資料組織概説 第5回

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資料組織概説 第5回
日本目録規則(2)
記述
2011年10月18日(火)
第4時限
R101教室
復習小テスト
1. 最新の日本目録規則は第何版か?
2. 資料を同定識別するために最も重要な要素
は何か?
3. 単行資料にはどういう出版物が含まれるか?
4. 継続資料にはどういう出版物が含まれるか?
5. 記述の情報源として最も重要なのは何か?
6. 記述において、原則として資料に表示されて
いる通り記録することを何の原則と言うか?
記述すべき書誌的事項と
その記録順序
記録順序と区切り記号はISBDに従う
1. タイトルと責任表示に関する事項
2. 版に関する事項
3. 出版・頒布等に関する事項
4. 形態に関する事項
5. シリーズに関する事項
6. 注記に関する事項
7. 標準番号、入手条件に関する事項
区切り記号(1)
• 各書誌事項の境界を示す記号
• 日本目録規則は1987年版からISBD区切り記号を
採用
• 記述総則1.0.6.7と付録1「句読法・記号法」に規定
– 区切り記号の前後はスペースとするが、カンマとピリオド
は後ろにのみ置き、括弧は一対の前後にスペースを置く
– 主な書誌事項ごとの区切りはピリオド、スペース、ダッ
シュ、スペース(. ― )
– タイトルと責任表示の間は斜線( / )で区切る など
区切り記号(2)
• コンピュータ目録でISBD区切り記号を採用
する必然性は実はあまりない
– コンピュータのフォーマットは別に規定→MARC
– 同じ記号列がデータ中にも現れることがあるの
で、コンピュータが識別するのは困難
• OPACでは事項ごとに見出しをつけて表示す
る場合が多い→一般の人にもわかりやすい
– 項目中にISBD区切り記号が残っている
水戸市立図書館OPACの例
タイトルと責任表示に関する事項
・タイトルは書誌的記録成立の必須要件
・以下の順序で記録
1. 本タイトル
2. 資料種別
3. 並列タイトル
4. タイトル関連情報
5. 責任表示
タイトルと責任表示に関する事項(2)
• 本タイトル
– それによって資料が同定識別される固有の名
称
– タイトルのない資料は適切な本タイトルを補記
• 資料種別(任意規定)
– 角括弧に入れて記述
– 書写資料、地図資料、楽譜、録音資料、映像
資料、静止画資料、電子資料、博物資料、点
字資料、マイクロ資料
– (例) 二つのアラベスク [楽譜]
タイトルと責任表示に関する事項(3)
• 並列タイトル
– 本タイトルの別言語のタイトルで、所定の情報源
に表示されているもの
– 本タイトルの後にスペース・等号・スペース( = )を
置いて記録
• タイトル関連情報
– 本タイトルや並列タイトルを限定・説明する語句。
サブタイトルなど
– 本タイトルあるいは並列タイトルの後にスペース・
コロン・スペース( : )を置いて記録
タイトルと責任表示に関する事項(4)
• 責任表示は、著作の識別上、重要な役割を
果たす
• 著作の創造または具現(演奏等)に責任を
有するか、寄与した個人または団体を、その
識別・機能などに関連する語句とともに記録
• タイトル表示の後にスペース・スラッシュ・ス
ペース( / )を置いて記録
(例)大学図書館がゼロからわかる本 : 学生のた
めの図書館活用法 / 大野友和編.
タイトルと責任表示に関する事項(5)
• 著作者の役割ごとにスペース・セミコロン・ス
ペース( ; )で区切る
(例)論理哲学論考 / ウィトゲンシュタイン著 ;
野矢茂樹訳
• 一つの役割が2名までのときはそのまま記
録、3名以上のときは最初の1名だけ記録し
て他は[ほか]と補記して省略
• 識別上必要でないとき、学位、役職名等の
肩書き、所属団体名などは省略
版に関する事項(版表示)(1)
• 記述対象資料の属する版を明らかにするため、特
定の版であることを示す
• 情報源上に表示がなくても、他の版と顕著な差が
あると認められた場合は、適切な語句を補うことに
よって、特定の版であることを示す必要がある
• タイトルおよび責任表示の後にピリオド・スペース・
ダッシュ・スペース(. - )を置いて記録
(例)日本目録規則 / 日本図書館協会目録委員
会編. ― 1987年改訂2版
版に関する事項(版表示)(2)
• (別法)初版は記録しない
• その版にのみ関係する著者がある場合は版
を示す語句の後にスペース・スラッシュ・ス
ペース( / )を置いて記録
– (例)第3版 / 常磐太郎[ほか]編著
• 版と表示されていても巻次、年次に相当する
場合は版ではなく巻次等として扱う
• 刷次は記録しない
– 日本の本は版と刷がまぎらわしい場合がある
出版・頒布等に関する事項(1)
• 記述対象資料の出版、発行、公開および頒布、
発売等の狭義の出版に関する項目ならびに製
作、印刷等の製作に関する項目を示す
• 出版地:出版者の特定とか資料の内容等につい
ての判断材料となる
• 出版者:資料内容の観点とか質、情報の信頼性
の判定に有用
• 出版年:記述対象資料の版が最初に出版された
年、すなわち情報内容の収録時点についての情
報を明らかにする
出版・頒布等に関する事項(2)
• 頒布地、頒布者:当該資料の入手先を知ることがで
きる
• 製作項目:資料の局地性や内容の判定に役立つ
• 頒布・発売等の項目は出版、発行等の表示がない
ときの代替情報。ただし重要な場合は出版の項目
に付加して記録。
• 記述の順序と区切り記号
. - 出版地 : 出版者, 出版年. - 頒布地 : 頒布者
[役割表示], 頒布年 (製作地 : 製作者, 製作年)
出版・頒布等に関する事項(3)
• 出版地が表示されていないとき
– 調査もしくは推定による出版地を補記。
– まったく不明なときは[出版地不明]または[s.l.]
• s.l.=sine loco ラテン語
• 出版者が表示されていないとき
– 調査もしくは推定による出版者を補記
– まったく不明なときは[出版者不明]または[s.n.]
• 出版年はその「版」が最初に刊行された年(西暦)
– 最新の刷の年ではない(1987年版から変更)
– 国際標準への歩み寄り、総合目録への対応
– 出版年が不明な場合は推定年を補記
形態に関する事項(1)
• 資料自体を見なくてもその資料の形態が把
握でき、かつ当該資料と分離する可能性が
ある付属物・添付物の数量等、資料の管理・
保全上必要な情報
形態に関する事項(2)
• 記述の順序と区切り記号
. - 特定資料種別と数量 : その他の形態的細目 ;
大きさ + 付属資料 (形態的細目)
• 特定資料種別は規定の語の中から選ぶ
– 地図、合奏譜、録音カセット、映画リール、スライド、絵図、
磁気ディスク、マイクロフィルム、マイクロフィッシュ等
• 資料種別ごとに各項目の記録方法を規定
– (例)図書の場合:
ページ数 : 挿図等 ; 外形の高さ + 付属資料
246p : 挿図 (11図), 地図 ; 25cm + CD-ROM1枚
シリーズに関する事項(1)
• シリーズとは
– 各資料自体の固有のタイトルのほかに、その
グループ全体に共通する総合タイトルがあり、
相互に関連づけられている、個別の資料の集
合
– 終期を予定せず、継続的に刊行される点では
逐次刊行物であるが、個々の資料が固有のタ
イトルをもち、出版物として独立している点では
単行資料の集合
シリーズに関する事項(2)
• 記述の順序と区切り記号
. - (第1のシリーズ) (第2のシリーズ)
. - (本シリーズ名 = 並列シリーズ名 : シ
リーズ関連情報 / シリーズに関係する責任
表示, シリーズのISSN ; シリーズ番号)
. - (本シリーズ名. 下位シリーズ名 / 下位
シリーズに関係する責任表示, 下位シリー
ズのISSN ; 下位シリーズ番号)
• シリーズ名は集合書誌レベルで見ればタイ
トル
注記に関する事項(1)
• 注記の機能:定型的な書誌事項で構成され
ている記述を敷衍・詳述したり、限定する
– 文章で書く
• 資料の識別、書誌的記録の理解を容易にす
る、資料の特徴を示す、書誌的来歴を示す
• 定型のもの(決まり文句)と不定型のものが
ある
注記に関する事項(2)
• 注記の種類と順序
1. 下記の特定事項に属さない注記
2. タイトルと責任表示に関する注記
3. 版および書誌的来歴に関する注記
4. 資料(または刊行方式)の特性に関する注記
5. 出版・頒布等に関する注記
6. 形態に関する注記
7. シリーズに関する注記
8. 内容に関する注記
標準番号、入手条件に関する事項
• 標準番号
– ISBN, ISSNなどの国際標準番号およびこれに
代わる商業システムなどによる番号
例) ISBN 4-8204-8206-8
• キイ・タイトル(任意規定)
– ISSNネットワークにおいてISSNと不可分のもの
として登録されたタイトル
• 入手条件・定価(任意規定)
– 例) ISBN 4-8204-8206-8 : \7500
第5回のまとめ
• 日本目録規則ではISBD区切り記号を採
用
• 書誌記述は、タイトルと責任表示に関する
事項、版に関する事項、出版・頒布等に
関する事項、形態に関する事項、シリー
ズに関する事項、注記に関する事項、標
準番号、入手条件に関する事項の順に行
い、それぞれ細かい規定がある