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2012年度前期 第5回 前回の話 多変数関数の微分 y をある値に固定し,x がΔx 変化したとき f(x,y) が 変化する量を,1変数関数の微分と同じように考える. f(x,y) の x に関する偏微分 f ( x, y ) x z x z y f ( x, y ) x f ( x, y ) y lim x 0 lim y 0 f ( x x, y ) f ( x, y ) x f ( x, y y ) f ( x, y ) y 前回の話 多変数関数の微分 𝑧 𝑧 = 𝑓(𝑥, 𝑦) 𝑓(𝑥, 𝑦) ∆𝑓 𝑦 𝑦 + ∆𝑦 𝑥 𝑥 + ∆𝑥 ∆𝑓 𝑦 𝜕𝑓 𝜕𝑓 ∆𝑓 = ∆𝑥 + ∆𝑦 𝜕𝑥 𝜕𝑦 ∆𝑥 → 0, ∆𝑦 → 0 の極限をとって 𝜕𝑓 𝜕𝑓 𝑑𝑓 = 𝑑𝑥 + 𝑑𝑦 𝜕𝑥 𝜕𝑦 全微分という 𝑥 前回の話 3次元への拡張 𝑥, 𝑦, 𝑧 の関数 𝑢 = 𝑓(𝑥, 𝑦, 𝑧) 全微分は, 𝜕𝑓 𝜕𝑓 𝜕𝑓 𝑑𝑢 = 𝑑𝑓 𝑥, 𝑦, 𝑧 = 𝑑𝑥 + 𝑑𝑦 + 𝑑𝑧 𝜕𝑥 𝜕𝑦 𝜕𝑧 電束と電束密度 電場 E が存在する空間に任意の閉曲面を考える n: 面に垂直で,外を向く単位ベクトル dA:面積 dA の大きさを持ち,n の方向を向くベクトル 𝑑𝑨 = 𝒏𝑑𝐴 電場 E 電束 𝜀0 𝑬 ∙ 𝑑𝑨 = 𝜀0 𝑬 ∙ 𝒏𝑑𝐴 n 閉曲面 E に沿って E の大きさに比例する数の 電気力線の束が走っていると考える 電束は,面 dA を裏から表へ突き抜け る電気力線の数 電束密度 位置 r の微小面積 dA 𝑫 = 𝜀0 𝑬 電束と電束密度 有限の大きさの面 S を通り抜ける電束は,微小面積 dA を通る電束の総和である 電場 E 面積分 n 𝑆 𝑫 ∙ 𝑑𝑨 = 𝜀0 = 𝜀0 閉曲面 位置 r の微小面積 dA 𝑬 ∙ 𝑑𝑨 𝑆 𝑬 ∙ 𝒏𝑑𝐴 𝑆 ガウスの法則(Gauss’ law) n E dA r q q : 点電荷(座標原点にあるとする) 閉曲面:原点を中心とする半径 R の球面 曲面上の全ての点で,電場E の大きさは 𝑞 𝐸= 4𝜋𝜀0 𝑅2 であるから,曲面全体で積分して D dA= 球 0 q 4 0 R 4 R q 2 2 ●この式は,点電荷が球の中心になくても,曲面が球でなく,どんな形であっても成立する ●電荷が閉曲面の内部に無く,外部にある場合には,積分値は 0 になる ガウスの法則(Gauss’ law) n E D dA 閉曲面上 q i (点電荷のとき) 内部 dA r q 閉曲面内 ( r ) dV (連続分布のとき) ガウスの法則の積分形という 電荷が連続分布しているときには,電荷密度を ρ として 曲面内部の電荷 閉曲面内 ( r ) dV ガウスの定理 𝑧 ∆𝑥, ∆𝑦, ∆𝑧 の三辺を持つ直方体を通る電束を計算する 面1 ∆𝑧 面2 ∆𝑦 ∆𝑥 𝑥 面1を通る電束 −𝐷𝑥 (𝑥, 𝑦, 𝑧)∆𝑦∆𝑧 面2を通る電束 𝑦 +𝐷𝑥 (𝑥 + ∆𝑥, 𝑦, 𝑧)∆𝑦∆𝑧 x 方向に通る単位面積当りの電束量 𝐷𝑥 𝑥 + ∆𝑥, 𝑦, 𝑧 − 𝐷𝑥 (𝑥, 𝑦, 𝑧) 𝜕𝐷𝑥 (𝑥, 𝑦, 𝑧) lim = ∆𝑥→0 ∆𝑥 𝜕𝑥 ガウスの定理 ∆𝑥, ∆𝑦, ∆𝑧 の三辺を持つ直方体を通る電束を計算する 𝑧 y ,z 方向に関しても同様のことが成り立つ ∆𝑧 ∆𝑦 ∆𝑥 𝑥 微小体積 dxdydz を通る電束量 𝜕𝐷𝑥 𝜕𝐷𝑦 𝜕𝐷𝑧 + + ∙ 𝑑𝑥𝑑𝑦𝑑𝑧 𝜕𝑥 𝜕𝑦 𝜕𝑧 𝜕𝐷𝑥 𝜕𝐷𝑦 𝜕𝐷𝑧 𝑦 𝑑𝑖𝑣 𝐷 = + + =𝛻∙𝐷 𝜕𝑥 𝜕𝑦 𝜕𝑧 div D を D の発散(divergence)という 𝜕 𝜕 𝜕 , , ナブラ演算子 𝛻 = 𝜕𝑥 𝜕𝑦 𝜕𝑧 ガウスの定理 ∆𝑥, ∆𝑦, ∆𝑧 の三辺を持つ直方体を通る電束を計算する 𝑧 y ,z 方向に関しても同様のことが成り立つ ∆𝑧 任意の閉曲面に対して ∆𝑦 表面 𝑦 ∆𝑥 𝑥 𝐷 ∙ 𝑑𝐴 = 内部 𝑑𝑖𝑣 𝐷 𝑑𝑉 ガウスの定理(Gauss’ theorem) ガウスの法則(微分形) 内部 𝑑𝑖𝑣 𝐷 𝑟 𝑑𝑉 = 表面 𝐷(𝑟) ∙ 𝑑𝐴 = 内部 𝜌 𝑟 𝑑𝑉 この関係が任意の閉曲面で囲まれた体積で成り立つ ための条件 𝑑𝑖𝑣 𝐷 𝑟 = 𝜌 𝑟 1 または 𝑑𝑖𝑣 𝐸 𝑟 = 𝜌(𝑟) 𝜀0 ガウスの法則の微分形という 電位(ポテンシャルエネルギー) y 1 F q 4 0 r 2 d Fdr x r dr ( dr r φ r 1 4 q 0 r 1 4 q 0 r 2 ) 電場と電位 電位φ の中で,単位電荷(1[C])を x から x+dx まで 運ぶのに必要な仕事を ΔW とする (ただし、y,z は変えない) x W ( x dx , y , z ) ( x , y , z ) x x+dx dx x 一方で,電場 E に対してする仕事は,おなじ 道筋での移動について W E dx E dx x Ex x 電場と電位 y 方向,z 方向に対しても同様にして Ey y Ez z 従って,まとめると E , , y z x E grad 電場とは,電位の勾配である