TNRFにおける中性子ラジオグラフィシステムの高度化

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京大炉中性子イメージング専門研究会
平成24年1月5-6日
TNRFにおける中性子ラジオグラフィ
システムの高度化
安田 良1、野島健大1、片桐政樹2
1:原子力機構 中性子イメージング・分析研究グループ
2:茨城大学
背景
中期目標
燃料電池内部可視化を目的とした高空間・高時間分解能
中性子イメージングシステムの開発
○高空間分解能:電解質膜内部の水分布観察
中性子II、斜入射法、薄型シンチレータ
○高時間分解能:セパレータ内流路の水分挙動評価
流路観察に適した中性子イメージングシステムの開発
JARI標準電池
Membrane Electrode
Separator
Assembly (MEA)
1
Channel
1
50
Gas Diffusion Layer
(GDL)
○観察領域:50mm×50mm
○流路サイズ:1mm×1mm
○時間スケール:~1sec.
発電中の燃料電池の電流密度と電圧値の変化
(橋本迪矩(神戸大学):第51回電池討論会講演資料より)
従来の撮像システム
NRコンバータ
可視光
冷却型
レンズ or EB-CCDカメラ
中性子ビーム
暗箱
従来の撮像システム
カメラ:冷却型CCDカメラ、EB-CCDカメラ
シンチレータ:NRコンバータ
(市販品:化成オプトニクス製)
コリメータ:大型コリメータ
問題点
取り込み時間(冷却型CCDカメラ:5sec)
アナログ撮影(EB-CCDカメラ)
⇒ 定量評価が困難
ノイズ:γ線によるホワイトスポット
大型コリメータによる画像上のぼけ
Cdワイヤ(0.25mmφ)
90mm
30mm
コリメータ比による画像上のぼけ
EM-CCDカメラ撮像システム
駆動スリット 鉛板(厚さ:100mm)
高輝度コンバータ
試料
可視光
85mmレンズ(F値:1.4)
中性子ビーム
EM-CCDカメラ
暗箱
新規の撮像システム
○ EM-CCDカメラ:
デジタル画像
撮像時間の短縮
○ 高輝度コンバータ(J-PARCセンター 中性子基盤セクションが開発)
撮像時間の短縮
空間分解能の向上
○ スリット型コリメータ:
ホワイトスポットの低減
空間分解能の向上(L/D)
EM-CCDカメラ
EM-CCDカメラ:Electron Multiplication CCD Camera
特長
・高ゲイン、暗い被写体の撮像が可能
・デジタル出力
用途
・発光の定量解析
・リアルタイム蛍光観察
・天体観察
・共焦点顕微鏡の読み出し
仕様
浜松ホトニクス(株)製:
有効画素数:
画素サイズ:
Gain:
読み出し速度:
冷却温度:
露光時間:
A/Dコンバータ:
C9100-02
1000(H)×1000(V)
8μm(H)×8μm(H)
6~2000倍
~500 frames/sec.
-50℃
5msec.~10sec.
14bit
EM-CCDカメラ
LiF・ZnS(Ag)
シンチレータ: LiF/ZnS(Ag)
(150,200,300mm)
NRコンバータ
実験条件
コリメータ:
大型コリメータ
カメラ&レンズ: EM-CCDカメラ
85mmレンズ(F値:1.4)
撮像時間:
0.5sec.
高輝度コンバーター(200mm)
により、約3倍輝度が増加
150μm
200μm
Signal Count Rate, count/sec
高輝度コンバータ(輝度評価)
150μm 200μm 300μm
Scintillator
300μm
NRコンバータ
Gdラインペアによるシンチレータの空間分解能評価
1mm
1mm
2mm
0.1mm
0.1mm
0.5mm
50mm
50mm
0.5mm
0.3mm
4mm
30mm
mm
0.3mm
30mm
0.2mm
10mm
0.2mm
2.5mm
150mm厚
200mm厚
300mm厚
NR converter
200μm厚のシンチレータで幅200μmのラインペアを可視化
スリット型コリメータの効果(ホワイトスポットの比較)
コリメータ:
実験条件
カメラ&レンズ:
Gain
シンチレータ:
撮像時間:
大型コリメータ、スリット型コリメータ(40×45mm)
EM-CCDカメラ&80mm(F値:1.4)
0 (6倍)
NRコンバータ(裏返しで試験)
1sec.
大型コリメータ(従来型)
白点のピクセル数 37454
(counts>38)
スリット型コリメータ
2161
ノイズ低減の効果(ホワイトスポットの比較)-2
The Number of pixels
500
400
300
Conventional
Slit Collimator
200
100
0
0
200
400
600
800
Counts of CCD signals (white dot)
ホワイトスポットのヒストグラム
1000
ビーム強度と撮像領域
コリメータ:
実験条件
カメラ&レンズ:
ピクセルサイズ:
シンチレータ:
撮像時間:
大型コリメータ、スリット型コリメータ(40×45mm)
EM-CCDカメラ&80mm(F値:1.4)
80mm×80mm
NRコンバータ
0.5sec.
Conventional
Counts of signal of CCD camera
80mm
Slit
10000
8000
6000
4000
Conventional
Slit type
観察領域
2000
0
-40 -30 -20 -10 0
10 20 30 40
Distance from image center,mm
まとめ
1.EM-CCDカメラ
デジタル画像の取得
1秒以下の撮像
2.高輝度シンチレータ
従来の市販品に比べて3倍の輝度
空間分解能:0.2mmのラインペアを確認
3.スリット型コリメータ
照射領域:50mm×50mmを確保(スリット幅40×45mmの場合)
ノイズであるホワイトスポットが著しく低減
中性子フラックスが従来のコリメータに比べて80%程度
コリメータ比が向上
上記の機器を用いることにより、従来に比べて、低ノイズ、高解像度かつ
高輝度の中性子ラジオグラフィシステムを構築