豊森・コミュニティーとは何か

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Transcript 豊森・コミュニティーとは何か

コミュニティーとは何か?!
認定NPO法人
共存の森ネットワーク
澁澤 寿一
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地域の自立(昭和8年)
まず大切なこと、心の自立(何を大切と思う社会か)
①隣保相助の精神、産業経営と日常生活の再建、
集落永遠の共存共栄(心と物の持続可能性)
②個人の利害や感情に支配されない協調(一つの家族)
③残った資源を全て次世代の教育に(次世代)
次に大切なこと、
・食料の確保・エネルギーの自給・教育の構築
・産業(漁業)の再建と新たな試み(養蚕)・医療の充実・・・
↓
そして、自分たちの力で再建と自治をつくる覚悟
(石碑に記す)
地域の自立(現代)
食・水は自衛隊、エネルギーは電力会社と国、教育は国、
医療と福祉も自治体が用意してくれて当たり前
これらの自給・自治に関しては・・・思考停止状態
生産と消費の乖離(命の臍の緒は何処につながる!?)
そして、「お金」はやはり必要、しかし「お金だけ」ではダメ
(今回の震災から見えた、現代の日本)
↓
地域の暮らしは何で支えられるか?
絆・祭り・自治・隣保相助・・・
創り上げるもの(被災地から)
食・水・エネルギー・教育・医療・福祉(相互扶助)の自治
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「お金」は必要、しかし「お金だけ」ではダメ。
↓
自治の暮らしは何で支えられるか ・・・ 関係性
(絆、相補、連携、共同体、世代と世代のつながり、
祭り、知恵、技術、幸福度、慈しみ、赦し、愛・・・)
(人と人、人と自然、世代と世代)
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子供たちの暮らす社会を創り出す喜び→自治への誇り
(今までと違う、新たな価値観)
雑貨屋
「ありがたさ」と「煩わしさ」の狭間
(こころの立ち位置)
村の暮らし
現代の暮らし
「ありがたさ・温かさ・煩わしさ」
・人間の信頼
・相互扶助、隣保相助、
絆(きずな)
・村人は家族の延長
・強固なコミュニティー
・自然と一体な暮らし
・プライバシーより共同体
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不便だが温かい社会
「快適さ・冷たさ・無関心」
・個人の世界
・行政サービスの完備
(お金を払えば)
・システムへの過度の信頼
・隣の住人の顔も知らない
・自然と暮らしの乖離
・プライバシーの尊重
↓
便利だが冷たい社会
↓
関係性の再構築の必要性
(人と人、人と自然、世代と世代、地方と都市)
日本の社会
農民の国日本
生きていくために必要なのは自然の量と質(ex.栗一町家一軒)
明治初年、就労人口3300万人のうち3000万人が農民(ねばり強さ、勤勉)
生活は貧しい、生きることが最優先→協同の力を生み出す→慣習(慣習は
法律でつくられたものではなく、生きていくために生み出された知恵)→
知恵の伝承→人々の心や考え方に刷り込まれる→今日の地域社会
無理に人を集めてつくられた都市
統治者(権力)の発生→町の形成
農村からのあぶれもの+農村からの徴用+地方の豪族を呼び寄せる
雑役(雇用)の発生+敗残者+身障者→河原者(芸能、庭師・・)
計画的な都市の誕生(江戸、武家屋敷68%+寺社16%+商人町16%)
村の成り立ち
・条里制の導入(大化の改新645年)→
租税収集(現在の水田の1/4 が千年前に形成)
・中山間地の村 →百姓の協働作業の村
・豪族の開墾・支配→延喜式「式内社(一宮など)」の成立→荘園
→庄屋(親方)の発生
地域から見ると上記の村が入れ子状態→村の格式の発生(嫁は川下からもらえ、
天領の村、穢多・非人・被差別部落)→都会人の優越感
境界争い、水争い、漁場争い、入会地(草刈り場)の利用→
渉外職(立合)から村長に(秩序の形成・自治の芽生え)
神社・寺を中心にした連合
宮座や講が自治機能に(武士が戦に明けくれた時の社会保障機能)
信仰による連合→万人講(牛馬の弔いと購入費用、保険機能)
いとこ結び、親分子分、若者宿(個人レベルの安全保障)
婚姻関係
村内の通婚の最小単位(50戸)→取り持ち役の存在→顔も見ないで結婚
見知らぬところへ嫁・養子に行くことに抵抗感なし(生きていくことが最優先)
村と村の連合(だいたい12~20キロ圏)→孤立した村の存続の難しさ
人口の配分
・堕胎、間引き(今日は中絶)→耕地と戸数のバランス(年寄り夫婦、戸主夫婦、
子供二人の6人家族が基本)→生きていくことが最優先・身体性
・二男・三男の行方→養子、嫁をとらせず分家もさせず(おじ、おば)、
下男として奉公、移住(開墾)、出稼ぎ→都市はその受け皿
共同作業
村は同じ仕事をしている人たちが、一所に住んだことから始まる(同業者集団)
→季節、テンポ、内容が重なる
→共同作業(薪取り、副食づくり、漁や猟、共有地の利用)や屋根葺き道普請が
年間150日(1950年、年間労働日数280~300日)+労働の交換(結<ユイ>・・
田打ち、田植え、稲刈り、草取り、屋根葺きなど)
歩調を合わせた村の暮らし
同業者集団だから成り立つ慣習→稼ぎ(役人、教諭、軍人、出稼ぎ・・)の
発生、太陽暦の導入→公役の免除、代理出席→金銭授受での解決→
コミュニティー維持の困難さ→若者の参画、祭り、寄り合い、隠居
親方・子方の相補関係→貧しさから抜けられない子方→子方の独立
(農地解放)→公共事業、伐採、養蚕(稼ぎの発生)→権利の主張→
離村(人口の減少)→共同体の崩壊
村八分(葬式と火事以外は付き合いを断つ)
・共同体の崩壊を食い止めようとする力→法律の普及、権利の主張
・八分にされた者→掟に従わないわがまま者、公役を務めない、
祝儀不祝儀の付き合いをしない、休みの日に休まない、
共有山の勝手な利用、他人の田畑を荒らす、犯罪者、姦通
・八分に頼らない解決法の模索
村の結合から人の結合へ(いろいろな講)
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互助組織・・・弔い講、葬式組
宗旨つながり・・・念仏講、観音講、大師講・・
経済補助・・・頼母子講、無尽、萱講、普請講、船頼母子、膳椀講、布団講
親睦・・・太子講、恵比寿講・・
観光・・・伊勢講、秋葉講、羽黒講・・
結仲間・・・交換労働
親分子分(村では消えかかり、政治とヤクザの世界に残る慣習)、
若衆宿(寝屋子)、烏帽子親・・
世間体(結合の呪縛と解放)
「有難さ」と「煩わしさ」の塩梅(あんばい)を探し続けた日本人
都市での出世、故郷に錦を飾る→
「ざま-見ろ!」でも、切れない臍の緒
群れから離れる(木地師、漁民、芸能人、ヤクザ、出稼ぎ・・)
・生きることが難しい時→結束、絆
・生きることが安易な時→自由、個人
社会保障と消費税、都市と地方、世代と世代、神と人(今日的
課題)
映像(裸の島)
人は群れて住む
一家族だけで自然の中で暮らせるか
自給自足の暮らしの誘惑と実態
(病気、教育、農業用水の確保、田植え、草取り、
稲刈り、獣害、外敵・・・そして家族は歳をとる)
→声が聞こえるところで暮らす