A5地域医療・地域福祉

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Transcript A5地域医療・地域福祉

地域医療・地域福祉
島根県薬剤師会
学生実習対策委員会
このスライドの内容
P503 病院薬剤師と薬局薬剤師の連携の重要性を説明
できる。(説明・討議)
 P504 当該地域における休日、夜間診療と薬剤師の役
割を説明できる。(説明・見学)
 P505 当該地域での居宅介護、介護支援専門員などの
医療福祉活動の状況を把握できる。〈知識・技能〉(説
明・演習)

P503 病院薬剤師と薬局薬剤師の連携の重要
性を説明できる。(1コマ)
患者を中心とした薬物治療を実践するための薬局薬
剤師と病院薬剤師の位置づけを説明する。
1.薬物療法の継続性において薬局薬剤師と病院薬剤
師の役割と連携について説明する。
2.地域で行われている薬局薬剤師と病院薬剤師の連
携の実例を説明する。
3.それらに関する研修会、検討会などがあれば学生と
一緒に参加する。
1.薬物療法の継続性において薬局薬剤師と病院薬
剤師の役割と連携について説明する。








かかりつけ薬局にて投
薬、お薬を管理、在宅
訪問など
薬薬連携の必要性
患
者
重複投与・相互作用の回避
副作用・アレルギーの発見と回避
禁忌薬投与の回避
用法用量の適正化
患者の不安解消
介護者の不安解消
患者のコンプライアンス向上
不備処方せんの是正 など
入
院
状態悪化など
患
者
病院にて服薬指導、
退院時指導
退
院
状態改善、在宅移行など
患
者
かかりつけ薬局にて投
薬、お薬の管理、在宅
訪問など
薬薬連携の必要性
「医療安全のための薬局薬剤師と病院薬剤師の連携についての提言」(日
本薬剤師会医療事故防止検討会、平成18年3月)より






リウマトレックスの過剰投与による患者の死亡(K大学附属病
院、平成16年10月)
免疫膠原病内科外来3年間通院
リウマトレックス(2mg) 3C 分3×4日分(週に1回決まった曜日に
服用、1ヶ月の処方)
消化器内科入院(病棟研修医が担当)
10/25夕~10/29昼 11回(合計22mg)投与
骨髄抑制発生→肺炎併発→呼吸不全→成人急性呼吸促迫
症候群(ARDS)→1/2死亡
薬薬連携の必要性
「医療安全のための薬局薬剤師と病院薬剤師の連携についての提言」(日
本薬剤師会医療事故防止検討会、平成18年3月)より
薬薬連携アンケート(平成17年9~10月)保険薬局801枚、医療機関
419枚
 薬局の入手したい情報
①病名(処方目的)、②病名の告知、③指導時の留意点、④アレル
ギー・副作用歴、⑤入院中の服薬記録
 病院の入手したい情報
①アレルギー・副作用歴、②服薬記録、③調剤上の工夫、④指導上
の留意点、⑤OTC薬、サプリメント等の服薬状況


退院時服薬指導書→薬局(約2割)
お薬手帳→病院(8割超)
2.地域で行われている薬局薬剤師と病院薬剤師の
連携の実例を説明する。
例えば…
 お薬手帳について説明してみましょう!
 服薬記録(退院時、外来治
療中など)
 アレルギー・副作用歴(ただ
し、使い方に工夫が必要)
 OTC薬・サプリメント等の服
薬状況(販売者、購入者へ
の啓蒙が必要)
お薬手帳の有効活用(外来化学療法)
化学療法
(レジメン・副作用など)
についての勉強会を開催
お薬手帳に使用した
抗がん剤の記入
薬局薬剤師が
遅発性の副作用管理
PTX/CDDP
(パクリタキセル/シスプラチン)
1
8
15
~21
PTX
●
●
●
休
CDDP
●
休
<指導例>
投与して数日後に
手足のしびれや
免疫力の低下などが現れます
お薬手帳の有効活用(入院中処方)
(益田赤十字病院の場合)
変
更
・
中
止
・
追
加
変更
←プレミネント
←オステラック
中止
プラバスタチン
Na
増
量
追
加
薬薬連携の有用事例
「医療安全のための薬局薬剤師と病院薬剤師の連携についての提言」(日
本薬剤師会医療事故防止検討会、平成18年3月)より
副作用・
重複投与の
相互作用の
回避
回避
禁忌薬剤
用法用量の
患者の
投与の回避
適正化
不安解消
介護者の
患者のコンプライ
アンス向上
不備処方箋の
不安解消
アレルギーの
発見と回避
是正
薬薬連携の実際例

疑義照会
薬局からの疑義照会に病院の薬剤部(薬局)が協力している場
面も多々あると思います。また、もっと協力が必要であるならば、ど
のように協力していくべきか学生と一緒に考えてみましょう。

退院時共同指導
(例示)
独立行政法人東徳島病院(徳島県)にて、入院患者の同意を得
て共同指導参加者(地域の薬局薬剤師)が病棟で研修(事前準備)
を行い、主治医、病院薬剤師、その他のスタッフと退院時共同指導
を病院にて行った。
退院時共同指導について考えてみましょう!
日常業務の中における薬薬連携の必要性

持参薬調査の実例はありませんか?
持参薬によるトラブル、協力できた例などあれば実例も交えて説
明してみましょう。

後発医薬品への変更について協力している例は?
後発医薬品への変更の際、薬剤部(科)と協力したことはありませ
んか?また、今後協力していくべき事柄を一緒に考えることもいい
と思います。
益田赤十字病院の
患者情報提供票記入例
情報の共有化
病院
入院
病院
薬剤師
診療所
病院
在宅
外来
診療所
通院
薬局
薬剤師
3.それらに関する研修会、検討会などがあれば学
生と一緒に参加する。

各支部、県薬で行われる各種研修会等に実際に学生と
一緒に参加してみましょう。
(ただし、実習時間外となる場合はあらかじめ学生に知ら
せ、了解を得ることとする。)
島根薬剤師学術大会


大会の概要
毎年11月に県内の薬局薬剤
師・病院薬剤師が一堂に会し
て開催される、2006年よりス
タートした島根県薬剤師会、
島根県病院薬剤師会主催の
学術大会。
大会の内容
日本薬剤師会学術大会、中
国四国学術大会、医療薬学
会など各種学会で発表したも
のを中心に、口頭発表する。
地域連携・多職種連携
薬剤師
地域
病院薬剤師
地域
住民
薬局薬剤師
医師
看護師
行政
学校
患者
理学療法士
社会福祉士
など
など
議会
自治
会
管理栄養士
栄養士
など
介護専門員
など
企業
マス
コミ
P504 当該地域における休日、夜間診療と薬
剤師の役割を説明できる。(1コマ)
1.
2.
3.
4.
当該地域における休日・夜間の診療体制を説明す
る。
自身の薬局で行っている休日・夜間の対応を説明
する。
地域薬剤師会で行っている休日・夜間の対応を説
明する。
可能であれば、学生を連れて急病診療所などの見
学を行う。
1.当該地域における休日・夜間の診療体制を説明
する。

支部、地区においての休日・夜間の診療体制を説明して
あげましょう。
所属する支部、地域、医療機関との時間外の診療体制につい
て解説してください。
救急医療体制
三次救急医療機関
生命危機に瀕している
重症患者
二次救急医療機関
生命には別状のない程度の重症患者
初期(一次)救急医療機関
入院の必要のない軽症の患者
県内各地の休日診療所
(島根県HPより)
診療所・病院名
松江市立休日歯科応急診療
所
(南田町141番地9、県歯科医師会館
口腔保健センター内)
電話番号
085227-7101
受付時間
日祝
9時~15時
月~金(小児)
出雲休日診療所
(出雲市塩冶善行町1番地)
085322-5543
19時30分~21時30分
日祝
9時~11時、13時30分~16時
浜田市立休日応急診療所
(浜田市殿町1番地、浜田市役所地
階)
益田市立休日応急診療所
(益田市駅前町17番1号、駅前ビル
EAGA2階・保健センター内)
085522-2612
日祝
085631-4199
日祝
10時~16時
9時~13時
県内各地の在宅当番医制度
(島根県HPより)
医師会名
電話番号
備
考
安来市医師会
085422-3180
日祝
雲南医師会(仁多ブロック)
085445-3111
日祝
出雲医師会
085321-1131
毎晩(休日・祝日を除く)
18時~23時
邑智郡医師会
085572-2529
日祝
那賀郡医師会
085522-0967
日
鹿足郡医師会
085677-3171
島後医師会
085122-1368
9時~18時
9時~17時
10時~16時
8時30分~12時
県内各地の救急病院(1)
(島根県HPより)
病院名
受付時間
備考
安来市立病院
土日祝 8時30分〜11時(再診〜11時30分)
松江市立病院
土日祝 8時30分〜11時30分
災害
松江赤十字病院
土日祝 8時〜11時30分
災害、救命
松江記念病院
日祝 8時〜11時30分、15時30分〜18時
松江生協病院
土(第1、第3)、日祝
玉造厚生年金病院
土日祝 8時30分〜12時
町立奥出雲病院
土日祝 8時15分~11時30分(一部13時~16
時)
雲南総合病院
土日祝 7時15分
平成記念病院
土午後、日祝 8時30分~11時、13時30分~16
時
飯南病院
土日祝 8時30分~11時30分
8時30分〜12時
災害
県内各地の救急病院(2)
(島根県HPより)
病院名
受付時間
備考
島根大学附属病院
土日祝 8時30分〜11時
県立中央病院
土日祝 8時30分〜11時、(再診のみ12時30分~15
時)
出雲市民病院
土午後、日祝 8時〜11時30分、16時30分~19時
出雲市民総合医療セン
ター
土日祝 8時〜11時30分(初診〜11時)
出雲徳洲会病院
土午後、日祝 8時30分〜11時30分、16時30分~18時
30分
大田市立病院
土日祝 8時30分〜11時
公立邑智病院
土日祝 8時30分~11時30分
済生会江津総合病院
土日祝 8時30分~11時
災害
国立病院機構浜田医療
センター
土日祝 8時~11時(再診8時30分~)
救命
災害、救命
災害
県内各地の救急病院(3)
(島根県HPより)
病院名
受付時間
備考
益田赤十字病院
土日祝 8時〜11時30分
災害
益田地域医療センター医師会病院
土日祝 8時〜11時
六日市病院
土午後、日祝
隠岐病院
土日祝 8時〜11時
隠岐島前病院
土日祝 8時30分~11時30分
8時〜11時
災害
2.自身の薬局で行っている休日・夜間の対応を説
明する。
新・薬剤師行動計画
①
②
③
基準調剤加算
休日・夜間における調剤に (3) 緊急時等の開局時間以外
の時間における調剤に対応
よる医薬品等の供給
できる体制が整備されてい
居宅等における医療(在宅
ること。緊急時等の調剤に
医療)への参加
対応できる体制とは、単独
・・・略
の保険薬局又は地域薬剤
休日・夜間の対応の
必要性と義務
師会等の輪番制に参加す
るなど近隣の保険薬局によ
り常時調剤ができる体制を
整備していること、・・・略
薬局における休日・夜間の対応策


地域医師会や近隣医療機関の休日・夜間診療の体制に
応じて、当該薬局で休日・夜間の対応をすることもある。
夜間・休日における服薬などに関する相談があったり、
一般用医薬品の販売を求められることもある。
休日当番などが体験できれば、体験してみましょう!
調剤報酬上の加算についても学びましょう!
夜間の相談例などを話し合ってみましょう!
3.地域薬剤師会で行っている休日・夜間の対応を
説明する。
安来支部
松江・八束支部
雲南支部
出雲・簸川支部
• 現状なし
• 休日歯科診療所への対
応
• インフル外来への協力
• 現状なし
• 休日夜間診療所への動
員
大田支部
江津・邑智支部
浜田支部
益田支部
• 現状なし
• 現状なし
• 休日診療所への対応
• 休日診療所の対応
鹿足支部
隠岐支部
• 現状なし
• 現状なし
地域薬剤師会としての休日・夜間の対応策


地域医師会や近隣医療機関の休日・夜間診療の体制に
応じて、輪番制やエリア制などで休日・夜間の対応をして
いる地域薬剤師会も多い。
夜間・休日における服薬などに関する相談や一般用医
薬品の販売に取り組んでいる地域薬剤師会もある。
地域における薬剤師会の取り組みの重要性を
話し合ってみましょう!
4.可能であれば、学生を連れて急病診療所などの
見学を行う。

支部、地域によって現状が異なるため、実際に見学する
のは難しいかもしれません。可能ならばぜひ見学させて
あげましょう。
P505 当該地域での居宅介護、介護支援専門
員などの医療福祉活動の状況を把握できる。
〈知識・技能〉(2コマ)
1.
2.
3.
4.
5.
介護保険制度に関する知識を確認し、制度の概要
を説明する。
介護支援専門員の役割について説明する。
地域における主な社会資源について説明する。
ケアマネジメントについて説明する。
いくつかの社会資源の見学を手配する。
1.介護保険制度に関する知識を確認し、制度の概
要を説明する。

介護保険制度とは?
介護保険は、介護の問題を社会全体で支え合う制度。40歳以上の人が被保
険者となり、保険料を納め、介護が必要となったときはサービスを利用できる。

介護保険の仕組み
それぞれの市区町村が保険者となって運営。
 介護保険に加入する人は、40歳以上すべての人。
・第1号被保険者=(65歳以上の人)
・第2号被保険者=(40~64歳までの医療保険(健康保険)に加入している
人)
(※対象外:身体障害者療護施設等に入所者、40~64歳までの生活保護を受
けている人)
 介護保険制度は、被保険者が納める保険料と税金(公的資金=公費)とで運
営。


費用負担について


保険者負担
利用者負担
9割(保険料、公費)
1割(利用料として支払う)
2.介護支援専門員の役割について説明する。

介護支援専門員(ケアマネージャー)



公的資格であり各都道府県において試験、研修を受講しなけ
れば登録できない。(受験資格には各種法定資格(薬剤師も
含む)などで5年以上の実務経験が必要。)
居宅介護支援事業所・地域包括支援センター・各種施設(介
護老人福祉施設等)に所属し、介護保険において要支援・要
介護と認定された人に対して、アセスメントに基づいたケアプ
ランを作成し、ケアマネジメントを行う職業。
介護全般に関する相談援助・関係機関との連絡調整・介護保
険の給付管理等を行う。
介護支援専門員になるには
<受験資格>
保健・医療・福祉分野で合計5年(一部は10年)以上の実務経験
を有する者
<試験>
受験者全員に郵送により合否を通知します。また、島根県健康
福祉部高齢者福祉課HPに合格者の受験番号を掲載します。
<実務研修>
試験合格者を対象に行われる介護支援専門員実務研修を
修了した者に実務研修修了証明書が発行されます。
<登録証明書の交付>
実務研修を修了しないと介護支援専門員にはなれません。
3.地域における主な社会資源について説明する。
家族
民間企
業
親族
近隣住
民
行政
要介
護者
医療機
関
友人・同
僚
社会福
祉法人
地域の
団体・組
織
ボラン
ティア
要介護者を支える社
会資源を考えてみましょ
う。
また、地域によって異な
ることも多いところですの
で、具体的な患者さんを
例に挙げ、その患者さん
(要介護者)の社会資源
をできる範囲で調査して
みましょう。
介護福祉に関わるさまざまな職種
介護福祉士
社会福祉士
精神保健福祉士
(Care Worker)
(Social Worker)
(Phychiatric Socail Worker)
理学療法士
作業療法士
言語療法士
(Physical Therapist)
(Occupational Therapist)
(Speech Therapist)
施設型介護保険サービス
地域の施設がどれ
に該当するか、調
べてみよう!
施設型
特別養護
介護老人
老人ホーム
保健施設
(特養)
(老健)
介護療養型
医療施設
介護保険施設以外の施設
有料老人
養護老人
ホーム
ホーム
経費老人
高齢者専用
高齢者向け
ホーム
賃貸住宅
優良賃貸住宅
シルバー
生活支援
グループ
ハウジング
ハウス
リビング
ケアハウス
4.ケアマネジメントについて説明する。
様々な専門領域を超えた生活課題を総合的に把握し、課題解決に向けて
具体的な達成目標を定め、計画的にチームでアプローチする方法
例示
⑥再アセスメント
①ケース発見
⑦ケアプランの見直し
③ケース目標の設定とケアプランの作成
サービス
担当者会議
④ケアプランの実施
②アセスメント
⑤モニタリング
5.いくつかの社会資源の見学を手配する。

近隣の各種施設に見学に行きましょう。
関わりのある施設等に見学を依頼してみましょう。普段の
訪問に学生も同行してもらいましょう。
作成:島根県薬剤師会実習対策委員会
(担当責任者:山田島智治)
<協力・資料提供>
 益田赤十字病院
 (有)乃木調剤薬局
<参考・引用文献>
 薬学生実務実習指導の手引(2009年度版)
 島根県HP
 日本薬剤師会HP
ご協力ありがとうございました