Transcript 連続繊維シートによりU字型補強したRCはりのせん断耐荷性状に関する

Ⅱ-23
連続繊維シートによりＵ字型補強した
ＲＣはりのせん断耐荷性状に関する検討
151032
151062
151074
151075
151193
小鴨
昌史
郡
央行
斎藤
卓也
斎藤
友太
吉川 多可志
2007．2.7
研究背景
• わが国の橋梁は高度経済成
長期に造られたものが多い
• 寿命を50年とした場合架け替
えの必要な橋梁が年々増加
• しかし…架け替えコスト大
→近年の社会情勢では困難
支承
補修・補強で延命
貼付形状がせん断耐荷性状に及
ぼす影響については、まだ検討
の余地が多いように思われる。
Ｕ字型
閉合型
研究目的
シートによるRCはりのせん断補強に関して、
貼付形状および部材寸法に着目した検討を行った。
貼付形状に着目
U字型および閉合型のせん断補強が
RCはりに及ぼす影響
部材寸法に着目
U字型補強したRCはりの部材寸法と
シートの分担力との関係
実験概要
供試体概要
スターラップ シート貼付方法
NS-0
×
シート無し
NS-10F
×
閉合型
NS-10U
×
U字型
供試体寸法
実験意図
U字型および閉合型の
150×350×2500(mm)
S-0
○
シート無し
せん断補強がRCはりに
S-10F
○
閉合型
及ぼす影響の検討
S-10U
○
U字型
SE-S
○
110×375×2400(mm)
部材寸法とシートの
200×670×4100(mm)
分担力との関係の検討
U字型
SE-L
○
供試体形状(NS・Sシリーズ)
<10U>
ゲージ長　：　10mm @50mm @20mm
12' 11' 10' 9' 8' 7' 6' 5' 4'
3'
2'
ゲージ長　：　5mm
20mm
@20mm @20mm
1' 0 1
2 3
4
5
6
7
<10F>
30mm
8
9
10
11
12
A
B
C
D
200
<S>
D22
200
200
200
200
200
200
200
D10
PCΦ26
<NS>
D10
自由
端部
125 125
143
200
357
200
〈U字
型〉
200
357
200
143 143
200
357
オーバ D22
ラップ
357
143
(閉合)
〈閉合型〉
125 125
供試体形状(SEシリーズ)
210
ＳＥ－Ｌ
210
250@8=2000
3
SD295A D10
SD345 D25 150
SD295A D10
SD345 D25
250
250
35 40 35
110
3
6
9
6
150
300@12=3600
300@12=3600
支間長：3600mm
9
12 15
50
210
主鉄筋比210 3540 35
1980<SE-S>
250@8=2000
110
せん断補強筋比
支間長：1980mm せん断スパン比
シート補強量比
125
1980
5供試体寸法比率
7
SE-S：SE-L=1：約1.8
<SE-S>
50255025
25 25
50
670 670
SD295A D6
SD345 D16
30 30 285 30
375
2
SD295A D6
SD345 D16 125
2
5
7
30 30 285 30
375
ＳＥ－Ｓ
12 15
<SE-L>
<SE-L>
5010050
250
5010050
250
200
200
同
程
度
載荷状況載荷方式
1点集中荷重方式
高感度変位計
SEシリーズ
実験結果及び考察
荷重－変位(Sシリーズ)
500
12' 11' 10' 9'
斜めひび割れ
95.1KN
曲げひび割れ
25.2kN
8'
7'
6' 5'
4'
3'
2' 1' 0 1
2
3
4
5
A
S-0
シート破断
南側
400
B
6
7
S-0
8
9
10 11 12
S-10F
C
荷重 (kN)
D
曲げひび割れ
斜めひび割れ
S-10U
シート剥離
S-10Uがシート剥離により
108.8kN
131.3KN
最大荷重：313.5kN
斜め引張破壊
曲げひび割れ
斜めひび割れ
S-10Fは、供試体上縁部で
斜め引張破壊
斜め引張破壊に至るまで、
71.3kN
101.0KN
S-10U、S-10Fともに、
S-10F
S-10Fシートが定着しているため、
荷重－変位関係は
340kN付近で
南側
S-10U
南側 シート破断により破壊に
ほぼ同じ挙動を示した.
南側
せん断補強筋降伏
最大荷重：460.8kN
至るまで荷重が増加した.
300
12' 11' 10' 9'
8'
7'
6'
7'
6'
5'
5'
4'
3'
2' 1' 0 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12
A
B12' 11' 10' 9'
A
B
200
8'
4'
3'
2' 1' 0 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12
C
D
C
D
最大荷重：377.2kN
100
0
0
10
20
30
40
50
60
変位 (mm)
70
80
90
100
シートひずみ比較箇所
シートひずみ分布図
ひずみ量は、S-10Uがシー
＜S-10F＞
0
10U
両供試体最大荷重時
12'
11' 10' 9' 8' 7' 6' 5'10U
4' Pmax(377.2kN)
3'(260.1kN)
2' 1' 0 1ト剥離に至るまで、概略同
2
3 4 5 6
7 8 9 10 11 12
A 50
B
10F
10F　(260.1kN)
(380.1kN)
程度であった。
S-10U最大荷重時その後
せん断補強筋降伏時
D
せん断補強筋降伏前
150
S-10Fのひずみが
＜S-10U＞
200
急激に増加した。
供試体高さ (mm)
C100
12' 11' 10' 9'
8'
7'
6' 5'
4'
3'
2' 1' 0 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12
よって
A 250
B
ひずみ (μ)
10000
9000
8000
6000
5000
4000
3000
2000
1000
350
0
D
閉合型補強の効果は、U字
型補強シートの剥離以降に
発揮することを示唆している。
7000
C300
荷重ー変位関係(SEシリーズ)
1
700
主鉄筋
主鉄筋降伏
降伏
0.9
600
0.8
曲げひび割れ
斜めひび割れ
斜めひび割れ
曲げひび割れ
25.1 曲げ破壊
kN
98.0 kN
グラフを無次元化
12' 11'10'
8' 7' 6' 5' 4' 3'
2' 1' 0 1 2　3 283.0kN
4 5 6 7 8 9 10 11 12
曲げ破壊
9' 118.8kN
500
0.7
荷重
(kN)
P/Pmax
SE-S
SE-S
SE-L
SE-L
0.6
400
A
・載荷開始から、SE-Lが破壊に至る
SE-S
B
最大荷重に
SE-L
C
まで両供試体の変形挙動はほぼ同
南側
D
3倍程度の差
南側
荷重除荷
両供試体を同レベ
じ傾向を示した。
最大荷重：189.7ｋN
最大荷:189.7kN
最大荷重:612.0kN
ルに置き換える
・荷重下降時の相対変位に差が生じた。
主鉄筋
21' 20' 19' 18' 17' 16' 15' 14'
13' 12'
11'
10'
9'
8'
7'
6'
5'
4'
3'
2'
1' 0 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
A
B
0.5
C
D
300
0.4
E
F
G
H
0.3
200
0.2
降伏
100
0.1
0
0
0.5
10
1
1.5
20
2
30 2.5
δ/a
(%)
変位
(mm)
両供試体の変形
340
3.5
50 4
挙動の検討
シートひずみ比較
シートひずみ比較箇所
SE-S
主鉄筋降伏前
降伏時
初期 シートひずみから最大荷
21.7
(kN)
VVcfcf/ Vmax
SE  S :

S 3.67N/mm2
2.74N/mm2
4.60N/mm2
重におけるシート1組の
Vmax 94.9 (kN)
L 3.66N/mm2
2.71N/mm2
4.57N/mm2
12' 11' 10' 9'
8'
7'
6'
5'
4'
2'
3'
1' 0 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
A
0.9
B
分担力割合を算出
0.8
D
V0.7 cf 41.5 (kN) ・同せん断力の最
シート1組の分担力
SE  L : 0.6 
大ひずみは概略
SE-S：23%
SE-L：14%
Vmax 306.2(kN)
最大せん断力(P
/2)
max
0.5
せん断スパン中央付近
同程度。
SE-L 0.4
0.3
SE-Sの方が1.7倍程度
・両供試体とも明ら
0.2
大きい結果となった
かな剥離なし。
0.1
ゲージ位置 / 供試体高さ
C
21'20' 19' 18' 17' 16' 15' 14' 13' 12' 11' 10' 9'
A
B
C
D
E
8'
7'
6'
5'
4'
3'
2'
1' 0 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20 21
F
G
H
0
0
500
1000
2500
3000
3500
シート分担力に部材寸法
ひずみ　(μ)
の影響の可能性有り
1500
2000
まとめ
Sシリーズ
せん断耐荷性状に及ぼすシートの貼付形状の
違いは、シート剥離が生じるまでは見られず、
シート剥離後、閉合型にした効果が発揮される。
SEシリーズ
せん断補強シートの荷重分担性状に部材
寸法が影響する可能性があると考えられる。