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国際的な時代認識

長年の懸案であった「ヒッグス粒子」と「超対称性」 (ま
たはそれに代わる新粒子が新現象)を直接生成して発
見できる時代が迫っている。

2008年にはLHCが重心系エネルギー14TeV で走り始め、
ヒッグスと超対称性の発見が期待される。

次いで、国際リニアコライダーILCにおけるクリーンな実
験環境での精密測定で背後の物理を解きほぐし、過去
における反粒子の発見やゲージ原理の確立に匹敵する
ような素粒子物理の新たなパラダイムを開く。
素粒子の標準理論
(1)物質を形成する粒子 (J=1/2)
クォーク
レプトン
u
c
t
νe
d
s
b
e
+反粒子
νμ
μ
ντ
τ
+反粒子
(2)相互作用を担う粒子 (J=1)
電磁相互作用
γ
(光子)
弱い相互作用
W+ W- Z0
(ウイークボゾン)
強い相互作用
g (8種類)
(グルーオン)
(3)質量の起源 (J=0)
H0 (ヒッグス粒子) 未発見
まだ解明されていないこと







素粒子の質量の起源はヒッグス粒子(真空の構造)か?
何故3世代のクォーク・レプトンがいてそれぞれの質量が異なるのか?
(ニュートリノの質量は何故軽いか? トップクォークは何故重いか?)
何故4種類の力があるのか? 重力を理論の枠組にいれられるか?
なぜ時空は空間3次元、時間1次元か? 隠れた次元はあるのか?
暗黒物質は?
南部陽一郎先生(シカゴ大学)
暗黒エネルギーは?
様々なアイデアのパイオニア
宇宙はどのようにして生じたか?
次世代のエネルギー
フロンティア加速器に
よって多くの謎が解明
力
(
ア
イ(
相
ン互
シ
ュ作
タ用
イ)
ンの
の統
夢一
)
電気
?
電磁気力
マックスウエル
磁気
電弱理論
ワインバーグなど
β崩壊
超対称性に
よる
大統一?
弱い力
フェルミ
標準理論 (LEPで精密検証)
原子核
強い力
LEP実験
量子色力学
超弦理論?
湯川
LHC/ILC
地球上での物体の運動
ガリレオ
ニュートン
天体の運行
ケプラー
重力
一般相対性理論
アインシュタイン
量子重力?
電子・陽電子衝突 vs 陽子・陽子衝突
例 ヒッグス粒子生成
電子・陽電子衝突
e+
e
μ+μ-
Z
Z
bb
H
電子・陽電子は素粒子
素過程の直接観測
⇒ 実験は容易
陽子・陽子衝突
hadrons
p
g
t
bb
H
g
p
陽子は複合粒子
⇒ 反応は複雑
hadrons
高放射線
高事象頻度
⇒ハイテクが必要
円形電子・陽電子コライダーの限界
反応は単純、実験は容易
E, m
2R
しかし…
電子は磁場で曲げられると放射光を
出してエネルギーを失う。
一周に失うエネルギーΔE は
ΔE ∝ (E/m)4/R
E:粒子のエネルギー
m:粒子の質量 R:半径
ローン破産のような状態
エネルギー欠損を補ってより高いエネルギーを得たい
(1) 重い粒子を回す (陽子質量/電子質量=1800) ⇒ LHC
(2) Rを大きくする ⇒ LEP(周囲27km)が限界 ⇒ ILC
フレーバーの物理

仮に軽いヒッグス粒子や超対称性という大枠が決定しても、何故3世代12種類のクォー
ク・レプトンが異なる質量を持ち、世代間で混合してるのかという根源的な疑問がのこる。
これに突破口を見出そうとするのがフレーバー物理の実験である。

レプトン
ニュートリノ
混合角、質量下限値、質量階層順(シーソー機構)、CP-violation、Dirac/Majorana
荷電レプトン
μ→eγ τ→μγ など (超対称性と大統一理論)

ハドロン
B
CKM行列の精密測定
b→s 遷移の精密測定 (超対称性などに起因するCPの破れ)
荷電ヒッグス粒子の効果
Charm、 K
核子崩壊モードの解明、超対称性の破れの原因、などが解明されれば、新たな突破口が開
かれる可能性がある。
宇宙の反物質が消えた原因 Baryogenesis+Leptogenesis
殆
う
し
。
彼
を
知
ら
ず
己
を
知
ら
ざ
れ
ば
、
一
勝
一
敗
す
。
彼
を
知
ら
ず
し
て
己
を
知
ら
ば
、
百
戦
し
て
殆
う
か
ら
ず
。
彼
を
知
り
て
己
を
知
れ
ば
、
孫
子
曰
く
…..
己=宇宙・素粒子
彼=他の分野
戦
う
ご
と
に
必
ず