文献紹介(俗・因子回転について)

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行動生態学実験実習III:
ピンポイント多変量解析
行動データ科学 B3
里村 裕紀
の前に
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先週は申し訳ございませんでした
→特に呑み会幹事様m(_ _)m
気を取り直して,本日の文献.

Crawford, C. B. & Ferguson, G. A. A general rotation
criterion and its use in orthogonal rotation.
Psychometrika, 1970, 35, 321-332
Test Parsimony and Rotation
n
m
n
m
n
m
m
i
p
i
p
i
p
q
pq
2 2
4
2 2
(
a
)

a

a
  ip  ip  ipaiq
簡便のために
H=Q+T
H:共通性の平方和, 直交変換では不変
Q:コーティマックス基準
T:コーティミン基準
と置く.
i番目のテストのParsimony
m
m
p
q
pq
Ti   aip2 aiq2
m
Qi   aip2
p
Test parsimony criteria
斜交の場合, Tiはtest parsimony の程度ではない
(Hは斜交回転において不変ではない)
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Thurstoneの単純構造の5つの原理
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
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1.因子行列のどの行も少なくとも一つの0を持たねばならない
2.m個の共通因子があるとき,因子行列のどの列も少なくともm個の0
を持たねばならない
3.因子行列のどの2つの列を取っても, 1つの列では0となり, もう1つ
の列では0とならないいくつかの変数がなければならない
4.4つ以上の因子があるとき,因子行列のどの2つの列を取っても, 変
数の大部分は, 両方の列で0とならねばならない.
5.因子行列のどの2つの列を取っても, ごく限られた変数のみが, 両方
の列において0とはならない。
(※訳に難アリ)
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
決定的な基準は提供されない
(解析的回転のために役立つ枠組みを提供)
Test parsimony に基づく基準は行に対して定義
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→大小の値を負荷行列の行に発生させがち
単純構造の原理の1と3を満たす回転後の因子行列も発生
→負荷行列の行の値の再配列では, 基準の値は不変
→同じ因子に集中する高負荷を許す
→原理の2は必ずしも満たされるわけではない
原理の2は重要. 満たされない限り, 原理の4と5も満たされそうにない

コーティマックスやコーティミン基準といったtest parsimony
に基づく基準
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→一般因子を発生しがち
実際, 大抵の場合, test parsimonyに基づく基準は一般因子が発生
→最大・最小値に近づく
Factor Parsimony and Rotation
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単純構造原理の2~5は因子負荷行列の列を考慮して定義
上記を念頭に置き, 以下を考える
m
n
m
n
m
n
n
p
i
j
2 2
(
a
)

a

a

  ipa jp
2 2
ip
p
i
4
ip
p
i
i j
簡便のために
V=Q+F
V: 因子の分散の平方和
Q: factor parsimony の程度
F: コーティマックス基準
と置く

F:ある因子の負荷が1or0に近づくにつれて小さく
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
→回転の基準に
→因子パーシモニー基準

V:不変ではない
Q:因子パーシモニーの程度ではない

F:列に対して定義




→因子行列の行の値の再配列では変化する
→同じ因子への高負荷の集中は許容しない
どの列でも同じ数の0を持ち, 同じ因子の分散を持つ
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十分な回転が成される
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



→0に近い負荷がどの列にも現れる
→単純構造原理の2,4,5が満たされる
負荷行列の全ての行では, 0が必ずしも発生するわけではない
単純構造原理の1,3も満たされるとは限らない
Test parsimony も Factor parsimony も
回転の基準を定義するための十分な基礎ではない.
A General Criterion for
Analytic Rotation
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
Test parsimony と factor parsimony の combination
→単純構造の全ての条件を統合するだろう
以下の関数の最小値を考える
G(φ)=K1T+K2F



K1, K2 : 重み
上式は因子負荷行列のparsimonyを説明する一般的表現
直交基準と斜交基準の両方を定義するのに使えるだろう
存在する直交基準はG(φ)の特別な場合
K1, K2の大きさ(相対的な)は重要
K1 > K2 ⇒ 分散が最初の少しの因子に集中し, 一般因子が目立つ
K2 > K1 ⇒ 分散は全ての因子に広がって, ほぼ同じ分散の因子が発
生. 結果は回転された因子の数に基づく
The Parsimax Criterion

重みは, 回転された因子の数に関係なく, test parsimony と
factor parsimony が同じ重みを持つように選ばれる

T, F の項数
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
T:nm(m-1)
F:nm(n-1)
K1=nm(m-1)
K2 =nm(n-1)
→
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∴
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P(φ)=(n-1)T+(m-1)F
これがParsimax 基準
The Orthomax Criterion
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直交の場合

T=H-Q, F=V-Q
O’(φ)= K1(H-Q)+K2(V-Q) (G(φ)より)
↓× n/(K1 + K2 )
O  

nK1 H 
nK2
 nQ 
V
K1  K 2 
K1  K 2 
HC1  nQ  C2V 
nK1
C1 
K1  K 2
C2 
nK2
K1  K 2

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

HC1は不変
→HC1-[nQ-C2V]を最小化 ⇔ O(φ)=nQ-C2V を最大化
trans-varimax criterion (Saunders)
Carrol曰く, orthomax criterion
直交基準の一般的表現
C2がtest parsimony と factor parsimonyの相対的重要度を決定
K2=0 だと C2 =0 となり O(φ) は factor parsimony とは独立
K1=0 だと C2 =n となり O(φ) は test parsimony とは独立
C2が0でもnでもない O(φ)はfactor と test, 両方の parsimonyの関数
C2はどんな値でも取りうる
→意味のあるC2の範囲は 0≦ C2 ≦n
Oblique Analogues of Some
Orthogonal Criteria
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C2を選ぶ

O(φ) は
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
quartimax, varimax, equamax, parsimax, or orthogonal factor
parsimony criteria
K1, K2を選ぶ
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



上記の基準のoblique analogues
K2 =0 , C2 =0 G(φ), O(φ) はfactor parsimonyとは独立
この場合 G(φ)は quartimin criterion. O(φ) はqurtimax criterion
Varimax なら C2 =nK2/(K1+K2)=1
K1, K2 が1, 1/(n-1)に比例するならば C2 =1
∴一般性を失わず, K1, K2は1, 1/(n-1)と置け
G(φ)=(n-1)T+F は varimaxの oblique analogue
これは covarimin 基準(Kaiserの斜交varimax)ではない
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


Equamax, C2 =nK2/(K1+K2)=m/2 でも同様に
G(φ)=(2n-m)T+mF は oblique analogue of the equamax criterion
Parsimax, K1 =(n-1), K2 =(m-1),→ C2 =n(m-1)/(m+n-2)
orthogonal analogue of the parsimax criterion.
K2 = 0, G(φ) は oblique factor parsimony criterion
C2 = n, O(φ) は orthogonal factor parsimony criterion
直交, 斜交の両方のversionの varimax, equamax, parsimax 基準は
test と factor 両方の parsimony の関数
equamax と parsimax 基準は明確に回転された因子の数の関数
An Example
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
General rotation criterionの直交の場合を実証例で
(斜交はfuture paperで)
qurtimax, varimax, equamax, parsimax, factor parsimony
quatimax は test parsimony にのみ
factor parsimony は factor parsimony にのみ依存
Method and Results
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
Cooley and Lohnesのprogramを修正
parsimax と factor parsimony
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6種類(前ページの5つ+主観的回転)の回転の因子の分散
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
Table3
6種類の回転の .20, .10, より小さい負荷の数
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
Table2
Table4
6種類の回転の, 因子間分散

Table5

「多くの研究者はほぼ同じ因子分散を持つ回転後因子行列
を発生させる基準を望んできた」(Kaiser, 1964)


因子分散の標準偏差はそれらの分散の類似度の一つの指標
主観的回転のSDの値は他の解析的回転法よりも小さい

equamax, parsimax, varimax, factor parsimony




大体同じ値. 主観的回転よりほんの少しだけ大きい
Varimax, factor parsimony は equamax, parsimaxよりもほんの少し
だけ大きい
とはいえ quartimaxの明らかに大きい値に比べればかなり小さい
qurtimaxがベスト

けれどparsimax, factor parsimony, varimax
よりあくまで ほんの少し だけ

0に近い負荷が, 行と列に均一に分布しているのが良い回転


Table4



直交の因子行列は一般因子を持つとき, 0に近い値を多く取る
but, 一般因子を持つということは均一に分布していないということ
quartimax : 0に近い値は多いが, 均一ではない
主観的回転 : 解析的回転より0に近い値は少ないが均一に分布
どれがベストかは決め難い

解析的回転の質を判断するには, よく知られた主観的回転と
比較すること


Harman(1960)の主観的回転は, そのための良い基準
Table5



quartimax以外の全ての解析的回転はとても主観的回転に似てる
Varimax, equamax は parsimax, factor parsimony, ほどは主観回転
に似てはいない
最も重要な違い


因子をその平方和の順で並べたとき, varimax は 主観的回転とは異なる
factor parsimony, parsimax, equamax, varimax はベスト

結論

quartimax


一般因子を発生させがちなので, 他より使い難い
varimax, parsimax, equamax, factor parsimony


良い結果
どれが申し分ないか, 実証的には決めかねる
Discussion

回転の基準の使いやすさに関係する2つの最重要な要因

test parsimony と factor parsimonyの重み
重みは回転された因子の数の関数であるか

G(φ)=K1T+K2F の test parsimony の項



factor parsimony の項
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全ての因子に分散が広がる
quartimax は test parsimony にのみ依存
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
最初の幾つかの因子に分散が集中しがち
一般因子が発生
factor parsimony はfactor parsimony にのみ依存


全ての因子に分散が広がる
どれくらいの数の因子が回転されるべきか確信していなければ使うべ
きでない


Test parsimony と factor parsimony の両方に依存している方が大
抵の場合適切
parsimax の重みは理性的に選ばれている
equamax の重みも同じように実証的に選ばれた
parsimax と equamax は同じくらい良い
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


parsimax を好む研究者も居る
varimax, parsimax は大抵の問題に対して使われるべき
parsimax は明確に因子の数の関数.
回転された因子の数にとても敏感
varimax は因子の数の関数ではなく
factor parsimonyに重きを置いているわけではない
回転された因子の数に敏感でもない
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間違った多くの因子が回転
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
正確な因子の数を見積もるだけの十分な情報がある


test と factor の関係は歪められ, 結果は解釈し難くなる
parsimax を使うべき
因子の数を見積もれるだけの情報が無いとき

varimaxを使うべき