児の目安量については、成人の値を基準として、参照体重を用
いその体重比と成長因子を用いて推定する方法により外挿して算
定した。
• 乳児の目安量は、0~5か月児は、母乳中濃度と哺乳量から算定
し、6~11か月児は、母乳および離乳食からの摂取量をもとに算
定した。
• 妊婦については、平成19年から23年までの国民健康・栄養調査の
結果から算出された妊婦のカリウム摂取量の中央値と非妊娠時
の目安量を基に設定した。
• 授乳婦については、平成19年から23年までの国民健康・栄養調査
の結果から算出された授乳婦のカリウム摂取量の中央値を目安
量とした。
114
〈カリウムのポイント〉
• 目標量は、WHOから提案された成人を対象とした高血圧予防の
ための望ましい摂取量と平成22年、23年国民健康・栄養調査の結
果に基づく日本人の成人におけるカリウム摂取量の中央値を目標
量算出のための参照値とした。
• 小児については、6~17歳に限って、成人と同じ方法で目標量を
算出し、算出された目標量よりも現在の平均摂取量が多い場合に
は、現在の平均摂取量を目標値とした。
115
カリウムの食事摂取基準 (mg / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
目安量
目標量
目安量
目標量
0~5(月)
400
―
400
―
6~11(月)
700
―
700
―
1~2(歳)
900
―
800
―
3~5(歳)
1,100
―
1,000
―
6~7(歳)
1,300
1,800 以上
1,200
1,800 以上
8~9(歳)
1,600
2,000 以上
1,500
2,000 以上
10~11(歳)
1,900
2,200 以上
1,800
2,000 以上
12~14(歳)
2,400
2,600 以上
2,200
2,400 以上
15~17(歳)
2,800
3,000 以上
2,100
2,600 以上
18~29(歳)
2,500
3,000 以上
2,000
2,600 以上
30~49(歳)
2,500
3,000 以上
2,000
2,600 以上
50~69(歳)
2,500
3,000 以上
2,000
2,600 以上
70以上(歳)
2,500
3,000 以上
2,000
2,600 以上
妊婦
2,000
―
授乳婦
2,200
―
カルシウム
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
カルシウム
対象
推定平均
推奨量 目安量 耐容上限 目標量
必要量
(R D A ) (A I) 量(U L) (D G )
(EA R )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
○
○
-
-
-
成人(18歳以上)
○
○
-
○
-
妊婦
-
-
-
-
-
授乳婦
-
-
-
-
-
117
〈カルシウムのポイント〉
• 1歳以上については、要因加算法を用いて推定平均必要量を設
定した。具体的には、性別および年齢階級ごとの参照体重を基に
して体内蓄積量、尿中排泄量、経皮的損失量を算出し、これらの
合計を見かけの吸収率で除している。
• 乳児の目安量は、0~5か月児は、母乳中濃度と哺乳量から算定
し、6~11か月児は、母乳および離乳食からの摂取量をもとに算
定した。
• 妊婦、授乳婦の付加量は必要がないと判断した。
• 耐容上限量については、摂取の目標とすべき値ではなく、日本人
の通常の食品からの摂取でこの値を超えることはまれであるが、
サプリメントなどを使用する場合に注意するべき値である。
• なお、17歳以下の耐容上限量は、十分な報告がないため設定しな
かったが、これは多量摂取を勧めるものでも多量摂取の安全性を
保証するものでもない。
118
カルシウムの食事摂取基準 (mg / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量
0~5(月)
―
―
200
―
―
―
200
―
6~11(月)
―
―
250
―
―
―
250
―
1~2(歳)
350
450
―
―
350
400
―
―
3~5(歳)
500
600
―
―
450
550
―
―
6~7(歳)
500
600
―
―
450
550
―
―
8~9(歳)
550
650
―
―
600
750
―
―
10~11(歳)
600
700
―
―
600
750
―
―
12~14(歳)
850
1,000
―
―
700
800
―
―
15~17(歳)
650
800
―
―
550
650
―
―
18~29(歳)
650
800
―
2,500
550
650
―
2,500
30~49(歳)
550
650
―
2,500
550
650
―
2,500
50~69(歳)
600
700
―
2,500
550
650
―
2,500
70以上(歳)
600
700
―
2,500
500
650
―
2,500
妊婦
―
―
―
―
授乳婦
―
―
―
―
マグネシウム
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
マグネシウム
1
対象
推定平均
必要量
(
EA R )
推奨量
(
RDA)
目安量
(
A I)
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
○
○
-
○1
-
成人(18歳以上)
○
○
-
○1
-
妊婦(付加量)
○
○
-
-
-
授乳婦
-
-
-
-
-
耐容上限 目標量
量(
U L) (
DG )
通常の食品以外からの摂取について設定した。
120
〈マグネシウムのポイント〉
• 出納試験によって得られた結果を根拠として、推定平均必要量と
推奨量を設定した。
• 乳児の目安量は、0~5か月児は、母乳中濃度と哺乳量から算定
し、6~11か月児は、母乳および離乳食からの摂取量をもとに算
定した。
• 妊婦の付加量は、妊婦に対するマグネシウムの出納試験の結果
等を基に算定した。
• 授乳婦には付加量は必要ないと判断した。
• 耐容上限量は、通常の食品以外からの摂取量について設定した。
121
マグネシウムの食事摂取基準 (mg / 日)
性 別
男 性
女 性
年齢等
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量 1
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量 1
0~5(月)
―
―
20
―
―
―
20
―
6~11(月)
―
―
60
―
―
―
60
―
1~2(歳)
60
70
―
―
60
70
―
―
3~5(歳)
80
100
―
―
80
100
―
―
6~7(歳)
110
130
―
―
110
130
―
―
8~9(歳)
140
170
―
―
140
160
―
―
10~11(歳)
180
210
―
―
180
220
―
―
12~14(歳)
250
290
―
―
240
290
―
―
15~17(歳)
300
360
―
―
260
310
―
―
18~29(歳)
280
340
―
―
230
270
―
―
30~49(歳)
310
370
―
―
240
290
―
―
50~69(歳)
290
350
―
―
240
290
―
―
70以上(歳)
270
320
―
―
220
270
―
―
妊婦(付加量)
+30
+40
―
―
授乳婦(付加量)
―
―
―
―
通常の食品以外からの摂取量の耐容上限量は成人の場合350mg/日、小児では5mg/kg体重/日とする。それ以外の通常の食品からの摂取の場合、耐容上限量は設
定しない。
1
リン
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
リン
対象
推定平均
推奨量
必要量
(
RDA)
(
EA R )
目安量
(
A I)
耐容上限 目標量
量(
U L) (
DG )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
-
-
○
-
-
成人(18歳以上)
-
-
○
○
-
妊婦
-
-
○
-
-
授乳婦
-
-
○
-
-
123
〈リンのポイント〉
• 血清中リン濃度を基準範囲に維持できる摂取量、並びに成長に伴
う蓄積量から必要量の検討を試みたが、日本人に関する成績はほ
とんど見当たらなかったため、目安量を設定することとした。
• 1歳以上については、アメリカ・カナダの食事摂取基準を参考に、平
成22年、23年国民健康・栄養調査の摂取量の中央値を目安量とし
た。ただし、18歳以上については、男女別に各年齢階級の摂取量
の中央値の中で最も少ない摂取量をもって、それぞれの18歳以上
全体の目安量とした。
• 0~5か月児は、母乳中のリン濃度と哺乳量から目安量を算定した。
• 6~11か月児は、母乳由来のリン摂取量に母乳以外の離乳食由
来のリン摂取量を加えて算定した。
• 妊婦、授乳婦については、成人(妊婦、授乳婦を除く)の目安量を適
用することとした。
• 成人の耐容上限量は、リン摂取量と血清リン濃度上昇の関係に基
づき設定した。小児については、十分な研究報告がないため、設定
124
しなかった。
リンの食事摂取基準 (mg / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
目安量
耐容
上限量
目安量
耐容
上限量
0~5(月)
120
―
120
―
6~11(月)
260
―
260
―
1~2(歳)
500
―
500
―
3~5(歳)
800
―
600
―
6~7(歳)
900
―
900
―
8~9(歳)
1,000
―
900
―
10~11(歳)
1,100
―
1,000
―
12~14(歳)
1,200
―
1,100
―
15~17(歳)
1,200
―
―
18~29(歳)
1,000
3,000
900
800
3,000
30~49(歳)
1,000
3,000
800
3,000
50~69(歳)
1,000
3,000
800
3,000
70以上(歳)
1,000
3,000
800
3,000
妊婦
800
―
授乳婦
800
―
鉄
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
乳児(0~5か月)
-
-
乳児(6~11か月)
○
○
小児(1~17歳)
○
成人(18歳以上)
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
○
-
-
○
-
○
-
○
○
-
○
-
妊婦(付加量)
○
○
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
鉄
126
〈鉄のポイント〉
• 推定平均必要量、推奨量は、要因加算法を用いて算定した。
• 6か月児以上の年齢階級では、算出法の基本的な考え方はアメリ
カ・カナダの食事摂取基準に従い、体重と経血量等については、日
本人の値を用いて推定平均必要量を算定した。
• 10歳~69歳の女性の推定平均必要量および推奨量については、
月経血による鉄損失を考慮した値を設定した。
• 0~5か月児については、母乳中の鉄濃度に哺乳量を乗じて目安
量を算定した。
• 妊婦については、妊娠に伴う鉄の必要量を妊娠各期において算出
し、月経がない場合の推定平均必要量および推奨量に付加する値
として設定した。
• 授乳婦については、日本人の母乳中鉄濃度、哺乳量、吸収率を基
に月経がない場合の推定平均必要量および推奨量に付加する値と
して設定した。
127
〈鉄のポイント〉
• 15歳以上の耐容上限量については、FAO/WHOが定めている着色
剤用酸化鉄、妊娠および授乳中の鉄サプリメント、治療用鉄剤を除
く、全ての鉄に対する暫定耐容最大1日摂取量と性別および年齢
階級ごとの参照体重を用いて算定した。
• 1~2歳の耐容上限量は、アメリカ食品医薬局が、鉄剤や鉄サプリ
メントの誤飲による急性鉄中毒を考慮して設定している限界値を参
考に設定した。
• 3~14歳の耐容上限量は、15歳以上との連続性を考慮して設定し
た。
• 乳児の耐容上限量は、健康障害非発現量、最低健康障害発現量と
もに決定することが困難であることから、設定しなかった。
• 妊婦、授乳婦についても十分な根拠が得られず、設定しなかった。
128
鉄の食事摂取基準 (mg / 日)1
性
別
年齢等
0~5(月)
6~11(月)
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳)
8~9(歳)
10~11(歳)
12~14(歳)
15~17(歳)
18~29(歳)
30~49(歳)
50~69(歳)
70以上(歳)
男
性
女
月経なし
推定
平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量
推定
平均
必要量
―
3.5
3.0
4.0
4.5
6.0
7.0
8.5
8.0
6.0
6.5
6.0
6.0
―
5.0
4.5
5.5
6.5
8.0
10.0
11.5
9.5
7.0
7.5
7.5
7.0
0.5
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
25
25
30
35
35
50
50
50
55
50
50
性
月経あり
目安量
耐容
上限量
―
―
―
―
―
―
14.0
14.0
10.5
10.5
10.5
10.5
―
0.5
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
20
25
30
35
35
50
40
40
40
40
40
―
―
―
―
―
―
―
―
―
推奨量
推定
平均
必要量
推奨量
―
3.5
3.0
3.5
4.5
6.0
7.0
7.0
5.5
5.0
5.5
5.5
5.0
―
4.5
4.5
5.0
6.5
8.5
10.0
10.0
7.0
6.0
6.5
6.5
6.0
―
―
―
―
―
―
10.0
10.0
8.5
8.5
9.0
9.0
―
+2.0
+12.5
+2.0
+2.5
+15.0
+2.5
―
―
―
妊婦(付加量)
初期
中期・後期
授乳婦(付加量)
1
過多月経(経血量が80 m L/回以上)の人を除外して策定した。
亜鉛
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
亜鉛
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
○
○
-
-
-
成人(18歳以上)
○
○
-
○
-
妊婦(付加量)
○
○
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
130
〈亜鉛のポイント〉
• 日本人を対象とした亜鉛代謝に関する報告がないので、成人の推
定平均必要量はアメリカ・カナダの食事摂取基準を参考にして算定
した。
• 12~17歳の推定平均必要量は、参照体重に基づき体重比を用い
て推定した体表面積比と成長因子を考慮し、成人の推定平均必要
量算定の参照値から外挿した。
• 1~11歳の推定平均必要量については、日本人小児において平衡
維持量を示す摂取量とアメリカの成人男性の値から外挿した小児
の体表亜鉛消失量を基に推定平均必要量の参照値を算出し、参照
体重に基づき体重比と成長因子を用いて参照値から外挿した。
• 妊婦の血清中亜鉛濃度が妊娠期間が進むにつれて低下すること
から付加量が必要と判断し、妊娠期間中の亜鉛の平均蓄積量を非
妊娠女性の吸収率で除して得られる値を妊婦の付加量とした。
131
〈亜鉛のポイント〉
• 授乳婦の付加量は、母乳への亜鉛損失量を吸収率で除し、母乳中
の亜鉛濃度を乳児の亜鉛欠乏予防に十分な水準を保つ観点から
設定した。
• 乳児の目安量は、0~5か月児は、アメリカ・カナダの食事摂取基準
を参考にして設定し、6~11か月児は、離乳食と乳児用調製粉乳か
らの亜鉛摂取量の平均値と、0~5か月児の目安量を体重比の
0.75乗を用いて男女で平均した値とを平均した値とした。
132
亜鉛の食事摂取基準 (mg / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量
0~5(月)
―
―
2
―
―
―
2
―
6~11(月)
―
―
3
―
―
―
3
―
1~2(歳)
3
3
―
―
3
3
―
―
3~5(歳)
3
4
―
―
3
4
―
―
6~7(歳)
4
5
―
―
4
5
―
―
8~9(歳)
5
6
―
―
5
5
―
―
10~11(歳)
6
7
―
―
6
7
―
―
12~14(歳)
8
9
―
―
7
8
―
―
15~17(歳)
9
10
―
―
6
8
―
―
18~29(歳)
8
10
―
40
6
8
―
35
30~49(歳)
8
10
―
45
6
8
―
35
50~69(歳)
8
10
―
45
6
8
―
35
70以上(歳)
8
9
―
40
6
7
―
35
妊婦(付加量)
+1
+2
―
―
授乳婦(付加量)
+3
+3
―
―
銅
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
銅
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
○
○
-
-
-
成人(18歳以上)
○
○
-
○
-
妊婦(付加量)
○
○
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
134
〈銅のポイント〉
• 日本人における銅の必要量を検討した研究がないため、アメリカ・
カナダの食事摂取基準に準じて成人の推定平均必要量、推奨量を
設定した。小児は、参照体重に基づき、体重比の0.75乗と成長因子
を用いて、成人の値から外挿した。
• 妊婦の付加量は、胎児の銅保有量と非妊婦の銅の吸収率を基に
算定した。
• 授乳婦の付加量は、授乳期間中の日本人の母乳中銅濃度の平均
値、哺乳量、銅の吸収率を用いて算定した。
• 耐容上限量については、成人についてのみ設定した。
135
銅の食事摂取基準 (mg / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量
0~5(月)
-
-
0.3
-
-
-
0.3
-
6~11(月)
-
-
0.3
-
-
-
0.3
-
1~2(歳)
0.2
0.3
-
-
0.2
0.3
-
-
3~5(歳)
0.3
0.4
-
-
0.3
0.4
-
-
6~7(歳)
0.4
0.5
-
-
0.4
0.5
-
-
8~9(歳)
0.4
0.6
-
-
0.4
0.5
-
-
10~11(歳)
0.5
0.7
-
-
0.5
0.7
-
-
12~14(歳)
0.7
0.8
-
-
0.6
0.8
-
-
15~17(歳)
0.8
1.0
-
-
0.6
0.8
-
-
18~29(歳)
0.7
0.9
-
10
0.6
0.8
-
10
30~49(歳)
0.7
1.0
-
10
0.6
0.8
-
10
50~69(歳)
0.7
0.9
-
10
0.6
0.8
-
10
70以上(歳)
0.7
0.9
-
10
0.6
0.7
-
10
妊婦(付加量)
+0.1
+0.1
―
―
授乳婦(付加量)
+0.5
+0.5
―
―
マンガン
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
マンガン
対象
推定平均
推奨量 目安量 耐容上限 目標量
必要量
(R D A )
(A I) 量(U L) (D G )
(EA R )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
-
-
○
-
-
成人(18歳以上)
-
-
○
○
-
妊婦
-
-
○
-
-
授乳婦
-
-
○
-
-
137
〈マンガンのポイント〉
• マンガンについては、出納試験からマンガン必要量を求めるのは、
困難と判断し、マンガンの平衡維持量を大幅に上回ると考えられ
る日本人のマンガン摂取量に基づき目安量を算定した。
• 成人の目安量については、日本人のマンガン摂取量の報告の中
で摂取量の少なかったものを基準値として用い、総エネルギー摂
取量の性差を考慮し設定した。
• 小児の目安量は、体重比の0.75乗と成長因子を用いて成人の目
安量から外挿した。
• 乳児の目安量については、0~5か月児は、日本人の母乳中のマ
ンガン濃度と哺乳量を基に算定し、6~11か月児は、母乳由来の
マンガン摂取量に母乳以外の離乳食由来のマンガン摂取量を加
えて算定した。
• 妊婦、授乳婦については、成人女性(妊婦、授乳婦を除く)の目安
量を適用することとした。
• 耐容上限量は、成人についてのみ設定した。
138
マンガンの食事摂取基準 (mg / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
目安量
耐容上限量
目安量
耐容上限量
0~5(月)
0.01
―
0.01
―
6~11(月)
0.5
―
0.5
―
1~2(歳)
1.5
―
1.5
―
3~5(歳)
1.5
―
1.5
―
6~7(歳)
2.0
―
2.0
―
8~9(歳)
2.5
―
2.5
―
10~11(歳)
3.0
―
3.0
―
12~14(歳)
4.0
―
4.0
―
15~17(歳)
4.5
―
3.5
―
18~29(歳)
4.0
11
3.5
11
30~49(歳)
4.0
11
3.5
11
50~69(歳)
4.0
11
3.5
11
70以上(歳)
4.0
11
3.5
11
妊婦
3.5
―
授乳婦
3.5
―
ヨウ素
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
ヨウ素
1
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
○
-
小児(1~17歳)
○
○
-
○
-
成人(18歳以上)
○
○
-
○
-
妊婦(付加量)
○
○
-
○1
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
妊婦については、耐容上限量を付加量ではなく、数値で設定。
140
〈ヨウ素のポイント〉
• 日本人において、推定平均必要量の算定に有用な報告がないため、
欧米の研究結果に基づき算定した。
• 小児の推定平均必要量については、成人の値を外挿した。
• 乳児の目安量は、0~5か月児は、アメリカ・カナダの食事摂取基準
における0~6か月児の目安量を基に日本とアメリカの乳児の体格
差を考慮して算定し、6~11か月児は、0~5か月児の目安量の体
重比の0.75乗を用いて外挿し、男女の値の平均値を設定した。
• 妊婦は、新生児の甲状腺内ヨウ素量に関する欧米のデータをもと
に付加量を設定した。
• 授乳婦は、授乳に必要なヨウ素量は、0~5か月児の目安量である
と考え、ヨウ素の吸収率を100%と仮定し、付加量を設定した。
141
〈ヨウ素のポイント〉
• 耐容上限量は、習慣的なヨウ素摂取に適用されるものである。
• 6~11歳の耐容上限量については、世界各地の小児を対象とした
研究を基に設定した。
• 1~5歳の耐容上限量は、6~7歳の耐容上限量を体重比の0.75乗
で外挿し設定した。
• 12~17歳の耐容上限量は、10~11歳と18歳以上の耐容上限量を
考慮し、設定した。
• 乳児の耐容上限量は、日本と同様に海藻類の消費が多い韓国で
の研究結果をもとに設定した。
• 妊婦は、非妊娠時よりもヨウ素の過剰摂取に注意する必要がある
ことから、非妊娠時の耐容上限量に不確実性因子1.5を用い、非妊
娠時よりも低い値とした。
142
ヨウ素の食事摂取基準 (μg / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量
0~5(月)
―
―
100
250
―
―
100
250
6~11(月)
―
―
130
250
―
―
130
250
1~2(歳)
35
50
―
250
35
50
―
250
3~5(歳)
45
60
―
350
45
60
―
350
6~7(歳)
55
75
―
500
55
75
―
500
8~9(歳)
65
90
―
500
65
90
―
500
10~11(歳)
80
110
―
500
80
110
―
500
12~14(歳)
100
140
―
1,200
100
140
―
1,200
15~17(歳)
100
140
―
2,000
100
140
―
2,000
18~29(歳)
95
130
―
3,000
95
130
―
3,000
30~49(歳)
95
130
―
3,000
95
130
―
3,000
50~69(歳)
95
130
―
3,000
95
130
―
3,000
70以上(歳)
95
130
―
3,000
95
130
―
3,000
妊婦(付加量)
+75
+110
―
―1
授乳婦(付加量)
+100
+140
―
―
1 妊婦の耐容上限量は2,000μg/日とする。
セレン
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
セレン
対象
推定平均
推奨量 目安量 耐容上限 目標量
必要量
(R D A ) (A I) 量(U L) (D G )
(EA R )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
○
○
-
○
-
成人(18歳以上)
○
○
-
○
-
妊婦(付加量)
○
○
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
144
〈セレンのポイント〉
• 克山病のような欠乏症の予防という立場で推定平均必要量と推奨
量の設定を行った。
• 小児の推定平均必要量については、成人のデータを基に、参照体
重に基づき体重比の0.75乗と成長因子を用いて外挿した。
• 乳児の目安量は、0~5か月児は、母乳中のセレン濃度と哺乳量を
基に算定し、6~11か月児は、体重比の0.75乗を用いて、0~5か
月児の目安量から外挿した。
• 妊婦については、胎児および胎盤に必要なセレン量と妊娠中に生
じる血液体積の増加に伴い必要となるセレン量を基に食事中のセ
レン吸収率を考慮し付加量を算定した。
• 授乳婦については、母乳中のセレン濃度、哺乳量、食品中セレン吸
収率に基づき算定した。
• 耐容上限量は、食品のセレン濃度が多い地域でのセレン中毒の報
告等から設定した、毛髪と爪の脆弱化・脱落を指標とした最低健康
障害発現量を基に設定した。乳児の耐容上限量は設定しなかった。
145
セレンの食事摂取基準 (μg / 日)
性
別
男
性
女
性
年齢等
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量
0~5(月)
―
―
15
―
―
―
15
―
6~11(月)
―
―
15
―
―
―
15
―
1~2(歳)
10
10
―
80
10
10
―
70
3~5(歳)
10
15
―
110
10
10
―
110
6~7(歳)
15
15
―
150
15
15
―
150
8~9(歳)
15
20
―
190
15
20
―
180
10~11(歳)
20
25
―
240
20
25
―
240
12~14(歳)
25
30
―
330
25
30
―
320
15~17(歳)
30
35
―
400
20
25
―
350
18~29(歳)
25
30
―
420
20
25
―
330
30~49(歳)
25
30
―
460
20
25
―
350
50~69(歳)
25
30
―
440
20
25
―
350
70以上(歳)
25
30
―
400
20
25
―
330
妊婦(付加量)
+5
+5
―
―
授乳婦(付加量)
+15
+20
―
―
クロム
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
クロム
対象
推定平均
推奨量
必要量
(R D A )
(EA R )
目安量 耐容上限 目標量
(A I) 量(U L) (D G )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
-
-
-
-
-
成人(18歳以上)
-
-
○
-
-
妊婦
-
-
○
-
-
授乳婦
-
-
○
-
-
147
〈クロムのポイント〉
• 推定平均必要量を設定することが困難であったことから、クロム摂
取量に基づいて目安量を算定することとした。
• 成人、小児の目安量については、食品成分表を用いて日本人の献
立からクロム摂取量を算出した報告に基づき設定した。
• 乳児の目安量については、0~5か月児は、日本人の母乳中クロム
濃度と哺乳量を基に算定し、6~11か月児は、0~5か月児の目安
量を体重比の0.75乗を用いて外挿した。
• 妊婦、授乳婦については、必要な情報が不足しているため、成人
(妊婦、授乳婦を除く)の目安量を適用することとした。
148
クロムの食事摂取基準 (μg / 日)
性 別
男
性
女
性
年齢等
目安量
目安量
0~5(月)
0.8
0.8
6~11(月)
1.0
1.0
1~2(歳)
―
―
3~5(歳)
―
―
6~7(歳)
―
―
8~9(歳)
―
―
10~11(歳)
―
―
12~14(歳)
―
―
15~17(歳)
―
―
18~29(歳)
10
10
30~49(歳)
10
10
50~69(歳)
10
10
70以上(歳)
10
10
妊婦
10
授乳婦
10
モリブデン
〈策定した食事摂取基準〉
過剰摂取に
生活習慣病
よる健康障
の予防
害の回避
摂取不足の回避
栄養素
モリブデン
対象
推定平均
推奨量 目安量 耐容上限 目標量
必要量
(R D A ) (A I) 量(U L) (D G )
(EA R )
乳児(0~11か月)
-
-
○
-
-
小児(1~17歳)
-
-
-
-
-
成人(18歳以上)
○
○
-
○
-
妊婦(付加量)
-
-
-
-
-
授乳婦(付加量)
○
○
-
-
-
150
〈モリブデンのポイント〉
• 4人のアメリカ人男性におけるモリブデン出納に関する実験での報
告を基に汗、皮膚などからの損失量を考慮し、推定平均必要量の
参照値を算出し、参照体重を基に体重比を用いて外挿するなどして、
推定平均必要量を算定した。
• 小児については、外挿で、推定平均必要量を算定することは困難と
判断し設定は見合わせた。
• 乳児の目安量については、0~5か月児は、日本人の母乳中のモリ
ブデン濃度と哺乳量を基に算定し、6~11か月児は、離乳食由来
のモリブデン摂取量を考慮した。
• 妊婦に付加が必要となるモリブデン量に関して、それを推定し得る
データは存在しないことから、付加量の設定は見合わせた。
• 授乳婦については、日本人の母乳中のモリブデン濃度、哺乳量、吸
収率を基に推定平均必要量および推奨量に付加する値として設定
した。
• 耐容上限量は、成人についてのみ設定した。
151
モリブデンの食事摂取基準 (μg / 日)
性 別
男 性
女 性
年齢等
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量
推定平均
必要量
推奨量
目安量
耐容
上限量
0~5(月)
―
―
2
―
―
―
2
―
6~11(月)
―
―
10
―
―
―
10
―
1~2(歳)
―
―
―
―
―
―
―
―
3~5(歳)
―
―
―
―
―
―
―
―
6~7(歳)
―
―
―
―
―
―
―
―
8~9(歳)
―
―
―
―
―
―
―
―
10~11(歳)
―
―
―
―
―
―
―
―
12~14(歳)
―
―
―
―
―
―
―
―
15~17(歳)
―
―
―
―
―
―
―
―
18~29(歳)
20
25
―
550
20
20
―
450
30~49(歳)
25
30
―
550
20
25
―
450
50~69(歳)
20
25
―
550
20
25
―
450
70以上(歳)
20
25
―
550
20
20
―
450
妊婦(付加量)
―
―
―
―
授乳婦(付加量)
+3
+3
―
―
参考資料
対象特性
・妊婦・授乳婦、乳児・小児、高齢者については、その特性上、特に着目すべき
事項について、参考資料として示した。
・妊婦、授乳婦について、推定平均必要量、推奨量の設定が可能な栄養素に
ついては、付加量を示した。また、目安量の設定に留まる栄養素については、付
加量ではなく、ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量として想定される
摂取量としての値を示した。
・高齢者については、過栄養だけではなく、低栄養、栄養欠乏の問題の重要性
を鑑み、フレイルティ(虚弱)やサルコペニア(加齢に伴う筋力の減少)などとエネ
ルギー・栄養素との関連についてレビューし、最新の知見をまとめた。
生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連
・生活習慣病とエネルギー・栄養素摂取の関連について、レビューした結果をもと
に特に重要なものについて図にまとめ、解説と共に参考資料として示した。
栄養素摂取と高血圧との関連(特に重要なもの)
(++)
ナトリウム(食塩)
(-)
(-)
カリウム
炭水化物
(+)
アルコール
脂質
高血圧
(+)
エネルギー
肥満
(++)
たんぱく質
肥満を介する経路と介さない経路があることに注意したい
この図はあくまでも概要を理解するための概念図として用いるに留めるべきである
栄養素摂取と脂質異常症との関連(特に重要なもの)
(+)
脂質
エネルギー
飽和脂肪酸
(+)
肥満
(++)
脂質異常症
(++)
(-)
多価不飽和脂肪酸
(+)
食事性コレステロール
高LDL
コレステロール
血症
(-)
炭水
化物
水溶性食物繊維
(+)
糖
アルコール
たんぱく質
低HDL
コレステロール
血症
(+)
高
トリグリセライド
血症
肥満を介する経路と介さない経路があることに注意したい
この図はあくまでも概要を理解するための概念図として用いるに留めるべきである
栄養素摂取と高血糖との関連(特に重要なもの)
脂質
エネルギー
(+)
内臓脂肪型肥満
(インスリン抵抗性)
たんぱく質
炭水化物
糖
食物繊維
(++)
(-)
(++)
イ
ン
ス
リ
ン
作
用
不
足
高血糖
アルコール
肥満を介する経路と介さない経路があることに注意したい
この図はあくまでも栄養素摂取と高血糖との関連の概要を理解するための概念図として用いるに留
めるべきである
栄養素摂取と慢性腎臓病(CKD)の重症化との関連(重要なもの)
※ 矢印は、すべて正の関連
高血圧
ナトリウム(食塩)
たんぱく質
リン
炭水化物
アルコール
脂質
高血糖
エネルギー
慢性
腎臓病
(CKD)
肥満
脂質異常
高血圧・脂質異常症・糖尿病に比べると栄養素摂取量との関連を検討した研究は少なく、結果も一
致していないものが多い。また、重症度によって栄養素摂取量との関連が異なる場合もある
この図はあくまでも栄養素摂取と慢性腎臓病(CKD)の重症化との関連の概要を理解するための概
念図として用いるに留めるべきである