Transcript Document

平成22年度 家庭系列課題研究
福島県立光南高等学校
3年 我妻 あやめ
≪テーマ設定の理由≫
中学生のころから親がいない子ども
たちに
関心がありました。しかし、P.Pの材料
集めで
簡単に調べただけだったので、課題研究の
授
業でより詳しく調べ、自分が
将来その子どもたちに何が
≪調査方法≫
 図書館で資料の活用。
 インターネットの活用。
 福島県の児童養護施設見学。
1.親のいない子どもについて
親がいない子ども=「孤児」
↑
差別用語
※理由
・「孤児」=両親・親戚など保護者のいない子
ども
・児童養護施設や乳児院の子どもは、圧倒的に
家庭の事情や虐待などで保護されたりする子
ども
孤児の多い国
ルーマニア
ロシア
アメリカ
アフリカ
タイ、ベトナム、
フィリピン、
2.親のいない子どもの種類
(1)諸外国の孤児
①エイズ孤児
片親または両親をエイズで失った18歳未
満の
子ども。
②ストリートチルドレン
都市の路頭で生活している子ども(児童)
のこと。
(2)日本の孤児
・戦災孤児:戦争の結果、保護者を失ってし
①エイズ孤児
エイズ孤児とは、片親、または両親をエ
イズで失った18歳未満の子ども
・エイズ感染者人数
約3,300万
=
人
・エイズでの死者
約2,000
=
万人
・エイズ孤児
約1,500
=
万人
 約1,500万人のうち約1,230
万人がサハラ以南のアフリカである。
 アフリカでは、14秒に1人の割合で
子どもがエイズによって親を亡くして
エイズ孤児の発生サイクル
HIV/AIDS
の蔓延
エイズ感染者
の死
教育が
受けられない
児童労働・人身売買・少
年兵・ストリートチルドレン
多くのエイズ孤児が
養子になる
エイズ孤児が
生まれる
②ストリートチルドレンについて
【定義】
都市の路頭で生活して
いる子ども(児童)のこと。
また、親や保護者によっ
て養育、保護されることな
く路頭で睡眠をとり、家を
持たない子ども。
【原因】
①極端な貧困
②児童虐待やネグレクト
③親のアルコール依存や薬物中毒が絡んだ
家族崩壊
③搾取(児童労働)
子どもたちは、自分の身を守るために
ストリートチルドレンへ自らなる
ごみ山をあさり、生活の資
金とする。食べていくため
に毎日、においのひどい、
ゴミ捨て場へと通う。
道端で紙くずを拾う子ども
たち。自分で働いて家計を
支える。家族のために辛い
仕事を一生懸命にやってい
る。
諸外国孤児の救援活動
①ユニセフやNGOなどによる援助。
②各国による援助
・チャイルドスポンサーシップ
・スナーダイクマエ
(カンボジアの
児童養護施設)
(1)日本の孤児
戦災孤児(第二次世界大戦時)
種 類
人 数
内
容
①戦災孤児
28,247
戦死や空襲、戦災などにより両親が死亡。
②引揚孤児
11,351
外地から引き揚げてくる際、両親が死亡。
③棄 迷 児
2,647
空襲被害後、親とはぐれたり、両親の死亡
の他捨て後も含む。
④一般孤児
81,266
①~③以外の孤児。
両親の病死、行方不明。
都道府県別戦災孤児人数(本州のみ)
(人
)
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
青森
栃木
長野
石川
兵庫
2,54
1人
387人
福島
秋田
群馬
山梨
福井
鳥取
東京
岩手
茨城
静岡
志賀
岡山
広島
山形
埼玉
神奈川
京都
島根
宮城
千葉
愛知
奈良
広島
福島
東京
岐阜
大阪
山口
新潟
富山
三重
和歌山
戦争孤児その後の動き
戦災孤児:123,511人
4 ,2 0 1 人
1 2 ,2 0 2 人
親戚・知人に預けられる
児童養護施設など
1 0 7 ,1 0 8 人
両親なしの独立生計
3.児童養護施設
【目的】児童福祉法第41条
児童養護施設は、乳児を除いて、保護者のいな
い児童、虐待されている児童、その他環境上養
護を要する児童を入所させて、これを養護し、
あわせてその自立を支援することを目的とする
施設。
【対象者】
・2歳~18歳のこども
・環境上養護を要する児童
親の行方不明、死亡、傷病入院、拘束、離
婚、
(1)児童養護施設の児童数
全国に約550の施設、約3万人に児童が生活
①年齢別児童数(平成19年10月)
年齢
人数
年齢
0歳
人数
年齢
人数
7歳
1,744
14歳
2,379
1歳
32
8歳
2,026
15歳
2,170
2歳
563
9歳
2,095
16歳
1,770
3歳
1,183
10歳
2,232
17歳
1,538
4歳
1,525
11歳
2,391
18歳
859
5歳
1,721
12歳
2,464
6歳
1,794
13歳
2,360
総数30,846人
厚生労働省「社会福祉施設等調査」より
②都道府県別児童養護施設数
平成21年7月
合計575施設
県
施設数
県
施設数
県
施設数
県
施設数
北海道
23
東京
57
滋賀
4
香川
3
青森
6
神奈川
28
京都
13
愛媛
10
岩手
6
新潟
5
大阪
37
高知
8
秋田
4
富山
3
兵庫
29
福岡
20
宮城
5
石川
8
奈良
6
佐賀
6
山形
5
福井
5
和歌山
7
長崎
11
福島
8
山梨
6
鳥取
5
熊本
12
茨城
15
長野
15
島根
3
大分
9
栃木
10
岐阜
10
岡山
12
宮崎
9
群馬
6
静岡
12
広島
12
鹿児島
14
埼玉
22
愛知
31
山口
10
沖縄
8
千葉
17
三重
11
徳島
17
「全養協調べ」
(3)児童養護施設の生活スタイル
施
設
人
数
特
徴
・病院や学校のように1つの大きな建物の
1舎=20人以 中に
上
必要な設備が配置されている。
大舎制
1部屋=5~8 ・部屋は、男女や年齢別で生活。
人
・プライバシーが守られにくい。
・家庭的雰囲気が出しにくい。
1舎=13~1
中舎制
9人
・大きな建物の中を区切りながら小さな生
活集
団を形成。
・1つの敷地内の独立した家屋で生活。
1舎=8~12 ・男女混合、年齢も縦割りの児童と職員が
小舎制
人
入居。
・より家庭的な雰囲気で生活体験を営める。
(4)生活スタイルの全国内訳
その他
中舎制施設
8.4%
11.8%
大舎制施設
小舎制施設
14.9%
65%
「グループホー
ム」
その他の施設
 2000年度より制度化。
「地域小規模児童養護施設」とも呼ばれる。
 地域社会の住宅を利用。
 3~8人の児童と職員が入居。
【利点】
・家事等の生活技術の体得。
・家庭的な雰囲気における生活体験や地域社会
との中で、豊かな生活体験ができる。
・自立を前にした高齢児童の自立生活訓練。
4.福島県の児童養護施設の紹介
【社会福祉法人 白河学園】
 昭和25年開園。
 昭和27年、社会福祉法人へ。
 児童定員=63名(2~18歳)
男 子
女 子
合 計
未就学児
7
4
11
小学校
7
12
19
中学校
14
9
23
高 校
5
4
9
【社会福祉法人 堀川愛生園】
 昭和20年開園。
第二次世界大戦の戦災孤児
の救済のため設立
 昭和58年小規模グループケア認可(小舎制とな
る)
 児童定員=46名(2~18歳)
男 子
女 子
合 計
未就学児
1
0
1
小学校
9
5
14
中学校
9
8
17
高 校
8
3
11
職員へのインタビュー
≪白河学園≫
≪愛生園≫
Q1.子どもたちが入所した
理由
Q1.子どもたちが入所した
理由
◆6割が親に虐待を受けた子
ども。
◆8割が親に虐待を受けた
子ども。
◆貧困、経済的に育てるのが
困難。
◆家庭崩壊
(離婚や親の失踪など)
◆両親を事故や病気で亡くす。
◆不登校、集団不適応になった。
≪白河学園≫
≪愛生園≫
Q2.子どもたちへの接
し方
Q2.子どもたちへの接
し方
◆友達感覚や兄弟や親となる
が、必ず一線をおく。
◆友達感覚や兄弟や親となる
が、必ず一線をおく。
◆先生でも親でもない、身近
にいる 大人として接する。
◆先生でも親でもない、身近
にいる大人として接する。
◆子供にとって安心できる大人。
◆心身ともに成長し、社会人
として当たり前の仕事がで
きるように育てている。
◆子供との関係づくりに心が
ける。
≪白河学園≫
≪愛生園≫
Q3.親は会いに来るの
か
Q3.親は会いに来るの
か
◆多い人でも月に1回程度。
◆2割弱が面会に来る。
◆3分の1はこない。
◆電話だけの親もいる。
◆面会は児童相談所が判断し
て会う。
◆面会は児童相談所が判断し
て会う。
◆お盆や正月は3分の1が
一時帰省。
◆お盆や正月は一部、一時帰
省する。
≪白河学園≫
≪愛生園≫
Q4.生活している子どもの気
持ち
Q4.生活している子どもの気
持ち
◆100人いれば90人は嫌と
思っている。
◆施設で生活することを嫌だ
と思っている子は多い。
◆虐待されていても親といた
いと思っている。
◆児童相談所からランダムに
送られてくる。子どもは施
設を選べない。
◆家庭より施設が安心できる
場所。
◆施設で暮らす子にしかわか
らない気持ちがある。
◆子どもは、好きで来るわけ
ではない。
共通しているもの
 関係ができていない子どもと、新たに
関係を築かなければならない。
 職員同士の関係も大切。理解し合う気
持ちが大切。
 子どもは、身近な大人を見て育つ。
 退園後の支援。
【施設の先生方の願い】
 児童養護施設が、いらなくなることを希
望している。
 子どもたちが自分の家庭で生活すること
が一番。
 家庭、家族のつながりを大切にしてほし
い。
各施設の取り組み
【白河学園】
 ジェントルティーチング
子どもたちと職員との関係づくりを大切に
する。
【堀川愛生園】
 ボーイズタウンプロジェクト
・社会に適応できる人材の育成。
・職員がアメリカに行き研究をおこなって
いる。
≪まとめ≫
1.諸外国の孤児
①エイズ孤児
・方親または両親をエイズで失った子ども
のこと。
・アフリカ中心に増加している。
・エイズの教育がなされず、正しい情報を
入手
できない。
②ストリートチルドレン
・都市の路頭で生活している子どものこと。
・児童虐待、ネグレクト、搾取等の理由で、
2.日本の孤児
戦災孤児
第二次世界大戦中、空襲や戦死で親を
失った子どものこと。都心や広島に多く存
在。
3.児童養護施設
・12歳以上が1番多く、東京都が多い。
・東北地方では、福島県が一番多く施設が
ある。
・家庭の貧困や虐待などの問題点がある。
≪感想≫
・調べていく中で、自分が今、こうして
生きてい
られるのはとても幸せなことだとわか
かった。
・世界中にはたくさんの孤児になってし
まった
子どもたちがいることがわかった。
・児童養護施設には幼児だけでなく、中
≪ 参考文献 ≫
 ストリートチルドレンWikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/
 ふらっと 人権情報ネットワーク
[email protected]
 コトバンク
http://kotobank.jp/word
 児童養護施設
http://marutin.pekori.to/what/01.html
 児童養護の現場から
Welfare.aside21.com
 PLASエイズ孤児支援
NGO・PLAS wordvision
 森住卓写真展「戦禍の中の子どもたち」
http://www.morizumi-pj.com/
 中国残留孤児の写真集
http://www.gscp.co.jp
おわり