ダウンロード - 田代電化工業

Download Report

Transcript ダウンロード - 田代電化工業

プリント配線板上
無電解Ni/Auめっき
とその前処理
田代電化工業株式会社
海外事業部 原田 修宏
永原 亮平
工程フロー
脱脂
ソフトエッチング
エッチング
物理研磨
スマット除去
プリディップ
触媒付与(活性化)
ニッケルめっき
薄付け金めっき
プラズマ処理
厚付け金めっき
田代電化工業株式会社
工程フロー詳細(コンベア式追加前処理:必要に応じて)
工 程
エッチング
物理研磨(ブラシorバフ)
主要管理項目
目的
過酸化水素濃度
銅濃度
銅表面の活性化
フットマーク
薬品で取れ難い異物の除去、整面
工程フロー詳細(プラズマ処理:必要に応じて)
目的
主要管理項目
工 程
ポンプメンテナンス
開始処理準備
ガス流量計
処理エネルギーの供給源となるガスの注入
バルブ他
開始処理準備
電源
時間
圧力
ガス流量
電力
排出時間
ポンプメンテナンス
有機物除去
濡れ性向上
エアー圧力
バルブ他
終了処理準備
真空引き
ガス注入
圧力調整
プラズマ照射
ガス排出
真空解除(大気圧戻し)
終了処理準備
田代電化工業株式会社
工程フロー詳細(自動無電解金ライン)
工 程
脱脂
ソフトエッチング
スマット除去(硫酸)
主要管理項目
液濃度
過硫酸Na濃度
硫酸濃度
時間(エッチング量)
銅濃度
硫酸濃度
塩酸濃度
目的
軽微な油脂分除去
表面の液濡れ性確保
銅表面の微粗化によるNi膜の密着性確保
前工程で発生したスマット(亜酸化銅等)
を除去する
次工程への水持ち込み防止
プリディップ(塩酸)
Pd濃度
塩酸濃度
銅濃度
Ni濃度
pH
還元剤濃度(次亜リン酸Na)
無電解ニッケルめっき
時間(膜厚)
含リン率
含リン率
Au濃度
pH
無電解フラッシュ金めっき
不純物濃度
時間(膜厚)
Au濃度
pH
無電解厚付け金めっき
不純物濃度
時間(膜厚)
触媒(パラジウム)付与
Niめっきの起点となるPd核を銅表面に
吸着させる
加熱によるAu拡散防止(バリア層)
はんだ濡れ性確保
厚付け金まで行う工程では、密着性の
確保、次工程への不純物の持ち込み防止
Auワイヤーボンディング特性の確保
田代電化工業株式会社
基板表面の状態
基板作成条件によりめっき前素材の状態が異なります。
いかに除去するか、めっきに影響が出ない状態にするかは、
めっき処理メーカだけではなく、基板メーカの対処も
必要となります。
錆、残渣物等の無い
クリーンな状態
前処理前の状態
理想的なめっき前の状態
田代電化工業株式会社
異なるめっき前素材を、不具合のないめっきと
する為には、どのような対処法、評価が必要か?
ステップ1
恒常的管理方法の確立(不具合の要因特定の為に必
須)
標準的な皮膜特性評価
定期的に同じ基板や毎回異なる基板で評価(外観、はんだ濡れ性など)
一定の基準に応じた活性炭処理
但し、素材や物量が変われば管理方法もマイナーチェンジが必要
液管理その他標準管理
田代電化工業株式会社
異なるめっき前素材を、不具合のないめっきと
する為には、どのような対処法、評価が必要か?
ユーザー毎、製品毎の管理方法決定
結果がOKなら
通常通り量産
へ
標準的な抜き取り検査を経て、先行確認を実施する。
1 ライン内の前処理
ステップ2
通常先行確認
2 アウトライン前処理追加
結果がNGなら
ステップ3へ
田代電化工業株式会社
異なるめっき前素材を、不具合のないめっきと
する為には、どのような対処法、評価が必要か?
ユーザー毎、製品毎の管理方法決定
結果がOKなら
特殊工程で
量産へ
標準的な先行確認でNGなら、特殊先行確認を実施する。
3 プラズマ処理
ステップ3
特殊先行確認
4 素材重点確認
結果がNGなら
ステップ4へ
田代電化工業株式会社
異なるめっき前素材を、不具合のないめっきと
する為には、どのような対処法、評価が必要か?
ユーザー毎、製品毎の管理方法決定
ユーザーと協議の上、最良の方法を模索する。
ステップ4
標準工程、特殊工程で問題が解決できない場合の
客先へのフィードバックや提案
不良を最小限度に抑え、良品を作
る最良の方法をユーザーと一緒に
決定していく
田代電化工業株式会社
ソルダーレジスト成分の無電解Niめっき析出性への影響
前処理方法、めっき条件により、ソルダーレジスト等の有
機物の影響をある程度低減する事は可能ですが、安定
したSR処理、SR硬化条件等の最適化により、めっき品
質も向上します。
(1) 各成分のめっきに対する影響
(2) レジスト厚み(溶出量)とめっきの関係
(3) 残渣物の影響
田代電化工業株式会社
ソルダーレジスト成分の無電解Niめっき析出性への影響(1)
分類
成分
Ni析出速度 Ni膜への影響
樹脂
樹脂
樹脂
フィラー
着色顔料
光重合開始剤
エポキシ硬化剤
添加剤
有機溶剤
有機溶剤
有機溶剤
変性エポキシ樹脂
エポキシ樹脂
アクリル酸エステル
硫酸バリウム、シリカ、タルク
フタロシアニングリーン等
芳香族カルボニル化合物
アミン化合物
レベリング剤等
カルビトールエステート
芳香族炭化水素
→
→
→
→
→
↑
↓
↓
→
→
→
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
ザラ
液着色
Ni黒化
P含有率上昇、カジリ(片薄めっき)
P含有率上昇、カジリ(片薄めっき)
Ni析出速度; → 影響少ない 、 ↓ 速度低下 、 ↑速度上昇
溶出物によるめっき荒れ(右側)
資料提供:奥野製薬工業㈱様
田代電化工業株式会社
ソルダーレジスト成分の無電解Niめっき析出性への影響(2)
レジスト印刷厚みによってインキ成分のめっき液への
溶出量が異なり、無電解Ni-P膜のP含有率に影響する。
データ提供:奥野製薬工業㈱様
田代電化工業株式会社
ソルダーレジスト成分の無電解Niめっき析出性への影響(3)
パターンへの飛散残渣物によるめっき未着
パターン際部分の残渣物による未着
田代電化工業株式会社
無電解薄付け金特性評価方法
評価協力:奥野製薬工業㈱様
田代電化工業株式会社
無電解薄付け金特性(1)
データ提供:奥野製薬工業㈱様
田代電化工業株式会社
無電解薄付け金特性(2)
データ提供:奥野製薬工業㈱様
田代電化工業株式会社
無電解薄付け金特性向上(1)
1
前処理方法の確立
・ 安定した銅表面を得る前処理条件
・ 皮膜特性の元となるNi表面構造との
関連を制御
2
Ni浴の選定、Ni皮膜の安定化
・ 浴外不純物の低減
・ 含リン率の安定化
・ 撹拌条件、振動条件
田代電化工業株式会社
無電解薄付け金特性向上(2)
3
Au浴の選定、Au析出の安定化
・ Au析出によるNi腐食の低減
・ 複合実装基板への対応
・ 不純物管理、及び除去
4 上述項目の複合的な要素制御による特性確保
田代電化工業株式会社
無電解厚付け金特性評価方法
ワイヤーボンディング性評価
はんだ濡れ性
ボンディング装置:K&S製熱音波方式金ワイヤーボールボンダー4124
測定装置:㈱レスカ社製PTR-10
測定条件:Speed 0.5mm/sec
はんだボール搭載基板:両面ベタ銅張り基板
はんだボール:千住金属工業㈱製 φ0.50mm Sn63-Pb37
フラックス:千住金属工業㈱製 デルタラックス523(RAMタイプ)
条件:
Wireφ :28μm
リフロー装置:エイテックテクトロン㈱製 セルリフローZ-26
リフロー条件:プリヒート 155~160℃、ピーク温度 240℃
Temp :150℃
Force :1st 50gf、2nd 90gf
Time :1st 22msec、2nd 50msec
Power :1st 0.7watt 、2nd 0.7watt
破断モード:
A:1stボンド接合部剥がれ
はんだボールプル強度(常温式)
B:1stボンドネック部ワイヤー切れ
C:ループ形成部ワイヤー切れ
測定試料:評価用基板 φ0.5mmボールパッド部
D:2ndボンドネック部ワイヤー切れ
はんだボール:千住金属工業㈱製 φ0.76mm 63Sn-37Pb
E:2ndボンド接合部剥がれ
フラックス:千住金属工業㈱製 デルタラックス523(RAMタイプ)
リフロー装置:エイテックテクトロン㈱製 セルリフローZ-26
リフロー条件:プリヒート 150~155℃、ピーク温度 235℃
測定装置:デイジ社製 Series4000
測定条件:Speed 0.3mm/sec
評価協力:奥野製薬工業㈱様
田代電化工業株式会社
無電解薄付け金特性(1)
データ提供:奥野製薬工業㈱様
田代電化工業株式会社
無電解厚付け金特性(2)
データ提供:奥野製薬工業㈱様
田代電化工業株式会社
無電解厚付け金特性向上
1
Ni浴の選定、Ni皮膜の安定化
・ 浴外不純物の低減
・ 耐食、耐熱性向上、WBに良い下地の形成
・ 含リン率安定化等による皮膜の安定化
2 Au浴の選定、Au析出の安定化
・ 置換金析出によるNi腐食の低減
・ ボンディング性良好な還元金皮膜形成
・ 加熱によるNi拡散を抑制するAuの析出構造
・ 浴安定性に優れ、レジストアタックの無い
中性還元金の選定
田代電化工業株式会社
まとめ
1
通常流動品に問題ないことの証明
恒常的な管理方法の確立によって、めっき工程そのものの妥当
性を証明出来ることを前提とする。
2
問題が起こった時の対処法、体制づくり
問題毎の対処法を明確に基準として設け、いかに迅速に問題に
対処するかのルールを事前に設けておき、それに沿って場合に
よってはユーザーに協力を仰ぎながら、問題解決に当たる。
田代電化工業株式会社
ご清聴ありがとうございました
田代電化工業株式会社