誤差の表記方法 測定値の平均値 ± 誤差(標準偏差) 例えば、今回

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Transcript 誤差の表記方法 測定値の平均値 ± 誤差(標準偏差) 例えば、今回

偶然誤差(ばらつき)の評価
(精密さ, precision)
実験書のp5、p19を
参照のこと
測定値の平均値 ± 標準誤差 σ
 
頻
度
偶然誤差による
ばらつき
-σ
+σ
平均値
x
 vi
2
nn  1
vi は 測定値と平均値の差 vi  xi  x で残差、
また、σ は、標準誤差( Standard Error, SE )
もしくは、平均値の標準偏差、平均値の平均二乗誤差
と呼ばれる。詳しくは、実験書のp 5、19を参照のこと。
x   の範囲に、“真の値”が入っている可能性が約60%以上
ある事を意味する。(測定回数 n が増せばこの可能性は増す。)
例えば平均値と誤差が、 117 ± 2 とあれば、“真の値”が 119 ~ 115 の間に入
る可能性が、60%以上である事を意味している。
なお、
x  3 
の範囲に“真の値”が入る可能性は、90%程度
しかし、
頻
度
x 
の間に真の値が入らない場合もある。
例えば、目盛がおかしい定規を使って物の長さを測定
すると何度測ってもおかしな値しか出ない。
系統誤差
これを系統誤差と呼ぶ。
偶然誤差
(ばらつき)
真値 X
平均値
x
系統誤差があると測定回数を増しても、誤差は小さくな
らない。そのうえやっかいなことに、見かけ上測定はう
まくいっているように見える。
注意) 標準誤差を用いてわかるのは、あくまでも平均値の周りにどの程度測定値がばらついているかである。測
定の際には平均値そのものが偏っている可能性にも留意すること。
系統誤差の評価 (正確さ, accuracy)
幸いなことに、学生実験では真の値がすでに解っていることが多く、系統誤差の大きさを
評価できる。この場合、真の値Xと得られた平均値 x の差を真値に対する百分率で示す
事が多く、これを相対誤差もしくは誤差率と呼ぶ。
xX
誤差率=
100 (%)
X
系統誤差(読み取り誤差、機械の公差)と偶然誤差(標準誤差)の
大きさを良く比較をすること。誤差は値の信頼性を示すために付け
るので、より大きく付けるのが普通。
系統誤差 と 偶然誤差(ばらつき)
正確だが、精密ではない測定
頻
度
正確ではないが、精密な測定
頻
度
系統誤差
偶然誤差
偶然誤差
真値 X ≈ 平均値
x
偶然誤差(ばらつき) が大きい
系統誤差 は少ない
真値 X
平均値
x
偶然誤差(ばらつき) は少ない
系統誤差 が大きい
偶然誤差 ( accidental error もしくは random error ) ⇒ 誤差(標準誤差)で評価
原因: 測定器や人間の五感の変動 など
系統誤差 ( systematic error ) ⇒ 相対誤差(誤差率)で評価
原因: 測定器の調整不足(機械誤差)、個人のくせ(個人誤差、読み取り誤差)、
計算式が間違っている(理論誤差)、など
誤差の有効数字は、途中計算では2桁、最終結果では1桁で十分
(誤)
0.12 ± 0.095
0.1432 ± 0.00234
12.34×1011 ± 0.5×1010
0.1234 ± 5×10-4
(正)
0.12 ± 0.10
←(最初の0でない数字が1の時は2桁書くことが多い。)
0.143± 0.002
(12.34 ± 0.05 )×1011
0.1234 ± 0.0005
誤差の含まれている数字を何桁も書かないこと。←誤差により有効桁がわかる、とも言える。
追加) 測定値の標準偏差と平均値の標準偏差(標準誤差)
測定値の標準偏差
 
 vi
平均値の標準偏差(標準誤差)
2
n 1
 
 vi
2
nn  1
両方とも、バラつきを評価するために使用する。標準誤差は、測定回数nが増加するととも
に減少するが、測定値の標準偏差の方は測定回数が増しても誤差は小さくならない。
本物理実験では、平均値の標準偏差(標準誤差)の方を用います。