教材3 自死遺族に対する理解(パワーポイント

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Transcript 教材3 自死遺族に対する理解(パワーポイント

偏見にさらされている遺族
Q故人の死に関して何か気になる周りからの言動があったか?
その他,
7(2.3%)
不明, 19,
(6.2%)
覚えていな
い, 5( 2.3%)
なかった,
102, 33%
あった,
172,
(57.4%)
自殺実態白書2008
~投げかけられた言葉の例~
• 夫の両親から「一緒に住んでいて何で気がつかな
かったんだ」と責められた。(30代女性)
• 「あなたのせい。あなたがいるのに、なぜ」と親戚か
ら言われた。(40代女性)
• 近所の人が「自殺なのにおおっぴらに葬式をあげ
て・・・」と言っていた。(30代女性)
• 「生命保険でたくさんもらえてよかったじゃない」と言
われて傷ついた。(40代女性)
自殺実態白書2008 より一部改変
関係機関の対応に深く傷つくことも・・・
関係機関への不満
警察の対応への不満
その他, 11,
(3.6%)
立ち会ってい
ないのでわか
らない,
48(15.7%)
覚えていない,
9, (3%)
あった, 75,
(24.6)%
不明, 40,
(13.1%)
不明, 17,
(5.6%)
その他,
14(4.6%)
立ち会って
なかった,
いないの
145, (47.5%)
でわからな
い, 56,
(18.4%)
覚えてい
ない, 11,
(3.6%)
なかった,
152,(50%)
あった, 32
(10.5%)
自殺実態白書2008
~投げかけられた言葉の例~
• 現場検証をすると言って、故人が首を吊られたままの状態で、
その場所でいろいろ訪ねられた。(30代女性)
• 故人の遺体と対面し、気が動転しているところに「迷惑なん
ですよね。他県から死ににこられると。早く遺体を持って帰っ
て下さい。」と言われた。(30代男性)
• 処置室にいるときに保険金の話や殺人の疑いもあると言わ
れた。(30代男性)
• 手術料を取られた。病院で何をされたのか説明がなかった。
(40代女性)
自殺実態白書2008
死後の手続きの悩み
• 死後の様々な手続きは、初めてのことなので、どこ
が窓口であり、相談できるところが欲しかった。借金
の整理のことについての法的なことなど、具体的に
どこに相談すればいいのかわからなかった。(50代
女性)
• 混乱している時に沢山の手続きをしなければならな
い。まず、急ぎでやるもの、次に必要なものというよ
うに、段階的に情報提供して欲しい。子どもの奨学
金のことについても全く知らなかった。(40代女性)
自殺実態白書2008
自死遺族の4人に1人が「自分も死にたい」
Q「死にたい」と考えることがありますか?
覚えていない, 3
直後
あり, 74
なし, 147
不明, 80
,
その他, 1
覚えていない, 2
現在
あり, 38
不明, 76
なし, 188
,
(平均8年10か月)
その他, 1
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
自殺実態白書2008
遺族の思い
• 生き続けなければならないことが苦しかった。
死ねば楽になるという選択肢があることを知った。
(40代女性)
• 毎日寝る前に「このまま目が覚めなければいいのに」
と思い、遺書をそばに置き寝ていた。 (30代女性)
• 楽になりたい、向こうで会えるかもと初盆前に自殺未
遂した。(30代女性)
自殺実態白書2008
自責の念にかられている遺族
Q自分のせいだと思うか?
直後
思う, 145
現在
思わない, 160
思う, 119
思わない, 186
(平均8年10か月)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
自殺実態白書2008
100%
遺族の思い
• まさか死ぬとは思わなかった。助けを求めていたのに、何もして
あげられなかった。(30代女性)
• 救ってあげられなかった。助けてあげられなかった。これからどう
やって子ども達を育てていけばいいの?助けて。(40代女性)
• 申し訳ない。夫がずっとサポートしてくれていたので申し訳ない
思いが強かった。(50代女性)
• 寝てもさめてもそのことばかり。昼夜もわからなかった。周りもみ
えなかった。食卓の息子の席が空席なのをみて、なんとも言えな
い悲しみを覚えた。(40代女性)
自殺実態白書2008
困りごとを抱えることの多い遺族
Q 故人が亡くなったことによって何か困ったことや悩んだことがありましたか?
覚えていない,
3 8 (1 2 . 5 % )
その他・ 不明, 2 ,
(1 % )
困ったことがな
かった, 25
(8.2%)
困ったことが
あった, 240
(78.6%)
自殺実態白書2008
どんな悩みや困ったことがあったか?
Q どんな悩みや困ったことがあったか
140 138
120
100
80
60
40
20
0
96
68
47
の
そ
関
の
身
内
死
・親
後
戚
と
の
他
係
き
続
手
悩
の
計
家
追
後
の
内
族
家
み
配
の
い
の
態
状
康
健
の
族
家
51
36
心
み
悩
み
悩
の
心
体
身
の
身
自
ご
59
自殺実態白書2008
経年で見る遺族の身体・心の悩み
0
1年未満
5
10
19
15
20
25
(54%)
(n=35)
1年以上3年以下
47
(54%)
(n=87)
3年以上5年以下
20
(47%)
(n=43)
5年以上10年以下
21
(39%)
31
(36%)
(n=54)
10年以上
(n=86)
自殺実態白書2008
遺族の思い
• 弟を亡くしたことにより、自分が心身ともに体調を
崩し、なかなか調子が戻らなかった。直後は感情を
夫と共有できたが、時間の経過とともに悲しみの度
合いにも差ができて、夫婦の不仲のきっかけとなっ
た。また、夫婦間がぎくしゃくすることにより、自
分の子どもたちに何か生きづらいものを抱えさせて
育ててしまったのではないか、と不安になる。自分
は遺族として息の長い支援が必要なことを実体験と
して訴えていきたい。(40代女性)
• そのときから全ての自信がなくなっていった。どこ
からやり直していいのかわからない。世間に隠さな
いといけないことがものすごくエネルギーを要し、
夜しか出かけられない(50代女性)
自殺実態白書2008一部改変
時が経つにつれ深刻化する家計の悩み
0
1年未満
5
7
10
15
20
25
(20%)
(n=35)
12
1年以上3年以下
(14%)
(n=87)
3年以上5年以下
6
(14%)
(n=43)
5年以上10年以下
(n=54)
10年以上
11
(20%)
23
(27%)
(n=86)
自殺実態白書2008
遺族の思い
• 自殺で夫を亡くし、実際には子どもの将来の学
費のことや自分自身の心身の状態のことなど、
誰かに相談したいし、どこに相談したらいいか
わからない。(30代女性)
• 私の父親が、自分も死んで生命保険を残そうと
考えていた。(50代女性)
自殺実態白書2008
周囲からの言葉や反応で支えになったもの
• 「普通でいいんだよ。一緒に楽しいことしていこうよ」と言われた時。
(40代女性)
• 仲良い友人がそっと見守ってくれた。(40代女性)
• 会社の同僚が一緒に帰ってくれたり、気を配ってくれた。(50代女
性)
• 故人の友人が来てくれて「あいつがいたから支えられた」と言ってく
れた。(40代女性)
• 前の仕事仲間が毎日メールをくれた。「一人じゃないんだよ」と言っ
てくれた。
• 体調を崩すのは当たり前だし、あなたは何も悪いことはしていない。
(40代女性)
自殺実態白書2008
自死遺族等支援と自殺防止
• 「自死遺族となること」
・・・新たな自殺の危険因子
→支援ニーズが高い人々が多い
・遺族(遺児含む)の体験が、対策に活かせる
・「防止」「予防」のみを強調すると、遺族等には
負担になる場合もある。
東京都立多摩総合精神保健福祉センター 熊谷直樹氏作成資料より
遺族の心理の特徴
「自死遺族の痛み」として、安易にひとくくりにしないこと。
その上で共通点に目を向ける。
・自責の念や罪悪感が強く、長期化:「なぜ」「どうして」の問いを絶えず自
問している。
・病死と違い、死因を口にし難い苦しみ:身内の自死の事実を隠したがる
ことが多く、悲嘆を語り合えない苦しみがある。
・心を閉ざし、孤立しやすい:他者とのかかわりを拒絶し、ひきこもり状態
になる場合もある。
出典:「守ろう大切ないのち みんなで考える自殺防止」(長野県精神保健福祉センター)
遺族の支援
①時間をかけて、暖かい雰囲気に配慮しながら、
丁寧に話を聴く。
②過去を詮索しないで、遺族の自責の念からと
思われる言動には注意を払いながら、じっくり話を聴く。
③遺族に精神症状が出現していないか気を配る
④落ち着きがでて、遺族が希望すれば、安心して
悲しめる、語れる場(自死遺族のつどい)を紹介する。
⑤安定した生活を送るための実務的な手だてを
支援する。
(借金問題、いじめの問題、家計の問題、
教育費の問題等)
東京都立中部総合精神保健福祉センター 「相談の進め方」より
遺族の支援を行う際に、配慮すべきこと
• できるだけ、早い段階での介入を行う。
• 自殺の現場に遭遇したり、遺体を目撃した場合、 う
つ的、不眠、頭重感などの症状が起きることがある。
2週間たっても症状が消えない場合は、ASR(急性
ストレス反応)、ASD(急性ストレス障害)と診断され
ることもあるので、医療機関へ受診を勧める
• 本人が自らの意思で話したいことを聞き、無理に聞
き出さない。遺族の自責感を軽減させるように働き
かけ、少しでも安心できる働きかけが必要である。
• 直後の1週間は、毎日でもさりげなく声をかける。
• 時期や本人の状況をみて、自死遺族の会等を紹介
する。
東京都立中部総合精神保健福祉センター 「相談の進め方」より