IRAF初心者用スライド ver.1

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Transcript IRAF初心者用スライド ver.1

Skenでもやっちまえる!!IRAF(仮)
ver.1.2
2010.6.8
skenta
本スライドについて
• 本資料は、IRAFを使ったことのない人向けに
画像を入れまくって、てきとーに作ったものです
• skentaのきまぐれで作り出したものなので、変
な口調になっていたりしますが、ご容赦を
• 作業を色分けしました
• 青字:普通の端末での作業
• 赤字:IRAFでの作業
IRAFって?
• 画像解析ソフトのこと
• 無料な上、画像の差し引きや重ね合わせ、測
光解析(星の明るさ測定)、分光解析(星の光
を波長ごとに分けての解析)ができる!!
– http://iraf.noao.edu/
• 詳しくは、色々調べてみてください
• 2010年6月現在、研究室でIRAFを使えるマシン
– lilac、marimo、karin、aoi、momiji
IRAFを起動しよう!!
• まずは端末を開く
• 「mkiraf」と打つ
• 「Enter terminal type:」と聞かれるので、「xgterm」
と入力
• 下図のような表示になったらOK
• 注意点
– 「mkiraf」は、次回以降は打つ必要はない
ds9も起動しよう!!
• 端末にて
• 「ds9 &」と打つ
• →のようなソフトが立ち
上がる
• ds9とは
– 画像を表示するソフト
– IRAFと連動する
• 日本語表示じゃない方へ
– Edit→Preferences
→View→Languageを
「日本語」にして、一度終
了すると…
圧縮されたファイルを解凍しよう!!
• …の前に、ファイルをダウンロードしてこよう
– http:www-kn.sp.utokai.ac.jp/~skenta/IRAF/081016.tar.gz
• 一緒にアップロードしているものと同じ
• ダウンロードが終わったら、端末上でそのファ
イルのあるディレクトリまで移動
• 移動できて、ファイルがあることを確認したら、
解凍する
– 「tar zxvf ○○○○.tar.gz」
– ○○○○には、ファイルの名前(今回は081016.tar.gz)
ファイルの説明
• 解凍すると、ディレクトリができてるはず
• その中身がdark、flat、objというディレクトリに
なっているはず
– dark:darkフレームが入っている
– flat:flatフレームが入っている
– obj:天体が写った画像が入っている
• これらが何かについては、各作業で説明しま
す
ダーク処理
ダーク処理
• CCDカメラでシャッター
を開かずに撮像する
(真っ暗な画像を撮る)と、
暗い画像のはずが少し
だけ明るく写る
⇒「暗電流」
• これが解析する際にノ
イズになるので、取り除
く
• この作業がダーク処理
上の図を見ると、
明るいところと暗いところが
あるのがわかります?
この辺りが
なんだか明るい
ダーク処理(2)
• 実際にはどうやるか?
– 複数枚撮って、pixel(画素)毎に足し合わせて、
“中央値(median)”をとった1枚の画像にする
– なぜ中央値なのかは、おまけスライドで
– 天体の写っている画像から上で作った画像を引
いてやる
⇒天体の画像からダークノイズを差し引いた画像
の完成!!
• 初めての人は、こんな説明をされても「なんの
こっちゃ??」でしょうから、とりあえず作業を
してみましょう!!
実際の作業~ダーク画像作り~
• darkのディレに移動
• IRAF上で
「epar imcombine」
と打つ
• 黒いカーソルを
(combine = average)
となっているところまで
移動させる
• 「median」に変更
• 表示が
(combine = median)
になったらOK
実際の作業~ダーク画像作り2~
• 変更したら、「:q」と打てば、変更を保存して終了がで
きる
• 足し合わせて、中央値をとる
– 今回使うのは、d6_000~009.fitsというデータ
– d6の6とは、6秒露光のこと
• 「imcombine d6_00?.fits d6.fits」と打つ
• →のようになればOK
• d6.fitsというファイルが
出来上がっているはず
実際の作業~画像の差し引き~
• できたd6.fitsを天体の画像のあ
るところにコピーする
– 今回なら「cp d6.fits ../obj/i/6s/」
と打つ
– IRAFの端末でも天体の画像のあ
るところまで移動する
ダーク処理前の画像
• 「imarith 2033i.fits - d6.fits
d2033i.fits」と打つ
– 例として、2033i.fitsでダーク処理
した
→d2033i.fitsというファイルが
出来上がる
ダーク処理後の画像
実際の作業~リストを作って~
• さて、画像の差し引き作業ですが、1枚1枚を
いちいちimarithするのは非常にだるい!!
– だって、画像が多いんだもんっ!!
• そこで、時間を使わない方法があるので、伝
授します
• 作業内容は
– 材料リスト、結果リストを作る
– 材料リスト – d6.fits = 結果リスト
• まあ、説明を読んでもわかんないだろうから、
やってみよう!!
実際の作業~リスト作り~
• 「files ????i.fits > obj.list」
– obj.listというファイルができていたらOK
• 「files ????i%%-d%.fits > obj-d.list」
– obj-d.listというファイルができていればOK
• この2つのリストをlessでみてみると・・・
– obj.listには、上から順に2033i.fits、2038i.fits、…とリスト
になっている
– obj-d.listには、2033i-d.fits、2038i-d.fits、…
– 上のスライドで書いた材料リストと結果リスト
• IRAFでは、このリストに書いてあるものをまとめて
処理できる
実際の作業~リストで処理~
• あとは、imarithするだけ
• 「imarith @obj.list - d6.fits @obj-d.list」
– @忘れには注意!!
– 少し時間がかかる
• 2033i-d.fits、2038i-d.fits、…のファイルが出
来上がっていればOK
• これでダーク処理は終わり
フラット処理
フラット処理
• CCDのpixelごとに感度が違う
• 例えば、→のように4つのpixel
に均一に100個の光が当たっ
たときを考える
•
•
•
•
No.1の感度:1.0
No.2の感度:1.1
No.3の感度:0.9
No.4の感度:0.8
⇒各pixelでは、→のように光
の量が読み出される
100個の光
No.1
No.2
No.3
No.4
100
110
90
80
各pixelのカウント
フラット処理(2)
• どういう処理をする?
– 各カウントを感度で割る
100
110
90
80
• 例なら、100÷1.0、110÷1.1、90÷0.9、
80÷0.8と計算する
• 感度ってどうやって知る?
各pixelのカウント
– 光が一様に入った画像(フラットフレーム)
を撮る
実際の作業~フラット画像作り~
• フラットフレームの入っているディレクトリに移動
– i000~i009.fitsがフラットフレーム
• 「imcombine i00?.fits flat.fits」
• また、フラットフレームにも暗電流があるから、フラッ
ト用のダーク処理が必要
– d000~d009.fitsがフラット用ダークフレーム
– 「imcombine d00?.fits dark.fits」
• 「imarith flat.fits - dark.fits flat-d.fits」
実際の作業~フラット画像作り2~
• 画像全体のカウントの平均で割る(規格化)
– 「imstat flat-d.fits」
–
–
–
–
↑のような表示が返ってくる
MEANの値(今回なら、25108)をメモる
「imarith flat-d.fits / 25108 norm-flat.fits」
もう一度 imstat で確認すると
– MEANの値が1になっていればOK
• 感度の画像「フラットフレーム」の出来上がり!!
実際の作業~フラットで割る~
• できたnorm-flat.fitsを天体の画像のあるとこ
ろにコピーする
– 今回なら「cp norm-flat.fits ../obj/i/6s/」と打つ
– IRAFの端末でも天体の画像のあるところまで移
動する
• 「imarith 2033i-d.fits / norm-flat.fits
2033i-df.fits」
– 画像の何が変わったかは、後のスライドで書いてます
実際の作業~リストで処理 in flat~
• またまた枚数が多くてだるいので、リストを
作って、作業しちゃいます
– コマンドだけ書いときますね
• 「files ????i-d%%f%.fits > obj-df.list」
– obj-df.listができていて、中に2033i-df.fits、
2033i-df.fits、…と書いてあればOK
• 「imarith @obj-d.list / norm-flat.fits
@obj-df.list」
– 少し時間がかかる
比較してみよう
• フラット処理で何が変わったか見てみよう!!
– 2038i-d.fitsと2038i-df.fitsの違いを見てみます
フラット処理前
フラット処理後
• ・・・・・・何が変わったのかわからない…
比較してみよう(2)
• では、ds9上で、2つの画像の同じ座標の値を見て
みましょう
• ここでは、例として、ピクセル座標X=1530.000、
Y=711.000 という座標を見てみます
• すると、値のところには
– フラット処理前:62.9849
– フラット処理後:60.9888
• つまり、今回の例では、少し感度が悪かったようで
すね…
• これが確認できたら、フラット処理は完了です
混乱しないために
• フラットだとか、ダークだとかごちゃごちゃ出て
きて、ようわからん!!という方のために…
• 下のような式で考えるとわかるかも?
観測した
天体の写っている
画像
天体を撮ったときの
露光時間の
ダークフレーム
観測時の
フラットフレーム
フラットフレーム用の
ダークフレーム
測光する画像
ここまでが…
• ここまでの作業が「一次処理」
• これは、分光観測だろうが測光観測だろうが
必要な作業なので、写真を扱う人は覚えてお
いたほうがいいでしょう!!
測光
測光~準備~
• 測光する画像の範囲を決
定してやる必要がある
• 決める値は“aperture”、
“annulus”、“dannulus”
– aperture
– annulus
– dannulus
• 「apertureはともかく、
annulus、danulusってなん
だよ」って思いませんか?
• 次で簡単に説明します
aperture? annulus? dannulus?
annulus
• 写っている画像には、
バックグラウンドとな
る“宇宙の明るさ”も
含まれている
• 観測で知りたいのは
星本来の明るさ
• 右図参照
dannulus
aperture
星本来の
明るさ
観測される
明るさ
⇒観測される明るさ
からバックグラウンド
の分を引けばいい 明るさ:0
星の明るさ
 観測される明るさ
 バックグラウンド
測光~準備2~
• 測光には、特別なタスク(コマンド)を使う
• この特別なタスクが入っているパッケージを呼び出す
– タスク・パッケージについてはおまけスライドへ
• 「noao」→「digiphot」→「apphot」
• ↓のようになればOK
測光~準備3-1~
•
•
•
•
「epar phot」
(radplot=
)をyesに変更
(photpar= )で「:e」
(aperture=3)の部分で15と入力→「:q」
測光~準備3-2~
• 次に、(fitskypars=
)で「:e」
• (annulus=
)を20に、(dannulus=
→「:q」
変更する値
• radplot
:図を表示するか否か
• aperture
• annulus
• dannulus
)を10にする
測光~準備3-3~
• 少し詳細な設定をする
• 「epar datapar」
– 変える値は1つだけ
• (itime= )を撮像したと
きの露光時間にする
– 今回なら、6secなので6
• これで準備完了!!
実際の作業~測光~
• まず、ds9に画像を表示さ
せる
– 「disp 2033i-df.fits」
• 「phot 2033i-df.fits」
→カーソルが黒い●になる
• その●を右図、星の中心あ
たりに持っていく
• キーボードの十字でも動かせる
• スペースキーを押す
ズーム
実際の作業~測光2~
• iraftermが出てきて、→のよう
な表示になる
– このような形にならなければ、
測光が間違ってる
• qを押すと、xgtermに↓のよう
な表示が帰ってくる
• もう一度qを押せば測光終了
→2033i-df.fits.mag.1という
ファイルが出来上がっている
mag?
• 出来上がったmag.1と
いうファイルをlessで見
てみよう
– 測光した情報が入って
いる
• 重要なのは、「FLUX」
• FLUXの値は
• このファイルでは、
「311922.1」
FLUX?
• “星の明るさ”は、FLUXという値で出てくる
• FLUX:単位面積を単位時間に通過するエネ
ルギー [erg/sec/cm2]
F 
L
2 d
2
– 星から離れるに従って、明るさが減る
– L:星の光度(全放出エネルギー) [erg/sec]
» 「流束」のことですね
絶対等級
• FLUXの式からわかるよう
に、星の明るさは距離に
よって変わる
• そこで、星までの距離を
10pcにしたときの明るさを
考える
– 「絶対等級」
– 1pc=3.26光年
FLUX→絶対等級
• FLUX(明るさ)と等級の関係
– 1等星と6等星は明るさが100倍違う
fluxA

5
BA
100
fluxB
–
–
–
–
fluxA:求めたい星のフラックス
fluxB:観測されるフラックス
A:本来の等級(絶対等級)
B:実視等級
fluxA、fluxB、Bが
わかっていれば、
絶対等級Aが求まる
 fluxA 
A  B  log 

2
 fluxB 
5
比較星を使う
• 今回の星は明るさの変化する“変光星”
⇒単純に計算できない!!
→変光星じゃない星“比較星”を使って計算
 fluxA 
A  B  log 

2
 fluxB 
5
–
–
–
–
fluxA:求めたい星のフラックス
fluxB:比較星のフラックス
A:求めたい星の等級
B:比較星の等級
比較星
変光星RZ Cas
※ 比較星も
測光する
.fits.mag.2という
ファイルもできあがる
比較星
i等級:10.84
全ファイルを測光
• 全部のファイルで測光し
ましょう!!
• 画像を表示「disp」
↓
測光「phot」
の流れを忘れずに!!!
• RZ Casのための.mag.1、
比較星のための.mag.2
ができればOK!!!!
Excelとかで計算!!
• こんな面倒くさい計算、いちいちやってられる
かっ!!!ってことで、Excelとかの表計算ソフトで計算し
ちゃいましょ
• いや、待てよ・・・FLUXの値、メモるのも大変じゃん!!
何かいい方法はない?ドラ○も~ん!!
• もう、仕方ないなぁ、の○太君。「pdump」を使うのさ
• 「pdump *.fits.mag.1 “IMAGE,FLUX” yes > mag1.txt」
– 全ての.fits.mag.1とつくファイルのFLUXの値と名前を
mag1.txtに入れる
→txtファイルなら、windowsでも開ける
– *.fits.mag.2も同様にやろう!!
計算結果を図にしよう
~ライトカーブ~
• 横軸:時間、縦軸等級にしたグラフ(ライトカーブ)
6
6.2
等級
6.4
6.6
6.8
7
7.2
7.4
54755.85
54755.9
54755.95
mjd
54756
• こんな図ができればOK
• このライトカーブから、さまざまな物理量が求まる!!
• 詳しくは調べてください
おしまい
おまけスライド
なんで中央値??
• “宇宙線イベント”という
ものがある
• 宇宙線とは、「高エネル
ギー・高速(ほぼ光速)
の粒子」
– 1次宇宙線と2次宇宙線
• 2次宇宙線のμ粒子が
CCDのピクセルに当た
ると、電荷の影響で光
が検出されたように見
える
なんで中央値?? 2
• 宇宙線イベントは他のイ
ベントより高い値になる
→全体の平均が高くなる
⇒本来とりたい平均値に
ならない
• そこで、中央値をとること
で、本来の平均に近い値
にする
高
宇宙線イベント
カ
ウ
ン
ト
数
低
全体の平均
中央値
タスク・パッケージ
• IRAFには、仕事(コマンド)である“タスク”がた
くさんある
– imarithやimcombine、disp
• そのたくさんあるタスクを集めたものが“パッ
ケージ”
– ある場面でよく使われるタスクを集めたもの
• 測光観測なら、測光で使うタスクを集めたパッケージ
• 分光観測なら、分光で使うタスクを集めたパッケージ
– noaoやdigiphot、apphot
filesコマンド
• filesのタスクについて、詳しく説明
• 「files ○△□*.fits > ○△□.list」
– ○△□とつくfitsファイルを○△□.listに入れる
– listの中には、 ○△□~.fitsがいっぱい
• ちょっとした応用
• 「files ○%△%×%□*.fits > ○×□.list」
– ○△□とつくfitsファイルを、○×□とつくfitsファイルにし
て、○×□.listに入れる
– listの中には、 ○×□~.fitsがいっぱい