道路橋診断 - 日本非破壊検査工業会

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(社)日本非破壊検査工業会
道路橋診断における
超音波法の適用と有効性
神戸橋への超音波法適用報告
株式会社ジャスト 川越洋樹 柳瀬高仁 池ヶ谷靖
はじめに
蓄積された建築・土木構造物の維持管理
対象物の現状を把握する必要がある
社会基盤を支えている構造物は壊せない
非破壊検査の重要性が増す
内部性状を確認する
非破壊検査方法には
今回適用された
・電磁波レーダ
・エックス線検査
・赤外線サーモグラフィ
・超音波
その他
・電磁誘導法
・反発硬度法
など
超音波法(弾性波法)
超音波法
衝撃弾性波法
アコースティック・エミッション(AE)法
打音法
①ジャンカ・空隙 ②コンクリート強度
③コンクリートのひび割れ ④剥離
⑤コンクリートの厚さ
などの情報が得られる
超音波とは
人間の耳には聞こえない「音」
・「超音波音(ultrasound):可聴音の上限周
波数(およそ16kHz)を超える音響振動」
(JIS Z 8106:2000「音響用語」)
・「超音波 周波数が20kHz以上の音波
ultrasonic wave」(JIS Z 2300:2000
「非破壊試験用語」
工業分野で広く用いられている超音波探傷試験
の方法はパルス反射法
鉄鋼材料には周波数
2~5MHzが多く使用
WF
ビーム路程
WB
コンクリート材料には
数十~数百kHzを使用
超音波探傷試験Ⅱより
散乱減衰は物質の結晶粒より波長が小さい
場合に影響を受ける
コンクリートの超音波法には以下の注意点
・適切な周波数を選択する
⇒小さな異常、位置の特定が困難
・超音波特性(音速、減衰など)のバラツキが
大きい⇒一般化した手法が困難
精度の低下を招く
・打ち込み方向による音響異方性がある
コンクリートの超音波装置
(国内で市販されている)
本体・探触子・ケーブル・接触媒質からなる
波形表示タイプと時間表示タイプがある
透過法
反射法
今回使用した超音波装置
A1040 MIRA ロシアのA・C・S社製
測定原理
試験方法
健全部
底面エコーの検出
コンクリートに異常がなく
アスファルトとの一体性が
確保されていると判断
異常部
底面エコーの消失
コンクリート・アスファルト
に異常がある
アスファルトとの一体性が
確保されてないと判断
測定結果
走査方向
・底面エコーが
全体的に確認された
・底面エコーが
確認できない箇所は
再施工箇所に対応
走査線1(健全部と見立てた)
走査線2(健全部から劣化部)
走査方向
劣化部
推定範囲
健全部
推定範囲
・健全部推定範囲では
底面エコーが確認された
・劣化部推定範囲では
底面エコーが消失した
・一部に面状の反射源
が確認された
⇒割れ・空洞の可能性
走査線3(劣化部と見立てた)
走査線3
走査線3近傍の切断面図
走査線4(劣化部と見立てた)
走査線4
走査線4近傍の切断面図
走査線5(劣化部と見立てた)
走査線5
PCプレキャスト桁現況断面図
走査線5近傍の切断面図
MIRAによる探査例1(埋設管探査)
D
Cスコープ
センサ探査方向
Dスコープ
水平断面
縦断面
B
B
D
Bスコープ
横断面
C
底面
C
MIRAによる探査例2 (擁壁厚さ測定)
底面エコー
340mm
測定面
620mm
測定面
底面エコー
想定擁壁断面図
まとめ
・部材厚さに対応する底面エコーが確認される
⇒内部の健全性が推定される
・部材厚さに対応する底面エコーが確認されない
⇒内部の劣化が推定される
・部材厚さに対応しない底面エコーが確認される
⇒内部に平面上の割れや空洞の存在が推定
される
有効な点
・片面による探査が可能
・接触媒質を使用しないため作業が迅速
問題点
・あらゆる劣化モデルのケース
検出限界、適用限界の確認
データ検証の必要性
・外国製のためアフターケアの問題