Transcript シエラレオネ内戦
目次
超概略(別添簡易年表、参考文献の参照を強く推奨!)
内戦後のDDRの紹介
Wikipedia
より。
内戦概要:始まり
91年3月 反政府勢力 RUF
RUF:
がリベリアより侵攻。
シエラレオネ人過激派学生・リビアで訓練を受けた活動家で創設
後に元国軍伍長のサンコーが頭角を現し指導権を確立。
背景:
政府高官がダイヤ収益私益化、地方の公共サービス停滞
一党独裁体制により、政府への要求の具現化が不可能
内戦概要:初の和平合意
96年11月 カバー大統領とサンコーがアビジャン和平協定
しかし前線・末端では紛争が継続
背景:各々の指揮体系の歪み
大統領側:
主力戦力=地方の民兵(カマジョー)や民間軍事会社
指揮が完全には伝わらず
RUF側:
そもそも組織として指示や命令が伝わらない
後にサンコーがナイジェリアにて武器不法所持により逮捕。
内戦概要:2回目の和平合意
99年7月 ロメ和平協定が締結
しかし武装解除は進まず紛争が散発
背景:RUF側の反発
ロメ和平協定:ナイジェリア, イギリスの強い働きかけによる
サンコー(当時死刑判決):RUF内部の意見集約失敗
RUF内部: 外部押し付けによる和平合意に反発。
武装解除拒否
一時国連ミッション要員を拘束
内戦概要:3回目の和平合意
2000年11月 アブジャ和平合意
(カバー大統領とイッサ・セゼイ新RUF代表)
和平合意のもと、武装解除が進む
成功の背景:国際社会によるリベリアへの圧力
リベリア:それまでRUFヘ経済・軍事支援
RUFが占領していたダイヤモンド鉱山が狙い
経済制裁により支援減額
RUF:リベリアからの支援減額により活動縮小
内戦概要:終結、その後
2002年1月 武装解除、一段落。戦闘状態終了宣言。
その後2007年、2012年と選挙
大きな混乱は無く、平和裡に選挙を実現
内戦概要:紛争の特徴
民族的、地域的、宗教的な対立面の希薄さ
「紛争ダイヤモンド」問題
RUFがダイヤモンド鉱区を占拠。
独自に、かつリベリアを通じてダイヤモンドを売り資金源に。
多様なアクター
RUF:特定の民族・地域・宗教で構成されてはいない
ECOMOG、民兵、民間軍事組織などの関与
市民への暴力の残虐性
紛争概要:残虐性
RUF:一般市民の四肢や耳を切断(組織的)
背景:
RUFが政党化されていない選挙への投票を威嚇・抑制
そもそもならず者の集まり(薬物・アルコール漬け)
社会から阻害された過去から政府だけでなく市民も敵視
目次
超概略(別添簡易年表、参考文献の参照を強く推奨!)
内戦後のDDRの紹介
シエラレオネDDR
2001年5月以降、本格化
当時そのユニークさが買われ、高く評価(後述)
2004年以降に新たな手法も導入(後述)
シエラレオネDDRの新しさ
ストップギャップ・プログラム(Stop-gap Program)の実施
Rの難しさ:職業訓練の登録、支援に時間を要する。
兵士の不満、ひいては現地住民の不安が高まる。
同プログラム:兵士に短期的なインフラ関連労働に従事
兵士達にとりあえずは現金収入を与える
インフラの整備を進める
コミュニティメンバーとの恊働
DDRのさらなる進展
DDR全般における問題点:加害者のみが得をする
加害者:市民に暴力、略奪などを行ってきた
⇔罪は問われず、かつ仕事を得る
被害者:特に賠償は無し、就労支援に参加できず
進展:Arms for Development (AfD)
(従来:Arms for Money)
Arms for Development
AfD:コミュニティ全体で、武器を基準量提供
→コミュニティが希望する復興支援を受ける
コミュニティ全体への支援が可能
被害者、加害者の格差軽減
シエラレオネでは2004年より導入
シエラレオネの場合は、コミュニティの全武器が対象
論点
DDR(内戦)の“impunity”をどう思いますか?
Impunity:免責、不処罰
内戦・虐殺の加害者がしばしば何の罰も受けずに生活
背景:
費用・スピード性
内戦の交渉条件
対応:真実和解=コミュニティレベルで事実を確認
何か有効な解決策、改善策はあるだろうか。
参考文献(DDR部分)
デスモンド・モロイ『武装解除・動員解除・社会再統合
(DDR)—ある国連スタッフの回想—』落合雄彦編「アフ
リカの紛争解決と平和構築 シエラレオネの経験」、昭和
堂、2011年。
徳光祐二郎『平和構築からみたシエラレオネのDDR』落合
雄彦編「アフリカの紛争解決と平和構築 シエラレオネの
経験」、昭和堂、2011年。
瀬谷ルミ子『平和構築におけるDDRの成果、限界と今後の
役割—日本の支援の道—』、HIPEC研究報告シリーズ(5)、
2006年。
※:論点に関しては独自で書いたので、参考文献ありませ
ん。
参考文献(紛争概要)
六辻彰二 「シエラレオネ内戦の経緯と課題 1991-2001」『ア
フリカ研究』80号(2002年)、139-149ページ。
落合雄彦『シエラレオネ紛争史年表』武内進一編「アジ
ア・アフリカの武力紛争 共同研究会中間成果報告書」ア
ジア経済研究所、2002年。
落合雄彦『シエラレオネ紛争における一般市民への残虐な
暴力の解剖学—国家, 社会, 精神性—』武内進一編「国家・
暴力・政治—アジア・アフリカの紛争をめぐって—」アジ
ア経済研究所、2004年。