Transcript 電力量料金
第147回OMAテクノフォーラム 省エネ法の改正とその対応 省エネ法の概要と改正のポイント 電力料金の仕組み 電力契約の種類 電力料金の削減手段 デマンド管理で契約電力を下げる 節電・省エネ対策 宇田環境経営事務所 所長 宇田 吉明 エネルギー管理士・省エネ普及指導員・家庭の省エネエキスパート 宇田吉明略歴 1947年 神奈川県川崎生まれ 1970年 早稲田大学卒業(卒論:ジーゼルエンジンの燃焼に関する研究) 明治製菓に入社、食品及び医薬品のエンジニアリングに従事 食料生産部次長、工務環境室長・環境管理責任者を歴任 大阪工場時代に省エネ及びゼロエミッションで農林水産大臣賞 省エネルギーセンター等で省エネ対策の講演活動 月刊誌等で省エネ対策等の執筆活動 2000年 摂南大学非常勤講師(地球・環境資源論) 事業者の環境経営の支援及び市民のエコライフ支援活動を開始 2008年 省エネコンテスト家庭部門で企業賞2部門受賞 現在 NPO大阪環境カウンセラー協会 副理事長 EA21地域事務局大阪 普及委員長 大阪市なにわエコ会議 副会長 環境教育部会長、企業部会長を歴任 資格 エネルギー管理士、省エネ普及指導員、環境カウンセラー、建築士 、EA21審査人、公害防止管理者、環境カウンセラー、家庭の省エネエキスパート他 著書 2000年 2004年 2006年 2008年 2008年 2004年~ 読売新聞 朝刊 関西テレビ ニュースアンカー 大阪市 環境イベント NHK もっともっと関西 <省エネ法> 我が国の省エネルギー政策の全体像 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> 我が国の省エネルギー政策の全体像(省エネ法の概要) 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> 省エネルギー政策の今後の重点領域 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> 省エネ法の改正(平成25年5月31日公布) 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> 省エネ法に概念を追加し名称変更 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> 「電気の需要の平準化」 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> 電気需要平準化評価原単位 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> 電気需要平準化評価原単位とエネルギー消費原単位 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> 2つの原単位を報告 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> 原単位が改善できなかった場合: 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> 電気の需要の平準化に資する措置を報告 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> 判断基準の見直し 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> 電気需要平準化時間帯の買電量の報告 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> 電気需要平準化時間帯の買電量の把握 出典:資源エネルギー庁資料 <省エネ法> トップランナー制度の建築材料等への拡大 トップランナー策定のプロセス トップランナー対象機器は、自治体代表、学識経験者、関連工業会、メーカー代表、消費者団体、 関連法人等で構成される審議会で、以下の3要件を勘案して検討・決定される。 ①我が国において大量に使用される機械器具であること。 ②その使用に際し相当量のエネルギーを消費する機械器具であること。 ③その機械器具に係わるエネルギー消費効率の向上を図ることが特に必要なものであること。 2013年11月追加 2013年11月追加 2013年12月追加 <省エネ法> 住宅の省エネ基準の改正 <省エネ法> 住宅の省エネ基準の改正 電力料金 電力料金の仕組み 21 電力料金 電力料金 電力料金=①基本料金+②電力量料金+消費税 ①基本料金=契約電力(kW)× 基本料金単価×(1.85-力率) • 基本料金単価:契約種別により異なる (契約種別は低圧、高圧500kW未満、高圧500kW以上で異なる) • 力率割引:力率に応じた最大15%の割引 ②電力量料金=使用電力量( kWh )×( 電力量単価 + 燃料費調整単価 +(A)+(B)) (A) 太陽光発電促進付加金 (現在 0.08円/kWh) • 平成21年11月から「太陽光発電の余剰電力買取制度」が開始 • 余剰電力を電力会社が買い取り、その買い取りに要した費用を電気料金の一部とし て、電気をご使用のすべて人が電気のご使用量に応じて負担する (B) 再生可能エネルギー発電促進賦課金 (現在 0.35円/kWh) • 平成24年7月から「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が開始 • 再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等)により発電された電 気を、一定期間・固定価格で電力会社等が買い取ることを国が義務付け • 電力会社等が買取りに要した費用は、再生可能エネルギー発電促進賦課金(電気料 金の一部)として、電気をご使用のすべて人が電気のご使用量に応じて負担する 22 電力料金 電力の単位(kWとkWh)と電気料金 KW KWh → 電気の瞬間的な使用値 → 電気の使用量 基本料金 契約電力によって決まる料金 最大デマンド値で決定 電力量料金 使用量によって決まる料金 ※デマンド値=30分間の平均使用電力(kW) 23 電力料金 低圧電力の電力料金 電力料金 旧単価 新単価 1,029.00 1,058.40 夏季(7月~9月) 14.68 15.95 その他季(10月~6月) 13.38 14.50 基本料金(円/kW) 電力量料金 (円/kWh) ※燃料費調整額、太陽光発電促進付加金が別途加算される 24 電力料金 高圧500kW未満の電気料金 (基本料金は過去1年間の最大需用電力で決定) 業 種 電力料金 旧単価 新単価 事務所・商業施設 基本料金(円/kW) (高圧AS) 電力量料金 夏季(7月~9月) (円/kWh) その他季(10月~6月) 1,685.25 1,733.40 12.39 15.25 11.37 14.20 工場 (高圧BS) 1,323.00 1,360.80 夏季(7月~9月) 12.90 15.78 その他季(10月~6月) 11.84 14.69 基本料金(円/kW) 電力量料金 (円/kWh) ※季節別時間帯別料金は別途 25 25 電力料金 高圧500kW以上の電気料金 (基本料金は使用する負荷設備および受電設備の内容,同一業 種の負荷率,1年間を通じての最大需要電力等を基準として,関 電との協議によって決定) 業 種 事務所・商業施設 (高圧AL) 工場 (高圧BL) 電力料金 旧単価 新単価 1,685.25 1,733.40 夏季(7月~9月) 12.39 15.25 その他季(10月~6月) 11.37 14.20 1,811.25 1,863.00 夏季(7月~9月) 11.05 13.88 その他季(10月~6月) 10.15 12.95 基本料金(円/kW) 電力量料金 (円/kWh) 基本料金(円/kW) 電力量料金 (円/kWh) ※季節別時間帯別料金は別途 26 26 電力料金 特別高圧2万または3万V供給の電気料金 (基本料金は使用する負荷設備および受電設備の内容,同一業 種の負荷率,1年間を通じての最大需要電力等を基準として,関 電との協議によって決定) 業 種 事務所・商業施設 (高圧A) 工場 (高圧B) 電力料金 旧単価 新単価 1,643.25 1,690.20 夏季(7月~9月) 11.25 14.03 その他季(10月~6月) 10.33 13.08 1,769.25 1,819.80 10.05 13.16 9.57 12.30 基本料金(円/kW) 電力量料金 (円/kWh) 基本料金(円/kW) 電力量料金 (円/kWh) 夏季(7月~9月) その他季(10月~6月) ※季節別時間帯別料金は別途 27 27 電力料金 低圧受電 28 電力料金 低圧電力の電力料金 電力料金 旧単価 新単価 1,029.00 1,058.40 夏季(7月~9月) 14.68 15.95 その他季(10月~6月) 13.38 14.50 基本料金(円/kW) 電力量料金 (円/kWh) ※燃料費調整額、太陽光発電促進付加金が別途加算される 29 電力料金 低圧電力の契約の種類 (原則50kW未満) 商店、事務所、飲食店、工場等で、3相200Vの大型エアコン、業 務用冷蔵・冷蔵庫、ポンプ、小型機器等の動力機器を使用する 事業者が対象 □負荷設備契約:使用する契約負荷設備の容量(出力)をもとに、 契約電力を算定 ・一般的な契約形態 □主開閉器契約:使用する最大電流を制限 ・動力設備を同時にご使用しないこと、主開閉器で電気が遮断さ れ停電になっても大きな影響を受けないことなどを満たす事業者 向け(過負荷による停電リスクは自己責任) 電力料金 低圧電力の基本料金① 負荷設備契約 使用する契約負荷設備の容量(出力)をもとに、契約電力を算定 <出展:関西電力HHP> 31 電力料金 低圧電力の基本料金② 主開閉器契約 最大電流を制限できる契約主開閉器の容量をもとに、契約電力を 算定 動力設備を同時にご使用しないこと、主開閉器で電気が遮断され 停電になっても大きな影響を受けない事業者向け <出展:関西電力HHP> 32 電力料金 自社の電力単価をチェック ~実態はかなり高い料金~ 支払金額/電力使用量 A社 185円/kWh B社 164円/kWh C社 112円/kWh D社 98円/kWh E社 48円/kWh F社 32円/kWh G社 30円/kWh ◇理由=基本料金が高い (契約電力が大きい) ・負荷が契約当時より少なくなっ ている たまにしか使わない負荷(リフ ター、コンプレッサーなど)の占 める割合が大きい ◇対策 ・電力会社に見直しを依頼する。 ・同時に使わないなどの工夫により負荷契約に変更する。 ・電子ブレーカーを採用し、負荷契約に変更する。 33 電力料金 電子ブレーカーによるコストダウン 電力料金 ブレーカの許容範囲を利用した電子ブレーカー 一定時間契約電力を超過が認められている。 ※エレベーター・リフターなど短時間の契約電力超過ではブレーカーが落ちない特性を最大限利用 35 電力料金 高圧受電 36 電力料金 高圧電力の契約電力と デマンド値(最大使用電力) デマンド値(最大使用電力)は、使用電力量を計量し、30分単位で平均値(平均電 力)を算出した値 月間の最大値がその月のデマンド値 デマンド契約の契約電力は、過去1年間(その月と前11か月)の最大値が適用 最大使用電力の表示が100kWの例(瞬間最大電力は150kW) 37 電力料金 高圧500kW以下の契約電力の仕組み 当月を含めて過去1年間の最大使用電力がその月の契約電力 業務用(事務所、病院、商店、飲食店、倉庫等) 1kW当たりの契約電力料金 1,733.4円/月 → 年間約2万円 工場用 1kW当たりの契約電力料金 1,360.8円/月 → 年間約1.6万円 ※ピーク電力10kW削減で年間約16~20万円の得 38 38 電力料金 A社の電力使用実績 金属加工業(従業員18名) 契約電力 96kW → 53kW の経費節減効果 1,360.8円/kW×43kW=58,514円/月→≒70万円/年 39 電力料金 デマンド監視システム(例) 最大使用電力を監視し警報・(自動制御) デマンド監視 ピークカット デマンド警報 40 電力料金 デマンド監視計 41 節電対策 節電対策の一例 対 象 最大需要電力量 (デマンド値)の監 視による節電行動 空調機の節電 照明の節電 方法・内容 ☑ デマンド警報器による電力使用注意報の発信 □ デマンドコントロールによる自動停止 換気量の制限 屋外機の冷却 夜間電力の利用(氷蓄熱式) 非電力の空調設備導入(ガス焚き吸収式、GHP等) 蛍光灯の玉抜き 個別スイッチの取り付け スイッチの細分化 消費電力の少ない照明へ交換 (白熱球・ハロゲンランプ→電球型蛍光灯、旧型蛍光 灯→Hf型蛍光灯、水銀灯→LED灯等) パソコンの省エネ設定 モニター画面の照度調整 ノートパソコンのピーク時間のバッテリーによる使用 ピーク時間帯はコピー、シュレッダーを避ける □ □ □ □ □ □ □ □ □ 自家発電による電 力負荷低減 ソーラー発電の採用 コジェネ・自家発電設備導入 □ □ □ □ □ □ その他の節電 ピーク時間帯の作業分散(休憩時間の分散) 自動販売機の冷却一時停止 エンジン空圧機の採用 省エネ型製品の採用 □ □ □ □ OA機器の節電 42 <空調> 空調の節電・省エネ 43 <空調> 事業所の節電・省エネポイント 空調編(1) 項 目 内 容 ☑ 適正温度に管理 国の奨励温度:冷房=28℃以上 暖房=20℃以下 (1℃で約8~10%省エネ) □ 窓からの直射防止 ブラインド、カーテン、庇を取付ける 遮断フィルムを貼り付ける □ □ 二層ガラスの採用 窓や扉のガラスは二層ガラスを採用する □ 建物・設備の遮熱・断 熱施工 熱ロスを防止するため天井、壁、床下など断熱施工を行う 屋根の塗装には熱線遮断塗料を採用する 設備からの熱ロス防止 □ □ □ 屋根・壁の輻射熱軽減 遮熱塗装を行う 屋根に覆いを取り付ける □ □ 換気の熱ロス防止 CO2濃度1000ppm以下の範囲で換気量を抑制する 熱交換型換気扇を採用する □ □ 外気の導入 中間期など外気で空調できる場合は外気の導入を行う □ 体感温度を下げる工 夫 扇風機との併用で冷房温度を上げる(風速1mで約1℃体 感温度が下がる) □ 44 <空調> 事業所の節電・省エネポイント 空調編(2) 項 目 内 容 ☑ ピークカット制御 短時間の圧縮機停止(送風のみ)により稼働時間を短縮 □ 最大出力のカット 最大出力制御回路を組み込む(インバーター機) □ 屋外機の遮熱・冷却 屋外機に日よけを取り付ける 屋外機に水を噴霧する(5~10%削減) □ □ 水の潜熱利用型空調 水の潜熱を利用した冷風装置を採用する □ タイマーによる自動停止 夜間、休日等の消し忘れを防止するためにウィークリータ の組込 イマーを組み込む □ ゾーニングによる適正な ゾーン毎の管理温度を決め、きめ細かな温度設定を行う 空調 □ レイアウトの見直しによ る空調の効率化 全体空調から局所空調にするため空調が必要な設備、原 料などを集中化する □ 空調容積の縮小 天井を下げる 間仕切で空調対象空間を小さくする □ □ 空調設備のメンテナン ス実施 凝縮器のスケールを定期的に掃除する 除塵フィルターを定期的に掃除する □ □ 45 設定温度管理の自動化 <空調> 冷房(暖房)運転時、設定温度を1℃上(下)げると約10%節電・省エネ リモコンはつい押してしまう (設定温度上げ下げ自由) 設定温度自動復帰 設定温度を変更しても一定 時間で元の設定温度に戻る 管理機能を搭載 省エネ機能 「節電」「省エネ」をサポート 設定温度自動復帰 冷房設定温度が 30 分後に 28 設定温度範囲制限 冷暖房時の設定温度の 上下限を制限。 冷やし(暖め)過ぎを防止 設定温度範囲制限 冷房設定温度を ℃に戻る 26 ℃ ~ 35℃ に制限する 省ナビリモコン 設定:メニュー 変更: 次へ: 設定温度範囲:冷房20~35℃ 暖房15~30℃ ただし、設定温度範囲制限をしている 場合はその設定温度範囲内 設定:メニュー 変更: 次へ: 冷房:下限20℃、上限35℃ 暖房:下限15℃、上限30℃ 出典:ダイキン工業資料 空調デマンド制御 <空調> 空調デマンド制御 <運転イメージ> 空調機の消費電力を定格消費電力に対し ある一定以下に抑えた運転に制御 現地設定 1. 常時空調デマンド運転 リモコン設定 デマンド時間帯と消費電力の制限を設定 室外機での設定により常時機器単独で 消費電力を抑制(定格×80~60%選択) 2. 【時間帯】 設定開始と終了 外部入力による空調デマンド運転 30分単位 外部デマンド装置から室外機に信号を入力。 【消費電力制限】 機器単独で消費電力を抑制 定格×70% (定格×80~60%選択、40%、0%) 定格×40% 出典:ダイキン工業資料 冷媒温度制御 <空調> ■機器の効率に影響する要因 「冷媒温度」 ビル用マルチエアコンは、安定した能力を出すため蒸発(凝縮)温度を目標値に制御 蒸発(凝縮)温度を上げて(下げて)、冷やし(暖め)すぎを抑制=省エネ・節電 既存の空調機に対する省エネチューニング「VRV・エネ・TUNING」 [冷媒温度制御] [圧縮機の容量制御] 空調機に流れる冷媒の温度を制御。 省エネ運転を実施 圧縮機の容量(出力)を一定以下に 制限。高負荷時の出力を制御 (暖房時) 凝縮温度down (冷房時) 蒸発温度up ・ サービス料金割安。早期の投資回収(2年以下) ・ 業務を停止せず短時間でサービスの導入可能 節電効果 20% 最大 ※ ピーク時の節電効果について、既設ビル用マルチの運転状況により効果が期待できない場合があります。 出典:ダイキン工業資料 <空調> 全熱交換器(換気負荷低減) 換気負荷の低減全熱交換器 「換気」は空調負荷に占める割合が高い。この負荷を減らすことが重要。 「全熱交換器」は排気から給気に熱だけ回収して室内に戻す。⇒エアコンの負担を軽減! 換気扇では・・・ (夏)冷房運転中に35℃の外気を 室内に取込むため、エアコンの負担大 (冬)暖房運転中に0℃の外気を 室内に取込むため、エアコンの負担大 全熱交換器では・・・ (夏)35℃の外気と排気(28℃の室内空気)の 熱を交換して30℃※で給気。エアコンの負担小 (冬)0℃の外気と排気(20℃の室内空気)の 熱を交換して14℃※で給気。エアコンの負担小 ※ 温度交換効率70%の場合 節電効果 最大 12% 過剰な換気を抑制する ・・・・・CO2センサで換気量を制御する 室内空気のCO2濃度1,000ppmを目安に、低濃度時換気量抑制 出典:ダイキン工業資料 <空調> ▲5~10% 屋外機 遮蔽 直射日光が当たる室外機にヨシズで遮蔽した場合 冷房時は、エアコンの室内機で室内の熱を吸収し、吸収した熱は室外機から放出 される。 室外機周辺の温度が低いほど、空調機器が効率のよい運転となるため、室外機の 日射防止により周囲温度が下がれば、節電・省エネになる。 50 <空調> ▲5~20% エアコン屋外気に水噴霧 噴霧前 噴霧後 COP 7 6 5 インバータ機のCOP特性イメージ 4 3 0 25 27 29 31 [COP] 33 35 37 外気温度(℃) 空調室外機の吸い込み温度が高温になると熱交換器に水を噴霧 エネカット装着により約17%の省エネ エネカットを1時間おきにON/OFFさせて 消費電力を比較したグラフ 51 <空調> 蒸発潜熱を利用 ~打ち水の原理を利用した冷風機~ 原理 (外気温ー数度) 圧縮機がないためCOP値 はエアコンの4~5倍 (電力量:1/4~1/5) 52 <空調> 空調の熱ロスとその対策 《夏の冷房時に外から熱が入ってくる割合》 (財)省エネルギーセンター資料による 窓の日射を遮る→遮光フィルム、ブラインド・カーテン、緑のカーテン 窓からの熱の伝わりを防ぐ→断熱シート、二重ガラス 冷気が逃げるのを防ぐ→換気量の調整 壁・天井・床からの熱の伝わりを防ぐ→断熱施工 53 53 <空調> 日射を緩和 ~ブラインドの効果~ 太陽 アルミスクリーン 遮光率83% 太陽 100% ▲5~10% 100% 18% 外側にブラインド 51% 内側にブラインド 約1/3に 内側のブラインドは熱が室内に放出されるため効果が少ない 54 <空調> 日射を緩和 ~緑のカーテン・植栽・すだれの採用~ ▲5% 大阪信用金庫 加西市図書館 金属加工工場 •夏は茂って日射を防ぎ涼しい •収穫が楽しみ •冬は葉が落ちて日射が入り暖かい 55 <空調> 窓ガラスの断熱 エアマットによる断熱方法 ガ ラ ス 側 不透明ガラスに貼り付け (水をスプレーして貼り付け) 56 <空調> 窓ガラスのフィルム貼り付けによる遮熱 ショールームやオフィスなど 南側の窓に有効 約1万円/㎡ 遮光フィルム 遮光フィルム 遮熱効果 窓際の温度 57 <空調> 屋根の遮熱塗装 D社遮熱塗装のカタログより 58 58 <空調> 蒸発潜熱を利用 ~打ち水の原理を利用した冷風機~ 原理 (外気温ー数度) 圧縮機がないためCOP値 はエアコンの4~5倍 (電力量:1/4~1/5) 59 <空調> エアコン更新時は効率の良いものを選択 COP(エネルギー消費効率) COPは、消費電力1kW当たりの冷房・暖房能力(kW)を表したもの である。この値が大きいほど、エネルギー消費効率が良く、省エ ネ性の高い機器といえる。 ( COP : Coefficient of Performance 成績係数 ) APF(通年エネルギー消費効率) APFは、COPと同様に消費電力1kW当たりの冷房・暖房能力 (kW)を表したものの、定格時だけではなく、エアコンが使用される 建物や用途等の負荷条件、冷房/暖房期間における外気温度の 発生時間、さらにインバータ機の能力変化にともなうエアコンの 効率を考慮している。これにより、使用実態にあったエネルギー 消費効率の評価を行うことができる。 ( APF : Annual Performance Factor ) 60 <自販機> 自動販売機の節電 ~ピークシフト型~ 夜間の間に冷却し、昼間は保温だけで販売 61 <照明> 照明の節電・省エネ 62 <照明> 事業所の節電・省エネポイント 照明編(1) 方 法 リフォームのポイント ☑ 白熱灯から蛍光灯に変更 白熱灯を蛍光灯に変更する(約70%省エネ) □ 照明器具の位置の変更 照度は距離の二乗に反比例するので位置を下げる □ 照明器具の清掃 球、反射器具などの汚れを清掃する( 1年-2年も清掃 □ しないと明るさが20%から40% ダウン) 自然採光の取り入れ 天窓や高窓など自然採光を行う(この場合熱線カット や断熱の配慮を行う) 太陽光直射 100,000lx うす曇り 30,000~70,000lx 日 10,000~20,000lx 陰 □ 適正照度に変更 明る過ぎるところはワット数を落とすか間引く □ 高効率型蛍光灯の採用 従来型の蛍光灯をHf型に変更する(20%省エネ) □ 水銀灯をメタルハライド型に セラミックメタルハライド型で変更で約50%の省エネ □ キャノピースイッチの取付 蛍光灯を個々に消灯できるようにスイッチを取付 □ デイライトスイッチの取付 明るくなると消灯する自動点灯スイッチを取り付け、消 □ し忘れを防止する 63 <照明> 事業所の節電・省エネポイント 照明編(2) リフォームのポイント ☑ 部屋を明るい色に変更 天井や壁を明るい色に変更する (反射率:白ペンキ=70% コンクリート=30%) □ キャノピースイッチの取付 蛍光灯を個々に消灯できるようにスイッチを取付 □ 自動照度調整付照明器 具の採用 自然採光で明るい場合は自動的に照度を落とす回路付 照明器具を使う □ 照明器具の反射傘取付 30%から40%器具数削減、30%照度アップ □ 自動検知式照明器具の 採用 人センサー、明るさセンサー付き照明器具を使う □ タイマーによる自動消灯 消し忘れ防止のためにタイマーなどを組み込む □ 方 法 レイアウトの見直による局 全体照明から局所照明にするためテーブルや机など配置 □ 所照度の採用 を変更する(残業時、休日出勤時) ゾーニングによる無駄な 点灯防止 必要な場所だけ点灯できるように区画を分けたスイッチ回 路にする スイッチに区画を表示し無駄な照明をつけない 残業、休出時は1箇所で仕事をする □ □ □ □ 64 <照明> 個別スイッチで消灯 1個約300円 25円/kWh 40W2灯器具 8時間/日 25日/月 1年間 25×(0.04×2)×8×25×12=4,800円 65 <照明> 照明器具の位置下げ 照度は距離の二乗に半比例 4m→3mで照度が約1.8倍に 1/2にして4倍に 1m 4m 3m 400Lx→711Lx 作業机 66 66 <照明> 電球→蛍光灯→LED 時間 60w 40000 1/5 13w 20000 1/8 7.5w 1/5 8000 1000 電球 蛍光灯 LED 消費電力電球60W相当 LED 蛍光灯 1/40 電球 寿命 67 67 67 <照明> 白熱灯→蛍光灯 円 4 ヶ 月 で 回 収 3年で12,700円 の差 ヶ月 100W相 当の照明 白熱灯 電球型 蛍光灯 ランプ代 電気代 (円) (円/時間) 寿命 (時間) 白熱灯 消費電力 100W 22W 1日 1ヶ月 0.8 20 20 500 0.2 4 4 110 1年 240 6,000 53 1,320 単位 kWh 円 kWh 円 160 0.25 1,000 1,500 0.05 6,000 100W1個で年間4,500円節約 電球型蛍光灯 68 <照明> 照明の省エネ ~ハロゲン灯をLED灯に~ 1年で回収 69 69 <照明> LED蛍光灯 試してみては? 70 <照明> 照明の省エネ ~水銀灯をLED灯に~ 改善前 改善後 照明器具 水銀灯 LED 電力 400w 70w 本数 30本 30本 年間電気代 75万円 13万円 寿命 12000時間 50000時間 年間節減額 62万円 投資額 180万円 器具6万円 投資回収 約3年 10Hr/日×250日=2500Hr/年 25円/kWhとして計算 71 <事務所> オフィスの節電・省エネ 72 <事務所> オフィス設備の節電対策 運用 小改善 照明の玉抜き ☑ エレベータの使用を控える □ エレベータを1台停止 □ ジェットタオルを停止 □ 手洗いの温水装置を停止 □ 便座をオフ □ 照明の節電型に取替え □ デマンド警報器の設置、デマンドコントロールの採用 □ リニュー ガス焚き吸収式・GHP空調機の採用 アル 断熱施工 □ □ 73 73 <事務所> オフィス機器の節電対策 運用 小改善 パソコンの省エネモード設定 ☑ パソコンの画面の明るさを一段落とす □ ノートパソコンはできるだけピーク時間帯はバッテリーを使用 □ ピーク時間帯はコピー、シュレッダー、プロジェクタの使用を控える □ ブラウン管型モニターを液晶型モニターに更新 □ □ リニュー パソコン・サーバーを省エネ型に更新 アル サーバーを外部に移管 □ □ 74 74 <事務所> OA機器の省エネ設定他 デスクトップPC ノートPC 自動照度調整設定付に ・スリープモードの設定 ・スリープモードの設定 ・画面照度を一段落とす ・画面照度を一段落とす ・ピーク時間帯はバッテリーのみに コピー機 ・省エネ設定に ・ピーク時間帯の使用を避ける シュレッダー ・ピーク時間帯の使用を避ける 75 <事務所> パソコンモニターの明るさ調整 明るさ設定=26 30W 明るさ設定=11 21W 明るさ設定=5 15W 76 <空気圧縮機> 空圧の節電・省エネ 77 <空気圧縮機> 空気圧縮機の節電・省エネのポイント(1) 項 目 内 容 ☑ エア漏れの撲滅 始業前か後の生産設備が停止している静かな時にエア (一般に10%の漏れ) 洩れの音がしないかチェックする (7kg/cm2 1φの洩れで約0.75kWh→3,000円/月) □ 送気圧力の適切化 □ □ 必要以上の圧力設定にしない 機械と掃除用エアの分離 エアタンクを設置する 圧力の変動をなくすサービスタンクを設置する □ エアノズルの選定 用途に見合ったノズルに取り替える □ 配管系等を見直す 継ぎ足しで無駄な経路を短縮する ループ式にして圧力を均一化する □ □ 配管径の適正化 配管抵抗は径に半比例する □ 吸気温度を下げる 外気などできるだけ低い温度で空気を吸い込む □ 78 <空気圧縮機> 空気圧縮機の節電・省エネのポイント(2) 項 目 内 容 電動駆動に変更 トルクアクチェーター弁を電動弁に変更する する エアシリンダ駆動をリニアモーター駆動に変更する エアバイブレーターを電磁バイブレーターに変更する ☑ □ □ □ 別の送気の採用 リングブロア等の高圧送風機に切り替える □ 別の真空装置を 採用 圧縮空気を利用したコンバムをリングブロアを使った吸引に切り 替える □ インバーター式 の採用 アンロード(無負荷)運転による無駄な電力をなくす □ 台数制御の採用 圧力センサの信号で必要な台数だけを運転する エンジン空圧機 の採用 □ 台数制御内臓の空気圧縮機を採用する □ レンタルでエンジン空圧機を導入し、ピーク時のみ使用 □ 79 <空気圧縮機> 出典:工場の省エネルギーガイドブック(省エネルギーセンター) コンプレッサー吐出圧の低減 1kg/c㎡低下で ▲8% ■計算式 削減電力量(kWh/年)=現状コンプレッサー電力(kW)×吐出圧低減による省エネ率%×稼働時間(h/年) ■試算の前提条件 コンプレッサー容量×台数:37kW/台×8台=296kW モータ効率:90% 負荷率:平均80%、コンプレッサーのアンロード負荷:0.7(吸込み絞り制御) 稼働時間:20h/日×242日/年=4,840h/年 吐出圧0.1MPa低減による省エネ率:8%(上図から) 電力料金単価:18円/kWh ■効果の試算 現状コンプレッサー電力:296kW×(0.8+0.7×0.2)=278.24kW 80 削減電力量=278.24kW×0.08×4,840h/年=107,734kWh/年(1,939千円/年) 80 <空気圧縮機> 出典:工場の省エネルギーガイドブック(省エネルギーセンター) コンプレッサーをブロアへ変更 ▲68% ■計算式 削減電力量(kWh/年)=(コンプレッサー電力(kW)-ブロワー電力(kW))×運転時間(h/年) ■試算の前提条件 負荷率:平均80% コンプレッサーのアンロード負荷:0.7(吸込み絞り制御) ブロワーの風量制御方式:吸込み風量一定のバイパス制御(電力は負荷によらず一定) コンプレッサー:37kW ブロワー:11kW 運転時間:24h/日×稼働日数257日/年=6,168h/年 電力料金単価:18円/kWh ■効果の試算 コンプレッサ電力=37kW×(0.8+0.7×0.2)=34.8kW ブロワー電力=11kW 削減電力量=(34.8kW-11kW)×6,168h/年=146,798kWh/年(2,642千円/年) 81 <空気圧縮機> エアブローの改善 ダイソン製 機械加工後のエアブロー(エア による吹き飛ばし)で、コンプ レッサーではなく、ジェットタオ ルを活用する 工作機械の中で行えば、油の 床への飛散も防げる 82 <空気圧縮機> エンジン空圧機の導入 デマンド警報が発報したら、エンジン空圧機をON→で電力空圧機が自動停止 0.6PaでON 0.65PaでOFF 0.5PaでON 0.55PaでOFF 電動式空圧機 エンジン式空圧機 (レンタル) 節電 ▲100% 節電 ≠ 省エネ ※中古のコンプレッサーを購入 83 83 <回転体> 回転体の省エネ 84 <回転体> 回転体の節電・省エネのポイント 項 目 内 容 ☑ 送風機はダンパーで絞っていない か プーリー交換かインバーターで回転数ダウン □ ポンプはバルブで絞っていないか プーリー交換かインバーターで回転数ダウン □ □ 負荷の変動はないか 負荷に合わせて回転数を調整 □ 攪拌機の回転数は落とせないか 必要最小限に回転数ダウン □ 複数の台数で運転の場合負荷に見 負荷に合わせて台数制御 合った台数となっているか □ □ モーターは高効率型か 高効率型に交換 □ 変減速機は適切か 効率の良い変減速機に □ Vベルトは省エネ型か 電動媒体による損失軽減(△3~6%) □ 85 <回転体> 回転機器の効率を上げる ~モーター使用設備の省エネ~ P (モーター軸動力) = Q (流量) × H (揚程(圧力)) ※流量は回転速度に比例 ※揚程(圧力)は回転速度の2乗に比例 P (モーター軸動力) ∝ N3 (回転数) ※モーター軸動力は回転数の3乗に比例 回転数を80% → (0.8)3≒0.512 動力が約半分! 86 出典:工場の省エネルギーガイドブック(省エネルギーセンター) <回転体> ファンの 回転数ダウン ▲67% ■計算式 削減電力量(kWh/年)=電動機容量(kW)×台数×(現状と改善後の軸動力比差)×運転時間(h/年) ■試算の前提条件 排風機用電動機容量、台数:2.2kW、3台 現状負荷率(使用風量比):80% 軸動力比(上図参照):(現状) ダンパ制御0.96、 (改善後)回転数制御0.51 インバータ効率:0.95 運転時間:12h/日×240日/年=2,880h/年 電力料金単価:18円/kWh ■効果の試算 削減電力量=2.2kW×3台×(0.96-0.51÷0.95)×2,880h/年=8,043kWh/年(145千円/年) 87 87 <回転体> 出典:工場の省エネルギーガイドブック(省エネルギーセンター) ポンプの回転数ダウン ▲16% ■計算式 削減電力量(kWh/年)=電動機容量(kW)×台数×現状と改善後の入力比×運転時間(h/年) ■試算の前提条件 ポンプ用電動機容量×台数:5.5kW×5台 現状と改善後の入力比:80% (インバータ化前後で、流量は変わらない。実揚程は同じだが、全圧はバルブの抵抗がなくなる事か ら下がる。この系では80%になったとする。) インバータ効率:0.95 運転時間:10h/日×250日/年=2,500h/年 電力料金単価:18円/kWh ■効果の試算 88 削減電力量=5.5kW×5台×(1-0.8÷0.95)×2,500h/年=10,855kWh/年(195千円/年) 88 <回転体> Vベルトによる損失軽減対策 ~省エネベルトの採用~ ▲4% 出典:バンドー化学HP <回転体> 省エネベルトの効果 出典:バンドー化学HP <熱機器> 熱機器の省エネ 91 <熱機器> 配管からの放熱量 保温配管 出典:環境省資料 裸配管 <熱機器> ボイラの空気比管理 排気温度1000℃の場合 空気比1.5を1.3に下げることで、20%削減 <熱機器> 加熱炉の空気比管理 排気温度1000℃の場合 空気比1.5から1.3に下げることで 6%削減 94 <熱機器> 炉体放熱ロスと蓄熱ロスの削減 炉表面温度が60℃と200℃では放熱ロスは約9倍、蓄熱ロスは1.5倍異なる。 炉体放熱損と断熱方法 3405kcl/m2h 400kcl/m2h 断熱レンガの重要性 炉壁60℃と160℃で放熱ロスは6倍 以上違う 断熱レンガ、ファイバー施工により、炉体放熱を大幅低減できる 95 <熱機器> リージェネバーナによる排熱回収 一対のバーナの一方が燃焼している間、もう一方のバーナが排気煙道となり、燃焼排ガスの持 つ熱をバーナ内部に内蔵した蓄熱体に吸収し、蓄熱体の温度が上昇すれば、燃焼が切り替わ り、バーナ燃焼用の吸気がこの蓄熱体に導入され予熱され、廃熱を回収するシステム リジェネバーナシステムの原理 96 <電力料金> 特定規模電気事業者(PPS) から購入する (2,3%コストダウン) 97 <電力料金> 特定規模電気事業者(PPS) (Power Producer and Supplier) A社 A社のHPより 98 <電力料金> 特定規模電気事業者(PPS)一覧 99 <施策> 省エネ施策 助成制度、補助金 100 <施策> <施策> <施策> <施策> <施策> エコアクション21 CO2削減プログラム ※エコアクション21地域事務局大阪で受付 ※5回の訪問支援で節電・省エネに取り組む ※無料で支援が受けられる ※エコアクション1の認証取得のコンサルとして活用も可 ご清聴ありがとうございました。 太陽電池で飛び続けられる飛行機 お問い合わせは “宇田吉明” を検索で