20140421ルセフィパネル患者像

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総合討論
治療における適した患者像とは?
学術講演会
(主催:大正富山医薬品,Novartis)
総合司会 埼玉医科大学 病院長 片山茂裕先生
2014年4月21日(月) 19:15〜21:15
パレスホテル大宮4階 『シクラメンの間』
埼玉医科大学 総合医療センター 内分泌・糖尿病内科
Department of Endocrinology and Diabetes,
Saitama Medical Center, Saitama Medical University
松田 昌文
Matsuda, Masafumi
本邦における経口血糖降下薬とその作用
2型糖尿病の病態
種類
インスリン抵抗性
増大
インスリン
分泌能低下
糖
毒
性
インスリン作用不足
イ
ン
改ス
リ
善ン
系抵
抗
性
ビグアナイド薬
肝臓での糖新生の抑制
チアゾリジン薬
骨格筋・肝臓でのインスリン感
受性の改善
イ
ン
促ス
進リ
系ン
分
泌
スルホニル尿素薬
食後高血糖
高
血
糖
空腹時高血糖
糖尿病治療ガイド2014-2015
主な作用
食
改後
善高
系血
糖
速効型インスリン
分泌促進薬
インスリン分泌の促進
より速やかなインスリン分泌の
促進・食後高血糖の改善
DPP4阻害薬
α-グルコシダーゼ
阻害薬
炭水化物の吸収遅延・食後高
血糖の改善
1987年:糖尿病ラットのインスリン抵抗性を改善させる
Rates of whole-body insulin-mediated tissue glucose uptake during +80 mU/mL (solid bars)
and +160 mU/mL (open bars) euglycemic insulin clamp studies performed in four groups of
awake, unstressed, chronically catheterized rats: sham-operated controls (Con), partially
(90%) pancreatectomized diabetic rats (Panx), and partially pancreatectomized diabetic rats
treated with phlorizin for 6 weeks (+Phlor) and again after discontinuation of the phlorizin
for 2 weeks (- Phlor). *p < 0.01 versus Con.
Rossetti L, Smith D, Shulman GI, Papachristou D, DeFronzo RA.
「糖毒性」の概念
J Clin Invest 1987;79: 1510
SGLT2阻害薬使用時のNa排泄の変化
SGLT2阻害薬使用時のNa排泄の変化
有効性から
●腎機能が保持されている
eGFR ≧ 60ml/min per 1.73m2
男性 65歳ではCrn 1.0はもう不可
女性 65歳ではCrn 0.9はもう不可
●作用機序からは糖毒性解除
血糖がすでに正常化した症例は
別の治療法も考慮できる
●体重低下、血圧低下、脂質改善が期待
メタボの体質
安全性から 1
●インスリンやSU薬併用者では低血糖!
インスリン使用やSU薬使用では注意
(SU薬でDPP4阻害薬のような相乗的血糖低下とはならないが)
●尿路感染や性器感染が懸念される
女性の場合には注意が必要
男性には比較的積極的に使用
●脱水やそれを契機にケトアシドーシスも懸念
「汗をかく作業者」や「鬱」では処方しない
インスリン補充が十分であることが前提
●糖を体外に排出し脂肪が減少する
筋肉量低下や骨塩低下や栄養状態の悪い症例×
●長期的には安全性は不明な点もある。
短期的に糖毒性解除に使用
安全性から 2
●処方後1ヶ月の間は要注意
最初の1ヶ月は心筋梗塞にも注意!
CANVAS研究 初期
(カナグリフロジンFDA承認審査時データより)
適した患者像
●事務系の鬱のない肥満を
伴うメタボ体質な糖尿病男
性。まだ腎障害なし。動脈
硬化進展なし。糖毒性解除
でまず用いる。
体重減少目的や、食べても大丈夫で使用は?
その他:Matsuda indexを使用するときは 尿の糖排泄を測定してください!
http://mmatsuda.diabetes-smc.jp/MIndex.html
川越市広報室撮影
2009年11月14日
SGLT2阻害薬のメリット
• インスリン分泌に依存しない作用機
序のため、低血糖の心配が少ない
• 体重減少効果
• 血圧低下
• 脂質改善(LDLコレステロール?、
HDLコレステロール、トリグリセリ
ド)
• 糖毒性解除しβ細胞を保護できる
http://dm-rg.net/1/001/010900/001.html#about_3
使用に関する注意点
• 多尿による脱水。特に腎機能が低下している患者、
高齢者には注意
• 尿糖が頻発することによる尿路感染症
• 性器感染症(特に女性)
• 血糖値が正常でも尿糖が出る
• 1,5-AG値が極端に低くなる
• コレステロール、血圧、血清カリウム、カルシウム
などにも影響か?
• インスリン分泌不全の場合ケトアシドーシスに注意
• 腎性糖尿:はじめから閾値が低い腎性糖尿の場合、
栄養障害の可能性も
http://dm-rg.net/1/001/010900/001.html#about_3