ROACH ボードによる FOREST 用バックエンドの開発

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ROACHボードによるFOREST用バックエンドの開発
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○中西裕之 、南谷哲宏 、西村淳 、岩田一正 、松尾光洋 、中原啓貴 、久野成夫 、梅本智文 他
( 1鹿児島大学、2国立天文台、3筑波大学)
ABSTRACT: 我々は国立天文台共同開発研究の支援を受けて、H25年度よりROACH (Reconfigurable Open
Architecture Computing Hardware)ボードと呼ばれるFPGA (Field Programmable Gate Array)ボードを用いて、野辺山45-m
鏡の4 ビーム受信機FOREST に搭載するデジタル電波分光計を開発し、広帯域受信機システムの整備を進めている。プロ
ジェクトが終了するH27年度までにROACH2ボード8枚およびASIAA製5GSPS ADCを16枚搭載し、40GHzの帯域をカバーす
る予定である。従来に比べて、ROACHボードを用いることにより、拡張性、メンテナンス性、コストの面で利点が多い。
昨年はROACHボードのセットアップから、動作試験を行った後、試験観測により45m鏡の観測信号をROACHボードに取
り込み、SiOメーザーのスペクトルが得られることを確認することができた。今年度は広帯域観測に向けて、IF部等のアナロ
グ部も含めて開発を進めていく予定である。
ROACHとは
• CASPERはカリフォルニア大学
バークレイを中心とする国際連携
• 基本精神:デジタル回路のライブラ
リを全世界で共有
→必要な技術開発に集中出来る
開発システムを構築
• MATLABとSIMULINKを使った
GUIベースで論理回路開発
Introduction
広帯域バックエンドの必要性
- 新受信機FOREST:4 ビーム、2 偏波、2SB受信機、
IF周波数8GHz → 帯域幅:4×2×2×8=128GHz
- 現状: PANDA (ADC) & SAM45 (分光計)の帯域=32GHz
→ FORESTの帯域を全てカバーできない
バックエンドの帯域拡大が必要
できればコスト(価格、メンテナンス等)は下げたい
広帯域ROACH分光計によるサイエン
ス
• 現状で4ビームカバー
できるのはUSB側だけ
• ROACH分光計追加
によりLSB側の同時
NRO UM2011 中島氏講演スライドより
観測が可能に
開発・制御
• MATLABとSIMULINK
を使ったGUIベースで行う
→ 比較的容易
• Linux環境が推奨
• Pythonによる制御
が主流
開発目標
•総帯域幅:40GHz (ASIAA 8 bit 5GSPS ADC を8枚)
•速度分解能:0.1 km s-1 (周波数分解能38kHz)
•分光点数:216≃64,000 (ADC1枚のBW2.5GHz/38kHz)
•スケジュール
• H26年度 - 1IF分 アナログ部試作
- 5GSPS ADCの動作試験
- データ取り込みフォーマットの決定
• H27年度 - 全IF分 アナログ部製作
- ROACH, ADCの追加
- 共同観測に向けた整備
•アナログ部
2048ch 分光計回路
試験観測(ファーストライト)
・12月13日H40受信機によるポインティング観測時
・45m鏡観測棟内(45A)の音響光学型分光(AOS)
用の第4IF(中間周波数)のラックのモニター端子
からの信号をROACHボードに入力
• ON点とOFF点の差を取る事によって下のような
メーザー源のスペクトルを入手することに成功
メーザーのス
ペクトル
確認
本開発の発展性
・ROACHボードの汎用性
ROACHボードは電波天文学用のデジタル信号処理ボー
ドであり、分光計のみならず相関器、パルサーバックエンド
など様々な用途に応用可能
・SKAに向けた技術開発にも
ROACHボードは南アフリカのSKA試験機のバックエンド
として使われている。ROACHボードによるデジタル信号処
理開発はSKA時代における開発の土壌を日本国内にも育
てることに繋がる