Transcript 肩SAB注射法紹介スライド

肩SAB注射法について
簡便で、確実な刺入が確認可能な方法
公益財団法人東京都保健医療公社
大久保病院 整形外科
吉峰史博
SAB注射 超音波ガイド下によるインターベンション (平行法)
超音波に習熟し、肩関節外来にて使用すれ
ばより確実な方法になる。
しかし
1. 比較的高価なポータブル超音波機器が必要、
2. 習熟していないと困難かつ時間がかかる。
3. 一般外来で肩以外の患者がいる場合は困難。
4. そのため、直接注射が一般的に施行されているが、
確実にSABに注入されたかの判断は困難
注射針
左肩
肩峰下滑液包の解剖、位置
肩峰下
滑液包
後
前
上方から
肩峰下
滑液包
前外方から
SAB注射の正確性：Kang: 70% S&E Surg 2008, Mathews: 60-90% JSES 2005
肩峰下滑液包への注射法(吉峰)
肩峰突起の外後方角から約1㎝前方で、肩峰の下にAC関節前縁に向けて刺入。
ケナコルト10㎎(1cc)＋1％キシロカイン9cc の計10㏄を22G針(32mm) にて注入
肩SAB注射法(吉峰)： 簡便で、確実な刺入が確認可能な方法
肩峰突起の外後方角から約1㎝前方で、肩峰の下にAC関節(中央から)
前縁に向けて刺入。ケナコルト10㎎（1cc）＋1%キシロカイン 9ml の計10
㏄を22G針(32mm) にて注入。4 ～5cc位の注入でSABが膨らんでくるの
がみられる。その場合、SAB内に明らかに薬液が注入された証拠となる。
• 皮下脂肪の厚い人、SABに一部しか入っていない場合膨らみをみる
のは困難、またふつうの人でも、SABの膨らみが不明な場合もあるが、
SABに入っていないとは言えない。SABの膨らみが認められるのは、
個人的には6-7割くらいである。
• SABから水腫がひけた場合は高齢者では腱板断裂の可能性が高い。
• SABが縮小している例では、注入時にSABが破れることがある。
• 高齢者では両肩にキシロカイン18cc注入にした場合、まれにふらつく
こと、ボーとすることがあるので、注意する。次回注射時は量を減らす。
• 2.5ccのヒアルロン酸のみの注射では膨らみを確認することは困難
• 抗凝固剤内服者には、23Gの注射針で注入する。
次に動画にてその注射法、SABが膨らんでくるのを示しますので参考
A. 72歳男, B. 69歳女, C. 47歳男, D. 62歳女（キシロ+ヒアルロン酸）
にしてください。