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高解像度AGCMを用いて
重力波抵抗パラメタリゼー
ションを改良する試み
渡辺 真吾
(地球環境フロンティア)
Hines (1997) “Doppler spread”
parameterization
 ソース
として、ある高度面に重力波に伴う水平風
速の分散を入力する
 従来は、たとえば定常&全球一様&等方伝播な
どの人工的なソースを与え、チューニングによって
現実的な大循環が得られるように操作していた
よりよい循環場を得るために:
 高解像度GCMの重力波をソースとして入力
⇒まず高解像度GCMの波の場とパラメタリゼーショ
ン中の波の場を比較し、パラメタリゼーションの
もっともらしさを調べよう
高解像度GCMの概要

T213L250 CCSR/NIES/FRSGC AGCM
 水平波長
~250 km (グリッド数はT42の5x5倍)
 鉛直波長 600 m (モデル上端~0.01 hPaまで一様)
 水平拡散:∇16、 n=213に対する時定数:1日
 積雲対流:予報型Arakawa-Schubert
対流抑制に用いる相対湿度=75%
 重力波抵抗パラメタリゼーション使用せず
 1時間毎に1時間平均値を出力 (1年間積分)
 このケースでは夏至を含む8日間に注目
GCM重力波の解析
 T42 AGCMで表現できない水平波長1250
km未満
(250 km <λh< 1250 km)の成分を重力波と定義
 48時間の移動平均を除去
(地形起源重力波を除去するため)
 70hPa面でパラメタリゼーション用のソースを計算
T213L250GCMの重力波の一例
水平波長1250km未満の成分
鉛直風分布@70hPa
ソース分布 from GCM@70hPa
June.20-23
2
カラー:8方位合算の総RMS風速 [ms-1]
矢印:代表的なグリッドにおける8方位RMS風速
ソース分布 from GCM@70hPa
June.20-23
2
カラー:8方位合算の総RMS風速 [ms-1]
矢印:代表的なグリッドにおける8方位RMS風速
等値線:降水量 [間隔:3 mmday-1]
帯状平均南北風 [1 ms-1]
帯状平均南北運動量鉛直フラックス密度 [Pa]
G
C
M
H
i
n
e
s
D
S
P
1)GCMは4日間(96step)の
重力波成分の平均
43Sから高緯度に向
けて重力波が伝播
43Sから真上に向け
て重力波が伝播
→北向き&上向き
Hinesは(1)から得たソースを
70hPa面に入力し、GCMの4日
平均場を背景場として行った
1stepのみのオフライン計算
帯状平均東西風 [10 ms-1]
帯状平均東西運動量鉛直フラックス密度 [Pa]
Single peak
構造
G
C
M
1)GCMは4日間(96step)の
重力波成分の平均
43Sから高緯度に向
けて重力波が伝播⇒
極夜ジェットの高緯
度側に到達
東西風と同
様のdouble
H
peak 構造
i
n
e
s
D
S
P
43Sから真上に向け
て重力波が伝播
→東向き&上向き
Hinesは(1)から得たソースを
70hPa面に入力し、GCMの4日
平均場を背景場として行った
1stepのみのオフライン計算
帯状平均東西風 [10 ms-1]
帯状平均東西風加減速[ms-1day-1]
G
C
M
1)GCMは4日間(96step)の
重力波成分の平均
西風加速
西風減速
東風減速⇔重力波の水平
伝播を考慮しないと説明で
きない
H
i
n
e
s
D
S
P
Hinesは(1)から得たソースを
70hPa面に入力し、GCMの4日
平均場を背景場として行った
1stepのみのオフライン計算
→西風加速
まとめ
 T213L250GCM(250~1250km)重力波を解析し
てHines DSPに入力できるよう作業中
 GCMの重力波と、それを70hPaに入力して計算
したHines DSPの重力波の高度変化を比較した
 定性的に(かなり)大きく見れば一致しているが、
一致しない点も多々見られた(発見できた)
 Hines DSP鉛直1次元計算による限界
 特に緯度方向の伝播が重要
 成層圏におけるソースが重要(極渦起源など)
今後の展開(9~10月)

重力波の水平伝播に関する解析(論文執筆)
 パラメタリゼーションの改良
開発者と協力
 ソースのチューニング

T42L80版KISSMEの実行テスト
 T213L250ソースと現行のHinesDSPを用いるこ
とで、どれくらい現状気候が再現できるか?
 結合モデルを用いた場合に重力波関連のチュー
ニング・パラメターをどの程度いじる必要がある
か?
 並列化(MPMD&ノード内並列?)・高速化?